傭兵日記   作:サマシュ

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引き続きコラボですよ。
ジャベリンくん、ユノ指揮官と接触、そして彼女の基地へ……。
今日も長いです。だからなんでこんなに長くなるねん……。

それではどーぞ。




☆傭兵、訪問だってよ。そのにのおわり

数日後、カルト集団は壊滅状態に陥った。S09基地は上手くやってくれたようだ。

因みに、俺たちが行った襲撃任務での死傷者はゼロだ。わざと死体に似せたものをばら蒔いたりはしたものの、基本だーれも死亡してない。怪我といえば剣の奴らが何処かしら一発もらったり、スピアがまた転けたぐらいか?

そして後で知ったことなんだが、そのカルト集団殲滅作戦にはお嬢の基地の部隊も駆り出されたらしい。他基地の部隊も使うってどんな本気度だよ。

 

それにしても平和だよなぁ……ははは。

 

 

「…………」(もぐもぐもぐもぐ)

 

「……なぁ、ユノちゃん」

 

「んぐ……なんですか?」

 

「美味しいかい?」

 

「はい!」

 

 

本当に、平和だなぁ……財布が軽くなるなぁ……。

現在俺はS10地区にあるファミレスで、S09基地のユノ指揮官と食事をしていた。何故かと言うと、お嬢の基地へ向かう途中、連れの戦術人形とはぐれて迷子になっていた彼女に別件で来てた俺が偶然出会ったからだ。暫く何とはなしに話していたらユノちゃんの腹の虫が主張をし始めたのでファミレスに寄って今に至る。一応、ポチも居るんだが、外で待たせてる。理由は後で言おう。

彼女の周りには何枚にも重ねられた皿がある。彼女、そんな小さな体のどこに入ってるんだあんな量……?

今カード持ってきてないからこれ以上彼女が食べるようなら俺の財布に冬が来る。

だが幸運にも彼女は満足したようで、ふう、と一息ついた。

 

 

「それにしても……ジャベリンさんって本当に人形じゃなく人間なんですよね?」

 

「藪から棒にどうしたのさ?俺は人間だよ、左目が義眼なだけさね」

 

「えっと、それじゃあ最初ちょっとボヤけて見えたのは?」

 

「気のせい気のせい。大体可笑しいだろう?人がボヤけるなんてそれこそ幽霊か、目にゴミが入ったか、そんな感じだろうに」

 

「そうなのかなぁ……でも初めから顔がはっきり分かったのは何でなんだろう……?」

 

「ん?」

「あ、何でもないです。ご馳走さまでした」

 

 

そう言って彼女は立ち上がり財布を取り出す。俺はそれを止めて、自分が払う旨を伝えて共にレジへ行く。……財布の中が小銭だけになっちまった。

ファミレスを出て、外でちょこんと座ってるポチに声をかける。

 

 

「ポチ、待たせたな」

 

≪あ、おかえりなさい。ユノさんもどーも≫

 

「……ぷふっ」

 

「ユノちゃん、どうしたんだ突然」

 

「いや、やっぱり柴犬が喋ってるのって面白いなぁ、って思っちゃって。本当にダイナゲートなんですよね?」

 

 

そう言ってまた笑う彼女。

まあ、その、ユノちゃんは特殊な眼を持ってるからか彼女から見える世界は少し変わってる、らしい。何故だか知らんがポチのことはちょっと大きな柴犬に見えるようだ。……あと俺がボヤけて見えてしまったのもそのせいなのだろう。

まだちょっと笑ってる彼女にポチが抗議の声を上げる。

 

 

≪ダイナゲートですよ!ユノさんの眼のことは重々承知してますが、これだけは言わせてください!私はダイナゲートです!!≫

 

「ふふっ……ごめんね、ポチ」

 

≪くぅ~ん……≫

 

「堕ちるの早くないか???」

 

 

ユノちゃんが慣れた手際でポチを撫でる。ポチはよほど気持ち良かったのか犬に成り下がった。下品に腹を見せて転がってる。それをユノちゃんはもっと撫で続ける。なーんか半径2mぐらいにほんわかとした空間出来てないか?この領域に入ったら俺も顔が緩むんだけど。こういうのを魔性と呼ぶんだったか?

