Fate/EXTRA ava   作:後ろに敵が

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大みそかなのに変わらず投稿を続ける私っていったい……
今回も戦闘があるものの、今回は結構短くまとめたつもりです。
ちょっと短すぎたというか、展開早すぎるきもしますが……


四日目

「おや……あなたは」

 

 四日目が始まり、校舎内をうろついていた私の前に、異彩を放つ少年が立った。

 

「やはり、本戦に来たんですね。いったでしょう?あなたにはまた会えるって」

 

 レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ。

 

 その外見だけではない、存在感がケタ違いの少年。

 予選の学校にて同じクラスだった少年の目立ち方は私と比べるまでもなく、なにより圧倒的なのはその『存在証明』の濃さ、といったところだろう。

 予選の学校では圧倒的(オーバースペック)すぎたために、獅子が鳩小屋にいるかのような違和感があったが、この張りつめた空気のなかでは、それは違和感とはならず、むしろ私のほうが違和感があるくらいだ。

 

 そして、この場において、そういった異彩を放っているのは少年だけではない。

 彼の後ろに影のように立っている青年もまた――

 

 甲冑を着込み、帯剣をしているその姿は。

 全く隠さずに漏れ出るその圧倒的な力は――

 

 ――サーヴァントにほかならない――!

 

 そうやって私がそのサーヴァントのことを見ていると、目の前の少年は何かに気付いたような顔をして。

 

「ガウェインですか?僕としていたことが失念していました」

 

 それから、挨拶を、と自然な形でそのサーヴァントを前にだす。

 サーヴァントがよりこちらに近づいてきたことによる圧迫感は、やはり英雄のものだ――

 

「従者のガウェインと申します。以後、お見知りおきを」

 

 どうか、主の良き好敵手であらんことを――

 甲冑の青年は涼やかな笑みを浮かべながら、頭を下げる。

 

 生真面目だが、重苦しく構えない、純真潔白な騎士を思わせる。

 なるほど、この少年によく似合ったサーヴァントだ。

 

 しかし、ガウェイン……か。

 おそらくはあのガウェイン卿なのだろう。

 アーサー王伝説の円卓の騎士としてあまりにも有名だ。

 

 私の記憶が確かなら、その力は主君たるアーサー王すらしのぎ、手にした聖剣は王の聖剣と同格の威力をもつとされる――

 

 クラスはどう見てもセイバー。

 かなり有名どころだし、書物などからこの英雄を調べるのは苦労しないだろう。

 なんなら、弱点だってわかるかもしれない。

 

 しかし――

 

 ――しかし彼が、レオがそれをわかっていない、とは考えられない。

 つまりこれは、レオの自信の表れだ。

 気負ってではなく、ごく自然にレオは戦術の機微に頓着してない。

 

 明かすものはすべて明かす。

 そのうえで勝利するのがこの少年の定められた日常だとするならば――

 

「それでは、失礼しますね。再会を祈ってます。どうか悔いのない戦いを」

 

 そういうとレオは体を翻し、階段を下りて行った。

 丁寧にお辞儀までして去って行った少年と騎士の背中を呆然と眺めていると。

 

「レオ……!ハーウェイが来るのは予想してたけど、まさかあんな大物なんて――」

 

 小さく、押し殺したようなつぶやき。

 いつのまにか隣に立っていた凛がレオへと放つ視線は、殺意に等しい鋭さだ。

 

「万能の願望機、聖杯……西欧財団の連中がセラフを危険視しているってのは本当だったか」

 

 確認のようなつぶやき。

 西欧財団?それはいったい――?

 

「いいじゃない。地上での借り、天上で返してあげる。ふふっ、楽しくなってきたわ。魔術師(ウィザード)としての腕前は私に一日の長がある……!」

 

 レオの前では、自分など目に入っていないのか。

 遠坂凛は挨拶もなく、よしと自らに気合を入れて、勇ましい足取りで去って行った。

 

 ――さて、私はどうするか?

