地上最強の生物のラクーン観光記   作:ケプラー星人

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最終回ッ!


神vs鬼 究極の対決

 

 列車の終着点は予想通り、ラクーンシティ郊外だった。日の光が眩しく、空は青い。地獄から生還した実感、確かな安全圏への一歩はレオン、クレア、シェリーに笑みを浮かべさせる。地平線まで広がる大地を四人はゆっくりと歩き出す。シェリーはレオンとクレアと手を繋ぐ。まるで親子の様だ。勇次郎はハンドポケット状態でその様子を和やかに眺めていた。

 

「ねえ、クレアとレオンって付き合っているの?」

 

「いや、そんなんじゃない、出会ったばかりだ。きのうね」

 

「そう、でもとんだ初デートになった」

 

「ああ、ほんと、ぶっとんでた」

 

 

 シェリーの表情はどこか悲しみがあった。それもその筈、昨日、両親を一辺に失ったのだ。十二歳の少女には余りにも辛い現実だった。

 

「居なくなっちゃった……パパも、ママも…… 私、一人ぼっちになっちゃった……」

 

「シェリー……」

 

 

「クレアとレオンに……パパとママに……なって貰おうかな?」

 

 

「俺達が?」

 

「勇次郎の方がパパっぽくない?」

 

「恐いパパは嫌……かな」

 

 

「クス、クス」

 

 

 クレアの笑いに勇次郎は軽く頬を膨らませる。オーガがこうした動作をするのも珍しい。流石にシェリーに同情の念があったのだろう。

 

 勇次郎の心の中にも人生で初めてといってもいい真の満足感があった。強者のオンパレード、強敵の津波、如何なる戦場にもなかった高揚感を得た。地上最強の生物の躯も無傷では無い、銃創、切り傷、多数の勲章が激戦を物語っていた。だからこそ勇次郎は満足である。苦戦する事にすら苦戦するこの男にはうってつけの地獄であった。

 

 オーガの笑み、それは満足を得たと同時に自らを脅かす者が居ない退屈な日々に戻るというある種の諦めを表すものでもあった。悲しくも笑い合う三人を見て、その思いをより強くする。

 

 

 

 がそれは誤りだった。

 

 

 

 

 オーガの髪が逆立つ。勇次郎の意識は特に危険を察知はしていない。しかしより深い意識の中から最大最強の危険シグナルが勇次郎の細胞を半自動的に作動させる。勇次郎は振り向く。

 

 

 

「ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ……!」

 

 

 それは居たッ! 範馬勇次郎の背後にそれは現れたッ! 

 

 3メートル超の身長、勇次郎より一回り、いや二回りも巨大い。全身は赤茶色、四肢の先端は黒く、まるで武具を装着しているかの様だ。白き顔は魔王如き形相だったが、何処と無く女性の様にも見える。そして筋肉ッッッ! 

 

 筋密度、筋肉量と共に人型生物の限界、許容範囲を遥かに超えていた。異常なる張り、尋常ならざるエッジ、肉の宮は地上最強の生物を見下ろす。背の差だけではない、勇次郎を前にして自分の方が格上という絶対なる自負から敵を睨み付けている。

 

 緻密な頭脳を持つ勇次郎は思考を巡らす。自らが思っている存在とは違う化物である可能性も考えた。何せ『奴』は列車の爆発及び研究所の爆発に巻き込まれたのだ、どんな生物でも間違いなく無事では済まない。よってこの場に居る筈がなかった。がその推察は外れた。

 

 

 

 誕

 

 

 

 怪物の胸から巨大な目玉が姿を表す。目玉は四方八方に動き、最終的に勇次郎を凝視する。凝視、凝視、凝視、五度自らを負かした存在を捉えて離さなかった。

 

 

 

 

 

 G第六形態

 

 

 

 

 神は六度、鬼と対峙する。しかしその様子は今までの形態とまるで違っている。眼前に敵がいるにも関わらず、襲い掛かる様子はない。ただ鬼を見下すだけ、とても自我がない様には見えない。

 

 

「お前ら、早く行けッッッ!」

 

 勇次郎は叫ぶ。レオンとクレアは銃を構える。

 

「わ、私達も戦うわ!」

 

 

「逃げろッッッ!」

 

 勇次郎の鬼気せまる言葉に二人は構えを解いた。目の前の怪物の強さは自分達の想像の遥か先にある。それが実感出来る。

 

 

「クレア、シェリー、行くぞ!」

 

 レオンはシェリーを抱き抱え、走り出す。クレアも勇次郎の方を見つつ後に続く。しかしGは微動だにしない、それは本来有り得ない事である。G生物は胚を適応可能な対象に植え付ける事を第一とする。生物としての最優先事項である。

 

 

 超越

 

 

 

 五回に渡る激闘、五回の死闘により『G』のプライオリティは変更された。種を増やすという自己保存より、闘争を優先させる。生殖より生存より、如何なる本能よりもッッッッッッッッッッ! 

