イナズマイレブン!新たなる守護者   作:ハチミツりんご

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イナズマイレブンでは2度目まして、ハチミツりんごというものです。

この度、憧れだった読者参加型小説を始めることにしました。五条さんの方と合わせて、読んでいただけると幸いです。


活動報告にて、キャラクター募集中!


憧れへの出会い

 

 

 

 

「【真ゴッドノウズ】!!!」

 

 

何者にも届かない高き場所で、麗しきかつての神はその白い羽を背負い、その力を解放する。

 

並の者ならば止めること・・・いや、反応することすら出来ずに終わってしまうだろうその一撃を前にしても、画面の前の彼は怯えない。いや、それどころか、心の底からこの戦いを楽しんでいるように思えた。

 

 

「【真マジン・ザ・ハンド】!!」

 

 

バンダナを身につけた彼の背後から、金色に輝く魔神がその姿を現す。かつて対峙する彼が偽りの神であった時、主の想いを叶えるために覚醒した魔神は、今再びその剛腕によって神たる一撃を受け止める。

 

 

「う、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

 

一年前の決勝の再演。その時とは比べ物にならない程に進化したシュートだった。

 

 

だが、結果は変わらず。

 

白き輝きをもってゴールへと迫っていたそのシュート。それを魔神は、完璧に止めてみせた。

 

 

「っ!これでも止められるか・・・!」

 

「へへっ!ゴールは割らせないぜ、アフロディ!」

 

 

そう言って彼は笑う。バンダナの彼もまた、アフロディと呼ばれた少年と同じように・・・いや、それすら上回る速度で、進化しているのだ。

 

 

「ふふっ・・・それでこそ君だ、円堂君!!だが、僕は、僕達は負けない!!かつて僕達の目を覚ましてくれた君達を倒し!!今度こそ自分自身の実力で頂点に立つ!!

 

ーーー勝つのは僕達、世宇子中だ!!!」

 

 

神が吼える。かつての因縁を、そしてその恩を返す為に。大切な友人達とともに、頂きの光を見る為に。

 

 

「あぁ!!!かかってこい、アフロディ!!俺達も負けないぜ!!」

 

 

運命に愛された少年は笑う。かつては試合も出来ず、己以外やる気も無い底辺から、数多の苦難を乗り越えて、世界の頂点に立った少年は、大好きなサッカーを通じて出会った仲間達と2度目の頂点を掴む為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっげぇ・・・」

 

 

画面を見つめる少年が呟いた。目の前で映し出されている戦いを、文字通り目を輝かせながら。

 

『フットボールフロンティア』。通称FF。中学サッカー日本一を決める為の大会である。

 

今、日本は空前のサッカーブームに包まれている。当然彼はそれを知っているし、一年前に起こった『世宇子中のドーピング問題』、『エイリア学園の襲撃』、『イナズマジャパンの世界大会優勝』、どれも知識としては知っていた。

 

 

だが、実際に試合を見るのは初めてだった。画面越しとはいえ、初めて見るサッカーの試合。駆け巡る必殺技の数々。激しくぶつかろうと、足が棒になろうと、勝つ為に最後まで諦めない男達の姿に、彼の心は動かされた。

 

 

「【リフレクトバスターV3】!!」

 

「【天空の刃】!!!」

 

 

ボールを奪った世宇子中のFW、デメテルのシュートに合わせてペルセウスが必殺技を重ねる。二人分のシュート威力は、先程のアフロディのシュートにも勝る程の力を秘めていた。

 

 

「【正義の鉄拳G5】!!!」

 

 

が、円堂を突破すること叶わず。金色の拳を硬く握り、捻りを加えながら打ち出された拳撃は2人の必殺技を重ねたシュートすらも弾き飛ばしてみせた。

 

 

 

「やべぇ・・・サッカーってすげぇ・・・」

 

 

 

切っ掛けとしては平凡かもしれない。物語の始まりとしては、些か刺激が足りないだろう。

 

 

それでも、彼は憧れた。人を超越したような美しさを持つ、規格外のシュートを放つ神にーーーではなく。

 

 

 

「円堂・・・守・・・!!!俺は、こんな風に・・・この人みたいになりたい!!!俺も、サッカーをやってみたい!!!」

 

 

 

常に戦いを楽しみ、何者にもゴールを決めさせることも許さずに揺るがない、最強のゴールキーパーに。

 

 

 

「母さん!!母さーーーん!!!」

 

「うるさい!!聞こえてるわよ!いきなりどうしたのよ!?」

 

 

急ぎ足で部屋を出て、階段を降りる。1階にいた母を呼ぶと、掃除をしていた母が掃除機を止めて訝しげに少年を見ていた。

 

 

「母さん!!お願い!!サッカーボールと、スパイク!!後、グローブ買って!!」

 

「・・・サッカーボール?なんで?」

 

 

母の頭には疑問符が浮かんでいる。それもそうだろう。目の前の息子は、今までスポーツなんてやったことは無いはない。背も普通で、人並みに運動はするものの、筋力がついているわけでもない。至って平凡な少年である。

 

 

「お願い!!どうしても、どうしてもやりたいんだ!!」

 

「どうしてもってあんた・・・いきなりどうして・・・」

 

 

母はやめた方がいい、と言おうとした。しかし気がつく。息子の目つきは、普段の無気力なものでは無い。何事にも興味を示さなかった彼が、本気で望んでいることに。

 

口から出そうとした言葉を飲み込み、母はため息をつく。そして、息子に向かって条件を出した。

 

 

「・・・来年からの中学校で、勉強と両立すること、そして途中で投げ出さない事!これ守れるなら、買ってあげる。いいわね!?」

 

「っ!うん、約束する!!」

 

 

 

 

それから約一年、少年は努力した。

 

小学校も殆ど終わり、同い年である6年生のサッカー部員は引退していた為、その友人達に協力してもらって基礎を学んだ。

 

決定的なまでに技術が足りなかった為、せめて体力はつけようと走り込みを毎日続けた。

 

ほぼ毎日、映像に残されていた円堂守の試合を見続け、少しでも彼に近づけるように研究した。それと同時に、現状円堂に最も近いキーパーであり、同じ県の立向居勇気のプレーも参考にした。

 

 

 

 

 

 

 

そして、中学入学の時。彼は元々進学の決まっていた、近くの『神楽中学校』の門の前に立っていた。

 

 

「ここは、確かまだサッカー部なんて無かったはず・・・人集まるかなぁ・・・」

 

 

神楽中は、学力、部活動ともに特出したところの無い、平凡な中学校。部活動はあるが、全国に名を連ねる様な強豪ではない。

 

そんな場所で、素人が一から部活動を作り上げ、全国優勝を目指す。はっきりいって無謀もいい所。その難しさは、彼も重々承知していた。

 

 

「・・・いや、弱気になっちゃダメだ!円堂さんも、一から作り上げて、あそこまで強くなったんだ!俺だって、やってやる!」

 

 

憧れの人への想いを胸に、自分を奮い立たせる。きっとここにも、自分のようにサッカーをやりたがっている人がいるはず。その為にも、自分が切っ掛けになるのだ、と。

 

 

「・・・よし、行こう。俺も、あの人みたいになるんだ!!」

 

 

少年が踏み出し、門をくぐる。

 

 

いま、この瞬間から、物語は始まった。

 

 

円堂守に憧れ、彼のようになる為に奔走する少年ーーー

 

 

 

ーーー【森崎堅固】の、物語が。

 

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