Fate/EXTRA ava   作:後ろに敵が

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――決戦どうしよう。


六日目

――決戦前日。

 

一回戦二回戦以上の緊張感が校舎全体を包み込む中、俺とマスターは廊下を歩いていた。

周りを見渡せばその場から動かないもの、緊張からかうろうろと歩いているもの、中にはもう諦めているのか空を見上げ放心しているものもいる。やはり二回程度やったぐらいで、この決戦前日という時間にはなれないらしい。マスターも、それに関しては例外ではないようで緊張しているようだ。いつもと違い、雰囲気が鋭いというか……いや、マスターの場合、鋭いというより柔らかくないと言ったほうが正しいか。まあ今この月では戦争が行われているのだから柔らかい雰囲気を出すのは、決戦前日ではなかったとしてもおかしな事なのだけれど。――なんだか、遠坂がいつも緊張感がないと言っていた気持ちがわかった気がした。

 

――ここまで、マスターが鋭い雰囲気を、緊張感を持っているのは決戦前日だからだという体できたが、おそらくそれだけではないだろう。

敵マスターのこと、ありすのこともマスターを悩ませ、そして緊張感を持たせる要因となっている。それは正体が謎だった彼女に一歩近づいたからだ。

 

――キャスター。

 

これは、相手サーヴァントのクラスであり正体だ。

そもそも、俺はキャスターという存在がこの戦争で勝てることは少ないと思っている。理由は、キャスターの性質故のことだ。

キャスターはステータスも低く、近接戦闘に向かない。ここまでならアーチャーも同じ(弓のみを使うアーチャーはという但書がつくけれど)だ。どちらも遠距離攻撃が得意なのも同じ。しかしアーチャーと違いキャスターの遠距離攻撃は魔術によるものだ。魔術を無効化する対魔力のスキルを持っている奴が少なくない数いる聖杯戦争において、そもそもキャスターという存在そのものが既に不利な立場にある。

しかし本編の、staynightのキャスターが弱いと思った人間はおそらくいないのではないだろうか?事実彼女は強く、他のサーヴァント達相手にも引けをとらなかった。なぜか?それはもうひとつのキャスターの特徴が起因している。

 

――陣地作成。

 

自分にとって有利な地を作りそこに篭城する。これが、キャスターの行う最も強い戦術だろう。つまりは普通キャスターが圧倒的に不利ということはないはずなのだが――

問題はこれが月の聖杯戦争だということである。

毎回フィールドが変わり、毎回一騎打ちをし、毎回正面からの戦いを強いられるこの戦争においては、その力が発揮されることはない。――裏を返せば、どこでも好きな場所に、自分の空間――つまり固有結界を作り出せるやつは、自分に有利なフィールドで戦えるということなのだが……それに月の聖杯戦争になったときに不利になるのはキャスターだけではないし……

 

――とここまでキャスターの欠点や弱点、不利な点を挙げてきたものの、それは所詮普通の、通常のキャスターであった場合の話だ。例外もいいところのありすたちに通じるものではない。それに――

 

――ステータスが低い俺のようなサーヴァントは、月であれなんであれ結局不利なことには変わらないのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「決戦前日か……」

 

明日決戦があるという現実だけでなく、周囲の決戦前日独特の雰囲気が私を飲み込むように存在する。飲み込まれないまでも、それが満ちているこの校舎において、意識しないというのは無理な話。……意識している時点で、それは「飲まれた」ということなのかもしれないけれど。

 

「――マスター。これからどうする」

 

「……これから、か」

 

「ああ、とりあえず暗号鍵(トリガー)の取得は終えているわけだしな。今日一日を明日への準備に使えるわけだが……」

 

「うーん」

 

私が思いつくことなんて、とりあえずアリーナに行くことぐらいなのだけれど……でも作戦を考えるぐらいはしておくべきかも知れない。今までは全部セイバーが考えてくれたとは言えこれからも全てセイバーに任せるわけにもいかないだろう。そんなことをしてしまえば、私は私を許すことができなくなる。――いつもセイバーに迷惑をかけてばかりなのだ。肉体的な、魔術を用いたサポートはあまりできるとは言えない。だからこういう頭脳的な面でのサポートをしていきたい。生き残る方法を考えて、勝つための活路を見出し、良い結果を収める。

 

――と、そういえば。

 

「――セイバーって、後いくつぐらい武器あるの?」

 

私がそう聞くと、セイバーは首をかしげこちらを見る。

 

「ほら、セイバーって剣に槍に短剣に弓にと色々使うでしょ?だからちょっと気になって」

 

「持っている武器、か」

 

「そもそもあんなに宝具持ってることってすごいことなんじゃないかな?」

 

「……この程度の情報ならいいか。いいぞ、教えても」

 

「いいの!?やった!」

 

――まさか本当に教えてくれるとは思ってなかった。ダメでもともとのつもりで聞いたんだけど……少しは私のこと認めてくれたってことなのかな?だとしたら嬉しいんだけど。

 

「――まず、一つマスターは勘違いしている」

 

「勘違い?勘違いってどういうこと?」

 

「確かに俺は多くの武器を持ち、それぞれが宝具としての効果を持っているが実はあれは一つの宝具なんだよ」

 

――全ての武器が、一つの宝具?

 

それは、姿や形、能力までを変化させる宝具ってことなのかな?状況に合わせて形状と能力を変える宝具、特別あってもおかしくはない。

 

「いや、そういうことじゃなくてな。全部の武器で一セットってことだよ。ま、双剣が二本で一対なのと同じでな」

 

「……つまりいくつかの武器全てを合わせて一つの宝具、ってこと?」

 

「いくつもの武器という宝具、と言ったほうがわかりやすいかもしれないな」

 

――いくつかの武器という宝具。

 

それは臨機応変に戦うことができる宝具ということなのだろう。だとすれば、それは随分と強力な宝具だ。セイバーのように戦闘の状況に合わせて武器を変えれば常に優位な状況に立てるし、こと聖杯戦争においては、相手の情報の攪乱も狙える。――まさしく一石二鳥といったところか。

 

「――で、聞きたいのは宝具の、武器の数だろう?」

 

「そうそう、今のところ私が知ってるのは四つなんだけど……後何個ぐらいあるの?」

 

「――三つ、だな」

 

「三つ?」

 

「ああ、さっきまで話していたいくつもの武器という宝具()七つの武器の宝具なわけだ」

 

――七つ。

 

宝具の数としては破格の多さである。今のところ四つ使っているわけだが、それでようやく半分だ。その数を考えるに、余裕はまだまだ――

 

「ちなみに、これにも宝具の名前があってな。七つの武器をまとめて、一つついてる」

 

「――真名、ってこと?」

 

「ああ、そうだよ。全ての武器を総括した名前こそが――」

 

 

 

 

革命七手(seven ava)

 

 

 

 

 

 

 

本日の成果

 

セイバー 特になし

はくのん セイバーの情報マトリクスゲット!




……決戦のために今回は短め。決戦のクオリティがどうなるやら。

そういえば、今回セイバーの宝具の名前が出たわけですが、読み方は『セブン アヴァ』ですのであしからず。……そういえばタイトルも『フェイト エクストラ アヴァ』なんだけどみんな読めてるのかな……?

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