ダンジョンに行かず本を読むのは間違っているだろうか   作:パッチェ

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どもパッチェです。
書きたくなったので書きました。完全に見切り発車です。


注意点として

作者は原作を今、現在進行形で読んでいます。設定などに不備があるかもしれません
公式の設定情報が少な過ぎて捏造部分があります。
作者の趣味が入ります。
投稿頻度が気分です。

以上の事がバッチコイの方は読んでいただけると幸いです。



1頁

 

 薄暗い部屋で1人の少年はベットに足をかけて、側に置いてある魔石灯の光を頼りに一定の間隔でペラペラとページをめくる。手元以外は闇に染まっており、手がひとりでに本を読んでいる様にも見えるほど、暗く闇の世界だ。

 

 

「………」

 

 

 黙々と読みきり、パタンと本を閉じると、その本は消え、新たな本が手元にいきなり現れる。そしてまた読みだす。

 その繰り返しが少年の1日であり、一年でもある。少年が外に出るのはほぼなくここ2年は1度も陽の光を浴びた覚えがない。

 

 

 

 ここに来てもう5年目になるが、知り合い、友達、親友というのは片手で数えるほどしかいない。()と会話のは半年前まで遡るくらいだ。それほどまでに少年を動かすものが———迷宮都市オラリオにいて無いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

 

 

 

 この日もいつもの様に少年は本を読み1日を過ごす。この日といっても時計もカレンダーも無い、この空間には時間というのが存在しないのかもしれない。そう思えるほど変わりばえのしない日々を少年は過ごしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 ———そう過ごそうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドドドドドドドッ———何か聞こえる。

 

 

 

「………!」

 

 

 少年も流石に本から目線を外し、正面にある木のドアの方向を見始めた。この大きな足音は誰かわかっており、気を抜くと大変な事になるので本を数冊手元に出しておく。

 

 

 ドンッ!とドアが勢いよく開き一瞬で部屋の灯りがつくと、糸目な朱色の髪を揺らした女が服を脱がないルパンダイブで少年に叫びながら抱きつきた。

 

 

「レーーヨーーンた〜〜〜ん!!!」

「………うぐっ!?」

 

 

 上からの奇襲は予測しておらず、勢いよく抱きつかれた反動がもろに身体にダメージを負わせた。

 それに気づいてない女は自分の顔を少年の顔に擦り付けて、背中に回した手はお尻の方に向かい弄り始めた。

 

 

「あーーーレヨンたん久しぶりやなぁ〜全然会えなかったからうちは悲しかったで!はぁはぁ…レヨンたんニュウム…」

「……………うぅ…ロキ…や、やめ」

 

 

 明かりがついた事により、先程まで見えなかった少年…レヨンの顔が今はよく見える。何者にも染まらぬ闇を思わせる黒の髪は綺麗なストレートで足元の先より長く、立つと地面に当たるだろう。更に頭の天辺には一本のそびえ立つアホ毛がクルクルと回っている。容姿は整っており、可愛いと周囲は口を揃える。しかし表情筋が全く機能していない。真顔状態だが、声色からするに感情は感じられる。何故か服装は女物の猫耳フードのついたモコモコスカートだ。

 

 

「うへっへっへ〜〜、ほんまかわええ、男子とは思えへんかわゆさ!うちの美少女養分がどんどん足りて……」

「———いい加減にせんか馬鹿者が!!」

 

 

 グギャッ!?と頭に強い痛みを感じたロキはレヨンを手放し、ジンジンと痛む頭を抑える。

 振り返れば、そこには翡翠色の長い髪に鋭く尖っている耳、美の体現であるエルフの美女が杖を持って第2波の攻撃直前であった。

 

 

「何するんねんママぁ〜。痛いやんけ!」

「もし離さんかったらお前の頭に向かって横払いするところだったぞ。そして誰がママだ!痛いのは自業自得だ!!」

「……リア久しぶりぃ〜」

「ああ、久しいなレヨン」

 

 

 美女の名は“リヴェリア・リヨス・アールヴ”。レヨンが所属する【ロキ・ファミリア】の最高幹部であり、副団長である。そして頭を抑えているのが、このファミリア主神ロキだ。

 

 

 

 

 

「よっしゃ!お話ししよか———レヨンたん♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

 

 

 

 

【ロキ・ファミリア】

 

 それは世界の中心と言われる、迷宮都市オラリオの中にあるファミリアの中でもトップクラスの強さと規模を誇るファミリアである。そのファミリアの団員である少年こと"レヨン・イソトマ"はベットの上で美少2人と対面していた。

 

 

「最近は逢いに行けんやったけど元気やったか?」

 

 

 まず初手は誰もが普通だと思う話から切り込んでいく。

 

 

「………ん、いつも通り」

「そうか…それは良かったわ」

 

 

 一見すると当たり前のような返事だから、2人は心の中で頭を抱えていた。レヨンのいつも通りというのは、 即ち外に出ないで本を読む、ということであり、悩みである一番の原因であった。親心からすれば心配で心配でたまらない。

 

 

 もしこれが、ただの引きこもりならどれほど良かっただろうか。俗に言う、『自分2次元しか興味ないのでww』などの引きこもりだったら、そこまで頭を抱える理由はあまりない。

 何故から、そんな引きこもりでも外には出るのだ。推しのグッツ集めや、ライブ。それらを買うためにお金稼ぎなど、オラリオで言えばダンジョンに潜ることが最大の稼ぎである。そういうもの達は、価値あるものの為に外に出るのだ。

 

 

 しかしレヨンにはそれがない。

 外に出ることに価値を見出せない。例えば、本を買いに行く、などをする必要は無く、お金にも困っていない。ダンジョンにある未知に興味すら湧かない。そして———冒険者に失望している。

