結城友奈は勇者である R/Bの章   作:ベンジャー

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第7話 『決して明日を諦めない』

樹海化した空間では既に友奈、東郷、樹、夏凜、春木、良の6人が集結しており、見れば壁の向こう側から既に複数のバーテックス達が襲来してきているのが目に見えていた。

 

「残り7体・・・・・・全部いるんじゃないの、これ?」

 

夏凜がスマホの画面を確認すると、そこには夏凜の懸念通り残り7体のバーテックス全てが総攻撃を仕掛ける為にこちらに向かって来ており、魚座、牡牛座、天秤座、水瓶座、牡羊座、双子座、獅子座を模したバーテックス達・・・・・・。

 

ピスケス、タウラス、アクエリアス、ライブラ、アリエス、ジェミニ、そしてレオ・バーテックスが集結していたのだ。

 

「最悪の襲撃パターンね。 それに、まだ姿を現してはいないけど、これまでバカ兄弟共や私達が戦った怪獣達よりもより強力な奴が来る予定みたいだし、ホント最悪・・・・・・」

「今、さり気なく俺達のことディスった?」

 

流石にこの状況はある程度こそ想定していたものの、やはり実際となると幾ら自分の力に絶対的な自信のある夏凜と言えどバーテックス7体が一気に責めてくるというのは少々圧巻されてしまう光景であり、さらにあらかじめ聞かされていたとは言え、ガーゴルゴンよりも強力な怪獣が何時現れるか分からないという状況が、彼女に相当のプレッシャーを与え、そのことに彼女は冷や汗を流していた。

 

「あれ? 何時もの自信過剰なほどの夏凜先輩がこれくらいの状況でビビってるんですか・・・・・・?」

 

そこでそんな緊張を隠せない様子の夏凜に対し、ニヤついた笑みを浮かべながら良が右手で口元を隠しつつプークスクスと笑ってウザいくらいに煽って来たものだから、それにイラッと来た夏凜は良に腹パンを喰らわせた。

 

「オラァ!!」

「ぐはあ!!?」

 

そしてそんな夏凜に、彼女と同じく今の良にイラッと来ていた東郷は夏凜に向けて「よくやった!!」と言わんばかりにグッとサムズアップし、それには夏凜も応えるようにグッとサムズアップを東郷に返して見せるのだった。

 

「ったく、誰がビビってるって? やりがいありすぎてサプリもマシマシよ!!」

 

そう言いながら夏凜はどこからかサプリの入った小さな瓶を取り出し、何錠かサプリを口の中に放り込んで噛み砕き、飲み込むと隣に立つ樹も「飲むか?」とサプリの瓶を差し出す。

 

「樹もキメとく?」

「その表現はちょっと・・・・・・」

「危ないクスリやってるみたい・・・・・・」

 

樹と春木はサプリを勧めてくる夏凜の言葉に、なんかやばいクスリやってる人みたいだとツッコミを入れていると、そこで友奈が何故か何時まで経っても攻め入ってこないバーテックス達に疑問を抱き、そのことを口にするのだが・・・・・・。

 

「さあ? どの道神樹様の加護が届かない壁の外に出てはいけないって教えがある以上、私達からは攻め込めないけどね」

「もどかしいなぁ」

 

バーテックス達がまだ責めてこない理由は誰にも分からないが、1つ確かなことが言えるとすればバーテックス達がまだ壁の向こう側にいる以上、こちらから手出しすることは出来ないことだろう。

 

そのことを夏凜が友奈に説明すると、今ならバーテックス達の虚を付ける可能性が高く、上手く行けば複数体纏めて倒せるかもしれないのにこちらから責められないことに対して春木はもどかしいと嘆くが・・・・・・。

 

壁の外には出ては行けないという教えがある以上、それを破るつもりもない春木達はバーテックス達が壁を越えない限りこちらから攻め入ることが出来ず、ここで足止めを喰らうしかなかったのだった。

 

するとそこへ、あらかじめ勇者に変身してバーテックス達の方へと偵察に行っていた風が戻ってくると彼女は今のバーテックス達の様子を春木達に説明する。

 

「敵さん、壁ギリギリの位置から責めて来るみたい!! 決戦ね、みんなもそろそろ準備を!」

 

そして風が言うにはバーテックス達はそろそろこちらに向かって一斉に責めて来るそうで風は気を引き締めた表情でみんなに戦う準備と覚悟をするように促すと、それに春木達は頷くのだが・・・・・・。

 

「っ・・・・・・」

 

樹だけは、当然と言えば当然だが、どこか不安げな顔を浮かべており、誰の目から見ても彼女が緊張しているのが分かった。

 

「っ、あはははは!!?」

 

しかし、緊張で顔が強張っていた樹が突如として笑い出し、いきなり笑い出した樹に春木達が一体何事かと思い彼女の方に視線を向けると、そこにはいつの間にか樹の背後に回り込んでいた友奈が彼女の両脇をコチョコチョとくすぐっている姿があり、樹は逃げるようにして友奈から離れる。

 

「なんですか友奈さん!?」

「緊張しなくても大丈夫! みんないるんだから!」

「っ」

 

友奈のその言葉を受けて、樹は春木達の方へと一瞬だけ視線を向けると、夏凜だけは照れ臭そうにそっぽを向いたものの全員不安げな表情を見せる樹に対し力強く頷き、それを受けた樹も「はい!!」と友奈に力強く頷くのだった。

 

「よし、勇者部一同変身!! ただし、春木と良はまだ怪獣が現れてないからそのまま待機」

「「「はい!!」」」

「「了解!!」」

 

風の指示を受けて、夏凜以外の全員が声を出して返事を返すと、友奈、東郷、樹、夏凜はスマホを取り出し、勇者アプリを起動させてそれぞれ勇者へと変身を完了させる。

 

勇者への変身を完了させると同時に、丁度壁の向こう側からバーテックス達が遂にこちらに向かって侵入し、未だに友奈達と離れた位置にいるとは言え、肉眼でもハッキリと複数体のバーテックスの姿を確認することが出来た。

 

「敵ながら圧巻ですね・・・・・・」

 

その光景に、東郷は遠目からでもバーテックス7体という光景に圧巻されたことを呟くのだが・・・・・・。

 

「逆に言うとさ。 こいつ等殲滅すればさ、もう戦いは終わったようなもんでしょ」

「そこは俺も夏凜と同意見だな! 纏めて来てくれた方が面倒なもんは一気に片付くから手っ取り早いし!!」

 

しかし、夏凜の言うように逆に言えばそれは残りのバーテックス7体を全ていっぺんに纏めて倒すチャンスとも言え、彼女の言葉に春木も拳を握りしめながら同意し、面倒なことが一気に無くなるとこの状況を逆にポジティブに考えるのだが、そんな脳筋臭い考えの2人に対し、良は呆れたように溜め息を吐くのだった。

 

「ハァ。 夏凜先輩は頭良い割に兄貴と同じで割と脳筋なんですね。 少数で来てくれるなら、それにこしたことは無いのに」

 

現実世界への影響も考えると、あまりに数が多く来てしまうと被害を最小限に抑えるのが難しくなってしまう。

 

逆に少数で来るのなら、友奈達と協力して上手く連帯すれば現実世界への影響も少なく出来る上に、自分達が戦いの中で命を落とすような最悪の事態を招く可能性だって低くなる。

 

だから良は出来ることなら少数でバーテックスに来て(どうせなら一生来なくて良いけど)欲しいと思わずにはいられなかったのだ。

 

しかし、7体全部来てしまったものは仕方がない上に自分がどう言おうが相手は意志疎通のできない化け物で敵対してくる以上、こちらの言い分なんて汲み取ってくれる訳が無い。

 

「あ゛!? こんなのと一緒にしないでくれる!?」

「こんなのって・・・・・・」

 

そして夏凜はそんな春木と同類扱いされたことに良に文句を言うが、そのようにまたまた喧嘩をおっぱじめる2人を友奈と春木が慌てて仲裁する。

 

「お前等喧嘩すんな!! 喧嘩する元気があるなら、それはアイツ等にぶつけてやれ!!」

 

春木はバーテックス達の方を指差しながら、喧嘩する気力を奴等にぶつけろと言うと、夏凜は苦い顔をしながらも「それもそうね」と納得し、良の方も友奈に仲間同士で喧嘩している場合ではないと叱られてしまうのだった。

 

「良くんめっ! だよ? 今は夏凜ちゃんと喧嘩してる場合じゃないでしょ? みんな仲良く、協力しなくきゃ! ねっ?」

「は、はい・・・・・・」

 

友奈に叱られて彼女の言葉に素直に頷いて反省の色を見せる良。

 

そんな春木達の姿を見て「こいつ等ホント緊張感ねーな」と思いつつも、風はバーテックス達との本格的な戦いに備えてどうせならばここは一丁気合いを入れる為にも、春木達にあることを提案する。

 

「みんな、ここはアレいっときましょう!」

「アレ? どれ?」

 

風の言う「アレ」という言葉に友奈達は何となく察しがついたようだったのだが、勇者部の新人である夏凜だけは風の言う「アレ」がなんなのかよく分からず、一体なんのことを言っているのかと首を傾げていると、春木、良、友奈、樹、風、東郷の6人はお互いに肩を掴み合い、円陣を組む体勢に入る。

 

「え、円陣!? それ必要!?」

「決戦には気合いが必要なんでしょう?」

「おう!! これやるとホント滅茶苦茶気合い入るぜ夏凜!!」

 

風や春木は円陣を組んでみんなで気合いを入れようと提案するのだが、夏凜はあまり円陣の中に入りたがろうとはせず・・・・・・。

 

しかし、友奈に「夏凜ちゃん」と優しく名前を呼ばれると、一瞬迷いこそしたものの夏凜は渋々といった表情ではあるものの「ったく、しょうがないわね!!」と言いながら円陣の中へと入り、彼女もまたみんなと肩を掴み合うのだった。

 

「アンタ達! 買ったら好きなもの奢ってやるから絶対死ぬんじゃないわよ!!」

「よーっし、美味しいものいーっぱい食べよっと!! 肉ぶっかけうどんとか!!」

「言われなくても殲滅してやるわ!!」

「わ、私も・・・・・・叶えたい夢があるから!」

「頑張ってみんなを、国を、守りましょう!!」

「あんな奴等全員ぶっ飛ばしてやる!!」

「おっしゃあああ!! 何時も以上に気合い!! 根性!! 入れんぜ!! あと、風、俺は高級焼き肉を所望する」

 

風、友奈、夏凜、樹、東郷、良、春木がそれぞれ順番にそう言っていくと、そんな春木達の言葉を聞いて(ただし、春木の高級焼き肉の下りは無視した)風は笑みを浮かべると、「よーし!!」と叫ぶと、彼女は一同に向かって号令をかける。

 

「勇者部ファイトォー!!」

『おおーーーーー!!!!!』

 

そして、全員が力強く叫んで気合いを入れると、7人は円陣を解いてこちらに進行してくるバーテックス達に向き合うのだった。

 

『出陣~!!』

 

夏凜の精霊の義輝が姿を現すと法螺貝を吹き、戦闘開始の合図を送ると夏凜は両手に刀を持ち、バーテックス達に向かって真っ先に飛び出す。

 

「殲滅!!」

「よし、私達も!!」

「「はい!!」」

 

夏凜に続くように少しだけ遅れて風と友奈、樹もバーテックス達の方へと向かって行き、遠距離タイプである東郷はその場に寝そべると何時でも友奈達の援護をできるように狙撃銃を構え、春木と良は東郷の傍で何時でも変身出来るようにルーブジャイロだけは取り出しておく。

 

「バーテックスの進行速度にバラつきがある」

 

