傭兵日記   作:サマシュ

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ちょっと本編で執筆が詰まったので手慰み程度に番外編をば。それではどーぞ。


番外編 武器庫のとある1日

番外編1 クレイモア隊長の目覚め

 

 

「貴様らァ!!!!!また目標を逃すとは何事だァ!!!!!」

 

「「「すみませんでした隊長!!」」」

 

「もし次も逃したときは貴様らの尻穴を更に増やすから覚悟しておけェ!!!!会社内部一時間全力で走り続けろォ!!!!」

 

「「「イエッサー!!!!」」」

 

ある日の剣部隊。いつもの如く隊長の『クレイモア』と隊員達が演習場で訓練を行っていた。隊員達は何度も失敗していたようで、彼女からとんでもない事を言い渡されていた。そんな彼女を見守る男が二人。

 

 

「相変わらず隊長は容赦ないよなぁ……」

 

「社長が俺ら絞ってた時よりまだマシさね。ウッ」

 

「おいツヴァイ自分で傷口を広げんなよ」

 

 

彼女を見ていたのは剣部隊副隊長『ツヴァイヘンダー』と同じく剣部隊の『ムラマサ』だ。ツヴァイは昔の事を思い出したのか頭を抱え、ムラマサはそんな彼を心配している。

 

 

「すまんね……まあクレイモアが丸くなったのは事実だよ。この前も面白いものを見かけてな」

 

「面白いもの?」

 

「あぁ、これを見てくれ」

 

ツヴァイが懐から一つの薄い本を渡してくる。ムラマサはその中身を見て驚愕した。

 

 

「おい……これって」

 

「お前の故郷じゃ衆道なんていうやつだよ」

 

「あの筋肉メスゴリラがこんな綺麗な絵を……」

 

 

その本の中身はというと、俗にいうBLというものであった。ムラマサはその絵柄を見て感動して、ツヴァイはなんだか感慨深いという顔をしていた。

 

 

「あのクレイモアがな……戦いにしか目が向かなかったアイツがこういうのに興味を持ってくれて嬉しいよ」

 

「そうかぁ?まあ人間らしいっちゃ人げ…………ツヴァイ、後ろ」

 

「ん?あっ」

 

 

二人がちょっとだけ談義をしていたらツヴァイの背後にてとてつもないオーラを出している女性、クレイモアが立っていた。それもとても良い笑顔で。二人は直感する、これは死んだと。

 

 

「ツヴァイ、ムラマサ」

 

「ハイ」

 

「私は悲しいよ。悲しい」

 

「ソウデスネ」

 

「ふ、分かればよいのだ…………覚悟しろ」

 

 

瞬間、爆発でも起きたような音がなる。他の職員や隊員が何事かとやって来るが、倒れ伏しているツヴァイとムラマサを見て何時ものことかとまた職務へと戻っていった。

クレイモアは嘆息して自分の携帯を起動した。

 

 

「ふ、ヘリアンめ、トンプソン×スプリングフィールドとは変わった事をしてくれる。私からはスピア×ジャベリンを送ってやろう」

 

 

と呟きながら微笑んでいた。

 

……まさかのクレイモアの性癖が暴露した瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

番外編2 スリンガーとウェルロッド

 

 

「……久しぶりですね、ベル」

 

「お、そんな呼び方する奴なんて一人しか知らないぞ、ヘレナ。お前グリフィンに徴用されたんだな」

 

 

スリンガーがよく利用する武器庫のとある一室、そこに彼と『ウェルロッドMkⅡ』が対面して座っていた。彼と彼女の醸し出す空気は、何やら古き友と久々の談笑を楽しんでいる、そんな風であった。

ウェルロッドは紅茶を一口飲む。

 

 

「元より戦場に戻るつもりでしたからね。お陰で民間モデルの時よりかは随分と動きやすくなりました」

 

「そりゃ結構。つーこたデータだけ持ち越しってことか?」

 

「そうなりますね。ですが貴方のことは忘れていませんよ」

 

 

嬉しい限りだ。スリンガーはコーヒーを飲んでウェルロッドに向き直った。優しそうに微笑む彼女を見つめて、ため息をつく。

 

 

「はぁ……にしても、もう結婚したとはいえど、一度惚れちまった奴は忘れられないな」

 

「結構な愛妻家だとは聞きましたが意外と浮気性ですね、ふふっ」

 