 この件に関しては、過去の環境が悪かったというのがあるが、半分はロキの所為なのだ。全てがロキの所為という訳ではないが、ロキはこの事を悔いており、どうにかしてレヨンに、外に出て欲しいのだ。

 

 

 

 

 

 その為に———

 

 

 

 

「うんうん、元気ならええねん。でな、率直に言うわ。———この地下からでよか」

「……………ッ」

 

 

 ロキとリヴェリアが同時に来た時点である程度、予想はしていたが、ここまで率直に来るとは思わず、僅かに身体を震わせる。

 ここはロキ・ファミリアの本拠地【黄昏の館】の地下に存在していた。出なくては本気で太陽に照らされることのない場所だ。

 

 

「レヨンたんの気持ちも分かる。自分のしたい事をするのが冒険者や。でもな、レヨンたんのしてることはずっと同じことで何も刺激がない。でもお外に出れば、未知と刺激的な日常がまっとる」

「……………」

 

 

 レヨンは無表情で話を聞いているが、リヴェリアからすると見ていて手応えを感じていた。何故なら頭のアホ毛がピコピコと横に動いているのだ。

 

 

(いいぞロキ!僅かだが興味を示している。その流れで壁を乗り越えろ!)

 

 

 リヴェリアのアイコンタクトにロキは頷くと畳み掛けるように説得を開始する。

 

 

「ええか、外に出ればもしかすると伝説級の魔道書や新たな物語が見つかるかも知れへん。美味しい物だって沢山ある。もしかしたら本に出てくる武具だって見つけれるかもなぁ。どや?興味出て来たやろ!」

「………………………ゃ」

 

 

 

 ——————ん?

 

 

 

 2人には聞こえない。というか、聞きたくない返事だった。

 

 

 

「………外出るのや!」

 

 

 

 

 ——————が、ガーンッ!!!?

 

 

 2人に衝撃が走り抜ける。

 

 

「な、ななななななななななななな、何でやッ!!?めっちゃええ感じやったやん。ピコピコ楽しそうにアホ毛動いとったやん!?『…分かった行く!』って言う流れやったやん!?」

「………やなものは、や!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇうちも嫌だぁぁぁぁぁぁ!レヨンたんと()()に過ごしたいぃぃぃぃぃ!!泣いちゃうぞ、泣いちゃうからな!うえぁああああああああああん」

 

 

 ベットから飛び降りて、地団駄をふみ鳴らし、転げまわり、泣きべそをかく姿に主神としての威厳は無く、おもちゃを買ってもらえなかった4歳児と同じだ。

 この姿には流石の2人もドン引きでリヴェリアはほんの一瞬、ロキの眷属である事に後悔した。

 

 

「頼むレヨン!ダンジョンに行かなくてもいいから、せめて……せめて私たちと上で過ごさないか?」

「うちはレヨンたんが、頷くまでずっとこの状態や!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

「頼むレヨン!!」

 

 

 主神の恥じるべき行動にリヴェリアは顔を覆い、この姿を早くやめて欲しいと願う。

 レヨンもロキの本気を知っているので、頷くまでは本当にこの状態で居続けるだろうと予測する。そうなると読書どころではない。

 

 

「………分かった。リアの案なら…いい」

「ほんまかッ!!マジやなっ!!」

「……ふぁ!?」

 

 

 この主神、返事を聞いた途端、すぐさまレヨンに飛びつき嘘じゃないか確認を取る。

 

 

「………ロキうざいから…仕方なく…」

「い、イヤッフウウウウウウウウウウウウッ!!!これでアイズたんとレヨンたんとの、一緒にデートの夢が叶うで!!」

「落ち着け馬鹿者が…!」

 

 

 ロキはこの部屋にある多数の本棚の横や上から、あっちこっち顔を出すと言う無駄な特技で喜びを表現する。動き回るが故に本棚特有の埃が舞うが、リヴェリア自身も嬉しいのか、いつもの強さで叱れない。

 

 

「それじゃあ2日後に迎えにくるから、それまでに荷造りしといてな!」

「お前の部屋は専用であるから全部持って来い。まぁ、9割は本だろうがな」

 

 

 リヴェリアはレヨンの頭を撫で終えると、ピャンピョンと謎ワープしているロキを捕まえて、ドアの方に向かう。

 

 

「んじゃなレヨンたん♪」

「また来るぞ。体調管理を崩さんようにしっかりと食べて…後、寝るときはお腹に毛布をかけてお——」

「まーた親バカ行動が始まったわ。ほなーな。行くでリヴェリア」

「あ、ちょ、ロキ!?まだ言わねばならんことが………」

 

 

 最後にロキがリヴェリアを引っ張って帰るという茶番を見終えたレヨンは、一度した約束を破る訳にはいかないので荷造りを始める。

 

 

「………ロキ相変わらずウザい…ほんとウザい」

 

 

 そうブツブツと無表情で呟きながらも、喜々たる声色だった。ロキのことでクルクルとアホ毛を回しながら………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ロキはウザい♪」

 

 

 

 

 

 

 




レヨン「……別に外に興味が出たんじゃなく、ロキと話せるのが嬉しかった訳じゃ無いんだからね」

ツンデレにするつもりはありません()



一つ知りたい事があるんですが、神の恩恵ってどう言う定義なんですかね?
例えば、1人の冒険者に対して神の恩恵で、力をその人にバフのように付与していくのか、冒険者の自信が持つ潜在能力を目に見えるようにするのか疑問なんだよね。
もし知っている人がいたら教えてくれると助かります。

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