東郷はスマホの画面を見ながらタウラスとアリエスが他の5体よりも早く先行して来ると、この2体は二手に別れて2方向から責めてくるような姿勢を見せ、東郷はそのことを確認しつつ狙撃銃のスコープでバーテックス達の中でも特に巨大で、明らかに他のバーテックスとは異なり威圧感のあるレオを見据え警戒するが・・・・・・。

 

「でも先ずは・・・・・・」

 

それでも先ずはバーテックス達の中でも1番素早く動き、神樹の元へと辿り着こうとするアリエスを優先して叩きつぶすべきだと判断し、そのことは友奈達も理解しており、先ずはアリエスを倒そうと先陣を切って進む夏凜が出会いがしらに刀を思いっきり振り上げ、アリエスの頭部と思われる場所を斬りつけた。

 

「1番槍ーーーーー!!!!」

 

夏凜がアリエスの頭部を斬りつけると、その傷口から連続で東郷が撃ち込んだ銃弾が直撃し、それにバランスを大きく崩したアリエスはその場に倒れ込む。

 

しかし、すぐに夏凜と東郷の連帯攻撃によって傷つけられた頭部は再生を初めてしまうのだが、それよりも早く夏凜が封印の義を開始する。

 

「先ずは一匹目!! 封印するわよ!!」

「凄いよ夏凜ちゃん!!」

 

そこへ少しだけ遅れて友奈、風、樹が夏凜に合流すると風は他の敵が合流してくる前に先ずは1体目をさっさと倒そうとアリエスを逃がさないように彼女等はアリエスを囲み、封印の義を行うことによってアリエスの御霊が出現する。

 

しかし、御霊はドリルのように高速で回転し、壊されないように防御態勢に入るのだが、それを夏凜は刀を投げつけて回転を止めようとする。

 

「なに回ってんのよ!!」

 

だが、夏凜の投げつけた刀は御霊の高速回転の前にあっさりと砕かれてしまい、それに夏凜は僅かばかりに「チッ」と舌打ちするが・・・・・・。

 

「よーし!!」

 

ならばと友奈が御霊の位置よりも少し空高く跳び上がると、彼女は東郷の名を叫びながら右拳を振るって思いっきり御霊をぶん殴り、拳が御霊にねじ込むようにして突き刺さり、それによって御霊の回転が止まると友奈は素早く御霊から離れる。

 

直後、東郷の撃ち込んだ銃弾が御霊を貫き、御霊が破壊されるとアリエスの身体は砂となって塵と消えるのだった。

 

「夏凜さんの刀を弾く回転を、拳で止めるとかちょっと危なくないか友奈さん・・・・・・?」

「まぁ、パワーだけなら夏凜ですら上回ってそうだったから止められるっていう自信はあったんじゃないか・・・・・・? 後は殴った位置が良かったってのもありそうだな」

 

良は投げた刀を弾き飛ばすほどの回転をする御霊を拳で殴った友奈に、下手したら腕が吹っ飛んでいたのでは無いかと心配するが、パワーだけなら恐らくは勇者部の勇者達の中では彼女が1番強いだろうという考えから、友奈には自分なら止められるという確信に近い自信があったのではないかと予想する春木だったが・・・・・・。

 

「友奈さん多分そこまで考えて無いと思うぞ兄貴。 兄貴ほどではないが、友奈さんも脳筋臭いところあるからな・・・・・・」

「ありがとー!! 東郷さーん!!」

 

東郷に向かって元気よく手を振ってくる友奈の無邪気そうな笑顔を見ると、どうにもそこまで考えているようには思えない良だった。

 

「それでも、友奈ちゃんは多分直感的なもので大丈夫だと思って判断して動いていたと思うわよ。 まぁ、あんまり無茶しないに越したことはないけど」

 

自分に手を振ってくる友奈に東郷は微笑み返しつつ、春木と良の会話に少しだけ参加すると、彼女はすぐに狙撃銃のスコープを覗きつつ、怪訝な表情を浮かべる。

 

「・・・・・・それにしても、今の敵の動き・・・・・・。 まるで叩いてくれと言わんばかりの突出・・・・・・」

 

先ずは無事に1体、アリエスを倒した友奈達だったが・・・・・・どうにもあっさりしすぎている気がして違和感を感じにいられなかった東郷はバーテックス達が何を考えているのか少しばかり考え込むと・・・・・・。

 

「罠!?」

 

すぐに東郷はこれがバーテックス達の罠だったことに気付き、アリエスは所謂「囮」だったことを理解すると、彼女はすぐに友奈達にそのことを報告して警戒するよう連絡を取ろうとするのだが・・・・・・。

 

既にそれは手遅れであり、いつの間にか友奈達の背後に回り込んでいたタウラスが身体に装着されていた鐘を鳴らすと、友奈達は思わず耳を塞ぎ、苦痛の声をあげながら苦しみ、その場に蹲ってしまう。

 

「うっ、うぅ!? 何よこの音!? 気持ち悪い!!」

「こ、これくらい!! 勇者なら・・・・・・!!」

 

耳を塞ぎつつ、友奈は「勇者ならば」と気合いを入れてなんとか立ち上がろうとするが、それでもタウラスが鳴り響かせる鐘の音は強烈で、友奈達に痛烈なほどの不快感を与え、彼女等の動きを完全に封じてしまったのだ。

 

「友奈さん!! みんな・・・・・・!!」

「俺達が出るか!?」

「いえ、恐らくはあのベル・・・・・・! あれを壊せば!!」

 

春木はここで自分達が出るべきかとルーブジャイロを構えるが、東郷は向こうが「怪獣」という切り札を出して来ていない以上、時間制限のあるウルトラマン2人にはなるべく力を温存しておいて貰うようにと待ったをかけ、彼女は狙撃銃を構えてタウラスのベルを破壊しようとする。

 

しかし、東郷の目の前にあらかじめ地中に潜っていたと思われるピスケスが地面から飛び出し、再び地面に潜るとその際に発生した砂煙によって東郷の視界が遮られてしまい、タウラスへの狙撃が不可能となってしまったのだ。

 

「あーもう!! やっぱダメだ!! もう我慢できねえ!! 行くぞ、良!!」

「あぁ!! 俺も我慢の限界だ!!」

 

流石にこの状況では春木達に頼らざる得ないと東郷も判断したようで、まだ怪獣は出てきてはいないが・・・・・・彼女は彼等が変身することを特に咎めるようなことは言わず、春木と良の2人が互いに頷き合うと、2人は拳を上下にぶつけ合わせた後、ハイタッチし、ルーブジャイロを2人同時に構える。

 

「「オレ色に染め上げろ!! ルーブ!!!!」」

 

すると最初に春木が空中に浮かんだホルダーを手に取り、そこから「ウルトラマンタロウ」の絵が描かれた火のクリスタルを取り出す。

 

最初に春木が空中に浮かんだホルダーを手に取り、そこから「ウルトラマンタロウ」の絵が描かれた火のクリスタルを取り出す。

 

「セレクト!! クリスタル!!」

 

タロウクリスタルの角を2つ立ててルーブジャイロの中央に春木はセット。

 

『ウルトラマンタロウ!』

「纏うは火!! 紅蓮の炎!!」

 

最後に春木はルーブジャイロのトリガーを3回引いて右腕を掲げる。

 

「はあああ、はあ!!」

『ウルトラマンロッソ! フレイム!!』

 

春木は炎に包まれ、赤い巨人「ウルトラマンロッソ フレイム」へと変身。

 

「セレクト!! クリスタル!!」

 

続けて今度は良がホルダーから「ウルトラマンギンガ」の描かれた水のクリスタルを取り出し、それをルーブジャイロにセットさせる。

 

『ウルトラマンギンガ!』

「纏うは水!! 紺碧の海!!」

 

また春木と同様に良もルーブクリスタルのトリガーを3回引き、彼は左腕を掲げる。

 

「はあああ、はあ!!」

『ウルトラマンブル! アクア!』

 

良は水に飲み込まれ、青い巨人「ウルトラマンブル アクア」へと変身を完了させるのだった。

 

『俺はあのタコをぶん殴る!! お前はあの牛を頼む!!』

『どちからと言えばクラゲっぽい見た目してるが・・・・・・ピスケスは魚だ、兄貴・・・・・・。 だが、分かった!! そっちは任せる!!』

 

それぞれ春木と良はロッソ、ブルに変身すると、ロッソはピスケス、ブルはタウラスに向かって駈け出し、ロッソは再び地面から飛び出したピスケスにガバッと掴みかかって捕まえると、ロッソはピスケスを地面に叩きつける。

 

『オラァ!! タコが地面に潜ってんじゃねえ!!』

「だから魚です、先輩・・・・・・」

 

ロッソはピスケスに馬乗りとなると、ブルや東郷が魚だと言ってるにも関わらず「たこ焼きにしてやるわ!!」と言いながら拳を何度もピスケスに叩き込んで行き、一方的に攻撃を喰らわせていくが、ピスケスが身体を激しく大きく揺らすとロッソをなんとか振り払うことに成功し、再び地面へと潜って姿を消してしまう。

 

一方で、タウラスの音によって動きを封じられた勇者達はというと・・・・・・彼女達がまともに動けない隙を突くかのようにライブラとアクエリアスが差し迫って来ており、そのことに気付いた夏凜もこのままではマズいとどうにかタウラスの怪音波から抜け出す方法を考えるが・・・・・・。

 

タウラスの出す音のせいで、激しい頭痛に襲われてる状態でまともな考えが出る筈も無く、万事休す・・・・・・そう思われたその時・・・・・・。

 

『雑音!!』

 

丁度そこに駆けつけたブルがタウラスに掴みかかり、そのまま膝蹴りを喰らわすとタウラスはライブラとアクエリアスの2体に激突し、3体のバーテックスが倒れ込む。

 

タウラスの出す怪音波は勇者に対してこそ頭痛、不快感などを与える厄介な代物ではあるが・・・・・・変身すれば聴力も強化されるとは言え、ウルトラマンであるブルにとってはそれはただの雑音でしかない。

 

そのためにタウラスの怪音波はブルには通用せず、あっさりとブルの接近を許す結果となり、無事に友奈達のピンチを救うことに成功したのだ。

 

「遅いわよ!!」

 

最も、夏凜は来るのが遅いと苦言を零し、折角助けに来たのに文句を言われたことにブルも何か言い返してやろうかと思ったが・・・・・・そこへ丁度、体勢を立て直し、再びライブラやアクエリアスと共に立ち上がって来たタウラスがまたもや友奈達に対し、怪音波攻撃を繰り出そうとする。

 

「音は、みんなを幸せにする音・・・・・・!!」

 

しかし、タウラスが再度、怪音波を発しようとするよりも早く樹が腕から幾つもの緑のワイヤーを伸ばすことでタウラスの鐘を拘束し、今度は逆に樹がタウラスの動きを封じることに成功したのだ。

 

「そんな音ぉ!!」

 

拘束されたタウラスを見てか、援護しようとするかのように動き出すライブラとアクエリアスだったが・・・・・・そうはさせまいとブルがライブラに跳び蹴りを喰らわせると、すぐさま隣にいたアクエリアスに後ろ回し蹴りを喰らわせてタウラスから引き離す。

 

「樹・・・・・・! よし、先ずは・・・・・・アイツ等から!!」

 

樹がタウラスを拘束し、ブルの攻撃を受けて怯んだ隙を狙い、風は高く跳び上がって大剣を構えると・・・・・・一気にライブラとアクエリアス、2体のバーテックスを横一閃に振るって真っ二つに切り裂く。

 

「お姉ちゃん!」

「頼りになります!! 勿論良くんも!! さっきは助けてくれてありがとー!!」

『っ』

 

友奈が手を振りながら自分にお礼を言ってくることに、インナースペース内の良は照れ臭そうな表情を浮かべるが、サムズアップして友奈に応えると、それに彼女も「イエイ!!」とサムズアップして返すのだった。

