そういえば、アーキテクトとゲーガー出てないやん!!
またいつか出します((
歩けば歩く程に銃声の数が増えてくる。昨日まで平和だったのが嘘のような惨状だ。俺はそんな中を他に人間が居ないか探し歩いている。
鉄血工造が襲撃された。理由なんて知ったことじゃない。ただ分かるのは原因を探るために敷地内を歩き回る必要があるってことぐらいだ。雨のせいか仄かに暗いところを歩いていく。時たま叫び声が聞こえてくるが方向が分からない。恐らく職員の声なのだろう。地獄かよ。
「……ん?」
暫く歩いていたら、少し先に人が倒れていた。急いで近付いて誰なのか確認すると、警備員の一人であった。腹部から血を流しているように見えた。
抱き上げて息を確認した。微弱だがちゃんと生きてる。
「おい、しっかりしろ」
「ぅあ……あんたか……早く、早く逃げてくれ……」
「何言ってやがる、すぐに治療してやるから待ってろ」
「い、いやいいんだ……それよりも……戦術人形たちが」
「は?戦術人形?それがどうした……っておい!死ぬな!!」
だらりと、警備員の首が垂れる。息絶えてしまった…………彼の亡骸を地面に置く。後で必ず回収してやるからな。
また俺は歩き始めた。ふと多くの足音が聞こえ、咄嗟に物陰へ隠れた。恐る恐る様子を伺うと、そこには複数の鉄血製の戦術人形たちがいた。恐らく、リッパーとヴェスピドって名称だったかな。とはいえ何故こいつらが動いているのか分からなかった。俺の記憶が正しければ、スリープ状態で倉庫に置かれていた筈なのだが…………俺が観察していると、ふと奴等の前に何人かの職員が現れた。彼らは戦術人形達を見ると慌ててその道を引き返して逃げていく。それをリッパーやヴェスピドは銃を撃ちながら追いかけていっていた。
……冗談じゃない、こりゃまさか戦術人形たちによる反乱か?
持っているSCARのセーフティを外す。どう考えても奴等との戦闘は免れないだろう。適宜戦闘を交えながら生存者を探すことにした。ただ、生存者と出くわす確率なんて無いに等しいと考えた方が楽だろう。というか本当にポチ何処に行った。こんな事態でも起きたら一目散に俺のところへ来る筈なのだが……。いや、こうなるとポチも敵側になってしまったはずだろう……辛いな。
「考えてても埒があかねぇ……」
こういう時は取り敢えず動くのが吉である。さあ動こうと歩き始めると同時に誰かの声が聞こえてくる。物陰に隠れて声の主を探る。
「処刑人、ジャベリンの行方は?」
「いや、全く分からねぇ。相変わらず隠れるのが上手いよな、あいつ」
(処刑人と狩人か……)
少しだけ安心するが、すぐにその考えを改める。さっきの光景を頭に描きながら、恐らく彼女たちも反乱を起こしているのだろうと結論付けてやり過ごすことにした。見つかって殺されるなんて事態は避けたい。
処刑人と狩人へ注視しながら動き出す。足元に空き缶なんて有るのを知らずに。
「やべっ」
「あ?」
「ん?」
カランという音が鳴り、処刑人と狩人がこちらを向く。
突発的に俺は走り出した。後ろから呼び声が聞こえるが振り向く余裕なんてない。とにかく走る、方向なんて関係なく無我夢中で足を動かしていく。後ろの声は未だ聞こえるものだからより焦ってしまう。
ふと後ろから刃物を取り出すような音がする。
「こんの止まりやがれェ!!!」
「不味っ、処刑人やめろ!!」
突然俺の真横に衝撃波が飛んで来た。咄嗟に避けたお陰で被害は免れたが、これじゃ追い付かれてしまう。SCARを構えてやたらめったら彼女達へ発砲しながら曲がり角へ後退していく。
それなりに効いているようで、処刑人と狩人は動けないで居た。曲がり角に到達したらフラッシュバンを彼女らに投げて逃げた。
「クソッタレ!やっぱあいつらも敵かよ!!!というか何なんだあの衝撃波は!!」
一人叫びながら走る。こうでもしなきゃやってられないほど切羽詰まっていた。昨日までの事が全て嘘のようだ、何でこんなことになったんだ、お前たちは、お前たちはなんでこんなことをしたんだ。
そうやって叫んで少し冷静になった俺は現在位置の割り出しを始める。会社内に居ることは確かであり、恐らくこのまま進んでいけばリフィトーフェンの研究室があるはずだ。あの男が呑気に研究室に居るとは思えないのだがそこに訪れる価値はあるだろう。足を急がせて研究室へ着くと、そこは扉が開けっ放しだった。そしてそれとなく異臭もする。
「頼むから誰か居てくれよ……?」
警戒しながら室内へ入っていく。所々に血の跡があり、うすら寒い感覚に襲われる。だが、奥の方から人の気配がしたのでそのまま進んでいく。
どちゃり、という音と共に男が現れた。
「おや、ジャベリンじゃないか。無事か?」
その男は、リフィトーフェンその人だった。何時もの白衣ではなく、俺と同じような戦闘服に着替えてショットガンを引っ提げている。彼の後ろには鉄血製の人形の残骸がいくつか転がっていた。呆然とする俺を見て、彼は何かを思い出したように口を開く。
「言い忘れてたが、一応私は正規軍崩れだぞ?」
「……まさかとは思うが対E.L.I.D部隊の人間じゃあるまいな?」
「おや、ご名答。そういえば君の会社はマーカスが経営していたな」
こんな状況なのに思わずため息が出る。この男も片手で対物ライフルを撃てるのだろうか……?
