そして120000UA突破有難うございます。ここまで来たらもう行くところまで行ってやりますよ。
さて、ジャベリンくんまたもや窮地。だが今は副隊長のスピアくんもいます。だからまあ、どうにかなる。それではどーぞ。
「……リン!ジャベリン!!!」
…………誰かの怒鳴り声が聞こえる。体を動かそうにも動けない。どうやら引き摺られているようだ。ぼやけた視界を眺めていると、俺の体に何かが打ち込まれた。
突然俺の視界が一気に開ける。目の前には必死の形相をしたスピアの顔と、少し遠くに鉄血人形の集団が見えた。俺は直ぐ様意識を覚醒させた。
「だぁっ!スピア現状報告!!!」
「現在敵がこちらに前進中!!数は20以上!!そしてお前に止血処置して鎮痛剤を打った!!!」
「了解!!!愛してるぜ副隊長!!!」
鎮痛剤のお陰で今は微かな鈍痛だけで済んでいる腹を抑え、俺は立ち上がる。あまり傷は見ないでおこう、多分パニックになる。銃弾が飛んでくる中で俺は前を見据える。そこにはスピアが言った通り鉄血の集団が居り、その奥には侵入者が見えた。
俺は担いでいたレールガンを構えて、上部にあるレバーを引き給弾口へ弾を装填する。弾種は急いでいて分かったもんじゃない。そしてレールガンを構え集団に向けて撃ち放った。
数瞬、鉄血の集団を中心に大爆発が起きた。どうやら俺が撃ったのは榴弾だったらしい。パラパラと土煙が舞う中で、俺たちは警戒しながら後ろへ後退していく。微かながら他の足音が聞こえてくるのだ。敵は確実に近付いて来ている。
俺はまたレールガンに弾を装填しておいた。今度は通常弾だ。
土煙の中から人影が見えた。
「あぁ全く、折角の人形たちが皆やられてしまったわ。本当に、シナリオとは予想外の事をしてくれるわね、ジャベリン?」
「侵入者……!」
人影の正体は侵入者だ。彼女は飄々とした顔でこちらへ歩み寄ってくる。俺たちが銃を構えようとも焦ることもなく、寧ろ楽しそうな笑みさえも浮かべていた。
「だからこそ楽しいのだけれどね」
「お前……何しに来たんだ? 俺たちを追いかけたって何も得るものなんてないぞ」
「あら、そんなの分かりきってるけど?」
侵入者はこちらへ笑いかけてくる。やはりこいつもリフィトーフェンの置き土産を貰っているのだろう、狂気的なぐらい楽しそうだ。
「こっちの方が面白そうだからよ」
「……」
「それに、元々の計画は進行済み。今頃大変なことにでもなってるのではないかしら?」
うふふ、と笑う侵入者。
元々の計画……? いやそれよりも目の前のこのあんちくしょうをどうにかしないと俺もスピアも危ない。
彼女は電子戦に強いとはいえ持っている武装が武装だ。デッドウェイトがあるがミニガンを持っている。あれを撃たれたらひとたまりもない……また恐らくだが義眼の認識阻害も無効化されてしまってるだろう。現に見つかって撃たれた訳だし。
「……っ」
少し、腹部の痛みが強くなってきた。思わず患部を押さえる。どうにも鎮痛剤が切れ始めたようだ。
「……スピア、鎮痛剤は?」
「あと二本だ」
「出せるか?」
「この状況で?」
そうだったな畜生。痛すぎて冷静じゃなかったな。
改めて侵入者をにらむ。彼女は俺が腹を押さえている様子を見て笑みを深めていた。コイツはどうしてこんなに楽しそうなんだ……この状況を楽しんでるとかまるで剣部隊の奴らみたいだ。
「あ、面白いものでも見せてあげましょうか?」
「何を言って……っ!?」
