いつもはここだけスマホで書いていたのですが、もう少し長くしたいなぁ、ということで完全PC投稿へ。
初戦闘!私の中でも初めてなので、拙い部分もあると思いますが楽しんでいっていただければ幸いです!
……英霊はやはり強い。
昨日、最初ということで早々に立ち去ったアリーナで私が理解したのはそれぐらいのことだった。
ステータスは低下しているとのことだが、やはり英雄としての経験がそれをカバーしているということなのか圧勝どころか完勝と言ってもいいほどの戦闘を繰り広げていた。
そういえば、セイバーの正体は一体なんだろう?
戦闘を見て、さらに気になってきた。
戦闘を見ても、何処の英雄かすら分からなかった。実力から言って、かなり有名どころだと思うのだけど、中剣を使う英雄なんていただろうか?
なんて、考えこんでいると……
――ピリリ、ピリリ、ピリリ。
電子音。
無機質な電子音が教室中に鳴り響いた。
どうやら、ポケットにしまっていた携帯端末から出ているらしい。
取り出してみると、画面に何やら文字が。
:2階掲示板にて、次の対戦者を発表する
対戦者の発表。
この戦い、つまりは一騎打ちの相手を知らされる、ということだろうか。
とにかく、2階の掲示板へいくとしよう。
二日目、ようやくマスターと俺の対戦相手が決まったわけだ。
……まぁ、相手が誰か、俺は知っているんだが。
原作知識というのは便利なもので、特に情報がものを言う聖杯戦争という戦いではかなりのアドバンテージとなる。
そりゃ、既に相手のサーヴァントの真名、ステータス、スキル、宝具と知っているのだ、これで有利にならないわけがない。
そういえば、ステータスで思い出したが、自分のステータスやスキル、宝具を見ることは出来た。
しかしその見えたものにも、問題があった。
――効果が分からないものがある。
もちろん、セイバーがもつ騎乗や対魔力の効果はわかる。しかし、名前を聞いたことがないものもあるのだ。
本編、つまりはstaynightの知識だけだと、赤セイバーの皇帝特権ってなにさ?みたいな感じ。
そして効果を知っているものの、意味が分からないものがあった。異常、といえば異常なのかもしれない。
――狂化のスキル。
理性と引換にステータスを大幅に引き上げるスキル。
基本的に、バーサーカーのサーヴァントがもつスキルであり、それ以外が持つ例は数少ない。
その数少ない例を上げるとするならば――
「セイバー?」
おっと、考え事してる場合でもないか。
そう、実際そんなことを悩んでいる暇はない。まずは目の前の敵をどうするか、なのだから。
「じゃ、掲示板見に行こっか?」
俺は一つ頷き、マスターの後ろをついていくのだった。
端末からの指示に従って掲示板の前に来てみると、掲示板には見慣れない1枚の紙が張り出されていた。
恐らくあれに私達の対戦者が書かれているということなのだろう。
真っ白な紙に書かれているのは二人の名前。
一つは私の名前で、もう一つの名前は――
マスター:間桐慎二
決戦場:一の月想海
「へぇ、まさか君が一回戦の相手とはね」
本戦にいるだけでも驚きだったけど。
そう言いながら、慎二が私の隣に立った。
「けど、考えてみればそれもアリかな。僕の友人に振り当てられた以上、君も世界有数の
……そうなの?
いや、記憶がないからなんともいえないんだけど。
「格の違いは歴然だけと、まぁ楽しく友人やってたワケだし、一応言っておくよ」
おめでとう。
慎仁はそう言って言葉を一度切った。
……格の違いは歴然、か。
否定できない言葉を、慎仁は私に言った。
マスターとしての力の差と言ってもいい。
「――そういえば、君、予選をギリギリで通過したんだって?どうせお情けで通してもらったんだろ?いいねぇ凡人は色々ハンデつけてもらってさ」
――でも本戦からは実力勝負、勘違いはよくないぜ?
