傭兵日記   作:サマシュ

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50000UA到達ありがとうございます!!とても嬉しい限りです。今後も頑張っていきますよ!!

ジャベリンくんまた任務に赴きます。

あとキャラ崩壊注意!!あと初めての試みもやってみてます。
それではどーぞ。ちょっと長いです。







誰だって怖いものはある。

 

 

「クルーガーさん、何で護衛も無しにここに来るんですか……」

 

「散歩をしてたら偶々通りかかったものでね」

 

「制服着てるのに堂々と言い訳してるこの人……」

 

 

疲労にまみれた俺に待っていたのは髭面の大男から言い渡されたとある任務だった。というかこの人仕事どうしたんだろう……サボり?

取り敢えず紅茶を出して椅子に座る。クルーガー社長は無言で紅茶を飲み、「美味い」と呟いてまた黙った。何か喋ってくれよ……こっちも切り出し辛いじゃないか。

 

 

「ふー……鉄血工造での件は大変だったようだな」

 

「ええと、まあ、そうですね。お陰で報酬金も貰えず仕舞いでしたし」

 

「そうか……」

 

 

また口を閉ざすクルーガー社長。彼なりの配慮なのか、口数が異様に少ない。普段の彼、というか仕事の話をするときのクルーガー社長というは存外おしゃべりだし、何かと冗談を交えて来たりする。少し前のうちの社長と今後の方針を話していた時なんて冗談や笑い声がよく飛び交っていた。

だが今の状況はどうだ、何か言い淀んでいるように見えるし、視線が交わらない。本当に何が起きた。

 

 

「……任務の話をしよう」

 

「あ、はい」

 

「非常に言いにくい事なのだが、また君には鉄血工造の勢力圏まで行ってほしい」

 

「……嘘ですよね?」

 

「嘘ではない」

 

 

何時もと調子が可笑しいのはそういうことだったのか……クルーガー社長も多少は良心が残っているようだ。

…どちらにしても俺はポチとリフィトーフェンを探すつもりだったし、別に構わなかった。ハイエンドモデルと遭遇しようが任務を遂行するぐらいにはな。

 

クルーガー社長に任務を受理することを伝える。それを聞いた彼は苦い顔から一転して、にっこりと笑う。あ、これは……。

 

 

「そうかそうか、それは良かった。ところでジャベリン君」

 

「何ですか?」

 

 

 

 

 

「HALO降下に興味はあるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソヒゲ滅すべし……」

 

 

いや、確かにHALO降下は潜入にはもってこいだ。それと昔何度かやったしパラシュート訓練も何度もやったから失敗の確率だって低い。だが進んでやりたい訳なんて無いだろ本当に髭毟ってやろうかあの野郎……だがそれほどに俺を信頼してくれてるのだろう。あと報酬金が何時もより多いし何の文句はない。

 

だが未だ治まらない怒りが腹のうちで煮えきっている。あの社長のことだ、俺を体の良い駒としても扱っているのだろう……俺ばかりじゃなくってパルチザンとかパイクのやつも使ってやれよ。

 

数日ほど経ってからの現在、俺はグリフィンの所有する大型輸送機の中に座っており、その近くには俺の装備の入ったバッグがある。あぁ、無性に煙草を吸いたい。

今回の任務は救出兼調査任務だ。所属不明ながら救難信号が出されており、その発信源へ行く。同日にAR小隊による任務もあり、可能ならそちらにも参加して支援するように言われた。

俺に与えられた時間は六時間。その間に任務を終えなければならない。疲れた体に鞭打って頑張らなければ。

 

何となく端末を見る。ポチの信号はオンラインのままで、生きている事が確信できた。もしもその救難信号がポチから出されたものなら儲けものだしリフィトーフェンであっても同様である。何なら二人一緒に居てくれたらその場でシャンパンを開ける勢いだ。持ってきてないけど。

 

 

「そろそろ……か」

 

 

降下ポイントが近い。装備を担ぎ、酸素マスクを作動させる。高度メーターを見れば丁度10,000m。自分が身に付けている物の締まり具合を確認して問題をチェック……問題なし。そういえば、今日は無風であるらしい、随分と運が良いと言える。

 

 

『ジャベリン聞こえるか?』

 

「聞こえますよ」

 

 

クソヒゲ筋肉達磨(クルーガー社長)から通信が入ってくる。内容はただの任務内容の再確認だった。一通り確認しながらハッチを開いた。

瞬間、冷たい外気が俺を襲ってくる。俺がハッチを開いた事に気づいた彼がまた言い出す。

 

