ドラゴンボールクエストⅪ   作:稲葉 諸共

1 / 1
企画考えるの好きだけど、連載させないクズ。
創作って一つの作品を最後まで書き続けられる人が凄いと思う。




赤ん坊は川に流されドラゴンボール

激しく打ち付ける豪雨の中、齢10歳くらいの少女が赤ん坊を抱えて走っていた。こんな嵐の中、子供が赤ん坊を連れている辺り、ただ事では無いだろう。

 

少女は逃げていたのだ。後ろから迫る魔物達の脅威から。馬に乗った首の無い魔物達に、足で勝てる筈も無いのに。少女は懸命に走っていた。

 

しかし、そんな少女を足止めするかの様に、向かいから雨が打ち付ける。まるでそっちに行ってはいけないと、大自然が激しく抗議する様に。

 

そして、とうとう少女は魔物に追いつかれてしまう。魔物に追い詰められた焦り、ぬかるんで不安定な足場。いくつもの不幸が重なり、少女は足を取られ、転んでしまう。

 

「——ダメッ!!!!」

 

その弾みで赤ん坊は少女の手元を離れ、崖下の川へと落下していく。蛇行する川はまるで生き物の様に、赤ん坊を何処か別の場所へと連れ去っていった。

 

行き先はそう……。

 

——もう一つのドラゴンワールドだ。

 

 

 

————————

 

 

 

 

ある晴れた日の朝。先日の嵐があってか、溜まった悲しみを涙に変えて出し切った後の清々しさを体現した青空の下。

 

一人の老人が川で釣りをしていた。こんな山の中、鬱蒼と生い茂る木々に囲まれる場所で釣りとは、老人は世捨て人か何かだろうか。何にせよ齢80を迎える老人には危険極まり無い場所だった。

 

老人は目を瞑り、じっと獲物が掛かるのを待っていた。そして糸が引き、竿がしなるその瞬間。老人は目を見開き、竿を力一杯引き上げた。

 

「ギャオオオオオオオオオ!!!!!!!!」

 

すると飛び出してきたのは、15メートルはある巨大な怪魚だった。人を丸呑みに出来るであろうその姿は、もはや魚というより化け物だった。

 

「とうっ!!!!」

 

しかし驚くべきは怪魚では無い、老人の方だ。気がつけば怪魚は水面から約30メートル上空へ、引っ張り上げられていた。老人はすかさずジャンプし、30メートルの距離を一瞬で縮めた。

 

「でりゃあ!!!!」

 

そしてあろう事か、空中を舞う怪魚に拳を叩き込んだ。その勢いで怪魚は地上の岩場に叩きつけられ、怪魚はそのまま動かなくなった。その姿はまさに、まな板の上の鯉。

 

老人は30メートルの高さを物ともせず、難なく着地した。

 

「ほっほっほ。今日は大量じゃのう」

 

老人は巨大な魚の尾を掴んで担ぎ上げる。こんな大きな荷物を担げるお年寄りは世界広しと言えど、この常識外れの老人かサンタクロースくらいだろう。

 

そのまま家へ帰ろうとした老人の耳に、突如赤ん坊の泣き声が届いた。

 

「オギャー! オギャー」

 

声の方を見れば、小さな赤ん坊が川から流れてきているではないか。

 

「なんと! 赤ん坊がこんな所に……」

 

川に揺られ、揺り籠に揺られるその赤ん坊を老人は揺り籠ごと拾い上げた。

 

「あの嵐の中、無事でおったとは。よしよし、一人で心細かったであろう。もう大丈夫じゃ」

 

先程、怪魚を吹き飛ばしたとは思えない程、繊細な手つきで赤ん坊をあやす老人。揺り籠の中には、ペンダントと一通の手紙が添えられていた。

 

「手紙? それにこやつ、左手に痣があるのう。不思議な形の痣じゃが、何か意味があるやもしれん」

 

別の世界なら、手紙と痣を見れば大体赤ん坊の正体に察しがついただろう。しかし、この世界の住人である老人には皆目見当がつかなかった。

 

老人は右手に赤ん坊、左手に怪魚を担いで、山の奥へと消えていった。

 

 

welcome to DRAGON BALL WORLD.

 

 




勇者にかめはめ波撃たせたい。後、剣を使った事ないから勇者の剣を使えない勇者にしたい。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。