「それとこれとは話が別さ。まあでも良かったよ、昔の姿でここに来なくてさ」

 

「ベルは昔の方が良かったのですか?」

 

「いや、今の方がいいよ。俺の娘に似てる」

 

「何ですか、それ」

 

 

あははと笑うウェルロッド。スリンガーもそれに釣られて笑った。もしも他の人間がこの様子を見たら大体の人間がこう言うだろう。

「まるで熟年夫婦」

だと。それだけこの二人の間には何かしらの切れない関係があるようだ。

 

それが何なのか分かるのは、スリンガーとウェルロッドだけである。

 

 

 

 

 

 

 

番外編3 M500と整備士達の悪ふざけ

 

 

「パワードスーツにAIをぶちこめば面白いのでは?」

 

「いいね」

 

「採用」

 

 

整備士の溜まり場、といっても作業場の片隅なのだが、そこで整備士二人組と最近入ってきた戦術人形の『M500』が新兵器構想…という名の悪ふざけをしていた。今回はパワードスーツにAIを積むかどうかだ。

 

 

「じゃあAIはどのくらい有能に?」

 

「ポチちゃんと同じくらいがいいんじゃない?」

 

「おっほ、M500、そこまでやるか」

 

「だって、ロマンじゃん?」

 

「「最高」」

 

 

三人でハイタッチ。早速弓部隊の隊員一人を拉致…じゃなく連れてきてAIとパワードスーツの開発へと着手し始めた。

 

 

「ここはパターンをもうちょっと人間らしく出来ないのか?例えばサムズアップとか」

 

「馬鹿言うな、始めは骨組み作らなきゃ筋肉もつけられんだろ」

 

「M500、デザインどうするんだ?」

 

「鉄血のドラグーン参考にしようよ」

 

 

着々と開発が進んでいくAIとパワードスーツ。数時間後、AIの骨組みがある程度出来上がり、スーツもいざ組み立てだとなったところで、M500の一言で作業が止まった。

 

 

「そういえばテスターって誰がやるの?」

 

「「ジャベリン」」

 

「ジャベリン隊長が!?」

 

「りょーかい」

 

「ええっ!?」

 

 

また作業へと戻る三人。一人呆然とした弓部隊の隊員は、ジャベリンの幸運をただ祈るばかりであった。





ネタが詰まったら武器庫を使えばいいのでは(迷推理)
もし需要があればまた番外編で取り扱っていきます。

さてここで登場人物紹介。


クレイモア

性癖暴露おねーさん。ヘリアンの影響で腐り始めた。最近は武器庫の人間で色々妄想するのが趣味になってる。

ツヴァイヘンダー

被害者その1。クレイモアを支える有能な副隊長。彼女の趣味については、作中でも言った通り人間らしくなったなとか思ってる程度。最近DIYに嵌まった。

ムラマサ

被害者その2。一応剣部隊の古参。クレイモアの趣味に対しては後で似顔絵描いてもらおうかなとか思ってる程度。最近は戦場と会社での性格の落差が酷いので他の隊員から薬物キメてる疑惑が出てる。




スリンガー

既婚者おじさん。どうやら過去に“別の肉体”だったウェルロッドに惚れていた模様。でも相手は人形という認識だったので諦めた。最近娘にコーヒー臭いとか言われて凹んだ。

ウェルロッド

変わった過去持ちが判明した子。昔のスリンガーの事を知っていたようだ。彼女は何度も体を変えて自身を高性能化させていたようで、実質20年は生きてる。最近はロシアンティーに嵌まった。



整備士's

大体武器庫の作業場で何か作ってる二人組。整備士なのかこいつらとか言ったら負け。彼らのアイデアは留まることを知らずに日々多くのものが作られてはボツにされてる。最近社長に怒られて自粛中。

M500

整備士'sに毒された戦術人形。彼女も何か作るのは好きであるのでいつの間にか整備士たちの所へ入り浸るようになった。最近は鎚部隊の『LWMMG』を此方に引き込もうと画策中。

拉致された弓部隊隊員

コードネーム≪クロスボウ≫。皆からクロウとか呼ばれてる、整備士'sに拉致された被害者。最近はクレー射撃に嵌まった。


何だか最近Twitterのアカウントがss関係者に見つかったりしてるのでここにID置いときます。妄想垂れ流しアカウントです。 @samasiyu


6/10 言い回しを修正

武器庫の隊員達の日常

  • ええんやで
  • それより本編や!

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