 

 

「指揮官!!やっと見つけた!!」

 

「あ、SASSちゃん!」

 

「もう、勝手に何処か行ったら駄目だよ!」

 

「あはは……ごめんね。そういえばおばあちゃんは?」

 

「副官なら先に基地に行ってるよ」

 

 

この状況をどうしようか迷っていると、一人の少女がこちらにやってくる。ユノちゃんにSASSちゃんと呼ばれた彼女はパーカーに制服を着ている。

……あ、この子あの時俺に手を振ってくれた子か?

彼女は俺を見て一礼をする。

 

 

「ありがとうございます、迷子になってた彼女を保護していただいて」

 

「ん、いや別に構わないよ。俺もこの子との会話を楽しんでたところだ。な、ポチ」

 

≪ワン!!≫

 

「ポチ?」

 

 

こいつ、犬になってやがる!?ユノちゃん恐るべし……。

そしてポチがバグったし斜め45度で起こそう……としたけどユノちゃんがスッゴい悲しそうな顔したから止めた。その顔は反則だよ……。

 

ポチを治すのは後回しに、俺は彼女たちとお嬢の基地へ行く。道中で何でお嬢の基地へ行くつもりなのか聞いてみた所、作戦で協力してくれたことについて感謝を伝えるとか何とか、あとお嬢に招待なんてされたらしい。……彼女が招待なんてどんな風の吹き回しだ?明日はジャガーソンさんの農場に牛でも降ってくるかな、それともUFOに連れ去られるのかな。

 

そんな事を考えながらまた歩いていく。S10地区はまだ出来て間もない地区でもあるから、案外狭い。だからこうやって歩いていたらすぐに基地へ到着する。

基地の正門にはお嬢とローゼ、そして白い帽子に金髪の少女が立っており、メグちゃんがその少女を見て「おばあちゃん!」と駆け寄っていっていた。どうやら彼女が副官らしい。

 

お嬢が天を仰いで両手を握りしめている。多分心のなかで「落ち着け……落ち着け私。今あの二人を抱き締めたら今までの信頼が崩れてしまう……というかユノちゃん小さくて可愛いヤバい抱き締めたい……無理……尊い……」とか思ってるんだろうなぁ……。

近くのSASSが若干引いてるな。

 

ふと、副官が俺の方を見る。その瞳に何か薄ら寒い感覚を覚えたのは気のせいだろうか……?

『ゴースト』としてはバレてない事を祈るとしよう。というかポチは早く治れ。お前はダイナゲートだろ。

 

 

≪私はユノさんの犬です≫

 

 

よーし斜め45度な。

 

 

 

 

……………………

…………

 

 

「まさかトントン拍子で畑作れるようになるとはなぁ……」

 

≪傭兵で農家って訳が分かりませんね≫

 

「だな。また今度槍の奴らと畑を耕してみるか」

 

 

ユノちゃんたちと基地で別れた後、俺はローゼに色々と相談、というか畑を作るのに手頃な土地は無いか探してもらった。俺が今日ここに来てやろうとした目的が終わったわけだ。そして野菜の種も融通してもらえた。ホクホクだ。

今は基地の裏手で特に理由もなく座っていた。

 

 

「隣、座るぞジャベリン」

 

「ん?何だ、副官じゃあないですか」

 

「ナガンでよい、それと敬語じゃ無くて結構じゃ」

 

 

ふと、俺の隣にユノちゃんの副官、『M1895』が座ってくる。彼女にユノちゃんとSASSはどうしたのかと質問すると、どうやらお嬢とお茶会を開いているらしい。ユノちゃんお嬢に襲われなきゃいいんだけど。

 

 

「ところでナガン、何で俺のコードネーム知ってるんだ?」

 

「社内報からじゃ。お主、グリフィンじゃ結構有名じゃぞ?蝶事件唯一の生き残り、そしてハイエンドモデルから生き延びた人間としての」

 