慎二がそういった瞬間、後ろからぎり、と言う音がした。……セイバーか。いやまぁ怒りたくなるのも分かるけどね……
「けどここの主催者も、なかなか見所があるじゃないか。いかに仮初の友情とはいえ、勝利のためには友を手にかけねばならないとは!ホント、一回戦から盛り上げてくれるよ。」
慎二は陶酔したような顔で叫ぶと、いつものニヤついた顔に戻って、こちらの肩をポンと叩いた。
「ま、正々堂々と戦おうじゃないか。大丈夫いい勝負になると思うぜ?君だって、選ばれたマスターなんだから。それじゃ次に会う時は敵どうしだ。僕らの友情に恥じないよう――」
――いい戦いにしようじゃないか!
そう言って慎二は私に背を向けて立ち去っていった。
……慎仁とそのサーヴァントと戦う。
幾度復唱しても、それが実感を伴うことはない。
実感のないただの言葉。
理由も、目的もないまま友人だった人間と殺し合う……?まるで、悪い夢のようだ。
慎仁がこの状況にうかれているなら、私はこの状況にうなされている――
マスターがこの状況にうなされているなら、俺もまた、この状況にうなされている。
「遅かったじゃないか岸波。あまりにモタモタしてるから、僕はもう
――ついに来た。
「あははっ、そんな顔をするなよ?才能の差ってやつだからね。うん、気にしなくていいよ!」
――俺が、本物の英雄と戦うときが。
「ついでだ、どうせ勝てないだろうから、僕のサーヴァントを見せてあげるよ」
――どうせ勝てない、ね。
――それは、当たり前といえば当たり前。
――なにせ俺の戦いは強力なスキルで作られた戦いだ。
「蜂の巣にしてやってよ、遠慮なくさ!」
――俺のスキルだけで勝てるかはわからない。
「もう終わりなのかい?アタシとしちゃ、アンタの友達をもうちょい見ときたいんだが」
――俺のステータスで勝てるかはわからない。
「なに言ってんだよ!?こいつはただの敵だ!そんなこと言ってないでさっさと戦えよ!」
――俺の宝具で勝てるかはわからない。
だけど――
「ははっ、オーケーだよシンジ。」
相手のサーヴァントが一歩前にでるのに合わせ、俺も前にでる。
あぁ、そうだ。負けない。
だって負けたら――
「この体持ち主に、顔向けできねぇよなぁ……」
「うん?なんかいったかい?」
なにも。と首を振り、俺は……
――そう、だな。相手を見習って、攪乱といくか。
俺は武器を取り出した。
「へぇ、こりゃまた、随分分かり易いのを使うねぇ」
手に持った銃をいじりながら、敵は、彼女はそう言った
まあ、そうだろうな。いや……
――それを狙ってるのだから、なってもらわないと困る。
なにせ、俺が持っているのは――
「槍」
一言で槍と言っても色々ある。
形状で分けられるそれらの内、セイバーが取り出したのは素槍。まぁ、ストレートスピアと呼ばれる、最も単純な槍である。長さは目測で2mといったところか。素槍の中でも比較的短い部類――
ってそうじゃない!セイバーは剣を使うからセイバーであって槍を使ったらそれはまるで――
そこで、セイバーの、説明のときに話された言葉を思い出す。
『剣を扱うアーチャーもいるくらいだ。サーヴァントの武器からクラスが確実にわかるわけじゃない。参考程度にしておけ。……まぁ、これを知っている奴も少ないんだがな』
――参考程度。
なるほど、相手を攪乱するという意味では、確かにこの作戦は有効だ。
その意味を除いても、槍は非常に優秀な武器だ。
「剣道三倍段」という言葉を知っているだろうか?