 

 闘争本能が勝るッッッ! 

 

 目の前の敵、目の前の鬼を滅する事が最優先事項、無限の進化の果ては皮肉にも五回もGを撃破した勇次郎と同じ域に達した。

 

 

 

(お前を……お前を殺して、ワタシは……『神』になる)

 

 

 

 言葉でもテレパシーでもない、Gの念、想いがダイレクトに伝わる気が勇次郎にはした。

 

 

 

 撃! 

 

 

 勇次郎は弾け飛ぶッ! 地面は抉れ、オーガは何回も地面にバウンドしながら300メートルは吹き飛んだッ! 

 

 まるで見えなかったッ! 敵の行動がまるで察知出来なかったッ! 地上最強の生物である範馬勇次郎にとって、それは初体験であった。そして190センチ超、120キロ超の超緊密肉体がピンポン玉の様に弾き飛ばされるのもまた初の出来事であった。困惑、憤怒、歓喜、勇次郎の心中に多様な感情が共存していた。

 

 

 強烈な蹴りが勇次郎に炸裂する! 辛うじて勇次郎はガードするものの又もやGの行動を感知すら出来ない。300メートルの距離の移動を地上最強に感知させず行う―驚愕という言葉では言い表せなかった。範馬勇次郎の躯が数回転する、怪物は間髪いれずに又もやパンチを喰らわす。何の変哲もないパンチであるが、G第六形態から繰り出される普通の打撃は地上最強の生物の表情を歪ませる。勇次郎は再び数百メートル吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 全ての生物の強さを凌駕する

 

 

 

 

 全ての格闘家の技を凌駕する

 

 

 

 

 全ての軍隊の暴力を凌駕する

 

 

 

 

 地上最強の生物という称号ッッッッッッ! 

 

 

 

 地上最強の生物という誇りッッッッッッ! 

 

 

 勇次郎の中で自分の自己像が崩れ去っていく、範馬勇次郎という型を作り上げている前提条件が崩れ去っていく。それは初めての体験であった。

 

 慣れがない。自分の筋力が相手より下回る経験、自分が防戦一方になる経験、全く免疫がない事態に陥った勇次郎は嗤っていた。

 

 圧倒される事に対する圧倒的不馴れ、しかし勇次郎は嗤う。強すぎて手こずれない悲劇は今、ここで終焉を迎えた。あとは自らの全力を目の前の敵にぶつけるだけである。

 

 オーガはG第六形態に向かって走り出す。両手を上に上げて構える本気の体勢を取る。背中の鬼を浮かべ、勇次郎は攻撃を繰り出す。

 

「北極熊を葬り去った猛獣の連撃、とくと味わうがいいッッッ!」

 

 

 凄まじい速度で凄まじい威力を誇る連撃がG第六形態を襲う! 四方八方から打撃が繰り出される。ガード、回避と共にする暇が無い。あらゆる種類の打撃を受けながら、G第六形態は構えを取る。勇次郎が気付いた時にはそれは放たれていた。

 

 

 

 神の連撃ッッッ! 

 

 

 

 無限の進化を続ける怪物から放たれた連撃は勇次郎の猛獣の連撃を上回る速度、攻撃力でオーガの身体を削りとっていく。勇次郎は負けまいと連撃を止めないが、Gの連撃を前に徐々に勢いを弱める。

 

 

「チィッッッッ!」

 

 

 範馬勇次郎が打撃の撃ち合いで競り負ける。前代未聞の事態であるが、勇次郎には分かっていた。このままではジリ損だと……

 

 数回のバックステップで勇次郎は攻撃の嵐から逃れると両手を上に完全に上げる。鬼の哭き形相、通称鬼哭拳の準備である。背の筋肉が極限まで高められる―全ての敵を葬り去る範馬勇次郎最強の技だ。

 

 最強の攻撃がG第六形態の眼前に迫ったその時! 

