結構重要なこといい忘れてましたが、時代背景はAR小隊とか404小隊が出来る前のことです。しかし404小隊に関しては不明なことが多いからなにも言えない()
やっぱ設定とかプロフィール書くべきだな……。
あと、キャラ崩壊注意です。
34日目 曇
同僚と共に任務へ赴くことになった。
今回は人質の救出だ。流石にこの作戦は敵の規模が大きく、複数人でなければ行えないため、俺が所属する部隊の隊員全員が出張ることになった。これはグリフィンの人形部隊との合同作戦でもある。グリフィン隊は陽動、俺たちは救出だ。ポチを連れていこうか迷ったが、同僚たちが居るのでお留守番となった。
ブリーフィングにて同僚……もといスピア(書くのが面倒になってきたので他の隊員も含めコードネームで進める。)とトライデントは援護、俺とランスは突入という役決めになった。
そういえば、部隊全員で行く任務は久しぶりだったな。
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『こちらスピア、配置に着いた』
「了解、そのまま周辺を見張っててくれ。地下室に入ったら連絡する」
『分かった、幸運を祈る』
戦術人形の部隊が陽動を行っている中、俺たちは敵が籠っている建物の裏手に忍び込んでいた。多くが迎撃に出払っているのか、建物は静寂に包まれている。スピアからの報告では、窓辺や屋上には誰も居ないらしい。
「えらい静かだな……もしかしたら人質は移動させられてるんじゃないか?」
「いや、そんなはずねぇだろ。前からずっと監視されてんだ、動いたら夜だろうとすぐにバレる」
ランスとそんな会話を交えながら、建物内を進む。建物内は瓦礫が少々あるぐらいで人の気配が一つもない。本当にテロリストは籠っていたのか?まあいい。
これといった問題もなく俺たちは進み、人質が居るであろう地下室へと向かった。
「なあ」
「なんだよ?」
「嫌な予感がするんだが」
「そうか」
「軽いな!?俺の予知能力舐めるなよジャベリン!」
「分かってるよ」
ランスの軽口を流しながら地下室へ到達。地下室は照明が壊れているのか真っ暗でなにも見えず、足を一歩踏み出すとその足音が暗闇に響いた。恐らくこの部屋はとても広いのだろう。安全を確認するために俺とランスは暗視装置を装備した。
周囲を見渡すと、この部屋は大小さまざまなガラクタが散乱しており、なかには人が隠れられることができるぐらい大きなものもあった。ガラクタをそのままにあとは標的でも置けばキルハウスにでも出来るのではないだろうか。
少し奥の方を見ると、椅子に縛られ袋を被された人間が居り、拘束を解こうと、もぞもぞと動いていた。恐らくあれが人質だろう。
外を監視してるスピアに連絡をする。
「こちらジャベリン、地下室に到達。そして人質らしき人物を発見した。そっちはどうだ?」
『こちらスピア、現在建造物から数百メートル先、こちらの戦術人形とは思えない戦術人形が接近中。どうする?』
「なんだと?一応警戒しておけ」
『りょうか…っ!!奴らこっちを撃ってきたぞ!!!トライデント!!応戦するぞ!!』
多数の銃声が聞こえた瞬間、スピアとの通信が途絶えた。向こうは不味い状況になったようだ。まあ、スピアたちなら生き残るだろうから信じておこう。
手早くグリフィンへ支援要請を出した後に、俺はすぐに目の前の人質へ意識を切り替える。まずは安心させるために声をかけることにした。
「グリフィンの救出部隊だ、君を救出しに来た」
「なんだグリフィンか…てっきりテロリストどもが来たのかと思ったよ。早くこの拘束を解いてくれないか?」
「わかってる」
俺は人質を縛り付けている紐をナイフで切り裂く。多少緩いのはこの人質が紐を解こうと四苦八苦していたおかげだろう。
今度は人質に被せてある袋をとろうと手を出したが、人質に「これぐらいは自分でやる。」と手を払われてしまった。
人質が袋に手をかけて外し、その顔が見えたとき、俺は少し驚いた。
「ふぅ」
「なんだアンタ、女だったのか?」
「ん、意外だったのか?」
「いや……まぁな」
「はははは、面白い奴だな」
「なに!?女!?」と過剰に反応するランスを制止しつつ、改めて人質を見る。
彼女は気の強そうでそして凛々しい顔立ちで、片目には眼帯をつけていた。いくつか修羅場を潜ってきたようなそんな雰囲気も持っている。
呆然としている俺に彼女は少し怪訝としている。
「ジャベリン、大丈夫か?」
