249日目 晴
昨日の詳細を語ろう。リフィトーフェンが足早に帰っていって数分後、いきなりグリフィンの戦術人形達が突入してきたのだ。俺とポチは何事かと思っていたらターゲットをロストだの病室の人間は無事だのと誰かと通信したかと思いきやすぐに外へ出ていった。
俺は何だったんだろうかとポチと話していたら、今度は複数の護衛を連れたヘリアントスさんがやって来た。俺は随分と大仰なお見舞いですねぇ、と皮肉気味にヘリアントスさんへと声を掛けたのだが、今はそれどころじゃないと怒られた。まあ仕方なし。
気を取り直して何があったのか彼女に聞いてみたら、「貴様には関係無いことだ」と返された。
確かにそうだったな、けど気になるんだよなぁ……。
俺はそう思いながらトンプソン経由で聞いてみようと心に決めておいた。
とはいえ俺も一応リフィトーフェンと接触したということで事情聴取はされた。ちゃんと包み隠さず言ったよ俺は。義眼の事は誤魔化したけど。ヘリアントスさんに話したら絶対ペルシカリアにバレるだろうし……。
まあこういうわけでリフィトーフェンが指名手配されているってことが分かってしまった。アイツの帰り際のセリフから鑑みるに絶対また来るのは確定なんだが面倒な事は持ってこないよな……?
250日目 晴
今日は何もない1日だった。誰かがお見舞いに来てくれた訳でもなく、トラブルが起きてしまった訳でもない。ちょっとだけ暇なこの昼下がりには紅茶を一杯飲んでいたいのだけれども生憎とティーカップも茶葉も何もない。唯一飲めるのはコップに入った水だけだ。あとは時間通りにやってくる健康的な食事と冷蔵庫の中にある果物があるぐらいか。
なんとなく蜜柑を食べながらポチと話していても、何かしらのイベントも起きることが無かった。オイゲンさんが何時もより丁寧に検査してくれたぐらいか……。
嵐の前の静けさとは言うが、何もないと良いもんだ。
251日目 曇
やあジャベリンだ。今日はどんよりとした雲を眺めながらポチと談笑して過ごしてたんだけどあまり気分が晴れないね。やはり天気というのは晴れ渡った青空を眺めるか、雨粒が植物に当たって跳ねる様(あまり見ることは出来ない光景だが)を眺めるのが一番良いと思うんだ。
いっそのこと外に出たい。今なら何もかも平気な気がする。
面倒臭い野郎三人組が居るからな!!!お前らのことだぞ社長リフィトーフェンジャガーソンさん!!!
後でクルーガー社長も来るの!?はぁっ!?
251日目 続き つらい
部屋の中がむさ苦しい。野郎五人も居るからな。何が悲しくて筋肉ムキムキのおっさん二人と痩せてるけど生命力凄そうなおっさん二人に囲まれてなきゃならんのだ……。
それとグリフィンに指名手配されている筈のリフィトーフェンがクルーガー社長と仲良く談笑してるのが大いに解せない。というかクルーガー社長が珍しく私服で来てるもんだからとっても驚いた。
しかし暑苦しい。ポチは避難するようにベッドの下に逃げてるしなんだこれは……右を向けば筋肉、左を向けば筋肉。なんで社長とクルーガー社長が俺を挟んでるんですかね。筋肉祭りだよこの野郎。そしてジャガーソンさん、その後ろに置いている大量の農機具とかは何ですか。リフィトーフェン監修のハイテク農具? 要らないです。リフィトーフェン本当にこいつ自由にやってやがるなオイコラ。
一先ずクルーガー社長になんでリフィトーフェンを捕まえないのか聞いたのだが、クルーガー社長は悪い顔をしながら
「私は今オフだ。ただ昔の知り合いと再会しただけでありそいつが指名手配されていることなんて知らんよ」
と言った。
正直に言ってこの人よく社長やってられるな……バレたら怖いぞ……。
そして社長は社長で物凄い速度でリンゴを剥いては食べてるしアンタお見舞いに来たんじゃないかと問い詰めたいところだが直ぐにジャガーソンさんと話し始めたもんでそんなことは出来なかった。
結局このむさ苦しい空間は五時間ぐらい続いたし、その上オイゲンさんが何とも言えないような微妙な顔をして検査をしてくれた。
で……この野郎共は帰るのかと思ったら、まだここに居るつもりらしく、寝袋もご丁寧に用意をしていた。頼むからお前らどっかでテント張ってやっててくれ。
頼むから……おっさんに囲まれるのは……勘弁してくれ……!!
やっぱりやって来ちゃうんですよこいつら……たまたま休日が重なったからってさ、集まって部下のお見舞いに行っちゃうんだよな……ノリが男友達なのよ……というかそういうノリが書きたくなっただけなんや……許して。
とまぁほのぼの(?)なお話でした。
なんかクルーガーさんお茶目なところ似合いそうですよねぇ……。
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