 

「よし、3体まとめて封印・・・・・・!!」

 

真っ二つにしたとは言え、ライブラもアクエリアスもまだ完全に倒された訳ではない為、風は樹がタウラスを拘束している間に3体まとめて封印の義を開始して御霊を破壊しようとみんなに指示を出そうとする。

 

しかし、その際タウラスが突如として後退を始め、純粋なパワーではタウラスに下回ってしまう樹は思わずタウラスに引っ張られそうになるが、風は急いで樹にワイヤーを解くように指示して彼女も言われた通りにタウラスに施していたワイヤーを解除し、止むなく拘束を解く。

 

「こんのぉ!!」

 

逃げようとするタウラスに、友奈は逃がすまいと拳を構えるが・・・・・・タウラスの様子が何かおかしいと気付いた夏凜は友奈を手で制して引き止める。

 

「待って!! 様子がおかしい・・・・・・」

 

見れば、タウラスだけではなくいつの間にか身体を再生させていたアクエリアスとライブラも、タウラスに続くように後退しており、風は戦況が不利と見てバーテックスが一瞬撤退でもするのかと思ったが・・・・・・どうやらそういった訳ではないようで・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、それと同じ頃・・・・・・ロッソや東郷と戦っていたピスケスも突如として地面に潜ると、レオの元へと向かって行き、いきなり戦闘を放棄したピスケスを疑問に感じはしたが、東郷は今の内に友奈達を援護しようと狙撃銃をレオに向け、スコープを覗くとそこにはライブラ、アクエリアス、タウラスの3体がレオの元に集結しており、レオの元に集った3体のバーテックスはレオに吸収される。

 

「っ、合体した!?」

 

すると、レオはライブラ、アクエリアス、タウラスと融合し、自身を含め、4体の特徴を全て兼ね備えた合体バーテックス、「レオ・スタークラスター」へと進化したのだ。

 

「ちょっと、こんなの聞いたことないわよ!?」

『なんだこれは? 合体怪獣・・・・・・っ?』

 

夏凜やブルは4体のバーテックスが合体したことに驚愕し、驚くが・・・・・・そんな中、友奈だけは「これなら纏めて倒せるよ!!」と逆に1体に纏まったことをポジティブに考え、風も確かに面倒が無くて良いと友奈の考えに賛同し、そんな2人に樹はどこか呆れたような声を出すのだった。

 

「友奈の言う通り、纏めて封印開始よ!!」

 

風はさっさと封印を開始して、レオを倒そうと意気込むが・・・・・・直後、レオの周りに幾つもの火球のようなものが現れるとそれを友奈、夏凜、風、樹、ブルに向けて一斉に発射。

 

友奈達は慌てて4方向に分かれて飛び散るようにして回避したのだが、この火球には追尾機能が付与されているようで・・・・・・火球は友奈達がどれだけ躱そうが、避けようが地の果てまで追いかけてやると言わんばかりにしつこく彼女等をつけ回す。

 

「こいつ追尾すんの!?」

「クソ!!? っ、わああああ!!!!?」

 

空中に跳び上がったところを狙ったかのように、幾つもの火球が風に迫ると、彼女は咄嗟に大剣でガードしたものの精霊バリアなどもあるとは言え、完全に防ぎきることはできず、空中にいたところ撃墜されて地面に倒れ込んでしまった。

 

しかも、それと同時に樹も火球による攻撃を受けてしまい、撃墜。

 

「きゃあああ!!?」

 

ならば追ってくるならこのまま真正面から打ち返してやろうと方向転換した友奈だったが、飛んでくる全ての火球に対応しきることができず、彼女もまた撃墜されてしまうのだった。

 

「やめろおおおおお!!!!」

 

そこへ、火球が厄介ならばと先ずは本体であるレオを倒そうと、夏凜がレオへと接近し、大きく跳び上がると彼女は刀を振りかざしてレオを斬りつけようとするのだが・・・・・・。

 

バーテックス4体が合体しただけあって身体の頑丈さも相当なものとなっており、彼女の振るった刀はあっさりと砕け散ってしまったのだ。

 

「っ!?」

 

自分の刀がこんな軽くポッキリと折れてしまったことに驚愕した夏凜は、そのことに動揺していたこともあり、後ろから追尾して来ていた火球への対応が遅れ、直撃受けて彼女もまた撃ち落とされてしまった。

 

「きゃああああ!!!!?」

 

『風先輩!! 樹さん!! 友奈さん!! 夏凜先輩!! それならここは俺が・・・・・・!!』

 

ブルも幾つか火球の直撃こそ喰らったものの、そこまでのダメージを受けていなかったブルは夏凜と同じようにならば厄介な火球を撃って来る本体のレオから倒してしまおうと考え、レオに向かって殴りかかるのだが・・・・・・。

 

『シェア!!』

 

その時、勇者達のスマホから警戒音が鳴り響き、現状唯一スマホの確認ができる東郷がスマホを取り出し、画面を見るとそこには「宇宙凶獣」という文字が表示されており、東郷は即座に「宇宙凶獣」と書かれたのが怪獣であることに気づくと同時にその怪獣が地面に潜っていて丁度今、ブルのほぼ真下にいることを確認すると、彼女は慌ててブルにその場で止まるように呼びかける。

 

「待って!! 良くん止まって!!」

『良!! みんな・・・・・・!!』

 

ロッソも東郷の様子から怪獣が来たことに気付き、急いでブルの元へと駆け出すのだが・・・・・・東郷の呼びかけがブルの耳に届くよりも早く、ロッソが駆けつけるよりも早く、地面から飛び出した巨大な剣がブルの胴を斬りつけ、火花を散らしながらブルは大きく吹き飛んだのだ。

 

『ウアアアッ!!?』

「グルルル・・・・・・ガアアアアアア!!!!!」

 

そしてそのまま、その怪獣が地面から飛び出すように出現し、全身を露わにすると・・・・・・そこには全身を金色の鎧で包まれ、左手にはトゲがはえた鉄球、そして右手にはシールドを備えた剣を持つ怪獣・・・・・・。

 

「宇宙凶獣 カイザーギラレス13世」が剣を構えながら出現し、唸り声をあげながら明らかな敵意をブルやロッソ、勇者達へと向けるのだった。

 

『良! 大丈夫か!?』

 

そこへ倒れ込んだブルの元に、ロッソが駆け寄り、ブルは「問題、ない・・・・・・」と弱々しくもロッソの言葉に応え、立ち上がるとロッソとブルの2人は並び立ち、カイザーギラレスと対峙する。

 

『先ずはあの合体バーテックスを優先して倒す!! 兄貴はあの怪獣を抑えててくれ!!』

『分かった!!』

 

ブルは先ずはあのレオを自分が先に倒した方が友奈達への負担が軽くなる上に、これ以上無駄にダメージを受けることは無いと判断し、少々キツいとは思いつつも、カイザーギラレスの相手をロッソに任せ、インナースペース内の春木と良はルーブジャイロにセットされたクリスタルを交換する。

 

『ウルトラマンブル! ウィンド!!』

『ウルトラマンロッソ! ワニュウドウ!!』

 

それぞれブルはウィンド、ロッソはワニュウドウへとクリスタルチェンジして姿を変えると、ブルは目にも止まらぬ速さで一気にレオへと接近し、頭部から取り出した剣、「ルーブスラッガーブル」をレオへと振りかざす。

 

しかし、そうはさせまいとカイザーギラレスの放った光線がブルに直撃し、吹き飛ばすとそこでロッソが左腕には旋刃盤のような武器、「神屋楯比売」をワイヤーで飛ばして攻撃を仕掛けるが、カイザーギラレスは左腕の鉄球で叩き落とし、一気にロッソへと詰め寄るとすれ違いざまに右腕の剣でロッソを斬りつける。

 

『グアアアッ!!?』

「ギシャアアアア!!!!」

 

さらに振り返りざまに破壊光線をロッソと先ほどの攻撃で吹き飛ばされ、倒れ込んでいたブルに向かって連続で放つと、2人のウルトラマンは身体から火花を散らしてダメージを受ける。

 

『『ウアアアアッ!!?』』

「みんな・・・・・・! おのれ!!」

 

東郷は狙撃銃を構えながら、友奈達やウルトラマン達を援護するために2発の弾丸をそれぞれレオ、カイザーギラレスへと撃ち込んだのだが・・・・・・レオやカイザーギラレスには直撃こそしたものの、頑丈な身体を持つレオや全身を鎧で覆われているカイザーギラレスには東郷の撃ち込んだ銃弾まるで効果がなく・・・・・・。

 

それどころか、レオは先ほどよりも巨大な火球を作り出し、東郷へと先ほど銃弾を撃ち込まれた仕返しだと言わんばかりに放って来たのだ。

 

『東郷!!』

 

それを見て、東郷を守ろうと咄嗟に彼女の元へと走り出そうとするロッソだったが、それ故に大きな隙が出来てしまったロッソは、後ろに回り込まれたカイザーギラレスに左手の鉄球で背中を殴りつけられ、強い痛みと衝撃を感じたロッソは前のめりに倒れ込んでしまったのだ。

 

「グルアアアアア!!!!」

『ウアッ!!?』

 

地面に倒れたロッソをカイザーギラレスは何度も踏みつけて動きを封じたことで、東郷はレオの放った火球の直撃を受けてしまい、これにより友奈達5人の勇者は全員、まともに立ち上がれないほどのダメージを負うこととなってしまったのだった。

 

さらに、カイザーギラレスは右手の剣を構え、自分が踏みつけて身動きが取れないロッソの背中に、剣を突き立ててやろうと腕を振り下ろすのだが・・・・・・それを阻止するように起き上がって来たブルの跳び蹴りがカイザーギラレスの頭に叩きこまれ、カイザーギラレスは軽く吹き飛ぶ。

 

「ガアアアア!!!!?」

『兄貴・・・・・・! 友奈さん達が・・・・・・!』

『分かってる・・・・・・。 でも、こいつ等滅茶苦茶強ぇ・・・・・・!!』

 

戦闘力ではロッソやブル相手では劣るレオを先ずは狙い、どちらか片方が自分を足止めするために向かって来るであろうことはカイザーギラレスには読めていた。

 

そのために、カイザーギラレスはレオを倒されないようにロッソやブルからレオを守るようにして戦い、上手いこと立ち回ることでロッソやブル、勇者達をここまで苦戦させることに成功していたのだ。

 

「じ、冗談じゃ、無いわよ・・・・・・!」

 

さらに、レオはフラつきながらもどうにか立ち上がろうとした風に向かってアクエリアス・バーテックスの能力を使い、風の身体1つくらいはすっぽりと全身を飲み込めるほどの巨大な水の球体を飛ばしてくると、彼女はその球体の中に囚われてしまい、風は慌てて手に持った大剣を大きく振りかざして球体を切り裂こうと脱出を試みる。

 

しかし、自分を包み込んだ水の球体はあまりにも大きく、自由に身動きが取れず、水を完全に切り裂くには大剣のリーチさが足りないこともありやがて彼女は苦痛の表情を見せ始め、当然水の中なのだから呼吸も出来る筈もなく、精霊バリアも水の中では意味をなさないことから、彼女は窒息寸前にまで追い込まれてしまう。

 

『風!!』

『風先輩!!』

 

なんとか風を助けに行こうとするロッソとブルだったが、それを阻むように当然ながらカイザーギラレスが立ち塞がり、それに苛立ったロッソとブルは2人同時に「退けぇ!!」と叫ぶとブルは胸の先で起こした竜巻を、光線として放つ必殺光線「ストームシューティング」を放ち、それと同時にロッソはワイヤーから切り離して神屋楯比売をブーメランのように投げつけ、相手を切り刻む「大輪車旋風刃」をカイザーギラレスへと放つのだが・・・・・・。

 

『ストームシューティング!!』

『大輪車旋風刃!!』

 

しかし、カイザーギラレスは盾でストームシューティングを防いで光線をブルへと跳ね返し、大輪車旋風刃も鉄球で叩き落とすと同時に破壊光線をロッソに撃ち込み、カイザーギラレスの反撃を受けた2人は身体中から火花を散らしながらその場に片膝を突いた。

 

『『ウアアアア!!!?』』

 

そして、ロッソとブルのカラータイマーも点滅を始め・・・・・・時間制限が差し迫って来ていることを告げる。

 

『ク・・・・・・ソ・・・・・・!!』

『ふざけ・・・・・・!!』

 

倒れ込む樹や友奈、東郷にロッソやブルを見て・・・・・・風は徐々に意識が朦朧としていく中、彼女はみんなを勝手に巻き込んでおいて、自分だけが真っ先に死ねる訳がないと必死に水の中で足掻くが・・・・・・やはり自分の身体を包み込む水をどうしても振り払うことが出来なかった。

 

(ダメだ!! 樹を置いて、みんなを置いて、みんなを巻き込んでおいて・・・・・・!! さっさとくたばるなんて・・・・・・出来る訳がないでしょおおおおおお!!!!)

