傭兵日記   作:サマシュ

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コラボ回ですぞ。
今回は無課金系指揮官様作『何でも屋アクロス』
URL:https://syosetu.org/novel/187328/
とのコラボです。この作品、謎多き店長と、そんな彼を支える戦術人形たちとの日常が描かれております。ほのぼのして時にひやりと、そんな感覚が味わえる作品です。是非ともどうぞ。

さてジャベリンくんは自らの愛銃を修理してもらいます。それではどーぞ。


☆傭兵、修理だってよ。

174日目 晴

 

ガンスミスがストライキ起こしていたのだが、何故なのか。

社長に詳しく聞いてみたら休日返上でずっと仕事をしていたせいでぶちギレたからだそうだ。

ガンスミス……分かるよ、その気持ち。俺も何度かそんな事あったし、仕事突然押し付けられた時あったし……まあガンスミスの休日消し去ってしまったの俺を含めた槍部隊の奴らのせいだけどな。

槍部隊は会社での扱い上、どうしても何度も何度も戦場やらなんやらに向かわされる。だから武器の損耗率が他部隊をぶっちぎって一番なのだ。特にランスとパルチザンが特に銃やらなんやら壊してる。

……俺のSCARの状態見せたら問答無用でレンチで殴られるな。うん。だってフレーム歪んでるし動作不良起こしてるし。あ、これ殴られるんじゃなくて殺されるわ。

あとポチの武装のこともあるからなぁ。

 

どうしよう。

 

 

 

 

 

 

………………………………

…………………

………

 

 

「ということで助けてスリえもん」

 

「そこらへんで盗み働いてるような名前で呼ぶな馬鹿野郎」

 

 

銃を直すことが出来ないというのも何だかもどかしいので他に腕の良い整備士が居ないか、自室でグリフィンの社内報を読んでいたスリンガーのところへ俺は行った。彼は心底面倒そう、もとい俺の数秒で思い付いたあだ名に少しイラッとしている様子だった。

 

 

「いいじゃねぇかお前大体どっかの情報とか盗んでるんだし」

 

「……」

 

 

顎に手をあてて考える仕草。よし勝った。

という茶番はさておき本題に入る。SCARは俺が入隊した時からずっと使ってる銃なんだ。早く直したい。

 

 

「それで、ここいら周辺で腕の良い奴って居るのか?」

 

「全く……自分で探せよお前。ま、軽くは調べるよ」

 

 

そう言ってスリンガーはノートPCを取り出してキーボードを叩き始める。スリンガーって口では文句言うけどちゃんと手伝ってくれるよな。

俺はスリンガーが探している間にグリフィンの社内報を開いた。

グラビアじゃん……モデルは俺がこの前警備任務でお世話になったD08地区基地の人形達か……んん?UMP45の胸が……デカい!?ここのUMP45豊胸にでも手を出したのか?404の隊長様にも見せてやりたいぜ。

 

 

『ジャベリ~ン?』

 

「ひょっ!?」

 

 

突然UMP45の声が聞こえた。え、もしかして盗聴されて……というか何処から!?怖いわ!

ひ、ひとまず落ち着こう。

 

ええと次は……D08基地の農場か。いいな、俺もこのぐらいの畑とかやってみたいものだ。お嬢に許可貰って広げてみるか。

ちょっと牧場に興味があるし。

 

 

「お、丁度良いのがあったぞ」

 

「早いな?どれどれ」

 

 

今後畑で何をするか考えていたら、スリンガーが探しだしてくれた。俺はそのノートPCに表示されているものを見る。

 

 

 

「アイテムショップ……アクロス?」

 

 

 

_____________________________

 

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___

 

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「よーしそこで降ろしてくれ」

 

「おう。というかお前何で自分の車で行かなかったんだ?」

 

 

SCARを担ぎ、会社からバイクで走って一時間と三十分。俺はとある地区に来ていた。スリンガーも他の用事で俺に着いてきており、丁度今から別れる所だ。

彼は自分の車を持っていた筈なのだが、何故か今日は俺のバイクに乗ってきた。その理由を聞いてみたのだが、随分と歯切れの悪い感じで答えてくれた。

 

 

「ええと……まあ、うちの娘が思春期に入ってね……ちょっと、自宅に帰るのが気まずいんだ」

 

「あぁ……そういう」

 

 

お疲れ様です、お父さん。

 

 

「それはともかく、住所ちゃんと覚えてるよな?ちゃんと安全運転しろよ?」

 

「覚えてるって、俺の心配しなくていいからそっちの用事を済ませてろ。どうせ俺がまた拾わなきゃいけないんだろ?」

 