「……そうなのか」

 

 

蝶事件。そういやアレはそんな名前で呼ばれてたな。あまり思い出したくない記憶だ。何度も日記とかに書いてるんだが、やはりトラウマは抜けきれてない。夢を見るたびに代理人の狂気的な笑顔が現れる。片手に俺の眼を持ってな。

 

 

「あと数々の女を引っかけてるプレイボーイってやつもの」

 

「それは誤解だからな?すまんが俺は一途な人間だよ」

 

「呵々、404小隊のG11やら本部のトンプソンを部屋に入れておいて何をいうのか」

 

「何で知ってんの!!??!」

 

 

俺のプライベートってやっぱり誰かに監視されてるだろ!!!そしてそれは彼女達が自分の意思で入ってきただけでやましいことはない!!!

もしもし弓部隊?俺の周辺で怪しい動きしてるやつ探してほしいんだけど!!え、皆仕事でそれどころじゃない!?そんなぁ……。

項垂れる俺の横で笑っていたナガン、今度は真面目な顔になり俺へ予想を裏切る事を言ってきた。

 

 

「ま、それはさておき。少し聞きたいことがあるのじゃ」

 

「あぁ……?なんだよもう……好きなだけ聞け畜生……」

 

「この前、儂らの基地を襲撃したのはお主の会社じゃろ?」

 

「……は?」

 

 

太腿のホルスターに手が伸びる。まさかもう特定されてしまったとは……。

 

 

「だとしたらどうする?」

 

「何、お礼参りという訳ではない。お主らを相手にしてしまうとこちらも少々分が悪いからのう」

 

「バレてるか……それにしても察知が早いな、そっちには優秀な諜報員でも居るのか?」

 

 

優秀な諜報員が居るのはそちらも同じじゃろうて。と、ナガンは言う。おいスリンガーてめぇ迂闊に情報ばら蒔き過ぎだろ。舐めプして足元掬われてんじゃねぇか。

 

 

「それに、襲撃してきた時のお主らの動きが統一され過ぎてるというのも特定できた一つの理由じゃ」

 

「あいつら……好き勝手やれ言ったのに何してんだよ」

 

「染み付いた動作は抜けきらないって事じゃな。あとお主らの置いてった死体も何処かしら不自然な点もあったしこちらの基地の損害がゼロというのも変な話じゃよ」

 

「……うちの会社が迷惑をかけた。お詫びとして社長に除毛剤かけてくる……」

 

 

あー、あいつら本当に何やってんだよ。何か想像出来るぞ、不自然なぐらい明後日の方向に撃ったりとか不自然に動いて結果的に自然な動きになったり……あとは剣の奴らが熱くなりすぎて大暴れとかな。

社長、マジで何でこんなことやったんだ本当。

 

 

「別に謝る必要は無かろうて。こちらも結果的には脅威の排除が出来た訳だしの」

 

「そりゃ何よりだ。とはいえ、こうやって俺の隣に来たってことは仕事の話もするんだろ?」

 

「うむ。お主が隊長を勤める部隊は何でもやると聞いてな、少し基地の掃除を頼みたいのじゃ」

 

「……それだけ?」

 

「とはいっても基地全体じゃぞ?なにせこの前の襲撃事件の事があるからのう……」

 

 

いや結局脅しに使うんかい。

だが仕方ない、特別特価で受けてやろう。一種の罪滅ぼしだ。

ふと、窓の割れる音が聞こえた。

 

 

「我が人生に一片の悔い無しィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!」

 

「なんじゃ!?」

 

 

そして突然、お嬢の魂の叫びが聞こえてくる。大方想像はつくのだが一応ローゼに通信機で確認を取っておく。

どうやら我慢し切れずユノちゃんを後ろから抱き締めて、驚いたユノちゃんが咄嗟に背負い投げして窓から落としたらしい。

ナガンに何時もの事だと伝える。

 

 

「指揮官が叫ぶのが普通とは一体……」

 

 

気にしたら負けだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「基地外壁全て終了したぞ」

 

「了解。早いな」

 