侵入者が銃を下ろし、笑いかけてきた。瞬間、俺の義眼が熱くなり、思わず手で押さえた。
それに驚いたスピアが俺に駆け寄ってくる。
「ジャベリン!?」
「ガアッ……侵入者、てめぇ……」
「ご安心を。ちょっと貴方の義眼に侵入させて貰っただけですもの」
「クソッ!!」
「おっとスピアさん、変な真似なんてしたら……ジャベリンはどうなるんでしょうねぇ?」
スピアが歯噛みをしている。あぁいやそれどころじゃない。
熱い。
俺の義眼に沢山の映像が流れ込んできた。多分これは鉄血人形のやつだろう。何処かの拠点らしき所を襲撃中のようで、多数のグリフィン所属の人形がこちらに向かって撃ってきている。その人形の集団の中にはM4やSOP、そしてMP5とG36、いやローゼか。その二人に守られるように指揮をしているお嬢がいた。
視界が暗転した。気がつけば先程の戦場ではなく、俺とスピアと侵入者がいるだけの場所に戻っていた。
俺はご満悦な侵入者に対して舌打ちをする。
「……お前、本っ当にいい性格してやがるな」
「お気に召して何よりです。あぁ、本当に貴方は色々な表情を見せてくれるわね、まるで葛藤する物語の主人公のよう」
何処までも愉悦に満ちた顔をする侵入者。俺はスピアに鎮痛剤を出すように指示を出す。一瞬彼は大丈夫かとこちらに視線を投げ掛けてきたが、俺はそんな事お構いなしに強く命令を出した。
どうせ侵入者は手を出してこない。それだけは分かる。何故か分かる。さっきのセリフで予想できるのは……コイツは多分演じてるんだ。悪役としての自分を、まるでヒーローが変身するときに律儀に待つような悪役を。
「何なんだよ本当……ほら、鎮痛剤」
「助かる……っふぅ」
「準備は出来ましたか、両名?」
俺が鎮痛剤を打ったと同時に彼女が銃を構えた。
俺たちも続いて構える。侵入者はにっこりとまた笑った。こいつ笑いすぎだろ。
「倒れるのはどっちでしょうねぇ? うふふ……」
「ほざいてろ性悪め」
「あら手厳しい、けど口の悪いヒーローも良いわね」
今度はくひひ、と笑う侵入者。スピアはそれに若干引きぎみだ。
……締まらねぇなぁ。
「ジャベリン……こいつ変態だろ」
「知らんわ。スピア、援護頼んだぞ」
「了解」
ちょっとだけ緩んだが、侵入者との戦闘が再開する。
早速襲いかかってくる銃弾の嵐、俺とスピアは物陰へ隠れて様子を伺う。
暫くして嵐が止んだ後に、俺はレールガンを、彼女へと撃ち放った。
絶対にコイツをぶっ殺して、お嬢たちのところに戻らなければ。
前線指揮拠点にて。。。。
「MG隊は制圧射撃を続けて!!!RF、AR隊は確実に敵を倒して!!!SMG隊は敵のヘイトをありったけ集めて!!!そして……盾部隊だっけ?ええい!とりあえず人形たちの援護して!!!」
何て事だ、まさか鉄血の軍団がこちらにやってきているのを察知出来なかったとは。捜索隊を出す前に襲われた。今は何とか持ちこたえてるけども、それが何時まで持つのかはわからない。だがここを放棄するのも得策でもないだろう。数が多すぎるのだ。あちらは一大隊ほどの数で来ている。何処に隠れてたのか不思議なくらいだ。
『お嬢ちゃん不味いぞ!ジャガーの集団も来やがった!!』
「はぁ!?RF隊!!動ける人は早くそっちの処理に向かって!!」
前衛に居るクロスボウさんからそんな連絡が入ってくる。
更に大変なことになった。あの迫撃砲を引っ張ってくるなんて……余程こちらを落としたいらしい。
『不味い!!奴ら撃ってきやがった!!お嬢ちゃん逃げろ!!!』
えっ