「……すまないな」

 

「お互い様だ」

 

 

スリンガーと別れて俺は教えられた住所までバイクを走らせる。途中、バイクのトップケースがぱかりと開いた。

 

 

≪……ふう、やっぱり狭いですね≫

 

「起きたか、ポチ」

 

≪おはようです、ご主人≫

 

 

トップケースから現れたのは微妙にゴツいダイナゲート、ポチである。実は俺が会社に居た時からずっとトップケースの中で寝ていた。何を思ってギリギリ入るか入らないかぐらいの狭さの中で寝ようと思ったのか、俺は知らない。

ぬおぉ……という声が聞こえてきたあたり、伸びでもしているのだろう。

俺は街中を走り続ける。なるべく揺らさずポチが落ちないように気をつけて安全運転である。

 

 

≪そういえば、そのアクロスってお店、どんなお店なんです?≫

 

「うーん、口コミ情報じゃ物品の修理とか売買をするお店って感じかな?」

 

≪おお……ラクダのステッカー有りますかね?≫

 

「何を突然……まあ有ったら買ってやるよ」

 

≪おひょー!!ご主人最高です!!≫

 

 

ポチの歓喜の声を聞きながら引き続き走る。三度ぐらい角を曲がっただろうか、その先に人が出入りしている建物を発見した。徐行をしながらその建物を見ると、看板がある。それには『アイテムショップ アクロス』という文字があった。

 

俺はバイクをその店の前に停めて降りる。ヘルメットをかけてポチをケースから降ろした。SCARの入ったケースを担ぎ直し、キーを指で回しながら入り口へ向かう。取っ手に手を掛け、そして押してドアを開いた。

 

 

「いらっしゃいま……せ?」

 

「……何か?」

 

 

俺が入り口から店へ入ったら目の前のカウンターに居たツインテールの女性が目を擦りながらこちらを見ている。

あ、やっべ義眼の認識阻害勝手に起動されてんじゃん。ごめんなボヤけて見えちゃったな。今から切るからね。

 

 

「い、いえ、何でもないです!それより、今日はどのようなご用件ですか?」

 

 

俺の姿が鮮明に見え始めたのか、目の前の女性は気を取り直して俺に用件を聞いてきた。

俺はカウンターにSCARの入ったケースを置く。

 

 

「ここには腕の良い修理屋が居ると聞いてね、銃の修理を頼みたいんだ」

 

「そうですか!では少々お待ち下さい。店長ー!!お客さんでーす!!」

 

 

彼女が後ろへ向かって店長を呼び出した。少しして、黒髪の青年が現れた。俺の顔を見るなりちょっとギョッとしてたが仕方ないよな、厳つい眼帯のおっさん来たら驚くよそりゃ。俺まだ27だけど。

 

……それにしても珍しい、純血の日本人か?

っとと、それよりもSCARだ。

 

 

「ええと、修理ですよね?」

 

「ああ。こいつを見てくれ」

 

 

カウンターに置いたケースを開く。そのケースの中身を見た目の前の二人は目を見開いて驚いていた。店長と呼ばれた青年が俺に質問してくる。

 

 

「あの、どう使ったらこうなったんですか?」

 

「いやぁ、戦場で少しとんでもない奴に遭遇してね……詳しくは聞かないでくれ」

 

「そう……ですか」

 

 

ハイエンドモデルに襲われたとか口が裂けても言えない。絶対信じてもらえないし。

店長はまじまじと見ながら俺のSCARを手に持った。少しの間SCARを触ったり角度を変えて見たりと色々した後に、再度此方を向いた。

別に渋い顔をしているという訳ではなく、寧ろ普通に出来ますという顔をしている。これは頼もしいぞ。

 

 

「2、3時間ほどかかりますが、問題ないですか?」

 

「ああ、問題ないよ。俺の愛銃が直るなら待ち続けるさ」

 

 

じゃあ、少し待っててくださいね。というセリフと共に彼はまた奥へ行く。俺はその間に陳列された商品を見ることにした。

この店では電化製品とか、あと照準器が売られている。おそらくジャンク品やらを直したものなのだろう。

 

結構綺麗だなこのスコープ……買おうかな?