その視線に気がついたのか彼はにっかり笑って「片手で撃てるのはショットガンだけだ」なんて言う。いや出来るのかよ。
そんな茶番を経て今現在はリフィトーフェンと共に行動をしている。一応ポチの居場所を聞いてもやはり存ぜぬであった。
俺たちが向かっているのは会社の中央、鉄血工造の人形たちを総括して管理するAIがある場所だ。戦術人形たちをどうにかするためにも彼処を叩くのが手っ取り早い。もちろん道中で人形たちが彷徨いていたが、全て排除して動いていった。あともう少しというところでリフィトーフェンに止まれのサインを出される。
「ジャベリン、一旦止まれ」
「どうした?」
「破壊者と錬金術師だ」
物陰に隠れて二体のハイエンドモデルの様子を伺う。この二人はここを守るように立っており、このまま行けば接触は逃れられないだろう。
どうしようかと考えていると、リフィトーフェンが俺に端末を渡してきた。
「……これは?」
「とっておきのプログラムだ」
「何をするつもりなんだお前……?」
「悪いことにはならんよ。それの今から私は囮になるから、よろしく。やり方はまあ分かるはずだ」
「は?お前何を……おい!」
端末を渡してきたかと思えば今度は向こうの二人の目の前へ躍り出て注意を引かせた。そのままショットガンを放ちながら反対方向へ走っていく。それを破壊者と錬金術師は追いかけて何処かへ行った。
本当に俺にやらせるつもりらしい。やるしかないと気を引き締めて中央へ向かう。何体かハイエンドモデルと遭遇したが全てやり過ごした。もう暫く歩き続け、ついに到着する。
「……早急にやろう」
室内へ侵入する。広い室内には巨大な制御装置のようなものがあり、そこの近くには男性が倒れていた。息は既に絶えており、首に掛けてあったIDカードを確認するとリコリスという名前であることが分かった。どうやらここで撃たれて死んでしまったように考えられる。
意識を切り替えて作業を始める。先ずは端末を接続して………………。
「両手を上げなさい」
「……仕事が早すぎるぜ代理人」
「それへ手を出されたら困りますからね」
今から始めようとした矢先に代理人がやってきて、こちらに武装を向けてきた。
大人しく両手を上げて代理人へ向く。どうやら彼女のみがここに居るようで、他の下級人形やハイエンドモデルは見当たらなかった。……どちらにせよ状況は芳しくない。
「このまま見逃してくれると嬉しいんだがな」
「ご冗談を。貴方をここで逃せば後が怖いでしょう?」
「随分と警戒されたもんだ。たかが傭兵一人に何が出来ると思う?ポチだって居ないんだぞ」
「ふふっ、そうであっても何かしらの影響を与えてくるのが貴方ですから」
相変わらず武器を下ろしてくれない上に余裕に満ちた笑いをこちらに向けてくる。信頼されてんのか警戒されてんのか分からなくなってきた。
いや、確かに俺が武器庫の連中連れてきたらまた違うのだろうけどな。
ふと、代理人がそうだと言わんばかりに両手を合わせた。武器も下ろしてくれよ……。
「あ、またあの時のように交渉でもしますか?」
「は?」
嫌な予感がする。たとえ反乱を起こそうとも代理人は代理人のままであるようだ。もういつぞやの協力願いのようにはならないんだがな……聞くだけはするつもりじゃあるが。
「そうですね……貴方を見逃す条件として三つ提示しましょう。どれか一つでも飲み込んで頂ければ結構です」
「それは武器をこちらに向けながら言う事か?」
「……まあ、脅迫ともいえますね」
畜生め、何時でも優位に立とうとしやがる。たまには譲ったらどうなんだ。
彼女は指を折り曲げながら言い始めた。
「一つ、貴方はこれ以上こちらに手を出さないこと。一つ、一切の傭兵稼業をやめて他の仕事に就くこと。一つ……………………
