傭兵日記   作:サマシュ

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ジャベリンくんが鉄血工造に派遣されました。
I.O.Pとしのぎを削るこの会社、一体何があるのやら。

それではどーぞ。あとオリキャラまた出ます許して()


傭兵、警備だってよ。
暇であるのは悪いことでもない……はず。


102日目 曇時々晴

 

会社への定期報告を終えた俺はポチを連れて鉄血工造本社にある工場の門の前に居た。昨日のメールによればここで待っておけば誰か迎えにくるという。

暫くポチと戯れていると、一人の男が近付いてきた。恐らくここの職員だろう。彼はここの開発部門の一人であり、名前が確かリフィトーフェン……だったか、そんな名前のはず。眼鏡を掛けているものの、鷹のような目はそれでも鋭く、従軍経験があるなんて言ってたら信じただろう。

そんな男に案内をされて、門の近くにある警備室へ連れていかれた。警備員から一枚のカードを渡される。これがあれば何時でも会社内を出入り自由になるらしい。

それを貰い、今度は応接室にリフィトーフェンと行く。ソファーへ対面するように座って、仕事の話を始める…………かと思いきや、直ぐにポチを褒め始めた。何故なのか。賢いダイナゲートだとかまるで意思を持っているようだとか、彼が一頻り褒めちぎった後に、とんでもないことが判明した。彼、リフィトーフェンは、ポチに搭載されているAIを作った人間、言うなれば「ポチ」というダイナゲートの産みの親ということだ。

昔、俺がダイナゲートを注文した時に、こっそり作ったAIを勝手に搭載させてこっちに発送したらしい。リコールってレベルじゃねぇぞ。いや実際優秀だからよかったけど。

とはいえ彼はポチがこうやって犬のような仕草をするようになったのは予想外らしく、過去のログの確認やらメンテナンスをしたいと、有無を言わさずポチを連れていった。

 

 

 

 

 

 

……あの、仕事は?

 

 

 

 

 

 

俺が所在なげにソファーに座っていると、代理人がリフィトーフェンの代理としてやってきた。たまたまメンテナンスで来ていた所をリフィトーフェンに頼まれたらしい。代理の代理人なんてつまらんことを考えながら仕事の続きを話して貰う。仕事内容は暫く鉄血工造の警備をして貰うという内容だ。どうやら昼勤の警備員が一人欠員したらしく、代わりが来るまでの繋ぎとして俺が派遣されることになったらしい。

 

何だ簡単だな。これで金が貰えるのなら儲けもんではある。とか考えながら代理人から仕事の手順を教えて貰い、警備室へ向かった。

 

久しぶりの簡単な仕事をしっかり楽しむとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

103日目 晴

 

くっっっっっっっそ暇!!!!!!!

 

仕事が楽すぎるのも考えものだ。他の警備員は見回りに行っている為何もすることがない。基本俺の仕事はたまに来る来客の身元の確認とかなので、客が来なければ本当に暇なのだ。ポチもまだリフィトーフェンのところだし何もできない。

 

何もすることなく椅子に座ってだらけて居ると、声をかけられた。声のした方向へ顔を向けると、一人のマスクを装着した女性が立っていた。というか昔見たカタログに載っていたハイエンドモデルと同じ姿であり、確かスケアクロウという名前だったか。彼女はどうやら外出ついでに派遣されてきた俺の顔を見に来たようだ。丁度俺も暇だったので、カウンターの下にあったチェス盤を取り出して一緒に遊ぶことにした。

チェスをしながら彼女に質問をしていく。彼女はハイエンドモデルながら下位の存在らしく、やりようによっては複数存在できるらしい。……ハイエンドモデルって一体だけしか存在できないのか。ということはダミー芸みたいなのも出来るのか?と彼女に聞くと、「それなりには」なんて言った。後で見せてもらおう。

1ゲームほどやって彼女は俺に外出届けを出して、門の外へ歩いていった。チェスの結果は俺の負けだ。やはり戦術人形には勝てない。チェス盤と駒を片付けていると、リフィトーフェンがポチを連れてやってきた。

 

 

 

ポチがゴツくなって帰って来た。何故だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

104日目 雨

 

ポチがポチじゃない。リフィトーフェン曰く機動性と防御性能の両立を目指した結果らしい。持ち主の許可無く勝手に魔改造するんじゃねぇ。

今のポチの外見は、ダイナゲートと正規軍向けに作られている装甲付きダイナゲート「タランチュラ」を足して2で割ったような外見で、ダイナゲートの特徴的な丸い目はそのままだった。ポチは普通に喜んでいるから良かったものの、場合によってはリフィトーフェンを殴らざる負えない自体が発生したと思う。

そういえば、なぜポチが犬のような仕草をするようになったのかは判明していない。過去のログを遡ろうにもプロテクトが掛けられて破れないようだ。彼はリコリスという研究員にも手伝って貰ったらしいがそれでも破れなかったらしい。

だから腹いせにこんな改造を施したのかこの男は……。あと小声で何か言っていたが、聞き取ることが出来なかった。

ポチを引き取ったあとは、通常業務へ戻る。ポチは重くなっているせいで、抱き上げるのは一苦労であった。ただまあ、可愛いのは相変わらずなので問題はない。それと後でスケアクロウが渡してきた外出届けの調印をしなければならない。

それにしても最近働き詰めだったせいなのか、暇ってことに何だかむず痒い感覚を覚える。仕事してないと落ち着かないって中々重症だと思うな。

ポチを撫でながら呆けて外を眺める。いや、暇ってのはいいことだ。何もしなくて良い。誰か来るまではずっとこうして居るとしよう。

 

 

 

 

 

……巡回から戻ってきた警備員がポチに驚いたのは別のお話だ。

 




ポチが改造されましたね……何をしやがるんだあの男。

ちょっと独自設定ですが、鉄血工造本社に居るハイエンドモデルたちは外出が制限されています。ハイエンドモデルは破壊されたら結構困るから仕方ないね。

さて次回もまたジャベリンくんは警備任務をやります。この回がどれぐらい続くかは未定です。

それでは、感想及び評価は作者の心の支えです!どうぞ遠慮無く!!それでは!!

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