 

 

 

 

 

 

 受け止められた。勇次郎最強の攻撃が赤子のパンチを掴む様に掴まれた。神は笑顔を浮かべる。五回の敗北は自らの糧にしかならなかった、勇次郎にとっては五回の勝利は自らの首を絞める行為でしかなかった、そう言いたげな笑顔だった。

 

 勇次郎は力んで抵抗するが握られた拳は第六形態の超握力によって今にも破裂しそうだった。範馬勇次郎が一切通用しない、地上最強の生物が一切通用しない。生物史を塗り替える快挙である。

 Gのボディブローにより、勇次郎は吹き飛ばされ、膝を付く。その姿は敗北を認めたかの様にも見えた。

 

 

 

 

 

 

(質問)

 

 

 

 

 

 

(強ければ強いほど)

 

 

 

 

 

 勇次郎は腹に前蹴りを喰らう。地上最強の悶絶が歴史に刻まれる。

 

 

 

 

 

(手に入らないものってなァ~んだ)

 

 

 

 

 

(答え)

 

 

 

 

 オーガは今度はアッパーを顎に喰らう。顎の骨に亀裂が入る。カウンターのアッパーも空振りに終わる。

 

 

 

 

(栄光)

 

 

 

 

 

 G第六形態の手刀をガードで受け止めるが、肉は切れ、骨にもダメージが入った。勇次郎がよろめく、確実に敗北の時は近付いていた。

 

 

 

 

 

 

(まるで……)

 

 

 

 

 

 

 

(缶ジュースでも買いに出掛けるように)

 

 

 

 

 勇次郎は回転まわし蹴りを放つ、しかし敵に当たる事はなかった。カウンターによる回転まわし蹴りにより勇次郎は再び膝を付く。

 

 

 

 

 

(その)

 

 

 

 

 

 

 

(栄光とやらの場所まで歩いて行き)

 

 

 

 

 再びの神の連撃ッッッ! オーガは必死にガードするが、常人なら致死量の肉体が削られ、血が川のように流れる。

 

 

 

 

(自販機で缶ジュースを入手するように栄光を手にする)

 

 

 

 

 

 

 

(手にした缶ジュースに達成感はあるかい……?)

 

 

 

 

 最早勇次郎の足取りは覚束無い。Gは一歩ずつ、一歩ずつ、好敵手に近付く。野生ならば、いや野生でなくとももう決着は付いたも同然──────―しかしGは歩みを止めない。地上最強の生物に止めを差す。強さを拠り所にしている生物ならば至福の刻だからだ。

 

 

 

 

(そのジュースを栄光と呼べるかい……!!?)

 

 

 

 

 

 

 

(この強過ぎる腕っぷしが 全てに手が届いちまう)

 

 

 

 Gは拳を掲げる

 

 

 

 

(強過ぎちまって 俺は 手こずれねェんだぞ!!?)

 

 

 

 

 範馬勇次郎、倒れる。

 

 

 G第六形態の一撃を喰らった勇次郎は倒れる。

 

 

 

 断言するッッ! あの倒れ方は絶対に起き上がれないッッッ! 

 

 

 G第六形態は仁王立ちしながら倒れ込んだ範馬勇次郎を見下す。地上最強の生物は今、この『神』に変わった。

 

 

 ******

 

 

 

 

 

 

 

 

(駄目だ……)

 

 

 

 

 

 

 

(お前を……)

 

 

 

 

 

 

(解き放つのは……)

 

 

 

 

 

(反則だ……)

 

 

 

 

 

(真の俺……)

 

 

 

 

 

 

(真の範馬……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(真の鬼……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(解き放つのは……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 *******

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 G第六形態は歩き出す、六度の闘いの末、遂に破った強敵を残して。地球上に自らを超える生物

 は居ない、その自信、いや確信がこの怪物を笑顔にする。しかしその笑顔は長くは続かなかった。

 

 

 

 

 

 

 ! 

 

 

 

 

 

 

 絶対に起き上がれないダウンをした筈の敵が立ち上がっていた。その足取りは覚束無い、しかし一歩ずつGに近付いていく。

 

 

 

 

「こ、この範馬が……ここまで追い詰められるとは……」

 

 

「よくやった……」

 

 

「地上最強の生物の称号はお前のものだ……」

 

 

 

「俺は今から……」

 

 

 

「生物を……」

 

 

 

 

 

 

 

「辞めるッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 勇次郎の全身の筋肉が隆起する! 弾けんばかりの筋肉の発達は皮膚をも突き破る勢いだッ! しかし隆起は止まる、全身の筋肉という筋肉がまるで別の生物の様に蠢いていた。

 

 

 勇次郎は両手を前に突き出してクロスさせる。すると……

 

 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 

 鬼ッ! 

 

 

 頬、額、胸、脚、腕、そして背中に無数の鬼の形相が生まれていた。背中にしか出来ない筈の鬼の形相はオーガの全身を埋め尽くしている。そしてその表情は最早人類のものではなかった。

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 範馬勇次郎復活ッ! 