「ポチが頑張ってくれた」

 

 

数日後、俺は槍部隊を連れて車でS09地区の基地へ向かい、壁の修復と掃除を行った。規模が大きい分一日仕事なはずなんだけど、半日程度で終了した。ポチが正に疲労困憊といった風に地面にノビている。今度しっかり褒めてやろう。

 

 

「おー……もう終わったのですね!」

 

「ああ、一応確認も頼めるか?」

 

「任せてください!」

 

 

ポチを抱き上げて撫でていたら、俺たちの監督を任されていた『ルガーP38』がやって来た。彼女に最終確認を任せる。

他の隊員に休むよう伝えて、腰のポーチから缶コーヒーを取り出して飲む。全て飲み干した後、トライデントがえらく周囲を見回している事に気が付いた。

 

 

「トライデント、お前随分と警戒してるがどうしたんだ?」

 

「……いや、あの襲撃任務の時やべぇ人形とぶち当たってな、そいつがこっちに来てないか見渡してたんだ」

 

「どういうことだそりゃ。やべぇって何処がやべぇんだよ?」

 

「俺の腕食おうとしてきたんだ……マジで怖かった」

 

「そんなの居たの?」

 

「それが居たんだ……あ、すまん逃げる」

 

 

おい、という言葉を置き去りにトライデントは何処かへ走っていった。そのあとすぐに身体中傷だらけで前髪を垂らしたおさげの少女がここにやってきた。

 

 

「逃したか……すみません、ここで偉丈夫の赤毛の男を見ませんでしたか?」

 

「あー、そいつなら工廠に行ったぞ」

 

 

勿論嘘だ。それにしてもこの戦術人形は目がヤバい。なんだ、この、肉食獣のようなギラついた目は……?

俺の言葉を聞いた彼女は残念そうな顔をする。

 

 

「そうですか……ありがとうございます。今度は絶対食ってやるわよ……

 

 

……ん?この子とんでもない事言わなかった?いや考えたら負けか。

 

それでは、とその少女は走り去っていく。取り敢えず十字を切っておいた。トライデントに幸あれ、お前は俺よりまだマシだ。

トライデントに対して祈っていると、ポチがちょうど復帰する。

 

 

≪ポチちゃん復帰です!!≫

 

「うおっ!?」

 

≪ふぅ……荷物運びはやはり疲れますね。ご主人褒めてください≫

 

「あー、おう頑張ったなポチ。流石俺の相棒だ」

 

≪へへへ……≫

 

 

ポチを膝にのせて撫でる。ポチは気持ち良さそうに伸びきっていた。仕事終わりのこれは癒される限りだ。P38がやって来て問題ないことを告げられた。よし帰れる。

 

隊員達が正門まで歩いていく中で、ふと俺の隣に丸っこい猫が居ることに気が付く。撫でようとしたらするりと逃げた。また撫でようと近づいたらするりと。そしてまた近付いたらするり。近付く、するり、近付く、するり、近付く、するり…………。

 

 

「な、なかなかやりやがるこの猫……」

 

≪ご主人無駄ですよー、この子どうにも唯我独尊を地で行ってますから≫

 

「畜生……」

 

 

にゃあと眼の前の猫は鳴く。その姿はまるで俺が天下だとも言っていそうな佇まいであった。くっそ……めっちゃ撫でてやりたい。でも猫って構いすぎると駄目だからなぁ……迂闊に触れない。はあ、なかなかフラストレーションが溜まる……家帰ったらオスカー撫で回してやろう。その前にこいつの写真を一枚……よし、ふてぶてしい様が上手く撮れた。

俺が写真を見ていると、後ろから声を掛けられた。

 

 

「へー……上手く撮れてるね」

 

「ん?そう思うか?」

 

「うん!ただもうちょっと近付いたらいいかな?」

 

「お、アドバイス助かっ……た……」

 

「はぁい♪」

 

 

俺が振り返って後ろへ顔を向けた先には、鉄血工造のハイエンドモデルらしき女性がにっこりといたずらっぽく笑って立っていた。

名前は確か何だったのか、そんなのはどうでもいい。俺は思わず声にならない悲鳴をあげて物凄い勢いで後ろに下がった。勿論ポチを懐に抱いてだ。

 

 

「ーーーーーっ!!!?!ーーーーーーー!!!?!!??!」

 

「おっとと、落ち着いて落ち着いて、スマーイル♪」

 

 

だ、誰が落ち着いていられるか!!!!というか何でここにハイエンドモデルが居るんだよ!!!やっぱりグリフィンの基地は頭のネジ何本か飛んでいってるだろ!!!??

