戦国†恋姫 if 井伊討鬼絵巻 作:通りすがりのガンダムユーザー
恋姫の小説が書きたくなったのと、スランプ気味なのでリハビリがてら投稿しました。
あらすじの通り主人公は井伊直政です。
ただ、名前を少し足してそれっぽくしてます。
「僕が客将ですか?」
とある城内の一室にて二人の人間が向き合って話をしていた。
「ええ。
「第一に経験だと思います。その次に智略や軍略といったものかと」
「そう。あなたはまだ元服してあまり月日が経っていない。三河の武士としては強い部類に入るあなたでも経験が少なければ足元を掬われることもあるでしょう」
「経験を積むという意味でも三河以外の国を見て学んでこい……ということでしょうか?」
「そうよ。私は鴻矢に今後の松平家を支える武士として早く一人前になってもらいたいのです」
「わかりました。期間は……」
「鴻矢の自信がつくまで」
「そんな不確定なものでいいのですか?」
「あなたは私を裏切らない。そう信じているの。久遠姉様の元でよく学びよく励みなさい。井伊万千代直政」
「わかりました葵様。それでは早速支度に向かいたいと思います」
井伊直政と呼ばれた人間は一礼しその場をあとにした。
「励みなさい。あなたにはそうすべき才があるのよ」
※※※
僕の名前は井伊万千代直政。通称は鴻矢。
井伊の長男として生を受けたが僕が数え年で二歳の頃に父上が討死。叔父上は先の田楽狭間の戦いでお亡くなりになられた。まあ、僕はというと叔母上のお考えで葵様の旗本についたので井伊の血を残すことには成功してますが……叔父上が死んでから三日後のことでした。
葵様の命により僕は尾張へ客将として向かうことになったのですが……
「何をすればいいのか……」
葵様に言われてから二日後、馬の上でゆられながらそんなことを考えていました。
そもそも僕はやっと数年前に小性から武将になったばかりの若輩者。
それに織田殿は田楽狭間に舞い降りた天人という存在を保護したらしい。田楽狭間の天人はまさに仏の使いのような光と共に現れたらしいですが……まあ、綾那さんの言うことなんで話半分に聞くに限りますね。
そもそも、葵様は僕を尾張に向かわしたのも解せない。
葵様に歯向かうつもりは元よりないけどそれにしたっていきなりだ。
葵様の目指す天下においては織田様もいずれ敵になるはず。……織田殿を倒す前に甲斐の虎や越後の龍を倒す必要があるとは思いますがそれはさておき、そんな関係性のところに僕を向かわせるのは経験を積ませること以外になにか考えがあると思いますが……
「まあ、そんなに色々考えてるとすぐにつきますよね……もう尾張だ……お腹痛い……」
うわっもう着いちゃった……やだなぁ……
そう考える僕の頭と違い体はどんどん動いていく。
門番に要件を伝え大広間に通された。
誰もいない広間の中心でじっと城主である織田殿を待つ。
……それにしても周りの気配がなんというか……ガヤガヤしてる?
僕に対して敵意を放っているものもいれば、気配が乱れているもの、品定めをしようとするもの。色々感じれる。
その直後に部屋の襖が開かれた。
暗い赤の髪を持つ女性……恐らくは柴田殿だろう。チラリと一瞥するだけでもどれほどの強者かわかる。
「……織田久遠信長様のお入りである!頭を下げよ!」
「………」
僕は黙って頭を下げることにした。
何者かが僕の前に座った。
「頭を上げよ。お前のことは葵から聞いている。待たせたな井伊の」
「はっ!」
僕は織田様であろう人の言葉通りに頭をあげた。
「文にも書いてあった通りの奴だ。自己紹介をしてもらいたいのだが」
「僕の名前は井伊万千代直政と言います。我が君主、松平葵元康様の命で織田殿に協力するよう言われました。なにとぞ、よろしくお頼み申し上げます」
「まあ、そんなものでよかろう。知っておるであろうが我が織田久遠信長だ。今川治部大輔との戦いを終えたばかりとはいえこのような対応になってすまない」
「い、いえ!僕のような若輩者が織田殿と直接会うこと自体が烏滸がましいのです!そのような自分にはお言葉もったいない!」
「……葵の文にあったようにへりくだったやつだな。それはそうと井伊の」
「鴻矢……でお願いします。未だ僕には井伊の名前を背負えるほどの強さは持ち合わしておりませぬので……」
「ふむ、ならば鴻矢。お前は織田の客将として協力してもらうこととする。城のことはその壬月や手の空いているものに聞いてくれ、近々戦になるだろう、存分に働いてもらうぞ」
「はっ!」
※※※
それから三日後、僕は織田殿に呼ばれて評定の間にいた。
「やーおはよー鴻矢くん」
「雛さん、おはようございます。犬子さんと和奏さんは……」
「すぐに来ると思うよー」
雛さんの言う通りすぐに織田の三若である犬子さんと和奏さんが現れた。
「よう鴻矢!」
「おはよう鴻矢くん!」
「おはようございます。和奏さん犬子さん」
軽く挨拶を交わすとお二人は自分の定位置についた。僕の場所は雛さんの右隣だ。
「全員揃ったな。麦穂、奴を呼んできてくれ」
「はっ!」
麦穂さんが評定の間から一旦立ち去る。
ほんの少し時間がたち麦穂さんが今一度襖を開けた。
(あれが田楽狭間の天人……普通の人に見えるな)
この場にいるほとんどが田楽狭間の天人を見つめる。好意的にはどう見ても見えない。
かくいう僕も品定めをする様に注視している。
「どうした剣丞。そんなところに突っ立っておらず、こちらに来い」
久遠様は自分の横スペースをポンポンと叩いている。……笑いを堪えてる表情だ。
「失礼します。……」
田楽狭間の天人が腰を下ろした。
「皆の者。こやつが我の夫となる男、新田剣丞だ。存分に引き回してやってくれ。ほれ、貴様も何か言え」
「何かって何を?」
「自己紹介ぐらい自分でしろと言っている」
「あ、ああ自己紹介ね……」
コホンと一息つき田楽狭間の天人は口を開いた。
「えー……新田剣丞です。天から落ちてきて久遠……こちらにいらっしゃる織田三郎久遠さんに保護されました。何の因果か、久遠さんの夫になることが決まりましたので、皆様、今後とも、どうぞよろしくお願いしまーー」
「ふざけるなぁぁぁーーーーーーっ!!」
和奏さんうるさいです。まあ、想像に容易かったけど。
稚拙な文ですが、どうぞよろしくお願いします