 

そんな時だ。

 

風の勇者服に刻まれていた花の模様・・・・・・今まで最大まで溜め込んでいた「満開ゲージ」を光輝かせると、大地から大量の光が風へと集まり、風の身体が一瞬眩く、オキザリスの花のような形の光を放つと彼女を包み込んでいた水の球が弾け飛び、彼女はそこから抜け出すことに成功した。

 

さらに、風の姿は先ほどまでとは変わっており、服装は羽衣が追加され、白を基調としたものへと変化しており、これこそが以前・・・・・・夏凜が説明していた勇者の切り札・・・・・・。

 

一気に力を解放した勇者の強化形態「満開」を発動したのだ。

 

「お姉・・・・・・ちゃん? まさか・・・・・・」

「溜め込んだ力を解放する、勇者の切り札・・・・・・」

 

樹は倒れながらも、満開を発動した風を見上げ・・・・・・風もまた、初めて使用した満開形態となった自分の姿を興味深そうに見つめていると・・・・・・そこでレオが空中に浮かぶ風に巨大な火球を撃ち込んで来たのだ。

 

しかし、風はそれを余裕でヒラリと躱すと、彼女は一気に相手に詰め寄って体当たりを繰り出し、その一発だけで夏凜の刀や東郷の銃弾すらも通さず、怯みすらもしなかったレオを倒れ込ませることに成功し、初めてまともなダメージを入れることに成功したのだ。

 

それを受けて、風はこれなら勝てるかもしれないという確信を得る。

 

「行ける!!」

 

それと同時に、東郷もまた満開を発動し、風と同じく白を基調としたものへと勇者服も変化し、それと同時に浮遊能力を持つ移動台座が出現。

 

「もう、許さない」

「東郷さん・・・・・あれって・・・・・・」

 

東郷はバーテックス達を睨み付けながら、どこからか取り出した鉢巻きを頭に巻き付けると、そこで今まで地面に潜って隠れていたピスケスが地中から飛び出し、姿を見せるのだが・・・・・・彼女は移動台座に装備された複数の花状の可動砲台を展開し、ピスケスが地面から出て来ると同時に彼女は砲台から全方面からの砲撃によってピスケスの身体を粉々に砕いていく。

 

「我! 敵軍に総攻撃を実施す!!」

 

それによってピスケスの御霊が完全に剥き出しの状態になると、東郷は容赦なく最後の一撃を御霊に撃ち込む。

 

「この程度の敵なら、封印の必要もないみたいね」

 

東郷の砲撃によって、御霊は封印の義を行われるまでもなく貫かれると御霊は光を溢れ出させながら爆発。

 

東郷はそれを見つめながらいつも妙な散り方をする御霊に疑問を一瞬抱いていたが・・・・・・それよりもと彼女はこれならばカイザーギラレスにもまともに対抗できるかもしれないと考え、彼女は移動台座と砲台をカイザーギラレスの方へと向け、狙いを定める。

 

それに気付いたカイザーギラレスは、光線などを跳ね返すことができる盾を構えるがそれをロッソとブルが後ろから掴みかかり、ロッソはカイザーギラレスの右腕、ブルは左腕を掴んで動きをなんとか押さえつける。

 

「グルアアアア!!!!」

『東郷!! 今だ!!』

『撃てえええええ!!!!』

 

ロッソとブルの叫びに応えるように東郷がコクリと力強く頷くと、彼女はロッソやブルには当たらないように正確、尚且つ精密に幾つもの砲弾を次々と連続でカイザーギラレスの身体に撃ち込んで行くと、やがてカイザーギラレスは片膝を突いて崩れ落ち、そこを狙ってロッソとブルが同時に放った膝蹴りを喰らい、吹き飛ばされる。

 

『『ダアア!!』』

「グルアアア!!?」

 

レオに続き、カイザーギラレスにもまた初めてまともなダメージを入れられたことに成功し、ガッツポーズをするブルと、東郷に「やったな!!」と嬉しそうにサムズアップを送るロッソ。

 

東郷もそんなロッソに微笑みを向けながら、サムズアップを返していると突然東郷の目の前にモニターのようなものが出現し、いきなり出てきたモニターに一瞬驚く東郷だったが・・・・・・。

 

「神樹様に近い!? このバーテックス・・・・・・何故気付かなかった!? こいつ、小さくて速い!?」

 

そのモニターがすぐに新幹線並の強烈な速さで神樹に向かって走っているジェミニ・バーテックスの位置情報を表示しているのだということに彼女は気づくと、東郷はすぐさまジェミニの行く手を阻もうと砲台をジェミニ向け、神樹にこれ以上近づけさせない為にも砲弾を撃ち込む。

 

しかし、ピスケスを圧倒的な火力で葬った東郷の攻撃力を持ってしても、ただでさえ素早い上に他のバーテックスに比べて小型であること、身軽であることも合わさり、次々撃ち込まれる彼女の砲撃をジェミニは難なく躱してしまい、自分でも捕えきれないスピードと身軽さに東郷は驚愕した。

 

「かろやかに躱した!!? このままじゃ、神樹様が・・・・・・!!」

 

そんな時、東郷の少し後ろの方で地面から幾つもの光が溢れると・・・・・・神官や巫女を思わせる服装となり、背後に巨大なアーチと花が現出した満開形態となった樹が現れる。

 

「私達の日常を、壊させない・・・・・・!」

 

静かに、けれども力強く、そう呟いた樹は「そっちに行くなあああああああ!!!!!」と叫ぶと共に背後に出現した巨大なアーチと花から幾つもの大量の緑のワイヤーを飛ばすと、その機動性の高さもあってジェミニの全身をワイヤー出巻き付けて見事に拘束することに成功。

 

「お仕置き!!」

 

自分の方へとジェミニを引き寄せると、彼女はジェミニに向けて右手をかざし、握り拳を作ると同時にジェミニの全身がバラバラに砕け散り、最後に残ったジェミニの手の平サイズほどの小さな御霊も、樹のワイヤー1つによって貫かれ、完全に破壊されるのだった。

 

『地味に1番えげつない技使ってるな、樹・・・・・・』

『だが、今はそれが必要だ!! 樹さん!! アイツの右腕だけで良い!! ちょっと拘束しておいて貰えませんか!?』

 

そこでカイザーギラレスが振るって来る剣と鉄球の攻撃を躱しながら、ブルはカイザーギラレスを倒すための作戦を思いついたとロッソに耳打ちし、さらに樹に光線技を跳ね返すあの厄介な右腕の盾だけでも拘束するなりなんなりして封じてくれるようにブルは頼み、ブルの頼みを「分かったよ!」と快く引き受けた彼女は、ロッソとブルがカイザーギラレスの注意を引きつけている間に、背後に回り込んで幾つもの大量のワイヤーを伸ばしてカイザーギラレスの右腕を拘束。

 

「グルウ!? グアアアアア!!!!」

 

右腕を拘束されたカイザーギラレスは、樹を振り払おうと右腕を振り回そうとするが、満開によって力も増している樹はカイザーギラレスの片腕だけならばカイザーギラレス相手にも力負けはしないため、そう簡単に樹の拘束を振り払うことが出来なかった。

 

ならばと鉄球でワイヤーを引き裂いてやろうと思ったカイザーギラレスだが、それよりも前にロッソとブルはクリスタルチェンジを行う。

 

『あいつの鎧をフニャフニャにして柔らかくしてやる!! 兄貴!! 兄貴は火を、俺は雪のクリスタルを使うぞ!!』

『分かった!!』

 

ブルの指示を受けて、ロッソはフレイムに戻ると、それと同時にブルも白い姿のユキジョロウへと姿を変える。

 

『ウルトラマンロッソ! フレイム!!』

『ウルトラマンブル! ユキジョロウ!!』

 

戦闘BGM「戦い 優勢」

 

そしてカイザーギラレスの鉄球がワイヤーに届く前に、ブルは両腕から放つ冷凍光線「ブリザードシュート」をカイザーギラレスに放つ。

 

『ブリザードシュート!!』

「グウウウ!!?」

 

それを受けて、カイザーギラレスは鬱陶しいとばかりに破壊光線をロッソとブルに放つが、2人は二方向に飛んで光線を回避。

 

『フレイムダーツ!!』

 

続けてロッソが手先から放つ火球弾「フレイムダーツ」を連射してカイザーギラレスに直撃させる。

 

『これを何回も繰り返すぞ!! 兄貴!!』

『なんか知らんが、おう!!』

 

さらにそこから再びブリザードシュートをブルはカイザーギラレスに放ち、ブルが光線を撃ち終えると続けざまに今度はロッソがフレイムダーツをカイザーギラレスに撃ち込む。

 

時折樹に破壊光線を撃ち込もうとしたこともあったが、それは東郷がカイザーギラレスの頭部に砲撃を集中させることで阻止し、カイザーギラレスの破壊光線などもなんかとか躱しつつ、何度か繰り返して行くと、やがてカイザーギラレスの全身にビキビキと音を立てながら亀裂が入り、ブルの合図で樹が拘束を解くと同時に、ロッソが繰り出した拳と、ブルの放ったストレートキックが同時に叩きこまれ、カイザーギラレスは大きく吹き飛ばされる。

 

「グルアアアアア!!!!?」

 

冷気と炎を交互に当てることによってカイザーギラレスの身体にヒビが入り、そのおかげで攻撃とダメージが通りやすくなったこと、その影響でカイザーギラレス自身も弱体化し、そのせいで比較的影響の受けていない右腕もまともに挙げることすら出来なかった。

 

これであの厄介な盾もほぼ使えなくなったと判断したブルは、ロッソに対して頷くと、ブルの意志を汲み取ったロッソも頷き返し、十字に組んだ腕から炎のエネルギーを集約した破壊光弾「フレイムスフィアシュート」を放ち、同時にブルも強力な冷気光線「ブリザードシュート」を放ち、2人の合体必殺光線「フレイムブリザードハイブリッドシュート」がカイザーギラレスに撃ち込まれる。

 

『フレイム!!』

『ブリザード!!』

『『ハイブリットシュート!!!!』』

 

そしてフレイムブリザードハイブリットシュートによる直撃を受けたカイザーギラレスは身体中から火花を散らしながら倒れ、爆発するのだった。

 

「グルアアアアア!!!!?」

 

だが、カイザーギラレスを倒しても終わりではない。

 

まだレオ・スタークラスターが残っており、気付けばレオは倒れ込んだ状態のままいつの間にかレオが今までよりもさらに巨大な火球を作り出すと、それを見た風は冷や汗を流し、思わず後退ってしまう。

 

