とりあえず出せる内に出しておかないと不味いんですよ。失踪なんてやりたくないんじゃい。
今回はジャベリンくんの身に何かが起きます。どーぞ。
93日目 曇
昨日、お嬢、メグ・コーマックと組手をした。なぜ昨日の日記に書けなかったというと、ちょっとサボってしまったからだ。
流石にな、あの元気の塊とやりあったあとは疲れるんだ。お嬢ははっきりいって強い。俺が防戦を強いられるほど格闘技に精通している。柔道空手テコンドー、はたまた薙刀やら棒術と、彼女は生まれる時代を間違えたのではないかとたまに考えたりしてる。
ちなみにお嬢との組手をかいつまんで説明すると、まず俺が彼女の襟を掴もうと手を伸ばせばその手を受け流してカウンターで回し蹴り、それを俺は防御して一旦後ろへ下がるも彼女が追撃で飛び込んでくる。それを俺は横に避けるが、何の冗談か直ぐに地面を蹴って急速に方向転換。お前は人間か。思い切り拳を叩き込もうとしてくるところで俺が腕を掴み一本背負い……しようとしたら体を巻き付けられてそのまま倒された。
ふざけてるよな?でも全くふざけてないし現実なのが辛い。
これで220戦中109勝101敗10引き分けとなる。ちなみに記録はローゼだ。彼女もマメなことだ。
これは余談だが周りで見ていた従業員や人形たちはかなり盛り上がっていたらしい。動画も撮られていたが、どれだけ娯楽に飢えてるんだか……。
明日も組手を頼まれたが……どうしようか。
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「ん?」
ペンを置いて一息ついていると、外が騒がしい事に気がついた。窓から覗いてみれば、多数の集団が見えた。ローゼとジャガーソンが応対しているが、如何にも一触即発の雰囲気だ。よく見ればWA2000たちが武装をして警戒もしていた。
……あぁそういや書いてる途中何か呼ばれてたな、いっけね。
急いで銃をもってポチを連れ彼女たちへ合流する。ジャガーソンは集団の代表らしき男と話し合っている。俺の近くに立っていたMP5に様子を聞いてみる。
「MP5、どうなってんだこれ」
「あ、ジャベリンさん。ええと、人類人権団体の方々が急に押し掛けて来たらしくて、さっきからこの状況が続いてるんです」
「おおう……」
過激派の皆さんかな?場合によっちゃこいつら撃ち殺さないといけないんだけど……。
「何度も言いますがね、こちらが人間を酷使しているなんて事実無根ですよ。しっかり休日は取らせています」
「口では何とでも言えますでしょう?我々はあくまでちゃんとした事を聞きたいのであって、そんなつまらない嘘は聞きたくないのです」
「いや、だから……」
長引きそうだよなぁこれ……ジャガーソンさんだいぶ疲れてるぞ……45もそう思うだろ?
「人間って愚かね」
わお、目が笑ってない。というか隣の9も無表情だし怖かった。
9大丈夫?
「大丈夫だよ、ジャベリン。何時でも撃てるから」
うーんそうじゃないんだけどなぁ……あ、帰ってったな。ジャガーソンさんお疲れ様です。
「全く疲れたよ、このまま過労で死にそうだ。ジャベリン君、跡を継いでくれないかい?」
「元気みたいですね」
一先ず、何とかなったようで良かった。45達にはまだ寝ているであろうお嬢のところへ向かわせる。ジャガーソンは執務の為か屋敷の方へ戻り、それにローゼは着いていった。俺はスリンガーへ連絡を入れる。
「スリンガー、進捗どうだ?」
『こちらスリンガー、ちょうど良かったよジャベリン。写真の人物を特定できた』
「おっ、流石弓部隊副隊長。お前のところの隊長よりも役に立つな」
『トリガーは暗殺専門みたいなもんだろうが……まあいい、今から情報を言うぞ』
「おう」
『写真の老人だが、あれはとんでもない危険人物だ。お前が入院してるときにウチにカチコミかけてきた団体居ただろ?それを指揮してたやつだった』
「……おいおい」
『驚くのも無理はない、何せジャガーソンさんとこで仕事やりながらあんな芸当やってのけてんだ。相当な奴だぜ』
「スリンガー、俺はどうすりゃいい?」
『こればっかりは様子見だ。ああいう手合いはカマかけても平然とするような存在だ。社長に上申しとくか?』
「あー……やっといてくれ。こっちでも何とかしておく」
『了解、スリンガーアウト』
「……なんてこったい」
無線を切って頭を抱える。まさかあの人畜無害そうなじいさんがやべー奴だったとは……ということはあの脅迫状はなんだったんだろうか?誰かが私怨で送ったのか?
どちらにせよ、じいさんには警戒した方が良さそうだ。あとは社長が本腰入れてくれれば良いだろう。
とりあえずそう考えて出入口の階段に座る。空を見上げて今後の予定を考える。少なからずともお嬢にはじいさんを近付ける訳には行かないしなおかつ彼が連れていた二人組の青年も怪しい。だがそれをローゼやジャガーソンさんに伝えたとしても信じられる訳がないしWA2000や45に伝えておくぐらいに留めて置こう。
ふと、俺の目の前に影が差した。顔を上げるとUMP9の顔が眼前に現れた。
「うぉおぉっ!!?」
「やっ、ジャベリン♪」
「急に出てくるなよ!?」
心臓が飛び出るかと思った。未だ近いUMP9は張り付けたような笑みを浮かべている。思わず立ち上がろうとしたら、彼女が肩に手を置いてそれを阻止した。
「な、9?」
「さっきメグから色々聞いたんだ」
「な、何を?」
「家族ってどんなものなのか」
「そ、それで?」
「家族ってさ、色々な形があるんだよね」
「そ、そうだな。ちょっと俺急用が出来たんだけど」
「逃げちゃダメだよ?」
怖すぎる。何、お嬢何を吹き込んだの??何だか彼女何かを決心したような顔をしてるんだが……。
「ジャベリンってさ、私たちと家族でしょ?」
「何を、急に」
「答えて」
「……そうだ」
ここはいいえなんて選んだらバッドエンドルートだ。トライデントの持ってるゲームで見たことあるぞ、選択肢間違えたら死ぬやつだこれ。俺はこのパターンに何度も遭遇してるからな、おれはかしこいんだ。
俺の答えを聞いた9は満足そうに笑う。
「ふふっ……じゃあさ」
「?」
「家族としてのスキンシップ、しない?」
「は?何言って……」
「今日から本当の家族だ♪」
俺の視界は真っ暗に染まった。
どうしてこうなった。いや、感想とか見てたら思い付きましてね、色々修正してこうなった所存です。
やはり疲れますね、1日まるまる休みが欲しい()
それでは皆さん、感想及び評価は心の支えです。どうぞよろしくお願いします!!では!!!