実際の、殺し合いとしての死合において、素手で剣を持った相手に勝つには相手の三倍の実力が必要だというあれである。
それだけ差が出るのは、勿論殺傷力の違いもあるだろう。しかし、最も大きな違いはリーチの差である。
剣ですらそれほどの差が出るのだ。槍ともなれば、更に差が出るのは必然。
三倍。
そう、さらに三倍だ。
剣で槍に勝つには相手の三倍の実力が、さらに必要になる。つまり槍という武器は近接武器の中でも無類の強さを誇ると言ってもいい――
「確かに、槍のリーチは驚異的、といえるけどねぇ?アタシのコレより長いってことはないんじゃないかい?」
慎二のサーヴァントは自分の武器を見せびらかしながらそういった。
――そう、なのだ、いくらリーチが長くとも、それは近距離武器の中での話だ。
相手の武器次第では、それは通用しない。
例えばそれは弓だったり、それから例えば――
――拳銃。
相手の、慎二のサーヴァントの手に握られているソレはどこからどう見ても拳銃にほかならない。
剣が槍に勝つには三倍。それならば、槍が拳銃に勝つためにはどれほどの実力がいるというのだ?
いや、実際の所、そんなことを考える人などいない。
それも当然といえば当然だ。
――勝てるはずがない。
そんな結論になっていまうからだ。
おそらく、慎二も同じ結論に達したのだろう。ニヤついた顔でこちらを見ている。
だけど、そんな中セイバーは――
「ハッ」
一つ笑いをこぼした。
「確かにまぁ、リーチで言ったら銃の方が長いのは必然。でもさ、銃にはまた、弱点もあるんだよ」
弱点?銃に、弱点?
慎二のサーヴァントも、ヘェ、と感心した声を上げる。
「なんだい?弾切れでも狙おうってことかい?だとするなら残念。これは聖杯戦争だ、そんな常識が通用――」
「速度の話だ」
相手の言葉を遮るように、セイバーは言った。
「銃を撃つ早さは早くても、装填の早さが早くても、銃弾の速さは変わらない」
――確かにそうだ。
銃は機械であり、同じものを使っているのなら、弾丸の速さは劣化により遅くはなっても速くはならない。
しかし、その言葉はまるで――
「まるで、銃弾よりも速く動けると、そう言ってるみたいな言い方だね?」
その言葉を聞いたセイバーは、まるで心外だとでも言わんばかりに首を振り、槍を構えた。
そして――
「そう言ってんのさ。お前の弾丸より、俺の方が速いってね――ッ」
爆音。
それこそ、銃でも撃ったような、いやそれ以上の轟音。
そして、私の目の前にいたセイバーは、爆音が鳴り響いた瞬間――
――相手の、目の前にいた。
「――――ッ!?」
驚愕を浮かべる相手を前に、セイバーは
「リヴォンツオーネ」
――ただ一言、告げるのだった。
そして、その槍はそのまま相手の肉体に――
――刺さらなかった。
甲高い金属音と共に、それは防がれた。いや、受け流された、と見るべきだろう。
拳銃だ。
セイバーの槍は、相手の構えた拳銃の腹を滑り、流される。セイバーの速さは一級品ではあるが、相手もまた英雄ということか。
「はっ!たしかに銃弾よりも速そうだねぇ!だけどこれで――」
相手は軽く笑い、防いだ手とは逆の手に持った拳銃をセイバーに向けた。
カウンターか――っ!
攻撃の後の隙を突く、完璧なタイミングだ。
それに対して、セイバーは――
「甘いな」
――再び槍を持ってそれを防いだ。
槍でもう一方の手を突き、撃たせない。
そうだ、そうなのだ。
これもまた、銃の、いや遠距離武器の欠点。
狙わなくては当たらない。いくら拳銃が持ち回しを重視して作られていたとしても、接近戦で自由に使えるほどじゃない。
――いや、驚くのはそこじゃない。
本当に恐ろしいのは。
「ハッ!どうなってるんだい!?その槍は――」
――ここまで、銃の欠点を上げてきたが、槍の欠点も挙げておくべきだろう。
確かに槍は強力だ。リーチは長く、突きや薙ぎ払いと多用な使い方が出来る。特に突きとなれば、一点に集中したその威力は計り知れない。
しかしそんな槍にも当然のように欠点はある。
例えば、突きを例に挙げて考えてみようか?
