ロキファミリアにコミュ障の少年が居るは間違っているだろうか? 作:モフモフ毛玉
アイズに背負われたムイは風を受けて暴れまくる自身の髪に顔面をペシペシと叩かれながら耐えていると風が止んだ。
「う…」
「大丈夫?」
アイズにゆっくりと降ろされたムイは今一度辺りを見渡す。ゴツゴツとした岩肌で覆われた洞窟といった感じだ
「ここが……ダンジョン?」
「そうだよ、ここがダンジョン…」
すると後ろからタッタッタッと規則的なリズムで走って来る気配が
「いやぁ…流石【剣姫】と呼ばれるだけはありますね、追いつくのに時間がかかります…」
宵月だった。アイズは少々驚いた。自分もそこそこ速い速度で走っていたにもかかわらず、誤差の範囲で来たのだ。
「貴方、何者…?」
「ただの
そう言ってニコリと笑う宵月。
「さぁ、ムイさん。貴方がその小太刀を扱うに足るかどうか、定めさせて貰いますよ」
宵月がそう言うとほぼ同時に岩肌をバキバキと壊しながら緑の小鬼……名をゴブリン…初心者冒険者にとって始めの難敵とも呼べるモンスターである。小柄な体格から放たれる棍棒による一撃は侮れない
「「「グギャギャギャ!」」」
ゴブリンの数は三体、ムイ一人には少々荷が重い。
「さて、ムイさん。ゴブリン相手ですが、やれますか?」
「が、頑張ります…」
ゴブリンの醜悪な顔を怯えながらも、ムイは小太刀を抜いた。
「グギャァァ!」
するとゴブリンの一体が雄叫びをあげながらムイへ飛びかかった。
「……っ、ふっ!」
ムイは冷静に棍棒を小太刀の鞘で撫でるようにズラすとそのまま体勢を崩したゴブリンの無防備な腹を小太刀で貫く。
「ギッ…!?」
突き刺したまま小太刀を振るとそのままゴブリンはすっぽ抜けて岩肌に叩きつけられるとそのままピクリとも動かなくなった。
「ギャ、ギャキャ…」
「グギャ!グギャガ!」
残りのゴブリンはこんな簡単に仲間を倒されるとは思っていなかったのか困惑していた。
「あれ、僕こんなに動けたんだ……」
自分がここまでやれる事に驚くムイ
「ええ、実戦でなければ分からない事もありますよ」
宵月は腰の刀に手を置きながらムイを見ていた。
「グギャ、ギャキャ」
「グギ?ギャギャ!」
そうしているうちにゴブリン達もどうするか決まったらしい、そのまま二手に分かれると一体がムイの脇腹を狙って棍棒を振った。
「っ!」
ムイは小太刀の鞘で受け止めようとするが押し負けて後ろに飛ぶ
「グキャギャ!」
待ってましたと言わんばかりに棍棒を構えるゴブリン、しかし
「ふっ!」
アイズに切り飛ばされた。
「ニャブッ!?」
「ムイ、大丈夫?」
そのままアイズは飛ばされたムイを優しく受け止めると、そのまま抱きしめた。
「あのー、まだ一体残ってますが?」
宵月はポツリと残ったゴブリンを指差す
「ムイ、やれる?」
ムイを優しく撫でながら問う。
「うん」
そう答えるとムイはアイズから離れると小太刀を構え直す、そして残ったゴブリンへ迫った。
「ギャッ!?」
「ふっ!」
そのままゴブリンを一刀両断し、血を払う。
「お見事でした」
「あの、これで僕はこの小太刀を扱うに値するんでしょうか?」
「ええ、貴方はその小太刀を所持するに値しますよ。……ん」
優しくそう言うと急に張り詰めた表情になり、腰の刀を手を添える。
「アイズさん、ムイさんを…」
「分かってる」
するとベキベキという音と共に岩肌が剥がれ、大きな腕が現れる。そのまま岩肌が大きく崩れるとそのモンスターの全貌が見えた。
「ブルル……ブモォォォォ!」
ミノタウルス……本来ならこんな浅い層に居るはずのないモンスターだった。
「ひっ…」
ミノタウルスに気迫を当てられたムイは顔を青くした。
「大丈夫、ムイは私が絶対に守るから」
アイズはムイを自分後ろにやると武器を構えた。
「…アイズさん手助けは?」
宵月は腰の刀を少し抜いてアイズに問う
「要らない」
「…まぁ、そうですよね」
すると岩肌がまた崩れ落ちる
「「ブモォォォ!」」
先程のゴブリンのようにミノタウルスが三体となった。
「一応、お願い」
「あ、分かりました」
そう言うと宵月は腰の刀を抜く
「……さて、久々に戦いましょうか」
そして刀を構えると近くのミノタウルスの腕を斬り飛ばした。