 

 うん、とりあえず。ガウェインのことを調べるために、図書室でもいってみるとしようか――

 

 

 

「あれ?こんなところで会うなんて奇遇だね」

 

 ……今度は慎二か。

 図書室についた俺とマスターを迎えたのは顔に笑みを浮かべた間桐慎二だった。

 

「なんてね。嘘にきまってるさ。情報収集といえば図書室で決まりだよ。僕も君の情報を集めているんだ、くれぐれも手を抜かないでくれよ?」

 

 ……集めている、ねぇ?

 というかそもそも異世界の英雄たる俺の情報なんてこの図書室に存在するのだろうか?

 ……いやまぁ、持ち主の過去を鑑みるに、残ってもおかしくない生き様(ストーリー)だと思うが。

 

「ところで、めぼしいものが見つからないみたいだねぇ」

 

 ……まだここにきて探してすらいねぇよ。

 いや、昨日探した限りでは、めぼしい本は見つかっていないわけだが。

 というより、俺自身見つからないとわかっているし、お前が何をしたのかも原作知識として知っているから、そんなにニヤけた面を見せられても……という感じなんだが。

 

「残念ながらすでに対策済みさ。あの海賊女に関することはすでに隠ぺい済みだよ!それも、少しでも楽しんでももらおうとアリーナに、ね。最弱マスターの君に見つけられるかな?」

 

 ……相変わらず微妙な工作である。

 いや、情報を隠すのは有効だし、アリーナに隠すのもいいだろう。

 ただ、それを敵に言う必要はあったのか?言わないほうが見つけられない可能性は上がるだろうに……

 それに海賊女なんて……正体を言っているようなものじゃないか?(俺はわからないが)

 ……比べるべきでないのかもしれないが、さっき会ったレオに比べるとどうも、な。なんだか正体を隠す行為自体が浅はかな行為に思えてくる。

 

「そういえば、君のサーヴァントは働くのに何を要求するんだい?やっぱりお金?そうだよねぇ!ま、せいぜいあがいておくといいさ」

 

 あはははははっ、と笑いながら俺とマスターの横を通り過ぎる。

 ……はぁ、わかっていたとはいえ面倒な奴だ。

 正直、アレと友人してられたマスターと衛宮はすごいと思う。

 

「で?マスター、どうする?」

 

「えっと……とりあえずアリーナに行こうか?」

 

「ふむ、まぁこの場合それが上々か。了解した、マスター」

 

「はぁ……アリーナで探し物、かぁ」

 

 ……悪いが資料の場所まで覚えていないから本当に探してもらうことになる。

 まぁ、マスターにがんばってもらうか。

 なんて、考えながら歩いていると……

 

「そこのマスター」

 

 ……今日はレオと言い遠坂と言い慎二と言い、キャラクター勢ぞろいだ、なんて思ってたところにあんたか言峰……

 

「ほう、どうやらすでに暗号鍵(トリガー)を取得していたか。優秀だな。ところで、今日から新しい迷宮が開かれ、二つ目のトリガーが取得可能となった」

 

 ああ、なるほど……

 その報告か。これは端末へのメールで届いたはずなのだが……一日目だからチュートリアル的な要素も含め、ということだろうか?

 

「二つ目の、トリガー」

 

 その言葉を聞き、マスターが反復する。

 二つ目のトリガー、二つ目の迷宮。

 まぁ、プレイしているときにも思ったが、一つの迷宮あたりにかける時間は相当に短いな。

 ずいぶんと、さらりと終わったもんだ。

 

「あぁ、二つ目のトリガーだ。ふむ、君たちも一応は勝利を目指すマスターだったな?」

 

 ……一応ってなんだ、一応って。

 当然そうだろうに。馬鹿にしているのだろうか、この神父は?

 

「……そう、ですけど?」

 

 マスターも一応、というのが気に入らないのか、少し声が低くなっている。

 マスターにもそれなりのプライドがあったということか。

 サーヴァントとしては、まぁうれしいのかもしれない。

 

「いや?神父としては、勝利のために祈りでもささげたらどうか、と言いたくなってね」

 

「……そう、ですか」

 

 マスターの返しがずいぶん適当になってる。

 それに言峰、お前は祈りをささげて奇跡でも起こらない限り勝てないとでもいっているのか?