 

『そろそろだな』

 

「ええ、行ってきますよ」

 

『健闘を祈る。それとジャベリン』

 

「はい?」

 

『鳥になってこい』

 

 

通信が切れた。……随分と洒落っぽく言うものだ。

再度装備を確認し、俺は一歩踏み出して空中へ飛び込んだ。地平線の彼方では朝日が出始めている。何だか昔遊んだことのある戦場ゲームやらステルスアクションゲームを思い出した。暫くして体を大の字のような形で開く。

それにしても防寒しているのに寒い。やってられないな。

開傘のタイミングを教えてくれるブザーが鳴る。そろそろかと肩の部分にあるワイヤーを引いた。

 

 

「ぐぅっ……っとぉ!」

 

 

パラシュートが開き、衝撃と共に減速し降下していく。予測着地点は森の中で、引っ掛かったら大変そうだ。

 

地上にどんどん近づいていく。どうやら鉄血の人形たちはここいらには居ないようだ。……幸いにも木に引っ掛からずに着地する。パラシュートやらなんやらを脱いでバッグから装備を取り出す。今回持ってきたのはランチャー付きACRと愛しのガバメントだ。最低限ながらも火力はしっかりある。早速端末で救難信号の場所を確認する。

どうやらここから北に1km先が発信源のようだ。

 

 

「よし、頼むから罠なんてことにならないでくれよ……?」

 

 

森の中は不気味なほど静かだ。もしかしたら鉄血の人形はAR小隊の方ばかりに注意が向いているのかも知れない。彼女たちは中々派手にやっているのだろう。

 

警戒しながら足早に目的地へ向かう。本当冗談みたいに鉄血の人形と遭遇しない。有るとしたらもう活動を停止している人形や機械の残骸ばかりだ。他の勢力でも居たのかそれとも別の原因か、それは分からない。

端末を確認すれば、救難信号の発信源との距離がもう200mになっていた。また歩いて森を抜ける。

 

 

「……アレか?」

 

 

開けたところに出ると、一つの小屋が見えた。彼処から救難信号が出ている。俺は小走りで小屋に駆け寄っていく。窓から中を確認しようとしたが、全て何かしらの物で中が見えない状態であった。安全が確認出来ないのは中々危ないが、仕方ない。

 

近くにドアがあったので鍵がかかっていないか確認する。運良く鍵はかかっていないので静かに侵入した。

 

 

「誰も居ない……?」

 

 

小屋の中は人の気配なんて一つもない。ふと床を見ると、ダイナゲート…………いや、ポチが横たわってた。思わず駆け寄る。

 

 

「ポチ!?ポチ!!!どうしたんだ一体!!!!」

 

 

ポチの状態を確認する。何も損傷は無く、どうやら強制的にスリープをさせられているようだった。グリフィンへ報告をするために通信機に手を掛ける。

 

 

「こちらジャベリン、応答してくれ。現在小屋にとうた_____________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴッ!!

 

「カハァッ……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり来ると思っていましたよ、ジャベリン……ふふっ」

 

……………………………………

………………………

…………

……

 

 

 

 

 

「……はっ!?」

 

 

突然の暗転が俺を襲った上に椅子に縛られてた。はっきり言ってピンチだ。俺が何をした。

体を揺らしてどうにか俺を縛っているロープを緩ませようとしたが、不幸にもロープが緩むことは無かった。

……お嬢のところで護衛してた時を思い出すなぁ、確かあの時は何度も殴られた記憶がある。それはともかく、現実逃避をしてないでこの状況を何とかしないといけない。腰に提げていたナイフを確認して、それを何とか取ろうとする。ふと脳裏にナイフでイナフというフレーズが過ったがそんなのは関係ない。誰かに座布団をぶんどられそうだ。あと少し、というところでドアの開く音がした。

 

咄嗟に顔を上げると、そこにはメイド服を着た女性……いや、鉄血工造のハイエンドモデル、代理人が立っていた。彼女の瞳は仄かに暗い。

 

 

「目覚めたようですね」

 

「代理人……こりゃどういう風の吹き回しだ……というか何故生きてる?」

 

「それは秘密です。一つ言えるとしたらリフィトーフェンのお陰、ですかね」

 

「……アイツが裏切ったのか?」

 

 

代理人は静かに微笑む。無言は肯定と受け取っていいのだろうか?

