イナズマイレブン!新たなる守護者   作:ハチミツりんご

4 / 20

活動報告にて、陽花戸中のキャラ募集中です〜



それと、新たなる守護者の世界観説明を活動報告に乗せておきます。質問があったらそちらでコメントよろしくお願いします


創立!神楽中学サッカー部!

 

 

「えーっと・・・ここか」

 

 

1人歩いていた森崎は、校内マップを頼りにとある部屋の前にたどり着く。両開きのドアで仕切られたその部屋には、【生徒会室】と書かれた板が扉に据え付けられている。

 

 

秋風、刃金の2名を勧誘して後、プリント配布などのホームルームを終えた森崎。彼は創部届を提出するために生徒会室前まで来ていた。

 

 

神楽中の部活動の管理は、基本的に生徒会が行っている。グラウンドの貸し借りや部費の管理等、教師陣からチェックはあるものの、その殆どは生徒会に委任しているのだ。それ故、創部届を出す時も生徒会まで持っていく必要があるのだ。

 

 

ちなみに、森崎一人の理由は至極単純。勧誘された4人はもちろん、初日に創部届を出せる程集まると思っていなかった森崎も含めて全員、運動着を持ってきてないのだ。その為1度全員着替えてから再度集合する予定となっている。

ちなみに、ここにいる森崎の分の着替えは幼なじみの秋風が森崎の家から取ってくる手筈になっている。マメな男である。

 

 

 

「あ〜・・・こういうとこに入るのって緊張するんだよなぁ・・・田中先生も仕事あるから着いてこれないっつってたし・・・」

 

 

生徒会を務める生徒は大半が3年生、それ以外も2年生で構成されているため全員森崎よりも年上。そんな中に1人で入っていくのは些か勇気のいる行為なのだ。

 

1度大きく深呼吸をし、気持ちを落ち着けた森崎は意を決して扉をノックする。

 

 

 

「は〜い、開いてますよ〜」

 

「し、失礼します!」

 

 

森崎が扉を開き、生徒会室に足を踏み入れる。室内にいたのは1人だけ、『副会長』と書かれた立て札が置かれた席に座っている女子のみだった。リボンの色から、森崎よりも二つ年上ーーー3年生であることが読み取れる。

 

 

入ってきた森崎に気がついたその女子は、紫色がかった銀色の、癖のあるセミロングヘアを揺らしながら首を傾げる。

 

 

「ありゃ?先生が来たかー思うたら・・・生徒会の子でもないな?もしかして新入生?」

 

「はい!新入生の森崎です!あの、創部届を出しに来たんですが・・・」

 

「創部届・・・?あー!君やな、さっちゃんが言ってたサッカー部作る子!!まーまーこっち座り!お茶でも飲んでいきや〜」

 

 

 

人懐っこい笑みを浮かべた彼女に促されるまま、森崎は高そうなソファに腰を下ろす。暖かいお茶を注いだコップを森崎の前に差し出すと、女子は彼の目の前に座る。

 

 

 

「そんなら改めて、はじめましてやな?うちは3年の【支倉(はせくら)静穂(しずほ)】。こう見えても生徒会の副会長なんやで?」

 

「は、初めまして!1年の森崎堅固っす!」

 

 

よろしゅうなぁ、と言った支倉は、早速森崎の持っていた創部届を確認する。

 

 

 

「ふむふむ、森崎君がキャプテンで、部員は5人、顧問はさっちゃんか。君ら、元々サッカー部作る予定だったん?」

 

「あっ、いえ。サッカー部を作ろうって言い出したのは俺で、ほかの4人は今日集めたんです」

 

「集めた?・・・登校初日で?」

 

「はい!・・・まぁ、元々灰飛とザックの2人はサッカーやるつもりだったみたいですけどね」

 

「・・・そっか!凄いやん、一日で4人も集めるなんて!」

 

 

今日集めた、と言った時に支倉は僅かにだが目を細めたーーーが、直ぐに先程までの人懐っこい笑みに戻った為、森崎は気が付かなかった。

 

 

その後、森崎は支倉から渡された創部に必要な書類に幾つか同意のサインをし、支倉に創部届を提出した。

 

 

 

 

 

