傭兵日記   作:サマシュ

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416「……ジャベリンがブートキャンプに行ってしまったわ」

416「こっちはあの一件以来仕事ずくめでだったから会えなかった訳だけど」

416「…………」

…………

416「45、少し休暇を貰いたいのだけれど」

45「貴女が? 珍しいわね、何か変なものでも食べたのかしら」

416「うっさいわよ。完璧なポテンシャルを発揮するには適度な休息も必要なんだから」

45「ふぅん?」

416「……何よ」

45「何でも。まぁ、暫く私達も休むつもりだったから、貴女も好きにしてちょうだい」

416「了解」













45「…はぁ、ジャベリンも難儀なものね。私も会いに行こうかしら?」


傭兵、療養だってよ。そのいち

270日目 曇

 

腹部の傷が動いても問題ない程度にまで治り、俺の気持ちもそれなりに落ち着いてきた。

 

ブートキャンプの始まりだ。いやはや……正直、このブートキャンプは俺が入社した時以来一度もやったことがない……いやパイクとパルチザンの訓練でやったな。あの時の俺は体力も万全だったので何の気兼ねなくノリで参加出来たが……今は違う。

 

何せ1ヶ月寝たきりだ。体力なんて当の昔に落ちてる。だがそれを加味してトレーニング内容を軽くするほど武器庫は優しくない、なんだよ基礎体力をつけるために10kgの重り担いでフルマラソンとか。正気の沙汰じゃねぇって、もう少し医学的根拠を基にしやがれ。だけどこれで体力つくからマジで訳がわからない。出される食べ物に何か含まれてる疑いがある。

 

それとな、俺にとって一番訳がわからないことがある。このブートキャンプ、ジャガーソン農園協賛のもと、グリフィンも参加してるんだよね。

 

これはなにかのぼうりゃくをかんじる……。

 

ポチたすけて。

 

 

 

 

 

 

 

271日目 雨

 

人生楽ありゃ苦もあるさ、という言葉がある。そんな言葉を考えた人間には感謝を送りたいもんだ。ちょっと口ずさむだけで何となく楽になるからな。なんでこんなことを言うのかって言ったら、俺は今日ずいぶんと苦しかったということだ。

というのもね、俺が一人でストレッチしてたときに突然416がやって来たのだ。ご丁寧に運動用の服に着替えて。なんでここに来たのかっていったらそりゃグリフィンとの合同でもあるからだ。彼女も何処かの基地に所属していたのだろう。

 

あぁ、一つ言っておこう、416という人形はあの分厚そうな服の上から分かるぐらいにはグラマラスな体型をしている。そんな彼女がピッチリとした服を着てしまえばどうなると思う?

 

答えは俺が死ぬ。やはり俺も男な訳だ、チラチラと見てしまうし下半身的な方で反応しちまうんだよ。目に毒だよ!!

しかもだ、こいつ俺の柔軟運動の時に凄く密着してきたのだ、彼女のたわわなメロンが俺の背中にむにっと……普段の俺であるのなら何とか耐えきれたが今回ばかりは違う。俺は1ヶ月禁欲生活だったのだ、睡眠、食はともかく性欲が溜まりに溜まってて大変なのだ。だから彼女のそれが背中に当たった時は……まぁそれはいい。俺は彼女に当たってると伝えた、だけど416の奴、

 

「当ててるのよ」

 

って言い放ちやがった。確信犯とかやべーよ。

 

この場はなんとか頭の中で銃器の組み立てをしまくって切り抜けたが……漫画で見かけるようなシーンは、実際にやられると疲れるという事を学べた。俺が女慣れしていないというのも有るのだろうが…取り敢えず今の今までが清らか(?)な男女交際を行っていた奴としては刺激が強すぎた。

 

という訳で、今日1日はずっと悶々と過ごす1日でした、まる。

 

心を落ち着かせる為にもオスカーのお腹を吸いたい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

272日目 晴

 

今日は筋肉トレーニング。インストラクターはクレイモア隊長と盾部隊隊長スクトゥムさんだ!

因みに阿鼻叫喚が広がってる。これ、グリフィンの比較的暇な指揮官達やら人形も参加してるんだが大体がぶっ倒れてる。やらせてることがえげつないんだようちの隊長格は。基礎的な筋トレから筋肉を限界まで負荷をかけた状態でやるものまで、それを休憩を挟みながら五時間ぶっ通し。正規軍でも自重するぞ。本当、よく病み上がりで頑張れたな俺。明日も明後日も有るようだからこの調子で頑張りたいもんだ。

 

この後、人形達が凄い頑張り始めたけど何があったんだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

277日目 雨

 

日記を書くのを忘れていた。まあ別段面白いことがあった訳じゃなく、ただ筋トレマラソン格闘訓練を行っていただけだからな。平和なのは良いことだ、うん。今日は雨なので平和に一人でテントを設営して雨音をBGMに紅茶を飲んでいる。トライデント、ランス、一旦自然保護区から帰って来たスピアが一緒だ。めっちゃ狭い。でも楽しい。久し振りに昔馴染みが揃ったのだ、一体何時ぶりか、取材の時以来だったかな?

 

ランスとトライデントは漫画を静かに読んでるし、スピアは穏やかな顔で紅茶を優雅に飲んでいる。昔の余裕に満ち溢れたスピアに戻ってきたな、ヨシヨシ。スピアを自然保護区に行かせて正解だったようだ。今のところ何の事件も起きていない。諜報部様々だ。ありがてぇ。

 

それはそうと、他の槍部隊隊員、パイクとパルチザンなんだが、あいつらは鎚部隊と整備士の奴等と何やらやっている。変なことをしなけりゃいいんだがね。時折パルチザンの高笑いが聞こえてきたりとかしてるけどまあ気のせいだ。取り敢えず目の前のスピアと紅茶を楽しもう。あとついでに漫画も読んでいこう。

 

これほどにまでない平和なんだ。いま噛み締めておかないとな。うん。

 

 

 

だから416、君も変にくっつかないで、ちょっと離れて紅茶飲もう??

 

 

 





ランス「ジャベリンって女難だよなぁ」

トライ「スピアも負けてないぞ?」

ランス「あいつのところは楽しそうだしいいじゃん?」

スピア「ランス、君は俺の辛さを分からないからそんな事が言えるんだ……う、胃が…」

トライ「ランス…お前な」

ランス「正直すまんかった」


ジャベ「ねぇ君ら助けてくれないの??」

416「意外と美味しいわね、貴方の紅茶」


槍部隊一同「「「お前はレベルが違うから」」」

ジャベ「えぇ……」








ドーモ、今月は普通に忙しいサマシュです。多分8月には通常通りのペースで行けますが、今月は厳しいです。
なので遅くなるけど許してね……。

この作品への感想及び評価は心の支えです。どうぞ、よろしくお願いします!それでは!

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