「あ…あぁ、大丈夫だ」
ランスの声で現実に引き戻された。落ち着こう、別に人質が女だからってなにか問題があるわけじゃない。
俺は一先ず彼女を見る。目の前の彼女はいつの間にランスに渡されたのか、俺のHK416を持って……っておい何してんだランス。
俺はランスの襟首を掴んだ。
「あだだだ!?ジャベリン落ち着け、ここは敵地だ!!そして俺じゃない彼女がやったんだ!!」
「嘘をつくんじゃねぇ馬鹿野郎!!なにしやがんだ!!」
「まぁまぁ落ち着きなって。彼が言うとおり、私がちょっと借りただけさ」
彼女の言葉でランスを掴んでいた腕の力が弱まる。彼女は嘘を言っているようには見えないから余計疑わしい。そもそもどうやって奪ったんだ……。
「……あんた、名前は?」
「ん?あぁ、そういえば名乗っていなかったな。私はM16A1、よろしく」
「M16A1……ということは戦術人形か?一体なんで捕まったんだよ?」
そんな俺の問いにM16はばつが悪そうに「酒を飲んでそこらへんをほっつき歩いていたら捕まった。」と答えた。
彼女の答えにランスは吹き出し、俺は額に手をあててため息をついた。流石にうっかりしすぎじゃないかな……何やってんだか。
笑うランスと胡乱な目で見る俺に対し、M16は慌てて弁明を始める。
「ま、まぁ誰しも失敗はあるんだし、私も油断してたんだ。酒も飲み過ぎたしな」
「そうか……まあいい、そろそろ出るぞ。とりあえずあんたにHKは貸しておくから、もしもの時は使ってくれ」
「あぁ、任せてくれ。私の愛銃じゃないとはいえ、十分使いこなせる。射撃の腕は良いんだ」
「せいぜい期待しておくよ」
HK416の予備マガジンを彼女に渡して、俺はもう一つ持ってきた武器に手をかける。『AA-12』と呼ばれるそれは、フルオートショットガンとして有名な銃だ。作戦前に火力過多になるから持っていこうかどうか迷ったが、持ってきて正解だった。ただ重かった。
改めて装備を確認する。M1911が1挺、フラッシュバン、フラググレネードがそれぞれ3個、スラッグ弾の入ったマガジンが5つと、十分にあった。
丁度スピアから連絡が入る。
『ハァ…ハァ…こちらスピア、応答してくれ』
「こちらジャベリン。生きてたか、どうした?」
『なんとか凌いだがそちらに複数の人形が向かった。排除を頼む。俺は少し休むよ』
「了解、支援要請を出したから部隊が来たら案内してやってくれ。それとよくやった、ジャベリンアウト」
スピア曰く、どうやら人形が建物内に入ってきたらしい。
俺は二人と共に進む。俺を先導に、M16、ランスと続き、地下室を出た。地下室を出た先の曲がり角には誰も居らず、敵はまだこっちには来ていないようだ。
「ここで待ち伏せするか?」
ランスが問う。
「いや、進もう。相手も少人数のはずだ、対処はできる」
「おいおい、少人数とはいえ相手は人形だぞ。大丈夫だと思うか?」
「…そうか。M16は?」
「私は待ち伏せだな。人形は人間よりもはるかに強力だ。防戦に徹して隙を見て進む方が安全だと思う」
「分かった。じゃあランスと俺は右に、M16は左の瓦礫へ隠れよう。待ち伏せ、及び可能なら進むぞ」
「「了解」」
俺たちは遮蔽物に隠れ、鉄血人形がやってくるのを待つ。
暫くすると多数の足音が聞こえてきた。俺は二人にハンドサインを出して銃を構える。足音が大きくなってくるにつれて、トリガーに掛けている指の力が強くなっていく。狙うべき場所は頭か腹部だ。
鉄血人形の姿が見えた瞬間、すぐさま俺は引き金を引いた。
「射撃開始!!」
一瞬の閃光の後に多数の鉛弾が相手の眉間や胸に吸い込まれてゆく。先頭の鉄血人形は倒れたのを皮切りに複数人が糸の切れた人形のように地に伏せていった。残った鉄血人形が慌てて曲がり角を戻っていく。
ランスが追撃とばかりに曲がり角の向こうへグレネードを投げた。数瞬、大きな爆発とともに鉄血人形のものであろう腕や頭が吹き飛ばされて壁へ叩きつけられた。
「火薬入れすぎちゃったかな?」
「いや、あれぐらいの威力の方が奴らも楽に逝ける。M16、そうだろ?」
「フフッ、確かにな」
曲がり角へ進む。少し顔を出すとすぐ銃撃に襲われた。一瞬だが向こうは瓦礫もなく隠れる場所が有るようではなかったことを確認。一旦隠れ、フラッシュバンを懐から取り出す。ピンを引き抜き向こうへ投げた。
大きな閃光と爆音の後、すぐに突撃する。
「突撃!!」
目を潰された人形たちへ発砲、なんとか持ち直した者も居たが、M16がすぐに無力化した。
