Undertale─サンズ戦以降─   作:ごくごく普通の怪人

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二度目のN

一度は誰もが思うこと。

 

「同じゲームで、同じルートで、違う選択肢を選ぶなら.........どう世界は変わるのか?」

 

と。

消してはクリアし、消してはクリアし、消しては............。

同じことを何度も繰り返して、それでもよく飽きないものだと思ったりして。

そして行き着くのが、”オタク”というものなのだろうか。

 

答えは見つからない。

でも、自分はそれでもこの世界をリセットした。

 

満足がいかなくて、納得がいかなくて、終わらせたくなくて、そして............好奇心に勝てなくて。

 

何度もそれを繰り返していると、世界の法則もうっすらと掴めてくるようになる。

 

それがフラウィの言っていたことなのだろう。

 

要は、「先が読める」ようになるということ。

 

世界について知り尽くしてしまえば、あとは何も.........残らない。リセットの力はそれだけ大きく、重く、強い。

 

そんなことを教えてくれたフラウィも、僕の目の前で気色の悪い神もどきへと姿を変えた。

 

「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA」

 

耳に流れてくる薄汚い狂笑を無視してダガーを振るう。少し古びているが、目の前の()()()()()()()()()だ。

 

6つ。

6つのタマシイの鼓動が伝わる。

僕のタマシイは赤色だが、僕の眼前で円を描くように浮かび上がっているタマシイの色は様々だ。

青だったり、緑だったり、紫だったり、黄色だったり。

色の話をするとこれまで戦ったモンスター達のことを思い出す。

 

そういえば僕は女子だが、性別が男のパピルスとも女のアルフィーともデートしていたような。アルフィーはデートもどきなのでセーフなのか?......そもそもアルフィーはレズなのだけれど。

 

*たすけを よんだ。

 

*たすけを よんだ。

 

*たすけを よんだ。

 

*たすけを よんだ。

 

*たすけを よんだ。

 

*たすけを よんだ。

 

既に1回経験済みの戦いにおいては、恐怖や混乱などは起きない。こうなることは予想ができているので、心構えは万全。

それに攻撃パターンも全てわかっているので、とても戦いやすかったりする。

 

世界をリセットしても、自分の記憶は消えない。

だからこそ出来る、唯一のチート。裏技。

でも、だからこそ.........自分の罪は、過ちは消えない。

犯した罪の数々を背筋に伝わせながら、僕は今だけ素知らぬ顔をしてフラウィを切り裂くのだ。

 

不憫な王様の為に。救われない一輪の金色の花の為に。そして、───────。

 

全ての攻撃を躱し、攻撃を繰り返し、躱し、攻撃、躱し、攻撃。

 

気がつけば、フラウィは元の花へと姿を戻している。

 

「......」

 

MERCY(みのがす)

 

「............見逃して、どうなるの?」

 

「............................................................え?」

 

「ボクを見逃して、キミはまた......どうせみんなを殺すんだろ?それなのに、見逃す意味なんて.........ないんだろ?」

 

「どうして、」

 

「それを知ってるのって?顔を見ればわかるよ。キミの目は........モンスターを、みんなを殺した目だ」

 

どういうこと?

なんで、フラウィに?

 

「ボクはキミを止めようたした。こうして神になって、キミを永遠に倒し続けようとした。............でも、やっぱり敵わなかった」

 

そういう............ことだったのか。

薄々感じてはいたんだ。

みんな、何処か勘づいてるんじゃないかって。

何度リセットしても、残るものはある。

本当のリセットをしても、その時点ではみんなに何も残っていなくても、僕にはそれが残っている。

僕は自分の過ちを償うためにここにいる。そのはずだ。

 

「キミだって分かってるはずだ。世界を何度リセットしても、取り戻せないものがあるんだって」

 

それでも、僕は自分の過ちを............。

 

「それがわかっているのに、どうしてキミはこの世界に居続けるの?」

 

それは............。

 

一体、なんのためだった?

みんなへの罪を償うなら、僕はもうこの世界を出ていけばいいだけの話。

それなのに、何故僕は?

 

「どうして?Chara?」

 

「え...............」

 

───────────────黙れ。

 

ザシュッ。

 

ザシュッ。ザシュッ。ザシュッ。ザシュッ。

 

「忘れ.........ない、で。リセットが......なんの、ため......に、ある、の、か........................」

 

自分の意思を無視して、僕の右腕は何度も何度もフラウィに斬りかかっていた。

明確な殺意。

そして、フラウィの「Chara」という声。

もう全てを理解するには十分過ぎる。

 

僕は、Charaに乗っ取られているのだと。

 

タマシイを売ってから、なんとなくは察していた。分かっていた。

 

だけど、自分の意思がここにある限り.........なんとかなると思い込んでいた。

でも、もし.........こうして今もリセットを繰り返しているのがCharaのせいだとしたら。

 

全ての疑問が解決する。

 

Charaは地上に出たがっている。僕がPをやろうとしているのがそれを証明している。

 

いわゆるところの、マインドコントロール。またはそれに近い何かをされているのだろう。思考は自分のままでも、Charaに誘導される。そして目的を達成すれば、僕の体はCharaが乗っ取る。地上に出てさえしまえば、モンスターもニンゲンもまとめて殺すことが出来るから。

 

──────────────ここには、もう何も無い。

 

でも、僕にはどうすることも出来ない。

Charaに会うことが出来なければ、また話すことも出来ない。話したければ、Gを進むしかない。

だがそれをCharaが許すか?許さないだろう。

現に僕はいま、地底の世界をあとにしている。

ニンゲンのタマシイとモンスター1人のタマシイを以てして、バリアを抜けたのだ。

 

ああ、「クリア」する。

 

「クリア」すれば、世界は再びリセットされる。

 

トリエルとも、サンズとも、パピルスとも、アンダインとも、アルフィーとも、フラウィとも。

 

みんなと「初めまして」をまた迎えることになる。

 

途端、視界は光に包まれる。

 

そして、見慣れた光景。

何度も何度も見た、「スタート・メニュー」。

僕の体は、無意識のうちに走っていく。

 

 

 

 

 

──────────リセット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界の巻き戻しとモンスター達の記憶の消去が完了し、僕は最後の周回を始める。

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