彼女が何も言わないだけに様々な憶測が飛び交ってしまう。リフィトーフェンめ……恨むぞ。

 

 

「まあ、そんなことよりはですね」

 

「お、おぉ?」

 

 

代理人の顔が近づいてきた。顔を逸らそうにも彼女の両手が俺の顔をしっかり掴んで離さない。彼女の瞳は間近で見るとより漆黒に近く、まるで吸い込まれそうなくらい深みがあった。

……ちょっと待て、いつぞやのUMP9みたいになってないか?

 

 

「ふふ、ふふふふふ……」

 

「え、代理人……?」

 

「私、気付いたんです」

 

「へ?」

 

「貴方へ向けてしまった想いが」

 

「えーと……」

 

 

リフィトーフェン、お前あの時本当に何のプログラムインストールしたの???

俺ばかりが誰かのお鉢が回ってきてないか?

ここには居ないアイツに文句を垂れても意味は無いが無性に、ただ無性に文句を叫びたくなる。

そんな俺なんてお構い無しで居る代理人、彼女の告白は続く。

 

 

 

「ええ、ええ、知識として知っていた事なのですが……私は恋をしてしまったようです」

 

「へぇ…………は??何時から?」

 

「それは分かりません、貴方と初めて出会った時なのか、ふと気になって貴方の経歴を調べた時なのか、はたまたポチから貴方のことを色々聞いた時なのか、貴方とあの喫茶店で語り合った時なのか、そしてこの前貴方へ紅茶の淹れ方を教えた時なのか皆目検討が着きません。もしかしたら一目惚れ、かも知れませんね、ふふっ……。まあそれはともかく、私は貴方のことが好きで好きで堪らないのです。貴方の黒い瞳が、貴方の逞しい腕が、貴方の髪の毛が、貴方のふとした仕草が、もう貴方の全てを記憶に焼き付けて一生見ていたい程に大好きなのです。もしも願うならジャベリン、貴方をずっと側に置いて見つめていたい。勿論貴方はなにもしなくて結構です。そこに居る、というだけで私はもう満たされてしまいます。もしも貴方が私を……私を求めてくれたとしたら……ふふふ、ふふふふふ……すみませんどうにも暴走してしまいますね。リフィトーフェンも恐ろしいことをやってくれたものです。だけど彼のお陰で燻ることもなくこうやって貴方へしっかり想いを伝えることが出来るのですから、これは感謝するしかありません。それでは話を戻しましょうか。先ほども言ったように私は貴方のことが好き、いや愛しているのです。その全てが愛おしく、もう私の瞳には貴方しか写らないんです。貴方の仕草にときめいて、貴方が向けた笑顔に鼓動が早くなり、貴方の足音が聞こえる度に胸が締め付けられる、それほどまでに、貴方を深く、深く愛しています。それ故に、私は貴方が欲しい。ジャベリンという存在を独占してこの躯に刻み付けたい……ジャベリン、どうですか?」

 

ヒェッ…………

 

代理人が壊れた。

 

何だか予測が付くんだけどリフィトーフェンは色々な意味でAIを暴走させるプログラムをインストールさせたのではなかろうか。恍惚とした表情の代理人が怖い。彼女のこんな顔を見れるなんて運を使い果たしたも同然と言える。嬉しくないけどな畜生。

 

 

「……とは言っても貴方は絶対に私の所へは来てくれませんよね」

 

「よく分かってるじゃないか……あの時と答えは一緒だぜ代理人。だから拘束をだな」

 

「ですので、貴方の一部を頂きます」

 

「……どういうことだ?」

 

「言葉の通り、ですよ」

 

 

嫌な汗が背中を伝う。代理人がひたり、ひたりと俺に近付いた。逃げたくても逃げられない。体を逸らしたがそのまま慣性に従って椅子ごと床に倒れる。

その様子を見ていた彼女はこれまた愛おしそうに俺に笑いかけ、俺の顔に、俺の目に指を近付ける。俺の身に起きる悲劇がまざまざと想像出来てしまい、叫んでしまった。

 

 

「お、おい代理人!!!何するつもりなんだ!!?やめろ!!!その手をすぐに退かすんだ!!!!おい!!!!」

 

「貴方が悪いのですよ……素直に私の所へ来ないから……そういえば貴方の利き目は右でしたね」

 

「代理人!!!クソッ!!!止めるんだ!!!!!」

 

 