それにしても射撃上手いな彼女。頭を正確に撃ち抜いてる……射撃の腕は嘘ではないようだ。
「もう来ないか?」
「オールクリアだ、上に行こう」
「了解」
周囲を確認した後、階段を上っていく。一階に着いた直後にグリフィンから連絡が来た。どうやら陽動部隊が支援としてこちらに向かうらしい。
俺たちは出口のあるエントランスへ向かう。途中、何度か襲撃はあったものの、M16がすぐさま反応して殆どを片付けていた。正確無比な射撃は全て相手の眉間に叩き込まれていく。
いや、マジで何で捕まったんだ。というか絶対拘束解くこと出来ただろ……。
「よく整備されてるな、この銃。吸い込まれるように敵に当たるぞ」
「あー…そりゃどうも」
「んん?どうしたんだ?」
「いや、馬鹿げたレベルの精度で撃つなぁ…って思ってな」
「はっはー、惚れたか?」
「馬鹿言うな全く……」
「おい二人とも、そろそろエントランスに着くぞ」
「了解、急ぐぞ……っ!!?ぐおぉっっ!!?」
「ジャベリン!!」
M16と軽口を叩きながらエントランスへ続く道へ差し掛かった時、近くの部屋から突然鉄血人形が俺へ飛びかかってきた。 双方ともに武器が手から離れて床に落ち、互いに組み合う形にになる。俺はすぐさま相手の足を内側から払いのけたものの、鉄血人形側も負けじとすぐに立て直した。暫く力比べとなったものの、流石に人形には勝てない。俺は相手に組伏せられナイフを突き立てられそうになる_____________________
「今助ける!」
______が、間一髪でランスとM16が人形を撃ち抜いた。
「うおぉ……助かった」
「大丈夫か、ジャベリン?」
「あぁ、問題ない」
ランスとM16の腕に捕まり立ち上がる。そのままエントランスへ歩を進め、敵と遭遇することなく、丁度やって来たスピア達を含めた支援部隊と合流した。
どうやらさっきの奴らで最後だったようだ。どこか呆気ない気もするがいいか。
支援部隊の中にM16の知り合いが居たのか、彼女に抱きついている姿もあった。なんとなく俺はその状況を写真に納めた。証拠写真ぐらいには使えるだろう。ランスがその写真を後で送ってくれとか行ってきたが俺はそれを拒否。躍起なったランスと俺の追いかけっこが起きたのは言うまでもない。
いつの間にかM16へ抱きついていた戦術人形も俺を追いかけるようになって久々に必死になって逃げた。
最後は捕まって、俺は渋々写真を二人に渡すことになってしまった。奴ら、目の色がヤバかったぜ?渡さなかったら殺されるような感覚に襲われるというのは中々無い体験だろう。蛇に睨まれた蛙、みたいな。
暫くしてうちの会社の回収ヘリがやって来た。戦術人形たちはグリフィンのヘリで帰るようで、各々が別れの言葉を俺たちにくれた。
ヘリに乗る直前、M16が声をかけてくる。
「ジャベリン」
「なんだ?」
「また会おうぜ、こんどは仕事じゃなくてオフでな」
「…あぁ、構わないとも。いい飲み屋があるんだ、いつか行こう」
「フフッ、楽しみにしてるぞ」
ヘリに乗り込む。ランス、トライデントが「早速女と関係持ったぞこいつ」「フラグ立てやがったし、折ってやろう」だとか話してたが無視を決め込んだ。スピアはどこからともなく取り出したケトルで器用にティーカップへ紅茶を淹れていた。
「出発する」
パイロットの声とともにヘリが飛び立つ。戦術人形たちは手を振ったりしてこちらを見送ってくれた。スピアがクッキーをみんなに配ってくれた。そのクッキーは長いような短いような任務での疲労を労うかのように甘く、思わず顔が綻ぶ。
一つ深呼吸、そして窓の外を眺める。いつの間に暗くなっていたのか、満点の星空になっていた。ふと端末で天気予報を見れば何日か雨が振り、そして雨が上がると暫くは晴天が続くらしい。
晴れたら気晴らしで街にでも行こう。
そう考えながら星空を眺める。きらりと、一筋の流れ星が流れたような気がした。
そういえば人質の情報とか事前に貰えなかったのは何でなんだろうな?社長に聞いてみるか。
※ただの伝達ミスです。社長も激務だからね、仕方ないね。
M16のキャラがちゃんと掴めてるか不安。
それはそうと、何でしょう、楽しいですね戦闘シーン。
好評なようでしたらまた書くつもりです。
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3/15 単語が連続して出ていたので該当部分を修正。
台詞の違和感を一部修正。