 まったく、余計な御世話だ。他宗教という無宗教な日本で生きた八百万に神が宿ってると思っている男だぞ俺は?わざわざ教会で祈るほどの気持ちなんてもっちゃいない。

 

「あぁ、それだけだ。君たちの健闘を祈っているよ。若きマスター」

 

 まったく応援されてる感じがしない。

 コイツはこういう奴だというのはもうわかっているからいいのだが……

 しかし、今のは聞き逃せる話じゃない。

 言峰の話でどうも引っかかるところがある。

 

 ――教会で祈りでも捧げてこい。

 

 この部分に、どうも俺は引っかかる。

 祈ってこい?確かにこの学校には教会があり、俺もゲーム時にずいぶんとお世話になった。

 ただしそれは、献身な宗徒としての行動などではなく、当然祈りをささげるためではない。

 それは当然と言えば当然だ。だってあそこには――

 

 ――青崎姉妹が、いる場所だったはずなのだから。

 

 ステータスを上げる場所。だったはずなのだから――

 

 

 

「これが……第二層……?」

 

 見た目的にはあまり第一層とは変わりない。

 そんな風に、周りを見ていると……

 

「マスター」

 

 ……?セイバー?

 

「どうやら慎二たちもここにいるようだ。見つからないうちに本と暗号鍵(トリガー)を取得しておこう」

 

 なんでも、気配でわかるそうだ。

 

「うん、そうだね。とりあえず、歩こうか」

 

 私はセイバーにそう言って、歩き始めた――

 

 

 

 

 ――

 

「マスター」

 

 セイバーがふと、なにもない通路で立ち止まった。

 そして、なにもない壁のほうに歩いていき……

 そのまま、壁へ足を踏み込んだ。

 

「うぇ!?」

 

「ふむ、やはりか。隠し通路、というやつだ。隠し場所としては上々だ」

 

 ……そういうのもあるんだ。

 驚いて変な声が出てしまった……恥ずかしい……

 セイバーは少し顔を緩ませ、そのまま前に進んでいった。

 

「あう……セイバーまって!」

 

 そんなセイバーの後ろを顔を赤くしながら私が追うと……

 

「これ、だな。慎二らしいといえば慎二らしいな。この場所は」

 

「とりあえず、開けてみるね?」

 

 セイバーがコクリとうなずいた。

 そして目の前にある四角い箱を開けてみると……

 

 ――あった。

 

 そこにあったのは一冊の本。

 数冊あると思っていた私には少し拍子抜けだったが、その一冊に書かれていたのは、どうやら手記のようだ。

 古すぎるためか、いくつか文字が消えかかって、あまりよく読めなかったが、「黄金の鹿号」(ゴールデンハインド)という船の名前や、いくつかの島の名前、襲った船の積み荷などが見て取れた。

 

 荒海を駆けた海賊の航海日記――といったところだろうか?

 

 おそらく、かなり強いプログラムで組まれたもののため、慎二はこのフォルダを消去することができずに、仕方なく、ここに置いたのだろう。

 

「なるほど……な。真名こそ書いていないが、これ一つで情報をかなり得ることができる。これがあれば、かなり正体も絞れるだろう」

 

 ……確かに。

 島の名前があるなら、たぶんそこに行ったということだろうから、その島を回った英雄ということだし、襲った船の積み荷が書かれていることから、海賊であるということもほぼ確定だろう。

 そしてもっとも大きいのが――「黄金の鹿号」(ゴールデンハインド)という船の名前。

 これさえあれば、他の資料からでも十分絞り込める――

 

「--ずいぶんと速かったね」

 

 突然、後ろから声が聞こえた。

 バッ、と後ろを振り向くと、すでに槍を取り出し、戦闘態勢を整えたセイバーの先に、慎二が立っているのが見えた。

 

「……チッ!こんなところまで探すなんて、ずいぶんと必死じゃないか。そんなに必死になったところ悪いんだけどね、その本、返してもらえないかな?」

 

 ……なるほど、とられたならとりかえすということか。

 

「ふむ、意外だな。まさかそんな言葉をお前から聞けるとは思わなかったよ。てっきりまた何か嫌味を言われると思ったのだが」

 

 ――それとも、それを言うだけの余裕がないということか?

