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今日は『HK416』として生まれた私の初任務だ。
上官曰く、どこの誰も管理をしていない空白地帯で何らかの不穏な動きが察知されたため、それの原因調査とのこと。
今までは実戦に出させて貰えず、いつも模擬戦闘ばかりでうんざりとしていたが、今回こそ、正真正銘の実戦なのだ。偵察任務であっても関係ない、実戦であることに意味があるのだ。
そして、これは私だけに課せられた任務。ついに私は認められる機会を得た。あの憎き奴らとは一線を画す人形であることを、そして、奴らよりも遥かに優秀であることをこの任務をもって皆に証明してやろう。
だが、この任務では最近グリフィンと業務提携をした『武器庫』というPMCから一人の人間が派遣されてくるらしい。
まったく忌々しい。
私は完璧なのだ。一人でもこの任務はやれるはずなんだ。
もしその人間が私の足を引っ張るようなら、助けを求めようともすぐに見捨ててやるとしよう。
そのいち
45日目 曇
今日は会社に駐在してるガンスミスに武器の整備をして貰った。今回の任務に持っていくのは『HK417』だ。会社の倉庫を整理していたらたまたま見つけたので持っていくことにしたのだ。状態は良いようで、整備自体はすぐに終わり、今度はアタッチメントを幾つかつける。
偵察任務なのでそこまで拘る必要も無いため、適当に選んで取り付けておいた。
何故かガンスミスの奴からお守り代わりにMP5Kを渡された。
いや、荷物重くなるから止めろよ。……とは思ったものの、折角の厚意を無下にも出来ず、渋々受け取ってしまった。彼なりの心配なんだろうと自分に言い聞かせるが、どこか腑に落ちない。
46日目 晴
現在輸送ヘリの中に居る。装備を確認しながら今これを書いてる。それと、今回の任務ではポチを連れてきた。見張りに使えるからな。そのポチは未だに慣れてないのか忙しなく動き回ってる。ちょっと不安だし膝に乗せておくか。
今向かっているのはどこのPMCや国も管理をしていない空白地帯だ。あそこは確か人が住むには十分綺麗だったはずなんだが、なんでどこのPMCにも所属していないんだろうな。ましてや国にさえも管理されていない。まぁ恐らくそれだけ僻地で何のうまみもない土地なんだろう。ただ、案外多くの業者やPMCがそこを輸送路として利用するらしく、車両の往来は多い。だからそんな場所で不穏な動き、もとい何者かの企みを察知したからこそ俺が派遣される訳か。……これ偵察というか調査任務じゃないかな。
最近は一定の場所に留まらない無法者集団も現れ始めてたりするし、そんな輩があの空白地帯に居たりするのかもな。出来る限りなら交戦は控えたいものだ、グリフィンから一人来るとはいっても交戦相手はもしかしたら集団かもしれないしな。
……だけどなぁ、社長からはもしもの時には迷わず撃てなんて言われてるし、その時に備えて覚悟しておいたほうが良さそうだ。
そういえば、グリフィンから来る人形って誰なんだろうか?出来る限りなら話しかけやすい奴であってほしい。この前出会ったトンプソンとか。彼女とはまたゆっくりと話をしたい。
そろそろ現地へ着くらしい。筆を止めて外を見てみれば、大きく開いた平野が視界いっぱいに広がった。ここで西部劇でも撮れそうだ。
47日目 晴
グリフィンの人形と無事合流した。コードネームを「ジェロニモ」といい、生糸のような綺麗な銀髪で、冷静そうな瞳、そして左目に赤い涙のタトゥーをいれている少女だった。何故タトゥーをいれているのかは不明だが、恐らく彼女の趣味なんだろう。そして異常に短いスカートだって彼女の趣味なのだろう。……趣味なのだろう。
歩く度にパンツがちらついてんだけど……。
ともかく、彼女はHK416を所持しており、恐らく『HK416』というのが本来の名前だと予想できる。それを名乗らないあたり、プロ意識がしっかりとしている。もう少し俺を信用してほしかったのだが。
でも、彼女が俺のHK417を見て少し驚いたような顔をしたあとに微笑んで「いいセンスね」と言われたので、多少は信用されたと思える。
「これ適当に選んだやつ」なんて言えるわけなかった。
この後ポチが足元に寄っていった瞬間、彼女は驚いて銃をポチに撃ってしまった。幸い、ポチは無傷だったが彼女を落ち着かせるのに暫く時間がかかった。
今はジェロニモと一緒に近くの丘に登って簡易的な地図を作成している。彼女の仕事ぶりは真面目一辺倒で簡易的な地図を作ればいいのに凄く精密なものを作っている。もう少し簡単でいいんだぞ、なんて言っても「もう少しで終わるから待って」って聞く耳を持たない。仕方ない、彼女が書き終わるまで待つしかないようだ。
……彼女、戦場は初めてなんだろうか?書き終わったらちょっと色々教えてみるか。
48日目 曇
翌日、ジェロニモに色々質問をしたが、予想通り彼女にとってこれが初任務らしい。一体誰なんだ優秀な人形が来るって言ったのは。社長だったな。彼の頭皮に除毛剤をかけてやろう。
流石に彼女の今の状況だと不味かったため、偵察をポチに任せて彼女に講釈を垂れておいた。基本のいろはは分かっていたらしく、それをどう実行したら有効かを教えたらだいたいどうにかなった。
正直、戦術人形というのは飲み込みが早い。演算機能だとか、そういうのが関係しているのだろうが、俺が何日もかけて覚えたことをいとも容易く覚えた。俺は嫉妬を覚えた。
丁度ポチから信号が来たが、オールグリーンでとくにめぼしいものはなかったようだ。明日は雨が降るらしいが酸性雨ではないのでそのまま活動する。
感想……感想をくれぇ……(乞食)
でも、ものの一週間で4000UA、お気に入り100件越えは嬉しすぎる。
というか前書きの416のやつ、ちゃんと未熟なHK416を描けてるか心配。自信はあるけどネ!!!
感想、評価は心の支えと執筆の励みとなるのでどんどんお願いします。それではグッバイ!