傭兵日記   作:サマシュ

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今日も元気にジャベリン君の日常を!
久々の平和なお話です。どうぞ!





傭兵、散策だってよ。

 

 

360日目 晴

 

今日も今日とて仕事は休み。416とエルが未だに俺の部屋に居たもんだから暫く一人で動くことにした。たまにはアイツらもちゃんとのんびり二人で話したいだろうし。

 

さて一人でぶらつくにしても暇潰しになるものはそこまでない。そりゃ会社にあるレクリエーションルーム行ったり演習場で誰かひっ捕まえてトレーニングに付き合ってもらえれば暇は潰せる。しかしだ……何か違うんだ。何かが。

だから俺は商店街へと出た。ショッピングをすることにしたんだ。うちの会社の周辺も中々発展し始めてるようで、様々な店が出来ている。雑貨屋やらカフェやら服屋やら。俺がこの日記を始めた頃はそこまでこういった店は少なかった。目に入るものの殆どがここ最近で開業された店ばかりだ。

少し歩いてみれば、鼻腔をくすぐる良い匂いもする。どうやらここはカフェやレストランが多いエリアのようだった。俺は取り敢えず適当なレストランへと入って、オムライスやデザートを堪能した。

腹ごしらえもちゃんとして次に向かうのはバイク販売店。レストランに入る前にちらりと見えたから気になっていた。

店頭に並んでいるのは大体電動バイクやらばかり。流石にガソリンで動く代物は見付からなかった。しかし店内に入るとあら不思議。目に入ってくるのは今や貴重となったガソリンで動くバイクばかり。分かってるな店主。

思わず財布の紐が緩くなってしまったが、まだ買うとは決めてなかった。というのも、俺のバイク……まぁ壊れたけど、それでも直せるかもしれないのだ。あの時以降、一応グリフィン本部から武器庫の所まで輸送はして貰った。なのでどうにかこうにか整備士達に手伝わせて修理しようと思う。

しかし突然一つの考えが閃いてしまった。

 

…………いや、スクーター位は大丈夫かな?ほら、通勤とかさ、便利じゃん?

 

って。今も悩んでいるものの、答えは出ない。近くのカフェで向かいのバイク販売店を眺めながらこの日記を書いているが、うーむ……迷うなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

361日目 晴

 

結局電動スクーターを1台買ってしまった。丸目の可愛いやつだ。確か昔の映画である『ローマの休日』ってので出てきたスクーターのデザインを近代化させたようなものだったか。航続距離は一回の充電で250キロ程。結構走ってくれるのがありがたい。

そんなスクーターで走りに行くのは武器庫の裏手、墓守の霊園だ。ポチも一緒に足元に乗せて行った。

珍しい事に墓守と葬儀屋は出掛けており、そこに居たのはウロボロスとG41だけ。折角なのでG41にポチを預けて、ウロボロスとじっくり話すことにした。

 

彼女はどうやらとある大規模作戦にて指揮を執っていたようで、時に前線に出てはグリフィンを苦しめていたらしい。だがその作戦中、404小隊……416やエルが所属する部隊に滅茶苦茶にされて、挙げ句のはてには仲間にも裏切られてしまったという壮絶な体験をしていた。

多少の誇張があったことも否めないが(かなり尊大な言い方だった)嘘は言っていないのだろう。

しかし仲間に裏切られたとは一体……とウロボロスにそれとなく聞いてみれば、物凄くバツの悪そうな顔をして処刑人や狩人の事、そして代理人のことをポツポツと話始めた。

 

……何と驚くことに、代理人やら処刑人、狩人は俺のことも狙ってたようだ。代理人の目的はよく分かる。処刑人は恐らく俺との再戦、狩人は……諦めてないのかな……いや、でもこの目で彼女が機能停止したのは見届けた。きっと復讐の呪縛から抜けてるだろう。

まぁそれは兎も角、時期的な事を考えると、その作戦は俺が保育園での子守りしてる時にやってたんだろうて。だから代理人は直に俺を“訪ねた”んだなクソッタレ。

 

ウロボロスも随分大変のようだ。仲間に見捨てられて無様にも捕虜となり、だけれども辛うじて残っていたプライドで命からがら脱走してきたのだろう。

 

にしても……何故彼女はここに居るのか?

逃げることが出来たのならさっさと鉄血に戻れば良いだろうに。

 

そんな素朴な疑問を彼女へぶつけたら、「……なぁジャベリン殿。私は鉄血のネットワークでさえ弾かれているんだ。どうしろというのだ、私にとってはこのハワード殿の家しか居場所がないんだぞ」と、とてつもなく哀愁に満ちた顔で言われた。

 

何かすまない。

 

そんなウロボロスにはポチとG41セットをぶつけておいた。癒されて欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

362日目 晴

 

俺の壊されたバイクが来たので、今日は整備士達と一緒に修理を行った。といっても俺はあんまり出番はないが。それこそアイツらが変な改造をしないように見張るぐらいだ。

うちの整備士達はロマンに拘ることさえしなければ仕事を手早く済ます優秀な奴らなんだが一度拘りだすともう止まらない。何度会社の車や兵器が犠牲になりかけたか。

そんな話は兎も角、三時間もしないうちに修理が終わった。パーツがちゃんとあったのと、整備士達の作業の早さの賜物だ。

 

さぁ早速と俺はバイクに跨って軽く走ることにした。中々良い感じで加速もしてくれてるし、乗り心地は最高だ。一先ずは郊外を回ることにして、景色を眺めに行った。といっても武器庫管理の自然保護区だが。

中々の楽しさだった。

 

そういえば、そろそろ武器庫の休業期間も終わりだ。荷物もそろそろマンションへ移動させないとな。416とかエルにも手伝ってもらうかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

363日目 晴

 

荷物を纏めてたら社長に荷物ごと拉致られた。

えっ?ブリッツオウルのところに行くって!?何で俺も!?秘密!?

 

助けて!!!!!!






平和って何だろう(哲学)
そしてウロボロスの居場所が決まった?感じとなりました。

さてジャベリン君はまたとある場所へ連れて行かれる模様……。つまりコラボ回……の前に、ちょっと別のお話を挟む予定です。

感想および評価は執筆への燃料です。どうぞよろしくお願いします!それではまた!!

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