さて、リフィトーフェンの隠れ家とは一体……?
347日目 雨
今日は俺の厄日だろうか。鉄血ハイエンドモデル二体と遭遇するなんて。いや大人しかったけども。
ウロボロスは兎も角……問題はアルケミストだ。リフィトーフェンのウイルスがどう作用しているのか分かったもんじゃない。
彼女は何の問題もなく墓守と葬儀屋に見守られながら落ち葉を掃いたりしていたが、果たして一体何が目的というのだろうか。
一先ずは墓守に理由を聞いてみたところ、突然ここにふらりと現れて以来たまに来るようになったらしい。おっとこれ確実にリフィトーフェンの隠れ家に住んでるなアルケミスト?
出来る限りなら俺は彼女を避けたかったが (見るからに分かるサディスト感があるし)、残念なことに彼女の方から接近してきたのでそれを断念せざるを得なかった。
ひっでぇよなぁ本当に……久し振りに顔を合わせたかと思えば、
「久し振りだねマヌケ面。眼帯着けて多少はマシになったけどやっぱりマヌケ面は全く変わりゃしない。そんなのだから代理人に片目取られるんだよ全く」
とか言ってくるし……代理人関係ないだろ!?
俺だって好きでこうなった訳でもないんだよ……気分転換にオスカーでも愛でるか……。
にしても……アルケミストは何故彼処まで大人しかったのか。口が悪いのは相変わらずだったけれど……やはりリフィトーフェンがテコ入れでもしたのだろうか……明日アイツの所へ行ってみよう。外出届も忘れないようにな。
348日目 曇
リフィトーフェン、改めて考えてみれば謎の多い男である。
元正規軍、恐らくは社長と同期でE.L.I.D撃滅部隊所属、鉄血工造でも研究員として勤めポチを作ったやつ……後朧気な記憶を手繰ればもしかしたらドリーマーも設計したのであろう男。そして俺が鉄血ハイエンドモデルに襲われる元凶を作った諸悪の根源。それに加えてリフィトーフェンはグリフィンにもちょっかいを出したりしている。勘弁して欲しい。
俺が分かってるのはこれぐらい。何で彼が正規軍を抜けたのか、鉄血工造に入社したのか、そこはよく分からない。あとはあの技術力の高さもだな。
俺はグリフィンとは関係が深い……もしもリフィトーフェンと交流があることが露見したら大変なことになるぞ。俺の今の状態は綱渡りみたいなもんだぜクソッタレ。
まぁ今日はそのリフィトーフェンの隠れ家にポチといる訳だが。こいつの隠れ家、商店街のど真ん中にあった。木を隠すなら森の中ってことだな。
この前アイツに教えてもらった「シュトゥルム・ウント・ドラング」っていう合言葉は使わずに済んだ。何せ隠れ家の前に立った瞬間にデストロイヤーがドアを開けて出てきたからな。えらく緩いセキュリティだなリフィトーフェン。デストロイヤーも何の迷いもなく中に入れてくれたし。ポチも言葉を失っていたから余計に笑えた。
俺を襲ってこない辺りやはり何かあるな? リフィトーフェンに聞くか。
さて彼の隠れ家の内装だが……どこにでも有りそうな、質素な部屋だった。複数のソファーにテーブル、小さなキッチン、少し大きなテレビ……奥の方でリフィトーフェンの叫び声が聞こえたが気にしないでおこう。
一先ず今はテーブルで日記を書いている。ソファーには俺とドリーマー、後は見知らぬ少女(ジャッジと名乗っていた気がする)が居た。多分この少女も鉄血ハイエンドモデルなのだろう。デストロイヤーはテレビを見ている。
いや本当にリフィトーフェンはこのハイエンドモデルどもに何をしたのだろうか。恐ろしい事この上ない。
あ、リフィトーフェンに呼ばれた。ここで一旦筆を止めよう。
349日目 晴
昨日の続き。
アイツの作業場……なんかホルマリン漬けと何かの機械パーツあったし研究所の方が正しいなこれは。そこに連れて行かれ、義眼の交換となった。