「ん!これで終了〜!晴れてこの神楽中に新しくサッカー部が誕生しました〜!パチパチパチ〜!」

 

 

おどけたような表情で手を叩きながら擬音を口に出す支倉に、思わず森崎は乾いた笑みを洩らす。そんな彼の対応にノリ悪いなぁ〜と言いながら支倉は立ち上がり、自分の机の中から1つ鍵を取り出す。

 

 

 

「ほい、これが君たちの部室の鍵や。部室棟からはちょーっと離れてるけど堪忍な?」

 

「アザっす!部室棟から離れてるんすか?中とかは他のと同じなんですかね?」

 

「中はー・・・えーっとなぁ・・・ま、まぁ見てからのお楽しみってやつやで!!

 

それよりも!!・・・他に勧誘の宛とかあるん?11人揃わんとサッカー部としては成立せんやろ?」

 

 

 

森崎の問いから目を逸らし、言葉に詰まっていた支倉は、話を逸らしてやり過ごそうとする。それを聞いた森崎は、んー、と言いながら頭をポリポリと搔く。

 

 

「そっすねぇ・・・今日は来てないけどうちのクラスに一人、リトルでサッカーやってたのがいるらしいし、田中先生が他学年も探してみるって言ってくれたんで。自分でも勧誘するつもりだし、フットボールフロンティア前には少なくともあと6人、集めてみせますよ!」

 

 

 

笑顔でそう答える森崎。入学する前は集まるか心配だった彼も、初日で4人も集まった為に若干心に余裕が生まれていた。そんな森崎は、そうだ!と言って支倉に言葉をかける。

 

 

 

 

「支倉先輩も、一緒にサッカーやりませんか!?」

 

「・・・へ?うちも?」

 

「ハイ!あ、大丈夫っすよ!俺も1年前に始めたし、完全な初心者も2人いますし!練習はみっちりやる事になるけど・・・俺、全力でフォローしますし!だから、どうっすか!!」

 

 

そう言って、支倉を勧誘する森崎。そんなことを言われた支倉はしばらくキョトンとしていたが、苦笑いしながら両手を胸の前で横に振る。

 

 

 

 

 

「いやいや!うちはええよ〜!あんまり力になれへんやろうし!」

 

「え、そんな事ないですよ!・・・まぁでも無理に誘う訳にはいかないっすよねぇ・・・」

 

「ゴメンなぁ、森崎君。代わりに、力になれることがあったら手を貸すで!」

 

「ありがとうございますッ!なら、3年生でサッカー部に入ってくれそうな人っていますかね・・・?」

 

「・・・3年生にはおらんやろうなぁ。多分2年生とか1年生から探した方がええで?」

 

 

 

口元に指を当てながら首を傾げ、3年生にサッカーをやろうとする人はいないと言った支倉。そんな返答を聞いて、そっすか・・・と答えた森崎。学校全体において、3分の1に相当する3年生を勧誘しても無駄という答えは悲しいものだったが、逆に考えればその分時間を有効に使えるということである。

 

 

 

「アザっす支倉先輩!またお世話になるときはよろしくお願いします!」

 

「ハイハイ、よろしくな〜!これから練習するん?」

 

「ハイ、ゴールとかボールとか、まだないんで、タイヤ引いて走るつもりっす!それじゃ、失礼します!!」

 

 

 

勢い良く礼をして、生徒会室から出ていく。そんな森崎に向かってまたな〜と手を振る支倉は、扉が閉じた後、小さく言葉を漏らす。

 

 

 

 

 

 

「・・・そこは君の場所やもん。うちが邪魔する訳にはいかんからなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「堅固ー!!」

 

「おっ、ペンギン!!みんなも一緒か!」

 

「おうさ!!ちょうど、校門で会ってな!」

 

「ハイ森崎君、着替え持ってきたよ。後、おばさんから伝言で、『部活もいいけど勉強しろ!』だってさ」

 

「ゔっ、勉強は・・・が、頑張る・・・」

 

「堅固は勉強苦手なんですか?よければ教えますよ」

 

 

 

丁度森崎が校舎から出てきた時、人鳥を筆頭に4人が合流。部室の鍵を貰ったので、5人揃って部室を見に行く事に。

 