貴方がこちらの軍門に下り、スパイとして働くこと。どうですか?私としては最後を飲んで頂けると嬉しいのですが……」
「……は??」
三つ目が色々訳がわからない。何が楽しくてそんなことをやらなきゃならん。彼女なりの慈悲でもあるつもりなのだろうか……生憎ながら人類を裏切るほどの肝っ玉は持ってない。
とはいえ他を選ぶとしてもまた俺は戦場に引き戻されるだろう。グリフィンとの契約もあるし、契約不履行なんざとんでもない面汚しだ。確実に鉄血工造との戦闘は免れないだろう。
俺が無言を貫いていると、代理人は諦めたような態度をとった。
「私なりの良い提案だったのですが……残念です」
代理人の武器がこちらを向く。俺は目を閉じて、来る痛みに備えることにした。
「諦めるのはまだ早いぞ、ジャベリン」
「っ!?」
何も起きず、目を開けてみれば代理人が倒れていた。その後ろにはリフィトーフェンが立っており、嗤っていた。
「リフィトーフェン……生きてたのか」
「ハイエンドモデルなんてE.L.I.Dと比べたら屁でもないね。あとは私に任せておいてくれ」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫だとも。君は先に帰ってグリフィンなり武器庫なりに報告でもしておくといいさ」
「……あぁ、任せてくれ」
リフィトーフェンに背を向けて俺は走り出す。彼なら絶対やり遂げてくれるはずだ。そう信じて門の方向へ向かう。途中下級人形をやり過ごし、あの警備員の亡骸を探したが、見つからなかった。ふと周囲を見渡すと、茂みからよく見慣れたダイナゲートがこちらを見ていた。
「……ポチ?」
そう呼んだ途端そのダイナゲートは姿を消した。何故か胸騒ぎがする。俺は敵に見つかるという危険性も考えず、そのダイナゲートが消えた先へ走っていく。
「お、おいポチ!!何処に行くんだ!!一緒に帰るぞ!!」
思わず大声で呼んでしまう。
自分の身よりもあのダイナゲートの事が心配で堪らなかった。そしてそれ以上に追いかけなければならないという思いに執着していたのだ。
息が切れようとも走り続ける。気がつけば小さな広場に辿り着いていた。
「ポチ……何処に………………んん?」
その時、あり得ないような光景が目に入る。
「スピアと……45?」
そこには、互いに銃を向け合う同僚のスピアと45の姿があった。
「これでよし」
「グ……」
「ん?起きたのか代理人」
「貴方、銃を扱えなかった筈だったのでは……?」
「なんだそんなことか……ちょっとE.L.I.Dの細胞を取り込んでね。古傷なんぞ直ぐに治ったよ」
「私が言うのも何ですが、死にますよ?」
「ハッ、そうなったら旧友に殺してもらうとしよう」
「……化け物にでもなるつもりで?」
「そうなるな。だからこうやってコイツにどうなるか分からない試作のプログラムをインストールさせてるんだ」
「貴方は……何を」
「多弁は銀、沈黙は金だ。ジャベリンには悪いが私はあの世か何処かで楽しませてもらう。お前たちもせいぜい暴れることだ」
「全く食えませんね……」
「君が言うことかね。ハハハハ!」
リフィトーフェンによる命を掛けた悪ふざけが発生しました。このままストーリー通りなのも何なのでちょいちょい改変しながらも頑張って収拾は着くようにしていきます()
というか蝶事件の後のネタが切れてる()
どうしよう……。
さてさて次回で蝶事件が終結します。リフィトーフェンによって謎のプログラムをインストールされた鉄血側はどうなるのでしょう?自分も考えてません(白目)
土日までには必ずどうにかするから!!
そういえばスピアくんなんでこんなところに居るんですかね……(すっとぼけ)
それでは感想及び評価は作者の心の支えです!ですのでどうぞお願いします!!それでは!!