無事に転生は終了したか……。
地獄で霊体のまま時を忘れる程長い時間善行を積み続けた甲斐があったな。
肉体がある事がここまで素晴らしいなんて……。
もう前世でどのような罪を犯したかも忘れてしまった。
閻魔のクソジジイは善行を積み続けた俺に転生と言う処置を施した。
ジジイに聞いた話しだとどうやら生前の俺は幼少期から虐待を受けた事で精神が狂って殺人鬼のサイコパスになっていたらしい。
閻魔のジジイが精神異常を治したおかげで今の俺が居るって事だ。
その事は感謝してやろう。
さて、閻魔に聞いた話しだと、この世界はマグル界と魔法
界ってので別れてるんだっけ?
で、魔法が使えるのが魔法族、だが稀にマグルからも魔法使いが生まれる……と……。
そして、どうやら私は捨て子らしいな……。
目を開けると、雪の降る寒い森の中で、転生したばかりの小さな身体が毛布に包まれ、籠の中に入っている。
ああ、転生したばかりなのにこんな所でまた死ぬのかなぁ……善行も悪行もして無いし、今度はどんな目に遭うんだろうか……。
そして、私が睡魔に負けて朦朧とした意識が落ちる直前、黒い人影が写った気がした。
◆
暖かい……ここは……どこだろうか……。
パチパチと暖炉の薪が燃える心地良い音が聞こえる。
私は目を開けると、目つきの悪い金髪の男が、椅子に座って寝ているのが見える。
ふむ、ここは一つ赤子の真似事でもするかな……。
試しにおぎゃあおぎゃあと声を上げてみると、金髪の男は目が覚めたのか、立ち上がり、何かを呼ぶ。
すると、ゴブリンの様な小人が現れ、私をあやそうとオドオドしている。
なんとなく、胸が暖かくなるような感覚がした。
◆
あれから5年が経った。
どうやら私を拾った目つきの悪い男は、ゲラート・グリンデルバルドと言うらしい。
で、私をあやそうとオドオドしていた小人が、屋敷しもべ妖精のスウィズ。
3歳の頃の私は舌足らずにスイズと呼んでいた。
そして、私はゲラート・グリンデルバルドの事を父上と呼んでいる。
何故かって?そりゃあ、どんな理由があろうと、一度は私を捨てた両親よりも、拾ってくれた父上の方が自分は恩を感じているからだ。
そして、今日から父上が魔法を教えてくれると言っていた。
私はどうやら、精霊の血を4分の1程引いているらしく、魔力が常人より多く、魔力が目で見えたり、鼻で臭いを感じたり等できるらしい。
父上は出かける事が多く、偶にやつれた様子で帰宅してくる事もある。
どうやら、魔法について一から十まで教えてくれるのでは無く、書斎への立ち入りを許可され、基本的にスウィズから習うようにと言われた。
まあ、父上も忙しいのであろう……。
◆
あれから更に5年が経った。
………父さんが捕まった。
父さんがライバルだと言っていたダンブルドアとの決闘に負けて、地下深くの監獄に閉じ込められたらしい。
ある日、魔法省の闇祓いと名乗る人間がこの家に押しかけてきた。
父さんやスウィズとの思い出の物が壊され、漁られ、書斎の本も全てが奪われた。
杖を向けられる10歳の俺の前にスウィズは守るように闇祓いに立ち向かった。
私は思い出が壊されて行くのに唖然として動けなかった。
ふとスウィズに目を向けると闇祓いの魔法にスウィズが吹き飛ばされ、切り裂かれ、そしてスウィズは動かなくなった。
スウィズが死んだと認識した瞬間、私の胸の中なドス黒いモノに支配される。
気付いたら
俺は、スウィズの死体と残っている思い出の品、そして、父さんがニワトコの杖を使っていると言う理由で使われなくなっていた杖を持ち去り、絶望してすり減ったギリギリの精神力を振り絞って、数年前父上に連れて行ってもらったゴドリックの谷にある小さな教会に姿くらましをして、教会に辿り着いたのを最後に、俺の意識は途切れた。
いやぁ、一体ホグワーツでどんな試練が待ちわびてるんだろ〜。
因みに、メインタイトルのシャルル・エバンスに関しては次話でわかる筈です。