 

 

 

「部室かー、どんな感じなんだろーね!」

 

「まぁ他の部室とそう変わらないんじゃないですか?」

 

「んー、でもなんか支倉先輩は言いにくそうにしてたんだよなぁ。・・・あっ!部室コレじゃね!?」

 

 

 

そう言って森崎が指さしたのは、部室棟から離れ、グラウンドの近くにドンッ!と佇んだ大きめの建物。明らかに他の部が使っている部室よりも2回り以上大きく、目立った傷や老朽している様子も無い。

 

 

 

「・・・え!?大きくない、この部室!?」

 

「古いもんでも無さそうだしなぁ。グラウンドも近いし・・・なんでここ空いてんだ?」

 

 

 

秋風がその大きさに驚く中、刃金はこの部室が空いてることに疑問を覚える。それもその筈だ、グラウンドに近い上に広い部室があるならそこを使いたいと思うはず。他の部活がここを使わないことには疑問が残る。

 

 

 

「んー、まぁいいじゃん!とりあえず、中をみてみよーぜ!」

 

 

細かいことを気にしてもしょうがない、と森崎は支倉から受け取った鍵を部室の扉に差し込み、捻る。ガチャリッと音をたてて鍵が開く。

 

 

 

 

「開いた!」

 

「おう堅固、早く見てみよーぜ!」

 

「押すなよザック!・・・よし、開けるぞ・・・!!」

 

 

 

人鳥と刃金の2人が待ちきれないと言った様子で後ろから急かす。扉に手をかけ、ゆっくりとドアノブを捻り、扉を開いていく。すると、そこにはーーー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「何もねぇ!!!?」」」

 

「え?・・・うわホントだ、何も無い!」

 

「これは・・・棚とかも何も置かれてない、正真正銘建物だけですね・・・」

 

 

 

そう、中には何も無かった。本当に何も無いのだ。

 

 

ロッカーや荷物を置く棚、長机や椅子、ホワイトボードなどといった備品は一切存在せず、あるのは壁に付けられた窓のみ。さらに、放置されていたのかかなり埃っぽい。

 

 

 

「こりゃ、結構放置されてたみてぇだなぁ・・・」

 

「ぽいねぇ。広いけど、区切れるものとか無さそうだし・・・」

 

「これ、掃除した方がいいですよね。・・・あー、でも道具が無いか・・・」

 

「ねぇ堅固、そう言えばさ。部室に何も無いけど、ボールとかそういうのどうするの?サッカー詳しくないけど、練習に必要なのって結構あるんじゃないの?」

 

「まぁそこら辺は生徒会に頼むしかないな。支倉先輩も力貸してくれるって言ってたし・・・でも部費ってどれくらい使えるんだろうな。一から揃えるとなると結構掛かるだろうなぁ・・・」

 

 

 

うーむ、と頭を捻る。正直、ボールがなければまともに練習すら出来ない。さらにボールがあっても、ゴールネットやらコーンやら、必要なものはごまんとある。創部したばかりで実績のないサッカー部に、それらを取り揃えられる程の部費が支給されるとは思えない。

 

 

 

 

「まぁ、とりあえずそこら辺は置いとこうぜ!練習はどーすんだ?ボールが無いなら無いで、やる事はあるだろ?」

 

「そうだな。よっしゃ!!今こそ俺の練習メニューを披露する時!!」

 

「堅固の練習メニュー・・・ですか?」

 

「おう!ボールが無くても出来るのもあるんだ。今日はみんなで走り込みだ!」

 

 

 

刃金の言葉に、森崎が自身の練習メニューを行うと宣言。ちなみに、彼の練習メニューは基本的に憧れの円堂守をリスペクトしたものになっている。

 

まぁ、とどのつまりーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「走れ走れー!ほらペンギン!灰飛!遅れてんぞー!」

 

「ま、まって・・・これ重い・・・」

 

「た、確かに・・・タイヤを引きずりながら走るとは思いませんでしたよ・・・!!」

 

「お、重い・・・陸上の時みたいに走れないぃ・・・!!」

 

「がーっはっはっは!!お前らおせぇぞ!!儂に続けぇ!!!」

 