 

 

 

 

 

 闘争本能―それは無限の可能性を秘めるッッッ! 自らより遥かに強い敵と対峙しても無限の闘争本能がある限り、進化は無限ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ! 

 

 

 今までの人生、強すぎて決して本気を出す事は無かった範馬勇次郎は今ここで初めて本気を出すッッッ! 

 

 

 

 

 人類から鬼種へ進化を遂げた勇次郎は瞬時に距離を詰めるッッッ! 

 

 

 

 

 

 飛! 

 

 

 

 Gは弾け飛ぶッッッ! 数百メートルは弾け飛んだ! 

 

 

 

 数百メートルの距離を瞬時に詰めた勇次郎のハイキックが炸裂する。怪物は両膝を付き倒れる瞬間、鬼のアッパーが神の顎を砕く。追撃のボディブローへのカウンターのストレートで神は守勢を止める。

 

 

 両者は互いを前にして笑みが溢れる。相手以外は決して本気を出す事が出来ない者同士、人類、ホモサピエンスを超越した者同士、敵対心以上に嬉しさが上回っていた。

 

 両者はまるで合わせたかの様に動き出すッ! 神と鬼が拳をぶつけ合った瞬間、地面が抉れに抉れるッッッ! その衝撃波だけでクレーターが出来た。Gは勇次郎を掴んで空中に放り投げると自らも空中へとジャンプする。

 

 勇次郎の蹴りから始まる神と鬼の連撃ッ! 連撃ッ! 連撃ッ! 打つ度に大気が振動するッ! 蹴る度に大地が震えるッ! 超雄同士の空中戦はまるで神々の闘いを思わせる。

 

「邪ァァァ!」

 

 

 鬼の放ったダブルスレッジハンマーがGに直撃する。激しく地面に叩き付けられた神は意識朦朧とする。辛うじて落下中の勇次郎の手刀を避けるが、その衝撃で地面は数キロの亀裂を見る。そのお陰でGはよろめく、その隙を見逃す勇次郎ではなかった。

 

「グオオォォォォォォォォォォォォォォ!」

 

 

 

 本気の勇次郎の放ったパンチはG第六形態の顔面を半壊させた。神となった怪物は悲鳴とも取れる雄叫びを上げる。

 

 見えない攻撃程恐いものはない。目前に相手が居るにも関わらず見えない場合は尚更である。猛獣の連撃を超えた鬼の連撃は超高速で好敵手の躯をズタズタに切り裂く。Gは辛うじて勇次郎を突き飛ばすと構えを取る。

 

 

 

 無限の進化ッッッ! 

 

 

 進化を遂げた敵にGは更なる進化を以て答える。

 

 

 第三形態の様に腕が四本になり、四肢は延びている。特筆すべきは顔面、角が二本生えてまるで鬼が如きだ。

 

 応答するかの様に勇次郎の躯は真紅に染まる。そして筋肉発達が凄まじいせいかGと同じく角が二本生えた様に見える。

 

 

 

 鬼神、鬼の神と化した範馬勇次郎

 

 

 

 

 

 鬼と化した神、Gウィリアム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 究極の一撃と究極の一撃が交差するッッッッ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鬼神勇次郎はダウンする。満足した表情で大の字に地面に倒れる。

 

 

 

 

 

 

 地上最強の生物の夢が叶った瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 最強という孤独、並び立つ者が居ないという悲しみ

 

 

 それらから解放されたオーガは至福を得る。

 

 

 

 

 

 生まれて初めて出来たライバルは上半身を粉砕され、二度と立つ事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ********

 

 

 

 

 

 

 

 

 1998 11.1

 

 

 

 

 

 あれから一ヶ月半経とうとしている。ラクーンシティは核攻撃により地図から消滅し、アンブレラ社は一連の事件の責任を連日連夜問われている。

 

 勇次郎はあの時の詳細を私に語る事はない。ただ笑みを浮かべるだけだ。彼の中の何かが変わったのかは分からない。ただ言えるのは何かがオーガの中で変化したという事と鬼はこれからも闘争を続けるという事だけだ。

 

 まだ幾つか勇次郎を満足させられる可能性を持つ情報はある。私に出来るのは極上の闘争を地上最強の生物に提供する事だけなのだから……

 

 

 

 

 

 *******

 

 

 

 

 

 某国

 

 

 

 

 

 数多の兵士の死骸が積まれている、しかし敵は仁王立ちする男を前に後退りするしかない。

 

 

 

 地上最強の生物、範馬勇次郎は今日も闘うッッッ! 自らの命が尽きるその日までッッッ! 

 

 

「行くぜッッッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地上最強のラクーン観光記 完

 

 

 

 

 

 





今までご愛読ありがとうございましたッッッ!

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