彼女の指が俺の左目に触れた。

普通なら反射で瞬きをする筈なのに、出来ない。俺はただただ恐怖にまみれて彼女の不思議な程に美しい指から目が離せなかった。

 

彼女は狂気に満ちた顔で嗤う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「利き目は可哀想ですし、代わりに貴方の左目、貰いますね

 

 

「ギッ……あ"ぁ"あ"あ"ぁ"あ"あ""あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"あ"!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

ぶちゅりと、俺の左目が引き抜かれる。

その瞬間に、激痛が脳内を跋扈する。

 

痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

「がぁっはっ!!お、お、おまぁ、お前ぇ!!?!!」

 

「ふふふ、そんな怖がってる顔も可愛らしいものですね。良い顔ですよ、ジャベリン」

 

 

狭くなった視界で、狂った笑顔の代理人を見る。彼女は狂喜しており、俺の、俺の左目を大事そうに撫でていた。

何なんだ、何なんだこれは。こんなの聞いたこともないし見たこともない。というか体験なんてしたくもなかった。

怖い、こわい。かのじょが、かのじょがこわい。だれか、たすけて。

えーじぇんとが、おれをころそうとしてる、またちかづいてきてるんだ、たすけてよ。こわいんだ、こわいんだよ。

えーじぇんとがこっちにきてる!!!

 

 

「く、くるなぁ!!!!こっちにくるんじゃねぇ!!!!!!!」

 

「安心してください、ジャベリン。もうこれ以上は何もしませんよ?」

 

「う、うううるせぇ!!!!ひぃっ!!??」

 

「大丈夫ですから、ジャベリン……落ち着いてください」

 

 

えーじぇんとがおれをだきしめる。あんしんさせるつもりなんだろうけど、あんしんなんて……あんしんなんてできるはずがないよ……。おれは、おれはあんたがおそろしい……。

めのまえがまっくらになってきた、あぁ、ちくしょう……。

 

 

「………………」

 

「……おや、気絶してしまいましたね。まあ、そろそろ邪魔者も来る時間ですし、待っててくださいねジャベリン」

 

「……今度は二人で何処かへ行きましょうね」

 

 

 

バタン……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ご主人》

 

《ごーしゅーじーん?》

 

《ご主人っ!!》

 

 

ハツラツとした声を持つ誰かが何かを喚いている。うるさい。俺はもうこれ以上何も考えたくないんだ。あんなトラウマもんを体験させられたんだ。このまま精神を殺してしまった方が楽なんだよ。だから、黙っててくれ。

 

 

《なーかなか起きませんね……応急処置は済ませましたし、拘束を解いておきますか》

 

 

ふと、ごそごそと何かが動いたかと思ったら俺の体に巻き付いていたロープが解かれた。

再度謎の声が俺を起こそうとする。

 

 

《いい加減起きないとここ焼かれますよー起きてーごしゅじーん》

 

 

ええい、うるさい奴だなこいつは。仕方ない、起きるか……。

 

 

「んあぁ……クソッタレ、何で現実逃避をさせてくれないんだよ……おま……え」

 

《やっと起きましたなご主人よ。そのまま眠ったままでしたら金的を食らわすところでしたぜ》

 

「ポ、ポチ……なのか?」

 

 

俺は信じられない光景を見ている。目の前には、さっきまでぶっ倒れていた俺の相棒が立っていた。傷なんて一つもなく、そして何故か喋ることが出来るようになっている。

目の前の相棒、いや、ダイナゲートのポチがまた喋る。

 

 

《ポチなのかって……そりゃ見たら分かりましょうに、この丸い瞳にチャーミングなラクダのステッカー。何処からどう見てもご主人の相棒、ポチですよ》

 

「……ポチ!!!!!!」

 

《うわっぷ!?》

 

 

思わずポチを抱き締める。ポチは困ったような、でも嬉しいような反応をしてくれる。これはポチだ、紛れもないポチだ!!!!頬擦りもしてやる!!!!お前、お前本当に生きてたんだな!!!ポチ!!!ポチィィィィ!!!!!!!!!!!!