「ザックは速すぎだろ!?普通に走ってるのとそんなに変わんねぇぞ!?」

 

 

 

 

ーーータイヤ特訓である。現在森崎達は、腰にロープを使ってタイヤを括りつけ、引きずりながらグラウンドの周りを走り続けている。ちなみに、ロープとタイヤは現在グラウンドで練習している陸上から借り受けたものだ。彼らは謎の特訓を行う森崎達を不思議なものを見る目で見つめている。

 

 

 

現在、先頭を爆走しているのは刃金。パワーのある彼は、タイヤ1つ括りつけたぐらいではスピードを落とさずに走れるようで、笑顔で他の人を鼓舞する余裕がある。

 

次は秋風。パワーは無いが、陸上で鍛えた足でどうにか刃金に食らいついている。恐らくタイヤが無ければ、彼の独走となるだろう。

 

3番手は森崎。日頃からこの特訓をしてるのだからそこそこ速いのかと思いきや、刃金のようなパワーも、秋風のようなスピードもない彼では真ん中が妥当な位置だったようだ。まぁ慣れているからか、走りながらでも人鳥と塵山を気にかけられるほどの余裕はあるようだ。

 

 

最後尾は人鳥と塵山。かろうじて塵山の方が前には出ているが、ほぼ同じくらいのスピードで走っている。人鳥はパワーが無い上に慣れておらず、スタミナは切れかけ状態。塵山は人鳥よりかは余裕があるが、森崎の様に誰かに声をかけるほどの余裕は無いようだ。

 

 

 

 

「っし!そろそろ休憩しよーぜ!」

 

「あぁ〜・・・疲れた〜・・・」

 

「お疲れ様、人鳥君。ハイコレ飲み物」

 

「堅固・・・貴方、これいつもやってるんですか・・・?」

 

「おう、まぁスタミナ大事だからな!・・・おいザック!休憩だぞ!」

 

「儂はまだまだ余裕だァ!もう一周してくるぜ!!」

 

 

 

 

がーっはっはっは!と叫びながらタイヤと共に駆けていく刃金。そんな彼に呆れた目を向ける森崎に、自販機で買っておいたスポーツドリンクを飲みながら秋風が話し掛ける。

 

 

 

「ねぇ森崎君、人鳥君なんだけど・・・」

 

「ん?ペンギンがどうかしたか?」

 

「うん。彼、多分結構運動神経いいと思う。サッカーは詳しくないからなんとも言えないけど、少なくとも慣れればかなりのスピードで走れるようになるよ」

 

 

 

陸上部で日頃から走ってきた秋風は、人鳥の走っている様子を見て、なんとなくだが人鳥のスピードはかなり高くなると感じた。そして、タイヤに引っ張られている様だったのでパワーは余りないだろう、との事。

 

 

「刃金君は逆にパワーが凄いね・・・タイヤをものともしないのはビックリしたけど、スピード自体はそこまで高くないかな」

 

「みたいだな。でもスタミナはありそうだよな」

 

「だね。今も元気に走り回ってるし・・・後、塵山君なんだけど・・・こう言ったら嫌味な言い方になるけど、スピードもパワーも普通だね。身体能力はそこまで高くないみたい」

 

 

 

秋風の見解では、自身と人鳥がスピード型。刃金がパワー型だが、塵山はどちらにも属さないバランス型のようなもの、との事。

 

しかし、あくまでこれはサッカーをやった事のない自分の見解だから、技術的なものはさっぱり分からない。参考のひとつにとどめておいて欲しいとの事。

 

 

 

「まぁ確かにボール使ってないからなんとも言えないよなぁ。早いとこなんとかしないと・・・よしっ!とりあえず今日は走りまくるぞ!灰飛ォ!ペンギィン!休憩終わりだ!タイヤの数増やして走るぞー!」

 

「えっ!?増やすの!?」

 

「儂はもっと重くて構わんぞ!」

 

「貴方はいつの間に戻ってきたんですか・・・?」

 

 

 

 

その後、3時間ほどみっちり走り込んだ5人。慣れている森崎、パワーのある刃金はともかく、慣れない事をした秋風、塵山、人鳥の3人・・・特に人鳥は、疲れでしばらく動けない程だったーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「足痛い〜・・・筋肉痛が〜・・・」