 セイバーはニヤリと笑い、慎二にそう吐き捨てた。

 

「くっ、おい!さっさとお前も前に出ろ!そんであいつの余裕をなんとかしろよ!」

 

「おいおい、そりゃあまためちゃくちゃな命令だねぇ?まぁ、アイツと戦うことに異論はないし?結構楽しみにしてるからいいんだけどさぁ」

 

 慎二のサーヴァントもまた、得物である二丁拳銃を両手に持ち、慎二の前に出る。

 

「さぁ、さぁ、ランサーのサーヴァントさん。シンジもこう言ってるし、さっさと戦い始めようじゃないか」

 

「あぁ、別に俺はいつでもかまわないぜ?いつ来たところで、俺の勝利は揺るがない」

 

 槍を構え、さらに余裕を見せるような発言をする。

 それが慎二には許せなかったようで、さっさと倒せ!と自分のサーヴァントに激を飛ばしている。

 

「わかってるさ、今回はコッチも本気だ、最初から出し惜しみなしでいくさ」

 

 出し惜しみ、なし――?

 それはいったいどういう――

 セイバーと相手が、同時に身構える。

 そして、次の瞬間――

 

「リヴォンツオーネ!」

 

「消え失せなッ!」

 

 ――の背後に、巨大な大砲が、現れた。

 それと同時に相手は手を振り上げ――

 

「終わりだよッ!」

 

 そして、その言葉と同時に振り下ろされた腕に合わせるかのごとく――

 

 ――大砲から、弾が発射された。

 

「遅いなっ!」

 

 セイバーがそう返し、その体が揺れて――

 ――瞬間、私の視界がブレた。

 

「う、うわっ!?」

 

 私とセイバーに向かってきた弾をよけるように、視界が移動した。

 ――それこそまるで、私が瞬間移動したかのように。

 

「大丈夫か、マスター」

 

 私の体を抱えながら、セイバーは私に尋ねる。

 ……どうやら、私はセイバーに助けられたらしい。

 確かにあそこでセイバーがよければ当然その後ろにいる私に当たる。

 私を守ろうとして、ということなのか。

 

「やっぱ速いねぇ?人一人抱えて動いてるとは思えない速さだ」

 

 相手はこちらをみて口を緩ませる。

 慎二とは違い、さっぱりとした笑み。本心から思っているのがわかる。

 セイバーは抱えていた私をゆっくりと地面に下ろし、一つ私に微笑んでから、相手と再び向かい合った。

 

「さすがは最速のランサーってとこかい?」

 

 槍を構えなおしたセイバーにそう言葉がかけられた。

 ――セイバーの作戦通り、敵の情報は撹乱されているようだ。

 とはいえ、今のところそれの効果はあまり――

 

「--そいつは、どうかな?」

 

 すっ、とセイバーの持っていた槍が消えた。

 ――え?どうしていま槍を……

 驚いているのは私だけではないらしく、慎二やそのサーヴァントも同じく驚いているようだ。

 そんな反応も気にせずに、セイバーは再び、手を前に上げる。

 

「そう例えば、こうなったとしたら――」

 

 ――その手に、再び武器が握られた。

 

「--俺のクラスは、何だと思う?」

 

 ――剣だ。

 

 セイバーが前に使っていた、一メートルと五十センチほどの長さはあるハンド・アンド・ハーフ・ソード。

 その長さは槍には及ばず、剣の中でも最大とはいえないが中剣と呼ばれる程度の大きさはある。

 そして剣ということは正しく、セイバーが使う武器ということ。

 セイバーが剣を使うことにおかしなことはない、だけど――

 ――なぜ今それを?

