傭兵日記   作:サマシュ

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急にピンときて執筆作業中断して書いた。後悔はしていない。
エイプリルフールネタですどーぞ。


番外編 傭兵と少女のエイプリルフール

4月1日、今は無き日本じゃ入学式だとか入社式だとか、とにかく新しい事が始まる日でもある。俺にとっちゃ何てことのない、たまに早とちりした桜が満開になる日でもある。とはいえ最近何だか部隊内の奴らが嘘をついて良い日だの何だのと騒いでいたから俺もそれに便乗してみるのも良いだろう。

今日は休みの日だし、ちょうどG11が居ることだ、つまらん嘘でもついて遊んでみよう。

 

 

「俺、傭兵辞めようと思うんだ」

 

「ふーん……」

 

「………………」

 

「………………」

 

 

……何か言えよ!!!

 

目の前の彼女は興味無さげに返答を返しただけだった。恐らくだがこれは今日はエイプリルフールだと気付いている。

だがこのままでは面白くないのでちょっと聞いてみる。

 

 

「何だよ、止めないのか?」

 

「んー……まあね」

 

「……理由を聞いても?」

 

「ジャベリンって最近疲れてるように見えてたし、仕方ないかななんて」

 

 

マジ?俺そんなに疲れてた?

G11にまで心配されるレベルってどういうことだ。しっかり休みは取っていたはず……でもないか?休日っていっても基本何らかのハプニングが起きてたし、精神的には休まってても身体的には休まっていなかったのだろうか?

この前は確か、俺がさあ近くの公園で四分咲きの桜でも見ながら紅茶にブランデーを垂らして飲もうなんてしようとしたら何処からともなく現れたUMP9に突撃されて紅茶がおじゃんになった上においかけっこすることになってしまったし、その上SOPも参加して公園中汗だくになるまで走ったし、その後の潜入任務じゃトンプソンのダミーが何を思ったのか敵の集団に殴り込んで行ったからその尻拭いやらされて余計に疲れたし次は次でトンプソンと飲んでたらM16が乱入して死ぬほど飲まされてそのあとは死んだほうがマシなぐらいの頭痛と筋肉痛に見舞われて暫く動けなかったし…………。

思い出せば思い出すほど自分が休めていないことに気付かされる。何だか足元が覚束なくなってきた。

 

 

「……どうしたの?」

 

「あー……すまん、思った以上に疲れてた。寝る」

 

「ふーん、なら一緒に寝ようよ」

 

「おう……」

 

 

ふらふらと倒れ込むようにベッドへ横になる。その横にG11が添い寝する形で入ってくる。覆い被さるようにオスカー、G11の反対側にポチが座る。最早動けない、鎖のような包囲だ。

瞼が重くなり、意識も遠退いていく。少女たちの体温は、俺を包み込むように温めてくれた。

 

 

「ジャベリン」

 

「んぁ……なんだ?」

 

「おやすみ」

 

「おぅ……」

 

 

明日は、きっと疲れが吹き飛んでいるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふふ」

 

 

彼から寝息が聞こえてくる。

オスカーとポチも偉いね。いつか美味しいものでも食べさせてあげなきゃ。

よし、あたしもたまには動くか。

 

するりと、彼を起こさないように抜け出す。食器棚から小さなティーポットとふたつのティーカップ、茶漉しにそして茶葉を取り出す。ティーポットとティーカップは湯通しをして温めた。ティーポットに茶葉を適量入れて、お湯を投入。茶葉を蒸らしている間にお茶請けを探す。彼がたまにお菓子を隠している棚を探ると、豪華なデザインの缶に入ったクッキーを見つけた。多分、彼は文句を言うだろうが問題ない。

適当な皿へ並べてテーブルに置く。そしてティーカップにお茶漉しを設置してどちらも均一になるように淹れた。この時、高めの場所から淹れるのが美味しくなる秘訣らしい。彼の友人であるスピアから昔教えてもらった。…………紅茶を淹れ終えた。彼には悪いが、ちょっと起きて貰う。またあの時に淹れてあげた紅茶を飲んで貰うために。

 

 

「ジャベリン、起きて」

 

「んぁぁ……まだ寝かせてくれ……」

 

 

やっぱり起きてくれないか。仕方ない……。

 

 

「起きてよ、“ご主人様”?」

 

「っ!?」

 

 

がばりと、驚いたような顔で彼が起きる。その顔は何だか可愛らしい。彼はばつの悪そうにして頭をかいている。ちなみに起きた拍子で転げ落ちたオスカーは機嫌が悪そうだった。ごめんね。

 

 

「何だG11か……タイムスリップでもしたかと思ったよ」

 

「何それ?まあいいや、紅茶淹れたからさ、飲も?」

 

「……珍しいな、お前から動くなんて」

 

 

むむ、何だか心外だ。確かにあたしは三度の飯より睡眠が信条だが動くときは動くのだ。主に45からの命令だとかで。

 

彼と共に椅子へ座る。あのクッキーが目に入った彼は苦虫を噛み潰したような顔になったが、あたしの紅茶を飲んだらすぐに機嫌が良くなった。

 

 

「お前……上手くなった?」

 

「そう感じる?うれしいな」

 

 

にへら、と笑ってみせる。彼も柔和な顔になっていた。

 

 

「俺、やっぱ傭兵稼業は続けるよ」

 

「分かってるよ。さっきのはエイプリルフールだったんでしょ?」

 

「やっぱ知ってたかぁ……慣れないことはするもんじゃない」

 

「それに、嘘をついていいのは午前だけ。今はおやつ時だよ」

 

「マジで?あー、やっちまったな」

 

 

紅茶を飲みながら彼と談笑する。別段面白い話をしてるわけでもないけど、楽しい。このやり取りはあたしが戦術人形じゃなかった時からやってたこと。初めて彼と出会ってからずっとやっていたこと。かけがえなく大事なこと。

あたしはまた戦場に立つことがあるだろうけど、願うなら__________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからもずっと、こんなことをしていたいな。

 

 




UMP45「なんなのこの甘い空間……」←たまたま監視してた

416(私も紅茶の淹れ方勉強しようかしら)←たまたま45と一緒にいた



うん、楽しかった(爽快)

何だかG11単体で書きてぇなぁとか考えてたらこうなりました。いつものことだけどG11のキャラクター掴めてる……??

では、感想及び評価は心の支えです。どうぞ皆さん是非ともください。それでは!!
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