それこそ、弱点はいくつかあるだろうが、その中でも圧倒的に大きな欠点がある。
それは突いたら引かなければならない。ということにある。
そもそも、槍は確かに強いが使えない人間が扱おうとすればその性能は一気に低下する。
「無用の長物」という言葉からも、それは分かるだろう。それほどまでに、扱いづらい武器なのだ。
話を突きに戻すが、突きというのもまた、扱いづらい槍の中でも、かなり扱いづらい動作だ。
誰でも突くことは出来る。しかし、引くことまで出来る人間は、意外と少ない。しかもそれが実戦となればなおのこと少なくなるだろう。
ここまで言えば、分かるだろう。あの、セイバーの動きの異常さが。
先程、セイバーが行ったのは、文字にすればなんてことはない技。
二連撃。
特別なことは、なにもしていないのだと思う。だから、それを、その異常を成り立たせるのは、異常なまでに洗練された、その速度だ。
相手が驚いたのもここだ。
見えないのだ。槍を引くのが。
多分、私だけじゃなくて、相手にも見えてない。
突いたと思ったら、二擊目が放たれている。
そして、その攻撃は、二度では終わらない――
「言っただろう?銃弾よりも俺の方が速いとな、そしてこの距離においては、俺の方が、有利だ――!」
連激が、打ち込まれる。そして相手はそれを受け、躱し続けている。それもまた英霊としての実力だ。
しかし、それでも、圧倒的に、セイバーが有利だ。
それが揺るぐことはない。
点というよりも、面と言うべきほどの、攻撃を、未だに浴びせ続ける。
――勝てる!やはり、セイバーは。
セイバーは、強い――!
――確かにセイバーは強い。
その速度は確かに人知を超えたものだ。
しかし、もう一つ考えるべきことがあった。
相手もまた、洗練された技術を持つ、英雄だという事に。そして、銃弾の速さは変わらなくとも、銃を撃つまでの時間は撃ち手の実力しだいだということを――
――銃声。
突如、銃声が、した。
恐らく相手の武器から出た音。
まさか、あの距離で――?
「くそっ」
小さく悪態をつきながらセイバーは後ろへ下がった。
なにが――いま、なにが――
「ああ、まぁ、そうだよな――」
納得したような言葉には、呆れが含まれているような気がした。
それから、セイバーは、その状況を説明するように、一つ。
「銃で槍を弾き返す、なんて、随分なことをしてくれるじゃないか」
――――
銃で、槍を、弾いた?
まさか、あの距離で、あの速度の戦闘のなか、細い槍を狙って打ち抜いたとでもいうのか――
「ハッ!アンタに言われたくはないねぇ!」
……なるほど、相手も同じ英雄、一流の戦士という事か――
「で?どうする?セラフさんはやめて欲しいみたいだが?」
先程から鳴り響く警報を指すように、セイバーは指で上をさしながらそういった。
「ふ、ふん!いいぜ。一旦仕切り直しにしてやる」
それに一番に反応したのは慎二だった。
慎二はそう言うと、こちらを睨み、去っていった。
――終わった?
最初の、サーヴァントとの戦闘が、終わった。
「……マスター」
「なに?セイバー」
「今の戦闘でわかっただろうが、相手の武器は銃だ。つまり」
「アーチャー?」
「あぁ、その可能性が高い。しかしマスターにはもう言ったし、先ほどの俺の武器を見れば分かると思うがそれは」
――確定ではなく、参考程度に。
私がそう答えると、セイバーはニカッと笑い。
「それでいい。ではマスター。疲れている所悪いが、今日のうちに
――それも、そうか。
私は疲れた体に鞭を打ち、探索へと歩きだしたのだった――
本日の成果
セイバー セイバーは自信がわいてきた。
はくのん はくのんはとりがーをてにいれた。
誤字脱字があれば感想のほうへ御願いします。
……だぶん次も一週間後、かな?