「なに? このヤバそうな元気っぽい球は・・・・・・?」

「いけない!!」

「お姉ちゃん!!」

 

そしてレオは風にその巨大な火球を撃ち込み、東郷と樹が風に向かって叫ぶが・・・・・・風はより巨大化させた大剣を出現させてそれを手に握りしめると、彼女は大剣でレオの放った火球を受け止める。

 

「勇者部一同!! 封印開始いいいいい!!!! 私がこいつの相手をしている内にぃ!! 早くぅ!!!!」

 

風は自分が火球を受け止めている間に早くレオへの封印を行うように友奈達に指示を出すと、彼女等は風が満開を使っているとは言えあんな巨大な火球に耐えきることが出来るかどうか心配ではあったものの・・・・・・。

 

それでも彼女を信じ、友奈、樹、東郷、夏凜はレオの周りを取り囲む。

 

「ったく、私にも良いとこ・・・・・・残しときなさいよね!!」

 

そう言いながら夏凜が刀を地面に突き刺すと、それと同時に東郷や樹はレオに向けて手をかざし、友奈は右手の甲を構え、レオの封印を開始。

 

「よし、流石勇者部!!」

『待ってろ風!! 今助けに!!』

 

レオへの対処は友奈達に任せ、ロッソとアクアに戻ったブルは風を助けに行こうと彼女の元へと駆け寄ろうとするのだが・・・・・・次の瞬間、レオは風が受け止めていた火球を爆発させることで彼女を吹き飛ばし、風は爆発によるダメージによって満開状態が解除され、地面に勢いよく叩きつけられて倒れ込んでしまう。

 

「お姉ちゃん!!」

「風先輩!!!!」

『風!!』

 

爆発の炎に吹き飛ばされ、悲痛な声で風の名を叫ぶ樹、友奈、ロッソ。

 

「そいつをぉ!! そいつを倒せえええええええ!!!!!」

 

しかし、風は自分の身を案じるくらいならレオを倒せと地べたを這いつくばるように倒れながら、力強く叫び、樹は一瞬すぐにでも風の元に駆けつけたい気持ちが溢れ出したものの即座に彼女はその気持ちを必死に抑えつけ、風の言葉に「うん!!」と頷くと、樹は封印の義を継続。

 

やがて、封印の義によってレオの身体から御霊が出現し・・・・・・後はそれを破壊することが出来れば自分達の完全勝利・・・・・・。

 

しかし・・・・・・。

 

レオの身体から出てきた御霊は、あまりにも巨大であり、その大きさはまさに宇宙規模で御霊は現在、宇宙空間を漂っており、そんなあまりにも規則外すぎる大きさの御霊の出現に友奈達は目を見開き、驚愕するしかなかった。

 

「えっ、えええええええ!!!!?」

「何から何まで、規格外すぎるわ・・・・・!」

「しかもあの御霊、出てる場所が・・・・・・宇宙!?」

 

あとは御霊を破壊するだけだというのに、最後の最後にこんな巨大なものどうやって破壊すれば良いのか、仮に破壊出来たとしても時間制限のある封印の義を行っている間に完全に破壊することが出来るのか、そのことが分からない夏凜達はその御霊に圧巻され、悲観な感情に支配されてしまうが・・・・・・。

 

「大丈夫!!」

 

それでも、そんな絶望的な状況の中で唯一、友奈だけが諦めず、今までと同じようにすれば良いだけだと言い放ってきたのだ。

 

「御霊なんだから、今までと同じようにすれば良いんだよ!! どんなに敵が多くたって、諦めるもんか!! 勇者って、そういうものだよね!?」

 

拳を握りしめながら、友奈がそう言うと、彼女のその言葉に絶望的な表情をしていた夏凜や樹も希望を取り戻し、東郷もまた友奈の言葉にコクリと頷いて見せたのだ。

 

「友奈ちゃん行こう!! 今の私なら、友奈ちゃんを運べると思う!!」

「うん! 2人は、封印をお願い!!」

 

友奈はレオの封印を樹と夏凜に任せ、彼女は東郷の乗っている移動台座に飛び乗ると彼女は東郷と手を手を繋いで握りあいながら2人は空を見上げ、東郷は移動台座を起動させて宇宙空間へと向かう。

 

だが、それと同時に樹海空間で浸食現象が発生し、地面や樹海にある木々が枯れ始め、何時もよりも浸食具合が早いことに夏凜は焦りを感じる。

 

「クソ、浸食が早い!!」

「拘束力が・・・・・・!」

 

さらに、木霊がスマホを持ちながら、画面を樹に見せると、もう既にレオを拘束していられる時間が76秒と表示されており、ブルはロッソに自分達も友奈達の手伝いに行かなくて良いのかと問いかけるが・・・・・・。

 

『もう変身していられる時間も少ない。 今の俺達が友奈達について行っても、きっとアイツ等の足手纏いにしかならないだろう。 でも、念のためにギリギリまで変身は保っておくけどな』

『確かに、それが懸命な判断か。 あとは友奈さん達に任せないといけないのは歯がゆいが・・・・・・』

 

変身していられる時間が迫っている以上、下手に友奈や東郷と一緒について行けばきっと宇宙空間で強制的に変身解除されてしまう可能性は高い。

 

一応、樹海化による影響か、勇者に変身しているからか、友奈達は宇宙空間に出ても息は出来るようだが春木達の変身が解除された時、宇宙空間で息をすることが出来るかは怪しい。

 

仮に出来たとしても、変身が解除されれば地上まで真っ逆さま。

 

そうなれば友奈や東郷は御霊を破壊するよりも自分達を助けることを優先するだろう。

 

ただでさえ時間がないのに、もしそんなことになれば確かにロッソの言う通り友奈や東郷の足手纏いになるだけだ。

 

そのことにブルももどかしい気持ちにはなるものの、それが最善で、もしもの時に備えて地上でギリギリまで変身を維持しておいた方がよっぽど良いと判断し、ロッソとブルは空を見上げながら、友奈達の勝利を信じて待つのだった。

 

だが・・・・・・、そんな時のことだった。

 

「グオオオオオオオオ・・・・・・!!!!!」

 

どこからか、地獄から響くような咆哮が聞こえ、その咆哮を耳にした瞬間、ロッソとブルはまさかと思いながら先ほどカイザーギラレスが倒れた場所に視線を向けると、そこには爆発の炎の中から全身の鎧がボロボロと崩れ落ちながらも、肉体を再生させ、立ち上がるカイザーギラレスの姿があったのだ。

 

「ちょっ、あいつまだ生きてんの!?」

 

再び立ち上がったカイザーギラレスを見て、夏凜や樹、風も唖然とするが・・・・・・それでもあんなボロボロの状態ならばゴリ押しすれば勝てるとロッソは身構えるが・・・・・・。

 

『いや、待て兄貴! 何かおかしい・・・・・・!!』

 

次の瞬間、カイザーギラレスの全身の鎧が元通りに直ると同時に鎧はドス黒く変色し、さらには剣と盾、鉄球もおぞましい悪魔的な形となって顔も地獄から這い出た悪鬼そのものとなり、無数の触手を持って身体も3倍の大きさとなって・・・・・・。

 

カイザーギラレスは体内にあった超古代怪獣、スフィア、根源的破滅将来体、カオスヘッダー、スペースビーストと呼ばれる怪獣達の細胞を活性化させることで、肉体を変化させた姿・・・・・・「デーモンギラレス14世」へと進化したのだ。

 

「グオオオオオオオ!!!!!」

『おい、嘘だろ・・・・・・!』

 

ちなみにこのデーモンギラレスという怪獣、本来はカイザーギラレスが進化した姿などではなく、超古代怪獣達の細胞だって体内には存在はしない。

 

本来のデーモンギラレスは「超古代怪獣 ガルラ」「超宇宙合成獣 ネオジオモス」「超空間波動怪獣 サイコメザード」「精神寄生獣 カオスジラーク」「フィンディッシュタイプビースト ノスフェル」と呼ばれる怪獣達の細胞とカイザーギラレス自身が融合することで生まれる怪獣である。

 

しかし、ならば何故このカイザーギラレスは体内に他の怪獣達の細胞を隠し持ち、デーモンギラレスに進化したのか。

 

どうせならばガルラ達と共にカイザーギラレスを送り込めば良かったのではないかと思うかもしれないが、それは樹海に現れる怪獣達もバーテックスと同様に「限りがあるから」である。

 

1体の怪獣に、複数の怪獣の細胞が組み込まれようが1体は1体、限りある数自体は変わらない。

 

そしてカイザーギラレスは自身が倒された今、もうカイザーギラレスの状態のまま戦闘を続行することは不可能と判断し、奥の手として内包されていた怪獣達の細胞を活性化させることでデーモンギラレスへと変貌を遂げることで、ロッソ達の前に立ち塞がったのだ。

 

「グオオオオオオ!!!!!」

 

デーモンギラレスの威圧感のある雄叫びを受けて、思わず後退るロッソとブルだが・・・・・・それでもロッソとブルは封印の義を行っている樹と夏凜、倒れ込んでいる風を守るようにデーモンギラレスの前に立ち塞がり、それぞれ「ルーブスラッガーブル」と「ルーブスラッガーロッソ」を取り出し、それを構える。

 

『ルーブスラッガーブル!!』

『ルーブスラッガーロッソ!!』

 

するとデーモンギラレスは電撃を纏った剣をロッソとブルに向かって振り下ろし、攻撃を仕掛けるがロッソとブルはすれすれでその攻撃を避けると一気に跳び上がり、デーモンギラレスが伸ばしてきた無数の触手を切り裂きながら、ルーブスラッガーを2人同時に振るってデーモンギラレスの盾を切り裂いて破壊。

 

しかし、破壊された盾はすぐに再生を始め、元通りに戻ってしまう。

 

『なに!!?』

「グルアアアアアア!!!!」

 

すると今度はこっちの番だとばかりにデーモンギラレスは光弾、ビーム、熱線、火炎などの多彩な攻撃でロッソとブルに反撃し、2人のウルトラマンはそれらの攻撃を受けて身体中から火花を散らしながら、地面に叩きつけられるように倒れ込んでしまう。

 

『『ウアアアアア!!!!?』』

 

さらにはデーモンギラレスの放った無数の攻撃は夏凜や樹をも巻き込み、危うく夏凜や樹はレオへの封印が解けそうになるところだったが、なんとか2人は踏ん張り、耐え抜いた。

 

「樹は封印を!! 私はアイツを・・・・・・!!」

 

夏凜は封印の義を樹に任せ、自分はロッソやブルの援護に向かおうと飛び出し、デーモンギラレスにどこまで通用するか分からないが自分も満開を発動させようとする。

 

「満か・・・・・・きゃあああああ!!?」

 

しかし、直後にデーモンギラレスの放った光弾が直撃し、精霊バリアのおかげで死にこそしなかったものの彼女は地面に叩きつけられ、一撃で戦闘不能レベルのダメージを受けてしまい、まともに立つことすら出来なくなってしまったのだ。

 

「ぐっ、クッソ・・・・・・!!」

「夏凜さん!!」

『夏凜先輩・・・・・・!! こんの、野郎おおおおおお!!!!』

 

夏凜のことは、正直言ってあまり好きでは無いが・・・・・・それでも一緒に戦い、共に勇者部で活動する仲間だと思っているブルは、夏凜がやられたのを見て怒りを込み上げ、立ち上がる。

 

『俺の、気合いと・・・・・・根性は!! こんなもんじゃねえ!! よくも夏凜をやってくれたなぁ!!』

 

ブルと同じように、夏凜が傷つけられて怒りを覚えたロッソもまた立ち上がると、ロッソはシュテンドウジ、ブルはダイテングへとクリスタルチェンジして姿を変える。

 

『ウルトラマンロッソ! シュテンドウジ!!』

『ウルトラマンブル! ダイテング!!』

 