 

 

≪ご主人ー、ラクダのステッカー見つかりました~?≫

 

「残念ながらお前の求めるものは無かったよ」

 

≪嘘……≫

 

 

しくしくと泣くような仕草を見せてポチが店の床に横たわる。いやどれだけ期待してたんだお前……。

 

ふと、カウンターに居るであろうツインテールの女性が俺に声をかけてくる。

 

 

「可愛らしいダイナゲートですね」

 

「あー……まあな。ほらポチ起きるんだ」

 

≪嫌ですぅ……ステッカー期待してたから嫌なのですぅ……≫

 

「お前な……」

 

「あはは。ところで、この子何で喋ることが出来るんですか?」

 

 

俺の知り合いの科学者のお陰だよ。

そう彼女に伝えておく。彼女は俺にはぐらかされたのに気がついたのか、少し腑に落ちない顔をしていた。何だか追及されるのも嫌なので、一目見てからずっと気になっていたスコープを手にとってカウンターに置いた。

 

 

「このスコープを買いたいのだが」

 

「はい!それですと、五万クレジットですね!」

 

「カードで」

 

 

カードを彼女へ手渡す。彼女はそれをレジへ滑らせて会計を終えた。

スコープを手に持つ。新品と間違えるようなほど綺麗なスコープ……いや、これ新品なのかな?まあいいや。

 

 

「お客様ってバトルライフルをよく使うのですか?」

 

「いや、そうでもない……訳でもないか。うん、使うね」

 

「おおっ!ならそのスコープの他にバイポッドもどうです?先程のSCAR-Hに是非とも!」

 

 

商売上手だな君ィ……俺思わず君にお勧めされたバイポッド買っちゃうよ?あとついでにレーザーサイトも買っちゃうぞ!

 

 

「ありがとうございます!お会計十万クレジットです!!」

 

「カードで!」

 

「はい!」

 

 

衝動買いって怖いね。修理費に幾ら掛かるのか分からないのに十五万も使っちまった。いつの間にか復活したポチがこっちをじっと見てる。何か言いたげだな?

 

 

≪ご主人って結構チョロいですよね……詐欺に引っ掛からないか心配です≫

 

 

うるせぇやい。いいんだよ仕事ばっかりで貯まる一方なんだ。こんなに使っても文句は言われないさ。

 

 

「ただいま帰りました……と、お客様ですね、いらっしゃいませ」

 

「あ、ウェルおかえりー」

 

「ただいまです、ヒトヨ」

 

 

一応口座の残高を確認していたら、後ろのドアが開いた。そこには金髪で少しだけ髪を結んだスーツのような服装の女性、ウェルと呼ばれた子がいた。あとついでにカウンターの女性の名前も判明した。流れで俺も名乗ろうかな?というか義眼ちゃんと静まってたな、偉いぞ。

 

 

「それで、そちらの方はどのよ…………んん??」

 

 

いやここで起動するんかい。ごめんなすぐ切るから。

はあ、いい加減ペルシカリアのところ行かないとなぁ……。

 

一先ずは俺の用件と、まだ店長が修理中であることを伝えた。

ウェルは「ふむ」と頷いて時計を見た。俺も時計をみたら、修理を頼んで丁度一時間と五十分ほど経っていた。

もう暫くかな?と俺が思っていたら、ウェルがまた外へ出て行った。どうしたのだろうとドアを見ていたらすぐに入ってくる。そしてヒトヨにテーブルと人数分の椅子を用意するように指示を出した。

 

 

「時間が時間ですし、それに店長のことです。もう少し掛かると思いますから、クローズにしておきました。お茶でもどうですか?」

 

 

えっ?マジで?なんか怪しい物品お勧めされないよな?

まあお言葉に甘えますけども……。

まあ、のんびり待ちますか。

 

 

…………………………

………………

………

 

 

「お客様ー、修理終わりま……って凄い寛いでる」

 

「おっ、待ちくたびれたよ。丁度ウェルと紅茶論争が終わった所だ」

 

「やはりミルクが先でしょう……うーん」

 

「えっと、ウェル大丈夫?」

 

 

あれからまた二時間後、思いの外手間取ったのだろう店長が戻ってきた。彼の手には綺麗になった俺の愛銃がある。彼に手渡され、早速構えたり触ったりとしてみた。

 

………………これは。

 

 

「そういえば、お客さぁっ!?」

 

「店長!?」

 

「な、なぁ店長くん」

 

「は、はい……?」

 

 

俺は彼の肩をがっしりと掴む。驚く彼を無視して話を始める。

というか今の俺、目がギラついてるんだろうな。あと息も荒いんだろうな。現に目の前の彼が引き気味である。

だがそんな事どうでもいい。

 

 

「うち、今人手不足なんだ」

 

「あ、結構です」

 

「NOOOOOOOOOOOOOOOOッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

駄目だったかー!!!駄目だったのかー!!!!!