 

恐怖のあまりポチを力強く抱き締め、眼を大きく見開く。義眼を起動しなかったのは焦り過ぎているからだ。

目の前のハイエンドモデルは腕を組み首を捻って唸る。

 

 

「うーん……ハイエンドモデルにトラウマがあるとは聞いてたんだけどまさかここまでだなんてね」

 

≪うごご……ちょ、ちょっとご主人を代弁して聞きますけど、お名前は?≫

 

「え?あ、ごめんね喋るダイナゲートちゃん。私は『建築家(アーキテクト)』、よろしくね!」

 

 

建築家と名乗る彼女は元気に自己紹介をした。

やっと恐怖から脱した俺はポチを下ろして立ち上がる。何とか居住まいを正して彼女に向き直り、一応の自己紹介をする。

 

 

「驚いてすまない、ジャベリンだ。よろしく」

 

「噂には聞いてるよ、代理人から逃げ切ったんだっけ?」

 

「……まあな」

 

「それって結構凄いよね!あ、それよりもさ」

 

 

彼女は唐突にポチを抱き上げる。その顔には何かを思い付いた顔。俺の直感が告げる、これは面倒な事が起きるぞと。

 

 

「この子に搭載されてるAI、気になるからちょっと弄くっていい?」

 

≪えっ!?≫

 

「駄目に決まってんだろ」

 

 

咄嗟にポチを奪って走る。馬鹿野郎俺は逃げるぞ、敵じゃないとはいえそう易々とポチを鉄血のしかもハイエンドモデルに渡せるかこの野郎。

アーキテクトは突然のことで茫然としていたが、すぐに俺を追いかけ始める。

 

 

「何で逃げるの!?ちょっとだけ調べるだけなんだよ!!?」

 

「うるせぇ!!まだこっちはお前を信頼している訳じゃねぇんだよ!!!」

 

「信頼してよー!!!序でにジャベリンの義眼も見てみたいんだからさー!!!」

 

「断る!!!!!!」

 

 

こいつ俺の義眼も知ってやがったな!?なら尚更逃げるぞ!!義眼起動!!!

 

 

「消えたっ!?尚更調べてみなきゃ!!!」

 

 

ははは馬鹿め!!!貴様ごときに捕まる気など毛頭ないわ!!!

 

高笑いをしたくなる気持ちを抑えて走る。ただ足元に他の隊員が置き忘れてたのだろう缶コーヒーの空き缶を思い切り踏んで転がる。

 

 

「へぶっ!!?!?」

 

≪ご主人!?≫

 

「あっ、見つけた!!」

 

 

そのまま思い切り地面に顔を打ち付ける。その拍子で義眼の機能が途切れてアーキテクトの目の前で姿を見せてしまった。鼻を押さえながらまた動こうとしたら、それを逃すまいとアーキテクトは俺にタックルをしてホールドする。見つめ合う形になり、彼女が自らの手を俺の義眼へ伸ばす。「隅々まで調べるからね……」と言う彼女ははっきり言ってホラーだ。おい止めろ誰が代理人の真似をしろと言った。その手を止めろ義眼に触るなおい!!!おーい!!!!!

 

 

 

 

 

「何しとんじゃ、お主ら」

 

 

 

 

 

底冷えするような声が聞こえた。アーキテクトと共にそちらへ顔を向けると、目が据わったナガンが居た。これ怒ってる……よな?

