ウルトラマン との 戦争 作:しゅわっち大崎
過度な批判は勘弁。
遥か未来。
時代は変わり、新時代──スペース・イラが幕を開けた。
人類はついに宇宙へと進出し、生存圏や文明、科学力を大きく伸ばしていた。
──そして人類は、ウルトラマンと敵対していた。
かつてウルトラマンに救われた人類は、かつてウルトラマンに共に生きようと願われた人類は、その信頼と願いを裏切った。
自らの利益繁栄を求める余り、宇宙に混沌をもたらす存在へと成り果ててしまったのだ。
当然、始めはウルトラマンが人類の暴走を止めに入った。
今まで語りかけて来たように、人の善性を信じて説得を行った。
が、結果は大失敗に終わった。
止めに入ったウルトラマンが人間に殺されてしまったのだ。
当時仲裁に来たウルトラマンは、始まりのウルトラマン──かの初代ウルトラマンだったのだが、その彼を以てしても一度は殺される事態に陥ってしまった。
人類は強くなった。
ウルトラマンすら殺せるほどに。
では、人類はウルトラマンを殺害せしめる為に、どのような手法を用いたのか?
──人類は、光の巨人と化した。
元々、人間とウルトラマンは近しい種族だった事もあり、親和性が非常に高かった。
ウルトラマンが何度も人間と同化していた事からも、それはよく窺えるだろう。
それに注目した人類は、人為的にウルトラマンと同化、ないしはウルトラマンそのものと化す研究に取りかかっていた。
そして結果として、人類は『光の巨人になれる』技術を完成させた。
光の巨人、それは魅力的な力だ。
自在に操れれば、宇宙人や怪獣達と互角以上に渡り合えるだろう。身を守れるだろう。
その力は、人類を守る為の組織《人類防衛軍》に組み込まれた。
そんな消極的かつ守る為の思いは、いつしか力に歪んでしまった。
究極的な目的としては、『人類の存続及び繁栄』。これは一貫して変わらない。
力の魔力に溺れてしまったのは、その為の手段だ。
本来、光の巨人の力は自衛の為に使われるはずだった。
それが気づけば、『存続と繁栄』の為に資源を他星人から奪う行為や、人類にとって潜在的な危険を持つ宇宙人を積極的な殲滅の手段として用いられていた。
この時点で、人類防衛軍とは名ばかりの侵略軍と成り下がっていた。
そしてそれが顕著になりだした頃に初代ウルトラマンが介入してきた、という流れになる。
が、人類はウルトラマンの言葉に耳を貸さなかった。
それどころか、人類の繁栄を阻止する敵として認識してしまった。
そうして、人類は光の巨人の力で以て、ウルトラマンを殺したのだ。
……愚かな事だ。
一度殺された初代ウルトラマンは、光の国で蘇った後に人類の現状を宇宙警備隊の面々に報告。
色々と議論や葛藤はあったが、最終的には、人間を『悪性宇宙人』として対応する事に決まったのだった。
──新時代、スペース・イラ。
それは、人間(人類防衛軍)とウルトラマン(宇宙警備隊)の戦争の時代である。
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暴走する人類だが、当然ながら一枚岩という訳ではない。
権力を握っている者達こそ暴虐を尽くしているが、それを快く思わない善なる人間も多くいた。
人類防衛軍に所属する青年、清津 正俊(きよつ まさとし)も、その一人である。
「人類防衛軍……遂に僕も、人を守る人間になれたんだ」
清津 正俊は、石像の巨人を見上げ、胸の前で拳を握る。
「──僕も、ウルトラマンだ」
白に染められた真新しき制服は、まだ、汚れひとつない。