 

「……へぇ、それは予想外だったね?ランサーなのかセイバーなのか、どちらにせよ、二つ宝具を持っていることにはかわりないだろうしねぇ……」

 

 こりゃあ、厄介なことになった。

 そう言って、まるで気にしていないかのように相手は首を振った。

 

「でもま、どっちにせよ、こっちのやることは変わらない」

 

 そう言って、再び相手は手を挙げる。

 それと同時に、別の方向を向いていた大砲がこちらに標準を合わせた。

 相手の言うこともごもっともだ。剣であれ、槍であれ、あの大砲の前では同じようなものということなのだろう。

 セイバーは腰を落とし、剣を構える。

 そうだ、確かにセイバーの武器は変わった。しかしそれでも、相手の武器が変わったわけじゃない。

 相手の大砲による強力な攻撃が衰えたわけではない。

 ならば、セイバーはどうやって――

 

「それじゃ、もう一発。よけてもいいけど、こんどは逃がさないよ?」

 

 手に持った二丁拳銃もこちらに向ける。

 逃げたと同時にその方向に銃口をむけ発砲する。かなり出鱈目な話ではあるが、それを可能にするのがサーヴァントという存在だ。都合良く、はずしてくれるなんてのにも期待はできないと思う。

 なんて、考えた一瞬あとに――

 

「プロトゥーブ」

 

 ――再びの、爆音。

 

 あらゆるものを破壊するような、そんな音が鳴り響いた。

 鈍重かつ豪快な音を鳴り響かせながら打ち出されたのは、当然音だけなんてことは決してない強大な弾丸。

 そして、こちらに向けられた弾がセイバーの場所までたどり着く前に私の視界がブレ―-

 

 ――ブレ、なかった。

 その代わりに、視界をとてつもない衝撃波が襲った。

 いや、視界だけではなく、全身に降りかかる衝撃波。

 

 ――まさか、よけなかったのか!?

 

 セイバーが一発目を打たれた時、よけた理由は当然ある。

 それは単純に、よけなければやられたからだ。

 それ以外によける理由などはなく、それがすべての答えだ。

 しかし、今、セイバーは全くよけなかった。

 それはまるで、まるで――

 

 ――今ならくらっても、大丈夫だとでも言わんばかりの。

 

 次の瞬間。

 爆音が鳴り響き、衝撃波が私を襲った後の、一拍にも満たない時間の後に、今度は地面を踏みしめる音がした。

 それはセイバーの足元から響き、続いて同じ場所から、セイバーが地面をけった音が響き渡る――!

 

「う……らァッ!!」

 

 ――そしてセイバーの持った剣が相手の体を襲――

 

 

 

 

 

 

 

 ――襲、わなかった。

 

 相手の攻撃を防ぎ、そのままつっこんで決めようとした俺の攻撃が、相手を襲うことはなかった。

 ――その、理由は。

 

「ハァ……またセラフかい?まったくいいところだったのに」

 

 ――セラフ。

 セラフによる戦闘の妨害。

 それを確認した相手は、俺から一歩離れ、慎二のほうへ顔を向ける。

 

「ほら、帰るよ」

 

 あ、あぁ。と生返事をする慎二を気に掛けず、俺たちに背を向け、二人は帰って行った。

 ……はぁ、終わったか。

 

「終わったの?」

 

 確認をするマスターにうなずきを返し、俺は慎二たちが消えたほうを見つめた。

 ――二つ目の開放をした。

 俺は二つの宝具の真名を開放した。

 最後は、セラフに阻まれたものの、戦闘は今のところ俺のほうが若干有利と言ったところか。

 しかし、それでも、相手は片鱗こそ見せたものの、開放はまだしていない。

 

 ――戦況は依然、不利なまま、か。

 

 舌打ちをして、武器をしまう。

 それから。

 

「マスター、相手の正体の話だが――」

 

 ――攻撃方法や、さっきの情報を見るに、おそらく敵はライダーだろう。

 

 なんて、そんなことを言った。

 その言葉に、活路でも見出したかのように目をきらめかせるマスターだけど。

 俺にとっては、開始時点からわかっていたことで。

 俺にとっては、全く活路にはならないことで。

 ――俺にとっては、希望になんてまったくならない、情報だった。

 

 

 

 本日の成果

 

 セイバー 戦艦の大砲を使うあたりライダーに勝ち目がない。

 はくのん その後暗号鍵(トリガー)を取るあたりセイバーに抜け目はない。




いつでも毎週投稿は欠かさないつもりですので!これからも、よろしくお願いします!

……あらすじの「チート臭がする」の部分に自信がなくなってきた
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