傭兵日記   作:サマシュ

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ジャベリンくん、まさかの人物と出会います。
どーぞ。


傭兵、面会だってよ。

335日目 晴

 

今日、俺の養父がやって来た。

ポチのボディをこれでもかと磨いていた最中にだ。全く時間を考えてほしかったもんだ。

 

…ちょっと説明が足りないな。彼は『ハワード』と言う名前 (苗字は忘れた) で、一応元正規軍で武器庫の職員。死体回収班に所属する男だ。武器庫内では古参の人間であるものの、かといって会議やら行事にはあまり表には出てこない。

何なら俺が進んで会いに行く人間でもない。実際この日記では全くもって書いていなかった。

彼は基本的に武器庫の裏手にある霊園で過ごしている。その為か皆から『墓守』と呼ばれているようだ。俺も墓守って呼んだり親父って呼んだりしてる。

墓守が俺の養父になった経緯は、どうにも社長が俺を拾った時にたまたま同伴していた墓守に有無を言わさず押し付けて、なし崩しに養父となった……らしい。実際の事はよく分からん。

そんな彼だが、俺は墓守に色々な事を教えて貰ってはいる。言語、基礎的な教養、物事に対する考え方……武器庫の隊員が戦闘技術の師匠なら、墓守は人生の先生である。

 

さて、何故墓守が連絡もなしに態々俺のところに来たのかといえば……墓参りのお誘いだ。俺の本当の家族の墓をやっと作ったからであるとのこと。ということは……俺の苗字が判明するのか。嬉しいとか悲しいとか、そういうのはない。記憶が無いんだ。喜べってのが土台無理である。

とはいえ俺の苗字は一体何なのか……楽しみだ。

 

しかし墓守も罪な男だ。アイツ物凄く綺麗な、それこそ彼には全く似合わないような女性を侍らせていた。一体誰なのかは敢えて聞かなかったが、まぁ特別な関係であるのは違いないだろう。

……葬儀屋とか言ってたのは気にしないでおく。思いの外物騒な通り名だった。

 

ポチ? そりゃもう鏡みたいにピカピカにしたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

336日目 晴

 

今回はお嬢御一行がやって来た。

メンバーはお嬢に、ローゼに、M16とSOPだ。どうやら今後行われる大規模作戦のブリーフィングでグリフィン本社にやって来ていたようだ。クルーガー社長から俺の事を聞いたので折角だから来たって感じだろうか?

お嬢とM16は俺の状態を見て笑い、ローゼは複雑な表情。SOPは後でお土産あげると言ってきた。お前だけが天使だよSOP……。

それにしてもお嬢も出世したもんだ。大規模作戦の主力部隊とか言われてたんだぜ、いやぁお目出度い。

どんな作戦なのかは俺は聞かされることは無かったが、M16が言うにはかなり派手にやる作戦らしい。もしかしたら武器庫が出張る可能性もあるとか。実行は1ヶ月がそれ以上先……相当な準備でもするのだろうか?

武器庫じゃ基本的に大規模作戦の主力やら作戦立案を担当するのは剣部隊だし、よく分からない。

あぁそういえば、お嬢から俺宛の手紙を貰った。送り主は……リフィトーフェンだ。アイツマジで何やってんだ。何処で貰ったのかとお嬢から聞くと、グリフィン本社の正門付近で貰ったらしい。

リフィトーフェン、本当にグリフィンを舐めてやがる……。お嬢も多少は疑って欲しい。あの野郎は変装しようと一目で不審者って分かるような言動するんだぞ……。

さて、手紙の内容だが。

 

『義眼を直すからこの住所の場所まで来てくれ。合言葉はシュトゥルム・ウント・ドラングだ。いいか?絶対に早口で言うんだぞ?早口で言わなかったら直してやらないからな!』

 