 

「ペンギン、大丈夫ですか?まぁ、僕も昨日から疲れが取れませんよ・・・」

 

「はっはは!まぁ、慣れればどうって事ないぜ!俺、最初の頃は2人よりも酷かったぜ?ベットから動けなかったからなぁ・・・」

 

 

 

翌日。始業前の教室で、森崎達は3人集まって話していた。人鳥と塵山は筋肉痛がとれないらしく、時折顔をゆがめている。

 

 

 

「それにしても二人とも大丈夫か・・・ん?」

 

 

 

そんな中、教室のドアがガラリと開く。自然に3人の目線がドアの方に向くと、見知らぬ生徒が入ってきた。

 

 

 

 

 

まず見て目を引くのは、その髪。白銀の髪をツインテールにまとめて、それぞれ水色とオレンジ色のリボンで結んでいる。背はかなり低く、3人の中で1番小柄な人鳥よりも目に見えて低い。体型もかなり華奢。さらに、かなりの美形だ。空色の瞳をしており、年相応の可愛らしい顔つきをしている。

 

 

 

 

「あれ、昨日あんな子いたっけ・・・?」

「え、てか美人じゃね?」

「うそ、可愛い〜・・・」

 

 

 

見知らぬ人物の登場に、思わずクラスの面々が騒ぎ出す。そんな彼女は、キョロキョロと視線を迷わせた後、森崎を見つけるとそちらに歩み寄って来た。

 

 

 

 

「オレンジのスカーフをした男の子・・・貴方が、森崎君で合ってますか?」

 

「え?あぁうん、俺が森崎だけど・・・君は?昨日クラスにいなかったよね・・・?」

 

「・・・あっ!!もしかして、田中先生が言ってたサッカー経験者の子?」

 

「ハイ!私は、【燈咲(ひざき) 兎月(うづき)】と言います。田中先生からお話は伺ってます。サッカー部を作ったんですよね?」

 

 

 

こてんっと首を傾げた燈咲に、そうだよ、と言いながら創部の経緯と今入部してる部員、それとサッカー部の置かれている環境について説明する。

 

 

 

「フムフム、つまり現在サッカー部は部員5人、しかもそのうち2人は完全な素人で残りも独学、練習環境も整っていないと・・・なんというか・・・大丈夫なんですか?」

 

「本音言うと、ヤバいかなぁとは思ってる。だからこそ、経験者が欲しいんだ!お前、リトルでサッカーやってたんだろ!?色々教えてくれよ!!な、頼む!!」

 

 

 

このとーり!と顔の前で手を合わせて頭を下げる森崎。その横で、塵山と人鳥も同じく頭を下げる。そんな3人に、慌てた様子で燈咲は答える。

 

 

 

「あ、頭上げてください!元々、私もサッカー部を作ろうと思ってたんです。神楽中にはないって聞いていたので。なので、このお話は渡りに船なんです」

 

「・・・と、言うことは!?」

 

「はい。これから、よろしくお願いしますね!」

 

 

 

 

新たに加わった、6人目の仲間。しかもリトル時代からの経験者という、今の神楽中サッカー部に必要な人材だ。森崎はよっしゃ!!とガッツポーズし、兎月の両手を掴む。

 

 

 

「ありがとう!!これからよろしくな、兎月!!」

 

「へっ!?あっ、えっと、よ、よろしくお願いします・・・」

 

「・・・堅固ー、いきなり女の子を下の名前で呼ぶのはどうかと思うよ〜?」

 

「へ?そうか?」

 

 

 

 

面食らっている燈咲に、ぽかんとする森崎をみながら呆れた声を出す人鳥。その横で、塵山も苦笑いを浮かべている。

 

 

と、そんな時に森崎達の席の近くのドアが開く。そこから顔を出したのは秋風。後ろには刃金もいた。

 

 

 

「森崎君、さっき生徒会の人が・・・って、その子、どちら様?」

 

「おう紅葉、ザック!!紹介するよ、うちの6人目の仲間だ!!」

 

「お二人も、サッカー部の方ですね。私は燈咲 兎月です。これからよろしくお願いしますね」

 