ロッソはデーモンギラレスの又の下を滑り込むようにして背後に回り込むと、跳び上がって後ろから巨大な拳を模った衝撃波、「ナックルビッグインパクト」をデーモンギラレスの背中に撃ち込もうとするが・・・・・・。

 

『ナックルビッグインパクトォ!!』

 

ギョロリとデーモンギラレスの背中に存在していた巨大な目が開くと、無数の触手がロッソのナックルビッグインパクトを防いでしまい、さらにはロッソの足を拘束すると、ロッソを地面に叩きつけてしまう。

 

『グアアアッ!!?』

『兄貴・・・・・・!! なら、これで!! クロスブレイカー!!』

 

ブルはデーモンギラレスに対し、両手でX字を描くように振るうことでX字の斬撃を飛ばす「クロスブレイカー」を放ち、デーモンギラレスは直撃を受けるものの全く微動だにせず、逆にデーモンギラレスの鉄球による殴打をブルは受けて吹き飛ばされてしまう。

 

『ウアアアア!!!!?』

 

デーモンギラレスの圧倒的な力に、ロッソもブルもまるで歯が立たず・・・・・・2人のカラータイマーも激しい点滅音が鳴り響き、間も無く変身が解除されてしまうことを知らせてくるが・・・・・・。

 

それでも、2人は諦めず、立ち上がり・・・・・・ロッソとブルはそれぞれフレイムとアクアの基本形態に戻るとそれぞれ必殺光線の構えに入る。

 

『ここで、こんなところで・・・・・・!!』

『諦めて、たまるかよ・・・・・・!!』

 

フラフラになりながらも、ロッソは十字に組んだ腕から炎のエネルギーを集約した破壊光弾を発射する「フレイムスフィアシュート」、ブルは腕をL字に組み、水のパワーを宿したエネルギー光線を放つ「アクアストリューム」をデーモンギラレスに繰り出す。

 

『フレ、イム・・・・・・スフィア、シュート・・・・・・!!』

『アクア・・・・・・スト、リューム・・・・・・!!』

 

二方向から放たれた2人の必殺光線はそのまま真っ直ぐデーモンギラレスの身体に直撃するが、デーモンギラレスは平然と2人の光線技の直撃を耐えきり、直後にデーモンギラレスは光弾、ビーム、熱線、火炎を手当たり次第に発射。

 

『マズい!!』

 

それらのデーモンギラレスの攻撃が、封印の義を行っている樹や、倒れ込んでいる風や夏凜に直撃しそうだったのを見たロッソとブルは、急いで3人を庇うように立つことで、彼女等に飛んで来た攻撃を全てその身体で受けきるのだが・・・・・・。

 

『『ウアアアアアッ!!!!?』』

「アイツ、等・・・・・・」

「先輩!! 良くん!!」

 

風達こそなんとか守れたものの・・・・・・既にボロボロで、エネルギー切れ寸前にまでいっているロッソとブルが耐えきれるはずもなく、ロッソとブルの2人のカラータイマーの点滅が停止すると、2人は変身が強制的に解除され、その場に倒れ込むのだった。

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

一方、ロッソやブルがデーモンギラレスと戦っているのと同じ頃。

 

宇宙空間へと辿り着いた友奈と東郷。

 

そのまま東郷は移動台座を操作して真っ直ぐ御霊に向かって行こうとするのだが、その時、御霊が予想外の行動に出たのだ。

 

なんと、御霊はその巨大さならば多少身を削っても問題無いと言わんばかりに自身の身を欠片として友奈や東郷に対して投げつけ、攻撃を仕掛けて来たのだ。

 

「御霊が攻撃!?」

 

今まで、防御態勢しか見せてこなかった御霊が攻撃を繰り出して来たことに友奈は驚愕し、東郷は即座に移動台座の大砲を構え、欠片を全て撃ち落とそうとする。

 

「迎撃するわ!! 地上には落とさない!!」

 

欠片が地上に落ちれば、風達にも被害が及びかねない。

 

それを考慮して、東郷は御霊から放たれた欠片を全て撃ち落とすべく、砲弾を一気に撃ち込んで広範囲に欠片を破壊するのだが・・・・・・。

 

流石に数が多すぎることもあり、満開の力を持ってしても一撃で全て撃ち落とすことなどは不可能であり、すぐにまた御霊の欠片が雨のように降り注いで来たのだ。

 

そのことに東郷は唇を噛み締め、友奈は不安げな顔を浮かべながら東郷の名を呼ぶが・・・・・・そんな友奈に東郷は「大丈夫」と微笑み、握っている彼女の手をさらに強く握りしめる。

 

「友奈ちゃん、見てて!!」

「うん!!」

「一個たりとも通さない!!」

 

東郷は移動台座の複数の大砲を同時に操り、こちらに向かって降り注いでくる御霊の欠片を砲弾で次々に撃ち落として行き、一度撃ち漏らしが出たものもなんとか破壊することに成功し、最終的に御霊が放った欠片は全て東郷の手によって全て破壊することに成功するのだった。

 

「凄い東郷さん!! ここまで来たよ!!」

 

それから東郷は移動台座を使い、御霊のすぐ近くにまで接近することに成功したのだが・・・・・・既に彼女の体力は限界に近く、見るからに疲労しており、一瞬フラついた東郷を友奈は慌てて支えた。

 

「っ・・・・・・」

「東郷さん!!」

「友奈ちゃん、ごめん。 ちょっと疲れちゃったみたい・・・・・・」

「ありがとう、東郷さん! 見ててね、やっつけてくる!」

 

友奈は東郷の右手を両手で握りしめながら御霊を自分が破壊することを誓い、2人はほんの少しの間お互いに見つめ合った後、頷き合うと、友奈は東郷の手を離し、御霊を見上げる。

 

「何時も見てる」

 

そんな東郷の言葉を背に受けながら、友奈は移動台座から跳び上がると彼女は満開を発動し、全勇者共通の背部のリングに加え左右に巨大なアームが発現した姿へと変わる。

 

「満開!!」

 

友奈はアームによる拳を構えながら、御霊へと一気に接近。

 

「みんなを守って、私は勇者になあああある!!!!」

 

その際、東郷も最後の一撃として砲弾を先んじて御霊に撃ち込むと、御霊の一部に亀裂が入り、友奈はそこを狙ってアームによる拳で殴りつける。

 

「そこだああああああ!!!!!」

 

友奈はそのまま亀裂を殴って御霊の内部に侵入すると、左右のアームで御霊の内部を殴りまくり、御霊を順調に破壊していく。

 

「っ、硬い!?」

 

しかし、途中、満開の力で殴っても砕けない場所に当たり、一瞬動きを止めてしまった友奈。

 

そんな友奈の隙を突くかのように、御霊は内部から再生を始め、それを利用して友奈の身体を圧迫し、押し潰そうとしてくる。

 

「ううう、あああああ!!!!?」

 

やがて身体の殆どが埋まり、このままでは本当に友奈は押し潰されてしまうかと思われたが・・・・・・その時。

 

「っ・・・・・・!! 勇者部、五箇条・・・・・・!! ひとーつ!!!! なるべく、諦めなあああああい!!!!!」

 

友奈は勇者部五箇条を口にしながら気合いを入れ直し、より力を込めたアームによる拳を振るうことで自身を圧迫していた御霊の壁や先ほどは破壊出来なかった箇所を破壊することに成功。

 

「さらに、五箇条ォ!! もうひとーつ!! 成せばああああああ!!!! 大抵!! なんとかなああああある!!!!!!」

 

そこからさらに、気合いを入れ、力を込めた拳で御霊の内部を破壊して真っ直ぐ掘り進んでいくと、彼女はやがて太陽のような見た目をした御霊の中心部に辿り着き、最後の一撃としてアームによる拳で中央部分を思いっきり殴りつける。

 

それを受け、御霊は内部から徐々に全身にかけて亀裂が入っていき、光の粒子のようになって消滅すると同時に友奈も内部から脱出したのだが・・・・・・既に友奈自身も体力を大きく消耗していたこともあり、満開を既に意地することができず、それによって満開による飛行能力も失われた為、ゆっくりと地上に落下していきそうになるのだが・・・・・・。

 

既に満開形態は解け、通常形態に戻ってはいたが・・・・・・それでも満開の力を僅かに維持し、移動台座を巨大な空中を浮遊するアサガオに変化させていた東郷によって友奈は受け止められる。

 

「あっ、東郷さん」

「友奈ちゃん、お疲れ様」

 

友奈は東郷の顔を見ると、ホッと安堵したような表情を浮かべる。

 

「美味しいとこだけ、取っちゃった」

 

友奈はそんなこと言いながら苦笑し、東郷は友奈の手を握りしめると彼女は友奈に謝罪の言葉を送って来たのだ。

 

「ごめん。 最後の力で、これだけ残したけど・・・・・・持つかどうか、分からない」

 

今でこそ、僅かに満開での力を意地しているが・・・・・・それでも地上に戻るまでに持つか分からないことを不安げな様子で語る東郷だったが、そんな東郷を安心させるように「大丈夫」と友奈は優しく声をかける。

 

「神樹様が守ってくれるよ?」

「・・・・・・そうね」

 

そして、東郷はアサガオは蕾状に変化させて自分と友奈を包み込むと、そのまま地上に向かって落下。

 

大気突入すると、蕾は炎に包まれるが、既に力が不安定とは言えアサガオの内部は比較的安全だった。

 

(もし万が一ダメでも、友奈ちゃんと一緒なら・・・・・・。 怖くない。 あっ、でも春木先輩に私の想いくらいは、伝えたかったな・・・・・・)

(神樹様、2人とも無事に帰らせてください。 お願いします)

 

2人はアサガオの内部で、出来ることなら無事に帰らせて欲しいと神樹に願いながらお互いに握り合っていると・・・・・・やがてアサガオは地上がハッキリと視認できる距離にまでやってくると、友奈は御霊を破壊したことで身動きが取れるようになった樹がワイヤーで作った網で受け止められる。

 

「絶対、助けて見せます!!」

 

無論、網は何重にも張っており、徐々にではあるがアサガオの落下する速度が弱まっていき・・・・・・最後はなんとか無事にアサガオを受け止め、友奈と東郷を見事救って見せたのだ。

 

「ナイス、根性・・・・・・。 見て、樹・・・・・・。 アンタが、止めたのよ」

 

デーモンギラレスにやられたダメージを堪えながらも、樹の元にやってきて労いの言葉をかける夏凜。

 

「行ってあげて、ください・・・・・・」

「うん・・・・・・」

 

樹に言われ、フラつきながらも夏凜が友奈と東郷の元に歩み寄ると・・・・・・既に限界だった樹も満開形態が解除される。

 

「お姉ちゃん、私・・・・・・頑張ったよ。 でも・・・・・・」

 

弱々しい声を出しながら、ロッソとブルを倒し、もはや自分達など相手にする価値は無いと言わんばかりに自分達を無視して神樹に向かって歩み進むデーモンギラレスの背中を見つめながら・・・・・遂に体力や気力の限界を迎えた樹はその場に倒れ込んでしまうのだった。

 

「サプリ決めとけば、良かった・・・・・・かな?」

 

そして、友奈と東郷の元に歩み寄った夏凜は、まるで死んだかのように動かない2人を泣き出しそうになるほど心配するが・・・・・・。

 

「友奈! 東郷・・・・・・!? おい、2人ともしっかりしろよ・・・・・・!」

「ケホケホッ・・・・・・。 えへ、大丈夫・・・・・・?」

 

友奈や東郷は、目を覚まして生きていることを夏凜に教えると・・・・・・彼女はほっと一安心し、胸を撫で下ろすが・・・・・・まだデーモンギラレスが残っている以上、戦いは終わっていない。

 