 

彼の回答を聞いた瞬間俺は膝から崩れ落ちた。周囲が鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしている。

いや、それよりも彼の技術が欲しい。何なんだ、俺がSCARを持った瞬間に体に馴染んだんだぞ!!?それに軽かった!!!何でだ!!!何をどうやったらこんな事が実現出来るんだ!!?まるで俺の体の一部みたいだったんだぞ!!!

うちのガンスミスだって負けちゃいないがこの青年は想像を遥かに越えていたのだぞ!!!ぐぬぉおおぉおおお!!!!!

 

こんな風に悶える俺の様子を見るに見かねたのか、ヒトヨが声をかけてくれた。

 

 

「あの……大丈夫ですか?」

 

≪大丈夫ですよ、ご主人はいつもこんななので≫

 

「は、はあ……」

 

 

それは誤解だぞポチィ!!これはアレだ!!最近パイクが使い始めた言葉、“エモい”だ!!

クソッ!!こんな人材をみすみす捨て置く訳には行かない……せめて俺達の存在を知らせておかなければ……!!

 

 

「む、無理なら仕方ない。だが、せめてこの名刺だけは貰っておいてくれ!!頼む!!」

 

「え、えぇ、構わない、ですけど……?」

 

 

最早押し付けるように彼へ武器庫と槍部隊の名刺を渡す。そして彼に修理費を聞いた。

 

 

「ええと、あの状態からですし、十万……ぐらいかな?」

 

「カードで」

 

「即決!?」

 

 

さっさと会計を通してもらう。ええい、料金に色をつけられないのがもどかしい……。

会計を通した後に、ポチを抱き上げて入り口へ向かう。ドアを開く前にまた俺は向き直った。

 

 

「いやはや、本当に助かった!もしかしたらうちの仲間もそちらに行くかもしれないからよろしく!!それじゃ!!」

 

≪ご主人焦りすぎです?あ、それでは~≫

 

「えっ、あっ、ありがとうございました!またのご来店をお待ちしています!」

 

 

店長の言葉も置き去りに俺は店を出た。ポチをケースに入れてバイクに跨がりキーを回す。小気味良い音と共にエンジンが起動して準備が完了した。ギアをニュートラルから一速へ。アクセルを回して走り出す。何だか歌いたい気分だ!

そしてスリンガーを迎えにいかなければな!!

 

 

「これは良い出会いだ!」

 

≪ですねぇ≫

 

 

ポチが呆れ気味なのは無視しておこう。俺はもと来た道を走り、スリンガーと落ち合う。上機嫌な俺を見た彼は少しだけ笑いながら後ろのシートに乗った。俺はそのまま発進する。

 

暫く、冷ややかな風が俺を醒ましてくれた後にスリンガーの用事について聞いてみた。

 

 

「そういえばよ、お前の用事って何だったんだ?」

 

「ん?あぁ、この前の社内報で猟奇殺人の見出しがあってな。それの情報収集」

 

「探偵の真似事かぁ?というかそれ別の地区だったろ」

 

 

暇なのだろうかこの男。

スリンガーは別段気にする事なく話を続ける。

 

 

「まあなー、ただ単に痕跡探しさ。ちなみに犯人はもう分かってるよ」

 

「早くないか?」

 

「仕方ないさ。犯人が名前残してたらしいし」

 

「なんだそれ迂闊だな。名前は?」

 

「ヘルメス……何とかだったかな」

 

 

覚えてないのかよ。

俺はそう思いながら運転を続けた。それにしても猟奇殺人にしかも名前を残すとは……売名行為みたいなものだろうか?

一つ分かることといえば随分と大胆な人間ということだけだろう。

 

そんな考えも一区切り、俺はバイクのアクセルを全開にして道路を走り抜ける。スリンガーがスピードを落とせと五月蝿かったが無視をした。

 

だって、今日は良い出会いがあったんだから。

そう頭のなかで言った俺は、また更に明かりの点き始めた道を走るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

槍部隊の奴らがアクロスへ一挙に押し寄せたのは別のお話。ごめん店長俺も予想外。





向こうも大変になっちまったなぁ……(焼き土下座)

コラボってなんでこうも舞い上がってしまうのだろうか。自分の技量なんて気にしなくなってしまう。端的に言えば楽しいということです。
少し言及していた他作品ですが、一つは「元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん」、もう一つは「ヘルメス姉妹の幸福論」という作品です。どっちも面白いから読んで!!


さて、ジャベリンくんは愛銃を直してもらいました。次の任務ははてさて何なのか……その前にトライデントくんが結婚式上げます。日記形式で書ききれるかな……?

この作品への感想及び評価は心の友となり私の血肉となります。どうぞ、ばんばんお願いします!それではまたこんど!!


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