 

 

「よ"か"っ"た"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!う"わ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!」

 

《ご主人落ち着いて!!フレームが!!!フレームが曲がっちゃう!!!》

 

「ううっ……グズッ……すまん、余りの嬉しさにだな……」

 

《まあそれはなにより。動けます?》

 

「あぁ、動けるよ。距離感がちょっと掴めないが何とかやれる」

 

《さっすがご主人!武器は裏手のドア付近にありますから早く!!》

 

「了解した」

 

 

ポチに着いていき、小屋の裏手に出る。物陰に銃やらなんやらがあり、それをすぐに装備していく。

 

ふと、ポチが喋れている理由を聞く。

 

 

「そういえば、何でお前喋れるんだ?」

 

《リフィトーフェンさんが私にちょいちょいと魔改造したお陰ですよ。それで喋れる上に時間がかかったけど鉄血の上位権限にも打ち勝てました!》

 

「……リフィトーフェンめ、やってくれたな」

 

 

ナイスと言いたい。ただし代理人をあんな風にしたのは許さない。何時会ったら殴る。

 

現在時間を確認。どうにも六時間以上経っており、任務は失敗している。どうせならこのままAR小隊の支援を行いたいのだが、生憎と通信機がお釈迦になっていた。ということで今後の方針は生き残ることとなる。

 

 

「そういえばポチ、左目の包帯はお前がやってくれたのか?」

 

《ん、そうですよ?》

 

「助かった。またお前を頼ることにもなりそうだからよろしくな」

 

《お!任せてくださいな!!》

 

 

へへん!と誇らしげにするポチ。喋れるようになってたから何だかキャラクター変わってないか?いや元々なのか。

それはともかく、俺は安全地帯がどの方向に行けばあるのか、記憶の中を探る。

確かこのまま南西方面数十kmほど行けばグリフィンの勢力圏内に入るはずだ。足は己の物だけだがこればかりは仕方がない。AR小隊に注意が行っている間に早く逃げなければ。あとついでに彼女たちがきちんと撤退出来るようにタグも幾つか設置しておこう。気づいてくれればいいのだが。

 

軽く食料を胃に収めて、走り出す。随分と長い距離だ、頑張るとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、数km走ってぶっ倒れたがな。

 

 

「ゼヒュー……ゼヒュー……」

 

《ご、ご主人?生きてる?》

 

「い、生きてる。目玉……抉られた……せいなのか、はぁ、体力が戻りきってなかった……うぷ」

 

《もう少し休みますか》

 

「そうだな……うん。あ、やば」

 

 

意識が遠退いて来ている。多分血液も足りないのだろう。これは本格的に不味いぞ。ポチが二匹に見え始めてるから相当だな……。

 

 

《ご主人しっかり!!》

 

「む、無理だこれ……もう」

 

《電気ショック撃ちますよ!!》

 

「落ち着け……それは死ぬ」

 

 

俺が死んだら元も子もないだろうに。……目の前がぼんやりとしか見えなくなってきた。

意識が暗転しかけた時に、近くで車のブレーキ音が聞こえる。ドアが開き閉じる、というところの音も聞こえたが、後色々と混濁している。ただ、四人ほどいるというのは何となく分かった。

俺が意識を完全に手放す瞬間に、ちらりと誰かの姿が見えた。

 

 

「全く……酷いやられようね。助けに来たわよ、ジャベリン」

 

 

その姿は、片目に涙のタトゥーをいれた銀髪の少女だった。

 

 

 

 

 




「やはり、逃げられましたか」

「ですがジャベリン、また必ず貴方の所へ伺いますからね……どんな手を使っても、ね」

「うふ、ふふふ、ふふふふふふ」





はいみなさん、せーの!!


「どうしてこうなった」



ポチが喋った!!!!!???話の幅が広がりますぞ!!あとポチの声優は皆様の妄想で片付けてください←
そしてもうこれヤンデレのタグつけた方が良いですかね?
またどうしてこうなったのかと言いますと、初期段階から決めてたことというわけで(銃声)
許してください!!コラボでも何でもしますから!!!

というかジャベリンくんが代理人恐怖症になりましたね。他作品の代理人と絡ませようかなーってちょっと苦手意識がある程度にしとこうとしたらどうしてこうなった。これじゃジャベリンくん代理人見る度に悲鳴あげますよ。彼のメンタルはボドボドだぁ……。全てはリフィトーフェンのせい(責任転嫁)
変に掻き乱し過ぎなのよ彼は。ちょいだしだったのにこうなるとは……怖いなぁ(こなみ)

さてさて、何とか救出されたジャベリンくん。彼が向かう先は一体何処だ!?そしてそこで待ち受ける人物とは!!

それではこの作品への感想および評価は執筆の支えとなるのでどうぞガンガンお願いします!!それではまたこんど!!

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