「あの・・・・・・怪獣は・・・・・・?」

「あの金色の怪獣が、復活したんだ・・・・・・。 しかも、パワーアップした状態で」

 

そこへ、友奈や東郷、夏凜の元に、良に肩を貸しながらボロボロで、フラフラになった春木がやってくると、東郷も友奈も「そんな・・・・・・!」と驚愕し、当然ながら絶望的な表情を浮かべる。

 

「ゲホッ! エネルギーも限界だったとは言え、今まで戦った怪獣とは、格が違っていた。 まるで手も足も・・・・・・」

 

あとはあの巨大な御霊を破壊すれば、全部終わる筈だったのにと・・・・・・思わずにいられない東郷に友奈。

 

しかも、友奈も、東郷も、夏凜も、風や樹、春木や良も・・・・・・もう誰も、まともに戦えるだけの力を残してはいなかった。

 

もはや待つのは、滅びのみなのか・・・・・・。

 

ここにいる殆どの人物がそんな考えに支配されかけたその時・・・・・・。

 

ボロボロの身体に鞭を打ちながら・・・・・・友奈が立ち上がって来たのだ。

 

「あとは、アイツ・・・・・・だけなんだ・・・・・・!! こんなところで、ここまできて、諦めるなんて・・・・・・絶対に嫌だ!!」

「友奈・・・・・・。 でも、もう、私達には戦うだけの力は・・・・・・!」

 

今の自分達が、デーモンギラレスと戦ったところであっさりと殺される未来なんて簡単に予想できてしまう。

 

諦めたくない気持ちは夏凜だって同じだ。

 

しかし、この状況を仰せるだけの力を持つ人物は、誰1人としていない、この状況をひっくり返せるだけの作戦もない。

 

それに、自身が受けたこのダメージ量では自分が満開したところで、やはりどのみちデーモンギラレスに返り討ちにされるのがオチなのは目に見えていた。

 

だから夏凜は、諦めたくは無いが、打つ手が無い以上・・・・・どうすることも出来ないと嘆くしか無かった。

 

「俺も、友奈と同じだ。 やらない後悔より、やる後悔だ!! 良、もう1度・・・・・・変身するぞ!」

「だが、兄貴・・・・・・。 まだ、再変身できるだけの時間は・・・・・・」

「それでも、気合いでなんとかすんだよ!! 俺はやる! オレ色に染め上げろ!! ルーブ!!」

 

しかし、こんな状況でも友奈と同じように、諦めたくは無いと強く思う春木もまた、ルーブジャイロを再び取り出し、ロッソに変身しようとそれを構えるのだが・・・・・・ルーブジャイロはやはりと言うべきか、無反応だった。

 

「やっぱり、ダメか・・・・・・」

「諦めるな!! もう1度だ!! 頼む、もう1度だけで良い!! 動いてくれ!!」

 

春木は何度かルーブジャイロを起動させようとするが、やはりジャイロはうんともすんとも言わず、一切起動する気配は無かった。

 

「私が、なんとかします!」

「なんとかって、ダメよ、友奈ちゃん・・・・・・!」

 

友奈はボロボロの身体で尚もデーモンギラレスに立ち向かうことを宣言すると、それを慌てて東郷が止めに入るが・・・・・・それでも、友奈はこのまま黙ってジッとしていられるなんて出来なかった。

 

「それでも私は、勇者だから・・・・・・!! みんなと過ごす毎日が大切だから!! だから!! 決して明日を諦めたりなんかしない!!」

「俺もだ。 例え変身なんて出来なくても・・・・・・俺は戦う!! どうやってあんなの戦えば良いのか分かんねえけど・・・・・・それでも、俺は全てを諦めたくない!!」

 

友奈の隣に、春木が並び立つと、2人はお互いに頷き合う。

 

「友奈ちゃん・・・・・・。 春木先輩・・・・・・」

「友奈さん、兄貴・・・・・・」

 

東郷と良が、それぞれ友奈と春木の名を呟き、友奈と春木がデーモンギラレスを見据え、友奈がデーモンギラレスに立ち向かおうと、動き出そうとしたその時だ・・・・・・。

 

ポンッと友奈の目の前に彼女や春木の「諦めない心に反応したかのように」牛鬼が突然現れ、友奈は「わきゃああ!!?」といきなり現れた牛鬼に驚いて可愛らしい悲鳴を上げると、唐突に現れた牛鬼に頭に疑問符を浮かべながら「ど、どうしたの牛鬼?」と尋ねる。

 

すると、急にモゴモゴと口の中を動かすとグペッと何か丸い物を勢いよく口の中から吐き出すと、それが春木に額に激突。

 

「なんか吐いたぁー!!?」

「あたぁ!!?」

「「せ、先輩!?」」

「えっ、なに!? 何が起こったの!?」

 

突然の出来事に、当たり前のことだが困惑せずにはいられない夏凜。

 

「これは、クリスタル・・・・・・!?」

 

取りあえず、ハンカチでクリスタルを良が拾いあげると、牛鬼が吐き出したそれは「七」と書かれたクリスタルであり、なんで牛鬼がルーブクリスタルを吐き出したのか分からず、一同はジッと牛鬼を見つめる。

 

「もしかして拾い食いでもしたのか?」

「牛鬼のことだから、有り得る・・・・・・」

 

良は食い意地の張った牛鬼のことなので、もしかしてどこかで拾い食いしたのではないかと予想し、主である友奈も自分が知らないところで拾い食いしていた可能性について否定することが出来なかった。

 

「いや、しかし・・・・・・。 幾ら新しいクリスタルが手に入ったからと言って、結局変身出来なければ意味が・・・・・・」

 

新しいクリスタルを手に入れたとは言っても、再変身することが出来なければ結局のところ意味はなく、この状況がひっくり返る訳ではない。

 

なので状況は全く好転する訳ではないと、そう思われたが・・・・・。

 

「んっ?」

 

そんな時、春木や良が所持していた大天狗、酒呑童子、雪女郎、輪入道のクリスタルが独りでに勝手に空中に浮かび上がると、良がハンカチで磨いていたクリスタル、「七人御先」も浮かび上がり、大天狗のクリスタルを中心に、5つのクリスタルを重なり合うと・・・・・・眩い光を放つ。

 

「これは・・・・・・」

「っ、ジャイロが・・・・・・!」

 

その光を受けると、良と春木の所持していたジャイロの中央部分が一瞬輝き、2人は直感的にその光を受けたことで再変身が可能になったことを理解したのだ。

 

そして、重なり合っていた5つのクリスタルは・・・・・・なんと、1つの金色のクリスタルとして融合した。

 

「融合した・・・・・・! これって・・・・・・」

 

そのクリスタルを春木は手に取り、良と顔を見合わせると、2人は頷き合う。

 

「行けるのね? アンタ達・・・・・・」

「あぁ。 多分・・・・・・再変身できる!」

 

夏凜の問いかけに、春木がそう応えると、春木と良は拳を上下にお互いにぶつけあった後、ルーブジャイロを構える。

 

「「オレ色に染め上げろ!! ルーブ!!」」

 

最初に、良が空中に浮かんだルーブクリスタルホルダーを手に取ると、彼はそこから「ウルトラマンギンガ」の絵が描かれた水のクリスタルを取り出し、クリスタルの1本角を立ててジャイロの中央にセット。

 

「纏うは水!! 紺碧の海!!」

 

そこから良はルーブジャイロの左右にあるトリガーを3回引き、彼は左腕を掲げる。

 

「はあああ、はあ!!」

『ウルトラマンブル! アクア!』

 

そして良は全身を水に飲み込まれ、青い巨人「ウルトラマンブル アクア」へと変身を完了。

 

続けて、春木もまた手に取った5つのクリスタルが融合した「輝」と書かれたクリスタルの角を2本立て、ルーブジャイロの中央にセット。

 

「セレクト!! クリスタル!!」

『輝クリスタル!!』 

「纏うは輝!! 不屈の意志!!」

 

そしてジャイロの左右にあるトリガーを3回引き、春木は右腕を掲げる。

 

「はあああ、はあ!!」

『ウルトラマンロッソ! ブレイバー!!』

 

そして、春木はロッソの身体のラインが金色となり、右腕に金色のブレスレット・・・・・・「ルーブレスレット」を装着した姿・・・・・・「ウルトラマンロッソ ブレイバー」へと変身したのだ。

 

『やった・・・・・・! 変身出来た!!』

『あぁ』

 

挿入歌「Hands」

 

『行くぞ!! 良!!』

『今度こそ終わらせる!!』

 

そしてデーモンギラレスもまた、ロッソとブルが復活したことに気付くと、彼等の方へと身体を振り向かせると同時に光弾、ビーム、熱線、火炎を無造作に放ち、ロッソとブルに攻撃を仕掛けるがロッソは左腕に旋刃盤のような武器、「神屋楯比売」を出現させ、右腕に装着すると光のワイヤーで繋いだ神屋楯比売をヨーヨーのように操ることで神屋楯比売の刃でデーモンギラレスの放ったビーム、熱線、火炎を全て切り裂いて防ぐ。

 

そこからロッソとブルはデーモンギラレスに向かって駈け出して行き、ブルは空中に浮かび上がり、デーモンギラレスの頭上に向かってかかと落としを繰り出す。

 

『オリャアアア!!!!』

 

しかし、それをデーモンギラレスは左腕の鉄球を振るって叩き落とそうとするのだが、それはロッソが地上から放った巨大な拳を模った衝撃波を放つ「ナックルビッグインパクト」によって弾かれ、ブルのかかと落としが見事にデーモンギラレスの頭上にクリティカルヒット。

 

「グウウ!!? ガアアアア!!!!」

 

だが、攻撃を受けたと言っても多少怯んだだけでまるでダメージにはなっておらず、かかと落としを決め、自分から一度離れようとしたブルを拘束しようと無数の触手を伸ばして来るが、ブルは紫の姿、「ウィンド」に変わるとデーモンギラレスの伸ばして来る触手を素早く躱しながら頭部から「ルーブスラッガーブル」を取り出す。

 

さらにインナースペース内の良はクリスタルホルダーから「雷」と書かれた「ウルトラマンエックス」のクリスタルをスラッガーブルにセット。

 

『ウルトラマンエックス!!』

 

スラッガーブルの刀身に緑色の電撃を纏わせた「スパークカッター」を使いながらブルは目にも止まらぬ素早い動きでデーモンギラレスの触手を全て切り裂く。

 

『スパークアタッカー!!』

「グルウウウ!!!!」

 

ならばと先ずはロッソから潰してやろうと左腕の鉄球を思いっきりロッソに振り下ろし、殴り潰そうとするのだが・・・・・・ロッソは1つの光の刀「生大刀」を生成し、ロッソは生大刀を素早く振るうとデーモンギラレスの鉄球は一瞬で細切れにされ、粉々に破壊される。

 

『シェアア!!』

「グウウウ!!?」

 

それにデーモンギラレスは驚き、動揺した様子を見せるが・・・・・・ならば今度は熱線、ビーム、火炎をロッソにだけ集中して放ち、遠距離からの攻撃を試みる。

 

だが、ロッソはそれらの攻撃を全てすり抜けてデーモンギラレスの腹部辺りにまでジャンプすると、冷気を纏わせた拳によるラッシュ攻撃「アイスラッシュ」を何度も繰り出す。

 

『アイスラッシュ!! オラオラオラァ!!』

 

何度も腹部を殴られ、殴られる度にデーモンギラレスの腹部が凍り付いて行くのだが、デーモンギラレスは「やめろ!!」と言わんばかりに右腕の剣を振るってロッソをなんとか引き離す。

 

そこからロッソとブルは一度地上に降り立ち、ロッソのインナースペース内の春木は自身の右腕に装着された「ルーブレスレット」を構え、左手でそれを添えると・・・・・・ブレスレットを変形させ、金色の槍型の武器・・・・・・「ルーブランス」へと変化させる。

