ロキファミリアにコミュ障の少年が居るは間違っているだろうか?   作:モフモフ毛玉

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ムイの挑戦 ダンジョン編 中編

ムイはアイズに引っ張られながら昼のオラリオを歩く

 

「うぅ…」

 

周りを見れば沢山の人、しかも自分の容姿そして『ロキ・ファミリア』の【剣姫】であるアイズと共に居る事もあり、ジロジロと見られる。

 

「…もう少しだから頑張って」

 

「…うん」

 

周りの人からの目線に耐えながら、ムイはアイズについて行く。

 

すると並ぶ露店の一つから声をかけられる

 

「もし、武器をお探しですか?」

 

その人物は珍しかった。狐人(ルナール)鍛治師(スミス)だった。そもそも鍛治師(スミス)はヒューマンやドワーフが多い。獣人の鍛治師(スミス)は見かける事はあるがそれでもごく一部である。

 

「うん」

 

「ちょうど良かった。私も一昨日からここに露店を出したばかりで無名でして…宜しければ私が作った武器を見ていきませんか?」

 

アイズはムイを見ながら問いかける

 

「どうする?ここの武器見る?」

 

「…うん」

 

すると狐人(ルナール)はチラリとムイを見た。

 

「なるほど、将来性は高いですね…」

 

「……?」

 

ポツリと呟いたがムイには聞こえなかった。

 

「そう言えば貴方、名前は?」

 

狐人(ルナール)に名を問うアイズ

 

「あぁ、申し遅れました。私は宵月(ヨズキ)、【ヘファイストス・ファミリア】所属の鍛治師(スミス)です」

 

そう言って頭を下げる宵月。

 

「それではご要望はお有りですか?」

 

「うーん…アイズお姉ちゃん、僕ってどんな武器がいいと思う?」

 

「…ナイフがいいと思うよ」

 

「ナイフですか…残念ながらナイフは扱ってませんね…代わりに小太刀なら置いてありますが…」

 

「見せてくれる?」

 

「ええ、分かりました」

 

そう言うと宵月は露店奥へ引っ込んだ。

 

そして数十秒後

 

「これですね」

 

そう言って宵月は鞘に納められた小太刀をムイに渡す

 

「……」

 

ムイは恐る恐る小太刀を受け取る。

 

「抜いてもらってもいいですよ」

 

ムイは言われるがままに抜く

 

「……わぁ」

 

その刀身は美しく、艶やかな光沢を持っていた。その美しさにムイはジッと小太刀を見ていた。

 

しかしその小太刀は大きさが通常よりも一回り小さかった。小人族(パルゥム)専用の刀と言われればしっくり来る大きさである。

 

宵月はムイに問う。

 

「ムイさん、持ってみてどうですか?」

 

「軽い…それに手によく馴染む…」

 

そう言って微笑むムイに宵月は問う。

 

「そうですか…ナイフと扱いは違いますが振れますか?」

 

「多分振れると思う…」

 

「そうですか」

 

「ムイ、その小太刀気に入った?」

 

「うん」

 

「…そう」

 

しかし喜ぶムイとは裏腹にアイズは少し嫌そうであった。

 

「……ふむ」

 

宵月はそんなアイズを見た後にムイを見た。すると

 

「しかし気に入ったとは言え扱えるかどうかは別です。私としてもキチンと扱えるかどうか見ないと売れませんので」

 

「…?」

 

キョトンとした顔で宵月を見るムイ。

 

「ダンジョンへ向かいましょう。そこで貴方がその小太刀を扱うに相応しいかどうかを決めさせてもらいます…と言いたい所ですが防具も無しでダンジョンに潜るのは危険ですし…」

 

そう言ってまた露店の奥へ引っ込む宵月。

 

「これを使って下さい。私が使っていた物ですが…」

 

それは皮鎧と楔帷子だった。

 

「…え?」

 

「…いいの?」

 

「処分に困っていましたし、もう使わない物ですから。あぁ、キチンとメンテナンスはしてますから安心して下さい」

 

「ありがとう、ございます…」

 

「いえいえ」

 

そう言うと宵月は再び露店の奥へ引っ込むと一振りの刀を腰に挿して戻って来た。

 

「それではダンジョンへ向かいましょう」

 

「……店はいいの?」

 

「ええ、ファミリアに作品の大半は置いてますし、ここにある武器を盗もうとする輩は居ないでしょう。まぁ仮に盗もうとしても無理ですが」

 

「…そう」

 

「ダンジョン…」

 

「おや?ダンジョンに潜るのは初めてですか?」

 

「うん…」

 

「そうですか…私が見た所、貴方は戦えると思いますよ」

 

「そうかな?」

 

「ええ」

 

「…ムイ、早く行こう」

 

不機嫌な顔のアイズはそのままムイを背負うと走り出した

 

「にゃぁ…!?」

 

ムイの悲鳴が聞こえたが風に掻き消された。

 

「…【剣姫】と呼ばれている人でもやはり人ですね」

 

苦笑いを浮かべながら宵月は二人を追いかけた。

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