「あぁ、初めまして。僕は秋風 紅葉。気軽に、紅葉って呼んでよ。それでこっちが・・・ザック?どうしたの?」

 

 

 

2人が自己紹介を済ませる中、一人俯いて黙っている刃金に訝しげな視線を送る秋風。森崎達3人も、刃金の様子を疑問に思っていると・・・

 

 

 

 

 

「お嬢さん!!!!」

 

「ふぇ!?は、ハイ!?」

 

「儂の名前は刃金斬九郎!!!夢は世界一の必殺シューターになること!!気軽に、ザックとお呼びください、可愛らしい素敵なお嬢さん!!!」

 

 

 

 

ばっ!!と顔を上げ、満面の笑みで燈咲の肩を掴みながら自己紹介をする刃金。そんな彼の様子に、燈咲含めて全員ポカンと口を開ける。

 

 

 

「・・・ザック?どうした?」

 

「どうしたもこうしたもあるか堅固ォ!!こーんなに可愛らしいお嬢さんが、サッカー部に入ってくれるんだぞ!?喜ばずにはいられんだろう!?なぁ紅葉!?」

 

「へっ僕!?まぁ、確かに燈咲さんが加わってくれるのは素直に嬉しいけど・・・」

 

 

 

 

ほら見ろ!!!と喜色に溢れた声を上げる刃金。

 

 

 

余談だが、彼はかなりの女好きである。特に、美人には目がないのが特徴なのだ。

 

 

 

そんな彼は、美形の燈咲の加入を誰よりも喜んだ。当の燈咲は、急な出来事に目を回して混乱している。

 

 

 

 

「いやーしかし、惜しいな・・・こんだけ可愛らしいのに。胸があれば完璧だったな!!」

 

 

 

 

そう刃金が言った、瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふんっ!!!」

 

「ごはっ!!!??」

 

 

 

1歩右足を後ろに下げた燈咲は、握りこぶしを作ると、そのまま勢いのままに刃金の腹部をグーで殴りつけた。その威力は、その華奢な体からは想像出来ないほどの破壊力を発揮。自身よりも二回りは大きい上に筋肉質な刃金を一撃で仕留め、地面へと沈めた。

 

 

 

 

「すみません、よく聞こえませんでした♡

 

 

・・・私の胸が、どうか、しましたか・・・?」

 

 

「ナンデモナイデス!!!」

 

 

森崎が代表してそう答える。そうですか、と言って拳を解く燈咲だったが、刃金を除く4人の心は一致していた。

 

 

 

 

ーーー怒らせてはならない、とーーー

 

 

 

 

 

 

「そ、それよりも!!紅葉、なにか用事があったんだろ!?」

 

「う、うん!!生徒会の人が森崎君を呼んでたから呼びに来たんだった!!ほ、ほらみんな!早く行こ!!」

 

「そうだな待たせたらいけないからな!!ほら、兎月も一緒に行こーぜ!!」

 

「へっ!?あっ、ちょっと森崎君!手を引っ張らないでください〜!!」

 

「ザック!!僕達も行こ!何時まで蹲ってるのさ!」

 

「ふ、ふっ・・・強気なところも、素敵だ・・・」

 

「あんたいつまで言ってんですか!?」

 

 

 

秋風の先導に従い、森崎が燈咲の手を引いて廊下を走る。その後ろを、うずくまった刃金を人鳥と塵山の筋肉痛コンビが引きずりながらついて行く。

 

 

 

ギャーギャー、と騒がしく走る森崎達は、2人の女子生徒とすれ違うが特に気にとめなかった。

 

しかし、その女子生徒の片方は、その場に立ち止まって森崎達の方をじっと見つめる。

 

 

 

 

「あの子達、確か新しく出来たサッカー部の子達ですね・・・ん?乃愛?どうかしました?」

 

「ーー!!うんうん。なんでもないよ、アルちゃん!早く行こ!」

 

「?そうですか?それならいいんですが・・・」

 

 

 

再び歩き出した、乃愛と呼ばれた女子生徒。彼女はチラリと森崎達を見ると、隣と友人にも聞こえないくらい、小さく声を漏らす。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・楽しそうで、いいなぁ・・・」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。