因みに俺の義眼なんだが、幸いにも眼球としての機能が死んでいるで他の部分に怪我をしているなんてことは無かった。なので、義眼を取り出して新しいものに変えるだけで済んだ。
義眼を取り換えている最中、リフィトーフェンは自分の作った義眼の性能についてペラペラと長ったらしく話してきた。余りの長さにここへ全文を乗せるのは少々骨が折れるので、要点だけ書いておく。
今、俺が取り付けている義眼には、前の義眼と同じく、人形や機械の“目”から消える事の出来る機能が付いている。
そして対電子戦を想定してハッキングに対して強く、また接続ケーブルさえあれば電子空間にも侵入出来るようになった。でも機能を盛ってしまった結果なのか、使用制限が掛かっている。半日ぶっ通しは可能なものの、それを越えると義眼に繋げている神経が焼ききれるらしい。
デメリットはこれぐらい。この程度に抑えられる技術は正直凄いと思う。
義眼の話はさておいて、今度は代理人の話に移り変わった。俺と別れた後、代理人は何も言わずに本拠地へと帰ったらしい。リフィトーフェンが言うには、彼女はまたお前に会いに行くつもりだとのこと。
嫌だなぁって思ってたら、リフィトーフェンは突然「君も逃げるばかりじゃなくて向き合ってみたらどうだ?」なんて言われた。
そこを突かれるのは正直痛い。でも分かってる。理解している。俺という男は代理人という人形に向き合わなければならない。そして、解放してやらなければならない。まぁ、代理人がああなった元凶は今目の前で爆睡しているやせぎす野郎なんだが……やはり何かしらの解決は試みようとしているらしい。
少なくとも当面の目標は代理人の破壊だ。下手な動きは仕事やらグリフィン関係で出来ないし、焦らず行こう。
というかリフィトーフェンにデストロイヤーとアルケミストのこと聞けてないじゃねぇか畜生。
350日目 晴
リフィトーフェンに色々聞いた。
どうやらデストロイヤーとアルケミストに関してはあの蝶事件の時、強制スリープさせた後にその感情が暴走するプログラムに対するプロテクトをインストールさせたらしい。うちのポチに使ってたのと同じか。コイツ本当に前から根回ししてたな……?
さて、問題はもう二人のハイエンドモデル、ドリーマーとジャッジについてだ……。
この二体は何と驚くことにリフィトーフェンが設計を担当した。見た目が少女であるのに彼の変態性が窺える。別の理由があるのだろうけれど。彼女達もこちらに対して友好的ではあった (ドリーマーは相変わらずだったが)。
彼女達は予備素体を使ってここに居るらしい。本拠地で防衛しているのだとか……ということはアルケミストとデストロイヤーも……?ってなったがその通りだった。
予備故に余り力もないらしい。それこそ大の大人と同等程度だったか? だからアルケミストは霊園で何もしなかったのだろう。
そういえば今日、アルケミストがウロボロスを連れてきていた。リフィトーフェンに服を身繕わせるつもりだったらしい。
……はて?確か墓守は服を作るぐらい造作もなかったような気がするが……まぁいいか。墓守だって女性の服を作るなんてことはしたくないのだろう。
さぁて、義眼も直ったし会社に戻るか。スピアの小言が待ってるぞ……。
さらりと流しましたが、ジャベリン君覚悟を決めたっぽいです。さぁどうなるのやら……。
次回は社長の過去話をちょろっとやったり……?
―雑談―
やっとコラボ消化とかコラボとかやれる…(自分がやりたいだけ)
いややはり、何といいますか、カロリーは高くとも面白いんですよねぇコラボ。
まぁ先に消化しなきゃならんですが。
それではまた今度!!