と、随分とふざけた内容だった。しかし義眼を直してくれるのか……元々ペルシカリアの所に行くつもりだったけど、リフィトーフェンでも良いかもしれない。どちらにせよ状況次第だ。ペルシカリアに連絡出来そうに無かったらリフィトーフェンの所へ向かおう。

アイツが何をしてくるのか分かったもんじゃないが、それでも片目が見えないってのは不便極まりないし何よりリフィトーフェンは腐っても技術者、相当なモノは作ってくれるだろうと信じたい。

 

しかし何故リフィトーフェン、お前は武器庫の管理地区の所に拠点を置いてるんだ。どうやって移動してやがるコイツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

337日目 晴

 

独房でグリフィンの休憩室から拝借した小説を読んでいたら、我ら武器庫の偉大なる社長『ジョン・マーカス』総合責任者サマが面会にやってきた。何故かスピアとイージスを連れてきていた。

……正直不安でしかなかったんだよな、上記のメンツ。イージスは基本的にぼんやりしてるから何処行くか分からないし、スピアに関しては……うむ。アイツの斜め後ろから栗色の髪がちらりと見えたし……お幸せに?

さぁいつの間にか日の差す所に移動してしまったイージスとスプリングフィールドに連れていかれた(社長が連れていくのを許した)スピアは置いといて、社長はただの世間話をしに来ただけだった。(社長が「事務員からの催促から逃げてきたんだよ」って言っていたのは聞かなかったことにしておこう。)

ここ暫くは暇になるらしく、武器庫は束の間の休暇に入るそうだ。といっても戦闘員のみが休みで事務職やら社長は休みじゃないらしいが。それに加えて隊長や副隊長ももしもの時に備えておかなければならない。

 

結局お仕事あるのね……。まあいいけど。

しかしまぁ、武器庫って案外呑気だよなぁ……うちの会社、不規則で何故か仕事が来なくなる時期がある。期間はこれまた不規則で、短かったり長かったり。この時期になると、人によっては実家に帰ったり、何処か別の地区に行ったり、皆好きなようにやっている。

どうせ俺は会社で待機だが、さて……あぁそうか、だから墓守に墓参りをするように言われたのか。先に言って欲しかったもんだぜ、全く。

 

……線香ぐらいは出しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

338日目 曇

 

トンプソンとSAAと416とG11がやって来た。偶然らしい。

大勢による面会で少々面食らったが、特に何かトラブルが起きたということは無い。因みにトンプソンコンビは俺の様子を見に、416コンビは任務報告ついでらしい。

任務報告ついでということはUMP姉妹が居るはずだったのだが、何故か居なかった。彼女たちは何処に居るのか416に聞いた所、「道草でも食ってるんでしょ」と素っ気なく返された。まあ、あの姉妹だしなぁと何となく理解はしたものの……また次の任務について話して居るのだろうか?

考えても仕方がないか。

さて今度はトンプソン達だが……相変わらずだった。SAAはトンプソンにべったりで、彼女はそれを許している。本当に様になったものだ。

SAAはちゃんと銃を扱えるようになり、そして喜ばしい事に実戦に出ることが出来たに加えて鉄血人形を何体か撃破したらしい。

思わず俺は喜びのあまりSAAの事を高い高いしてあげた。SAAは喜んだが隣のG11が心なしか不服そうであった。

なのでついでにG11も抱き上げた。416に蹴られた。理不尽である。

そんな茶番は差し置いて、トンプソンから俺の釈放される日について教えてもらった。明後日だそうだ。

……早くない? いやまぁいいか、早めに墓参りが出来る。帰りついでに線香とか探してみるとしよう。






養父、なんとなく出したくなっただけでございます。ただ、もしかしたら何度か登場する……かも?
どちらにせよ今後書く墓参り回にて。

…さて、コラボ消化やらなんやらやることはたくさんですが物語的には終盤へ順調に進んでおります。何時頃終わるんだろうなぁ……あとまたコラボとかしたい()

あ、次回は武器庫の日常やります。怪文書生まれるかも……?

それでは、またこんど!!!

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