 

 

「な、ナガンか」

 

「スピアから来るのが遅いから見に行ってくれと言われて来たのはいいんじゃが……本当に何をしとるんじゃ、特にアーキテクトよ」

 

「え、は、あはは……」

 

 

アーキテクトが俺から飛び退く。そのままソロソロと逃げようとしたが、ナガンに睨まれて縮こまって固まった。

 

 

「ふむ……まあジャベリンは被害者のようであるかの?もう帰ってよいぞ」

 

「お、おう。ポチ、行こう」

 

≪あ、はーい≫

 

 

さてアーキテクト、OHANASHIでもしようぞ。というナガンの声とアーキテクトの叫び声を聞きながら正門まで向かう。

今日は楽かなって思ってた俺が馬鹿だったよ。誰が予想するかねハイエンドモデルが居るなんて。

文句を垂れたい気分になりながら正門に到着した。そこにはトライデントを除いた全員が居て、各々が好きなようにしていた。トライデントは何処に居るのか聞いてみたら、まだ逃げているらしい。あいつ大変だな。

取り敢えず彼を待とうということでスピアと紅茶を飲む。

暫くして、トライデントがユノちゃんとナガンと共にやって来た。トライデントはユノちゃんに助けられたのかな?

トライデントは顔に疲労が滲み出ている。

 

 

「死ぬかと思った……」

 

「お疲れ。ナガン、アーキテクトは?」

 

「懲罰房じゃ」

 

 

……中々厳しいねぇ。

それはともかく、何でユノちゃんがここに居るのか俺は彼女へ聞く。

 

どうやら見送りの為に来たらしい。なんだこの子天使?俺たちみたいな汚いおっさんたちまで見送ってくれるの?

お嬢が彼女を抱き締めたくなる理由も分かる気がする。

ユノちゃんはぺこりと頭を下げた。

 

 

「槍部隊の皆さん、壁の修復及び清掃をしてくれてありがとうございました」

 

「ああ、構わないよ。俺たちも仕事あってのことだからな。また何かあったら連絡でもしてくれ」

 

≪槍部隊は何処でもいきますよ!≫

 

 

そう言って彼女に連絡先を書いた名刺を渡しておく。多分、既に知っているだろうけどこれは雰囲気だ雰囲気。

彼女たちへ別れを告げて近くに止めていた車へ乗り込んでエンジンをかける。窓の外ではユノちゃんとナガンが手を振っていた。

車を発進させてS10地区に向かう。流石に武器庫までは遠いのでS10地区で一泊するのだ。他の隊員が爆睡をかましている中で俺は運転を続ける。ただ一人トライデントは起きてるが何でだろうか?まあいい。

 

S09地区、彼処は激戦地じゃあるが、あそこの基地はなんだかのんびりとしていた。

 

またいつか行くとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばトライデント、あのおさげの彼女とはどうなったんだ?」

 

「指をちょっと噛まれた」

 

「えぇ……」




あちらもこちらも損害ゼロって武器庫にせよS09地区の戦術人形も恐ろしいです()
それにしてもトライデントくんなんか大変なことになってましたね……どうしてこうなった。

コラボってやっぱり楽しいんですけどキャラを掴むのは難しいです。
ちょいとしたやつなんですが、あちらの世界線でのジャベリンくんは経歴は同じですが、AR小隊や404小隊とは親しくこそあれこちらの世界線ほど関係は深くないです。ちょっとした飲み仲間とか……。

さてさて、作品への感想および評価は心の支えです!どうぞお願いします!!それでは!




補足。トライデントくんがそちらのイングラムと殺りあったので一応キャラ紹介しますね……。


《トライデント》

年齢:28
好物:アニメとか
出身:フランス
職業:槍部隊所属

詳細:槍部隊の支援担当。身長が198cmとあり、槍部隊の中では一番大きい。口数の少ない男で、基本必要最低限しか喋らない。とはいえ好きなものになると結構喋るようになり、そしてことある毎にジャベリンに色々勧めてくる。LMGを好んで使う。室内だろうがどこだろうが軽々と振り回すぐらい腕っぷしがある。
この前の襲撃任務ではイングラムと交戦、少しトラウマになった。
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