傭兵日記   作:サマシュ

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交流会(?)と大決戦(?)を抜けた翌日。
ジャベリンくんはお家に帰ります。はてさて彼を待つものとは……。







傭兵、整備だってよ。

 

310日目 曇

 

俺の部屋に突然整備士達がやって来て瞬く間に俺を拉致っていった。レールガンも携えて。

いきなりのことなもんだから驚いたけど、どうにも俺のレールガン……グングニルだっけか、正規軍の定期調査に引っ掛かった。

 

……武器庫ってのは結構特殊なPMCなんだ。本来は正規軍が担当すべき仕事を請け負っていたりする。E.L.I.Dの処理とかだな。

その任務には機密情報が勿論あったりするし、はたまた正規軍の装備を使わせてもらったりとまぁ下手したら癒着を疑われてしまう所もあったり。その疑惑を払拭する為か、時々思い出したかのように正規軍から調査官が派遣される。名目上は武器庫がPMCとしては過剰な火力を所持していないかどうかの調査らしい。

 

まぁつまりだ、その名目に引っ掛かっただけである。いや仕方ないよな。前に戦ったE.L.I.D…アントマンで使った弾も威力が可笑しかった。俺の記憶が正しかったら正規軍もあんなもの持ってない。

 

いや待て。何だかんだ言ってうち戦車とかジャベリンミサイル、ミニガン、20mm対空砲とかあるぞ。あれはセーフだったのか?

あ、レールガンがヤバすぎるのねクソッ!

 

ひとまず調査官からの提案によると、

 

・誰でも使えるようにする

 

・榴弾の殺傷有効範囲を三分の一に狭める

 

・レールガンの実戦データと設計図をこちらに譲る

 

ということになった。

整備士達が物凄く名残惜しそうにしていたがこればっかりは仕方がない。命令に背いたらすぐに正規軍がやってくるからな。

 

さぁ整備士達、お前たちは徹夜だ…………俺も?

 

あっテスター……マジかよ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

311日目 晴

 

眠い。寝かせて欲しい。

整備士達の作業に付き合わされるとは思っていなかった。今は眠い頭でこうやって日記を書いている。何してんだろうな俺は。

いつの間にか眠い頭でオスカー撫でては吸ってを繰り返しつつ一日を過ごしていた。俺は眠い。G11抱き枕にしてみるか……いや、けどそんな事を彼女は許すのだろうか? 最近俺が寝るときに彼女はベッドに入ってきてくれなくなってる。何でだろう。まさか反抗期か……? いやでも朝起きたら普通にベッドの中に居たし何でだろうか。

ちょっと気になったので俺は今日俺が寝てる間の彼女が何をしているのか観察しておこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

……G11が俺の寝顔の観察日記なんてつけてたんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

312日目 雨

 

G11、お前は一体何が起きたんだ。

 

そんな事を考えつつオスカーとポチとG11を連れて自宅へ帰って来た。帰宅中の車内では終始無言というか、俺が生返事しか出来なかったから個人的に気まずかった。

なぜ彼女は俺の寝顔を記録するなんてやったのだろうか……あれか、俺を食べるのか? そんな事はないか。

 

疑問が増えるばかりだったが、考えても埒が明かないのでもう考えるのを止めた。折角の休日なんだ。何もG11の趣味を追及する必要なんてひとつもないからな。

G11を家に帰した後は、とびきり甘いロイヤルミルクティーを飲みながらテレビでも見てボーッとしておこう。そして銃の整備もな。久方ぶりに弄りたくなったんだ。それに愛銃のSCARが泣いている。ちゃんと愛でるんだ。

 

あぁそうだ、AN-94やらAA-12もちゃんと手入れしてやらないと……。ちょっと大変だな。416達呼んだら来るだろうか? こう、指パッチンしてさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

実際にやったら

「ジャベリン、今日は暇……そうではないわね?」

って言いながら鍵を掛けてた筈の玄関から入ってきたんだけどこいつら絶対盗聴機仕掛けてやがるな? とことん手伝わせて合鍵没収して、こいつら帰ったら大掃除だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

313日目 晴

 

6つぐらい出てきた。ふざけんな。俺はあんたらに監視される筋合いはねーぞ。

 

そんな文句を垂れながら、久々にノートパソコンを開いて仕事のメールが来てないか確認する。すると、子守りの任務が入ってた。グリフィン本社の管理区域にある保育園……あったんだなそんなもの。それはともかく、そこの警備を任された。

というのも、そこの保育園はなにかとやんごとなき人々のお子様が通っているようで、最近脅迫状が来たらしい。ちょっと危ないからって俺が呼ばれた。何でだよ……人形で済む話じゃありそうなんだがな。あぁまさか依頼主が人形嫌いとか?

 

いや無駄な詮索はやめとこう。折角こうやって依頼されたんだ。ただの傭兵が仕事内容にとやかく言い過ぎるのも駄目だろうて。仕事は真面目にそつなくこなして、例えとんでもないことになろうとも仕事を完遂させる。

傭兵は信頼が大事だ。もしその信頼を損なうとなると武器庫自体に損害が出てしまう。ましてや今は人形が主流だ。いつシェアを奪われるか分かったもんじゃない人間様は細々と、真面目に、コツコツやっていくしかないんだよ。

 

一先ず任務に使う装備確認をするとしよう……相手を警戒させないためにもあまりガチガチの装備にするもんじゃないな。

とりあえずガバメントにUMP45ぐらいか。こいつらは威力もあって中々だし。後はポチつれて……防弾チョッキ服の下に着て……こんなものだろう。アレこれ不審者になってねぇか?大丈夫?

 

一回鏡を見てみたら着膨れしてるように見えたのだが……うん、ポチおめかししてバランス取ろうかな。そうしよう。

 





ポチは決意した。かの自分自身を愛する飼い主を諌めなければと。ポチは頭がよい。それこそそこらへんのダイナゲートよりかはだ。だからこそこの状況はどうにかしなければならないと確信した。ポチは今飼い主であるジャベリンに押さえ込まれて(抱っこされてるだけ)ナニカよくわからないものをつけられている。ジャベリンは満足げだ。それはよい。主人が喜ぶのが最上の幸せである。だが状況が状況だ。ポチはどうにかするしかなかった。だが何も出来なかった。ジャベリンがとんでもなく幸せそうだったからだ……。





ドーモサマシュです。今後は色々ネタがあるのでどうにかできそうですね……よろしくお願いいたします。

この作品への感想及び評価は心の支えです。どうぞ、よろしくお願いいたします!!それではまたこんど!

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