 

『ルーブランス!!』

 

さらに春木はルーブランスの先端部分の中央にある丸い窪みに火のクリスタルをセットすると、ルーブランスは炎を纏った状態「フレイムランス」へとさらに変わる。

 

『ウルトラマンタロウ!』

『フレイムランス!!』

「グルアアアアアア!!!!」

 

そんなロッソに、だからどうしたと言わんばかりに剣を振り下ろして来るデーモンギラレスだったが、ロッソは全身を炎に変化させることでデーモンギラレスの攻撃がすり抜けると、炎そのものとなったロッソがさらにそこから4つの炎の槍に変わると、それらが一斉に敵を貫く「フレイムランスシュート」が放たれ、デーモンギラレスの身体を貫く。

 

「グウウウウウ!!!!?」

 

最も、その巨体さ故か・・・・・・多少のダメージは通ったものの4つの槍で身体を貫かれたくらいでは死なず、デーモンギラレスは無防備な状態の勇者達の姿を視界に入れると彼女等に向かってビーム、火炎、熱線を放つという卑劣な手段を決行。

 

「っ、こっちに攻撃してきた!?」

『マズい!! 良!! 今度はお前がこれを使え!』

 

それを見てロッソは赤い姿のフレイムになると、インナースペース内で春木は輝クリスタルを良に手渡す。

 

『ってこれ、俺にも使えるのか兄貴!?』

『四の五の言ってないで使え!! 多分、今はお前が使った方が良い!!』

『わ、分かった!! セレクト!! クリスタル!!』

 

ロッソに言われ、戸惑いつつもインナースペース内の良は言われた通り輝クリスタルをジャイロにセット。

 

『輝クリスタル!!』

『纏うは輝!! 不屈の意志!!』

 

ジャイロの左右にあるトリガーを3回引き、良は左腕を掲げる。

 

『はああ、はあ!!』

『ウルトラマンブル!! ブレイバー!!』

 

すると、ブルの姿が青から金色の姿へと変わり、良の右腕にもルーブレスレットが装着されると、良は左手をルーブスレットに添えて、ルーブレスレットをルーブランスに変化させる。

 

『ルーブランス!!』

 

そして、ブルがルーブランスを地面に突き刺すと友奈達の前に巨大な氷の壁が出現し、その壁がデーモンギラレスの放った火炎、ビーム、熱線を防ぐ。

 

「グウウウウウ!!!!!」

 

勇者達を殺すことも阻止され、ロッソとブルを睨み付けるデーモンギラレスだったが、ロッソとブルも友奈達を狙われたことに怒り、デーモンギラレスに対し、睨み返す。

 

『お前!! よくもあんな状態の友奈達を・・・・・・!!』

『許さん・・・・・・!!』

 

そこでインナースペース内の良は、ルーブランスの先端の窪みに水のクリスタルをセット。

 

『ウルトラマンギンガ!!』

『アクアランス!!』

 

ルーブランスを水を纏った「アクアランス」に変化させると、ブルの周囲に水の球体が3つ浮かび上がり、その球体とはアクアランスから放たれる強烈な水流「アクアランスシュート」を放ち、それを受けたデーモンギラレスは軽く吹き飛ばされる。

 

「グウウウ、ギシャアアア!!!!?」

 

それに片膝を突くデーモンギラレスだが、体勢を整えさせるつもりのないブルは「七人御先」の力を使い、7人に分身し、ルーブランスをブレスレットに戻して右腕に装着すると、代わりに今度は黒いエネルギーで作られた鎌のような武器「大葉刈」が出現。

 

さらにそこからブルは7人に分身する「シャドウイリュージョン」を使い、大葉刈を大ぶりに振るって敵を切り裂く「乱れ裂き地獄花」を分身したブル達全員が繰り出し、デーモンギラレスの身体を切り刻む。

 

『『『『『『『乱れ裂き地獄花!!!!!』』』』』』』

「グルアアアアアア!!!!?」

 

それを炸裂させた後、ブルは元の1人に戻るのだが・・・・・・分身は体力を使うのか、ブルはぜえぜえと肩で息をしており、そんなブルの肩に右手を乗せ、心配げに「大丈夫か?」と尋ねるロッソ。

 

『ハァ、ハァ・・・・・・。 ぶ、分身は結構しんどいらしい・・・・・・。 だが、ぜ、全然まだまだ行ける!』

 

しかし、これだけやってもデーモンギラレスは未だ健在であり、ここまでこんなにもダメージを与えたと言うのにまだ立ち上がるデーモンギラレス。

 

『こいつまだ・・・・・・! ここまでやったって言うのに、見た目通りの化け物だな・・・・・・』

 

まだ動けるデーモンギラレスの姿を見て、少しばかり弱音を吐くブル。

 

だが、そんな弱気なことを言うブルに渇を入れるように・・・・・・。

 

「がん、ばれ・・・・・・! 頑張れええええええ!!!! 良くん!! 春木先輩!!」

 

樹海中に友奈の声が響き、ロッソとブルは思わず声のした方に顔を向ける。

 

「先輩、私達にはもう、戦う力は残っていないけど・・・・・・それでも、私は・・・・・・先輩達を信じてます・・・・・・!!」

「部長命令よ、必ず、勝ちなさい!!」

「そうよ! 情けないけど・・・・・・今はもう、アンタ達だけが頼りなの!!」

「っ・・・・・・あっ・・・・・・がんば・・・・・・って・・・・・・」

 

友奈に続くように、今度は東郷、風、夏凜と、この戦いでのダメージのせいか、上手く声が出せないものの必死に応援をしてくれる樹。

 

全員の声援を受け、ブルは自分の頬を両手でパンッと叩き、ロッソと互いに目を合わせると、2人は頷き合う。

 

『俺達は、2人で戦ってるんじゃない』

『あぁ、友奈さんが、東郷先輩が、風先輩が、樹さんが、夏凜先輩が・・・・・・応援してくれている!!』

 

すると、そんなロッソとブルの言葉に反応するかのように輝クリスタルが薄い光を放つと、その光に共鳴するかのように突然友奈、東郷、風、樹、夏凜の身体がぽうっと光に包まれる。

 

そのことに友奈達は戸惑うが・・・・・・それでも、自分達が何すれば良いのか、すぐに分かった。

 

彼女達は、ロッソとブルに向けて、右手をかざすとそこから光がロッソとブルに向かって放たれ、それを受けるとブルはアクアの姿に戻り、ブルはロッソと2人で並び立つとデーモンギラレスを見上げる。

 

ブルは腕をL字に組み、水のパワーを宿したエネルギーを放つ「アクアストリューム」を。

 

ロッソは十字に組んだ腕から炎のエネルギーを集約した破壊光弾を発射する「フレイムスフィアシュート」をデーモンギラレスに向かって放つ。

 

『フレイム!!』

『アクア!!』

『『ハイブリットブレイバーシュート!!!!』』

 

そして、そんな2人の光線が混ざり合い、巨大な黄金の光線へと変化して放たれる必殺光線・・・・・・「フレイムアクアハイブリットブレイバーシュート」がデーモンギラレスへと繰り出され、デーモンギラレスは盾でそれを受け止め、防ごうとするが・・・・・・。

 

盾は再生が追いつけないくらいに木っ端微塵にあっさりと弾け飛ぶとロッソとブル、そして勇者達の力が合わさった光線がデーモンギラレスを飲み込むとデーモンギラレスは身体中から火花を散らし、大爆発を起こして遂に、倒されたのだった。

 

「グウウウウウ!!!!? グルアアアアアアア!!!!!?」

 

デーモンギラレスが最後に倒されると、その直後にゆっくりと樹海化が解け始め・・・・・・同時にロッソとブル、勇者達の変身も解除される。

 

そして気付けば、一気に気が抜けたのもあり、勇者部の7人全員が学校の屋上で倒れ込んでしまうのだった。

 

「いやぁ、美人薄命だからあたし・・・・・・、危なかったけどセーh・・・・・・あはは・・・・・・」

 

風がそんな冗談を言いかけた時、犬神が風の言葉を遮ってぺろぺろと彼女の頬を舐め、それにくすぐったさを覚えた風は思わず笑ってしまう。

 

そんな隣に倒れている風を見て、夏凜は苦笑した後、自分の持つスマホから着信音が鳴り響き、屋上の床に寝そべったままスマホを取り出して画面を見ると、そこには「大赦」と書かれており、彼女は戦いに勝利したことを報告するためにも、通話に出る。

 

「三好 夏凜です。 バーテックスや怪獣と交戦、私を含め、負傷者7名。 霊的医療班の手配を願います。 尚、今回の戦闘で、12体のバーテックスとそれに伴う怪獣達は、全て殲滅しました! 私達、讃州中学勇者部一同が・・・・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、アイゼンテック、社長室にて・・・・・・。

 

「はああああ~・・・・・・! なんてギリギリの戦いをしやがるんだアイツ等は!! あともう少しで世界が終わっていたかと思うとゾッとするぞ!! まだ私の目的も完全に果たしていないというのに!!」

 

そこではダーリンに撮影して貰った樹海でのロッソ達の戦いの様子を、アキラが視聴しており、アキラは映像に映るロッソとブルを見つめながら彼等に対し、不甲斐なさを感じずにはいられなかった。

 

「ウルトラマンが2人もいて、女の子達があそこまでボロボロになるとはね・・・・・・。 全く、ウルトラマンだったら女の子5人くらいしっかり守らんか!!」

 

アキラはカイザーギラレス、デーモンギラレスと戦うロッソとブルの映像を観ながらネチネチと彼等に対し文句を言いまくり、人通りの批判が終わると、少しばかり息を切らしながら鞄を持って腰かけていた椅子から立ち上がる。

 

「あー、イライラする!! こういう時はやはり、『彼女達』の曲をメドレーで聴くに限るな!!」

 

アキラはそう言いながら、社長室を出て自宅に帰る為に廊下を歩いていると、社員の1人と思われる男性とすれ違う。

 

「あっ、社長! お疲れさんです!」

「あっ、うん、お疲れさんです・・・・・・んっ? お疲れさんです・・・・・・?」

 

すれ違いざまに、社員に挨拶をされ、アキラも快く挨拶を返すのだが・・・・・・その瞬間、彼は突然立ち止まり、社員の肩を掴むと「よし決めたぁ!!」と意気揚々に社員を指差し、それに「えっ? えっ?」と動揺する社員。

 

 

 

 

 

 

「はい、皆さんに新しいお仲間をご紹介しましょう!」

 

その後、彼はその社員を引き連れてアイゼンテックの地下深くにある薄暗い部屋にやってくると、そこには以前、アキラがテレビの取材を受けていた際、吹き飛ばされてしまった女子校生の妹を見事にキャッチしてみせた兄や、カレーパンを頬張りながら河原を歩いていた風来坊の男性、それ以外にも多数の人間が頭に赤い輪のような装置を嵌められ、虚ろな顔をしてそこに不気味に怪しく立っていたのだ。

 

「はい、これ被って! あっち行っててね」

「あっ、は、はい」

 

社員は戸惑いつつもアキラから手渡された装置を頭に装着し、少しだけ移動させて他の人々と並び立たせると、アキラは「よーし!!」とガッツポーズをして見せる。

 

「さあ、そろそろ見えて来たぞぉ!! ずっと探し続けていたユメノトビラ!! そして未来への足音と、希望への鼓動も聞こえて来たぞぉ!! 皆さんの絆の力、あっ! お借りします!!」

 

そして、彼等の中央の台には周りが錆び付いた状態の「剣」と書かれたウルトラマンのクリスタルを中心に、「炎」「氷」「岩」「嵐」書かれた怪獣のクリスタルが置かれていたのだった。

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