一般人・イン・フロントライン   作:全緑小隊

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展開に悩んでいたら少々遅くなりました。
あとコア欲しさに新人形ピックアップの時にガン回ししたらコア200と引き換えに人力と弾薬が六桁消し飛びました。
GWイベントで妖精ピックアップありそうなのに何やってんの俺……皆さんご利用は計画的に(白目)


一般人・イン・フロントライン・サドゥンリィ14

「っと、人形達は……うわ普通にいたし!?」

 

廃墟から飛び出した青年が即座に周囲に目を向けると、先程まで交戦していた鉄血人形達は廃墟からやや離れた場所に集まって各々違う方向を監視しているように見えた。分散して辺りを確認している訳ではないのだろう、数は九体から増減していない。先程撃破された一体も倒れた姿そのままで放置されている。

 

「周りは……っし、いねぇ」

 

最早青年の事を脅威外と認識しているのか、どの個体も廃墟に視線を向けている者はいなかった。念のため辺りを確認して他の人形がいない事を確信した青年は、先程準備した盾を地面へと突き立てる。

 

『……!』

 

そこで初めて青年が外に出てきた事を認識したのか、人形の一体が青年の方に顔を向ける。それと同時に他の人形達も一斉に青年の方向を向くと同じタイミングで走り出した。

 

「通信かなんかでやりとりしてんのか、ありゃ……っと、片手は銃身後部を押さえて、だったな」

 

だが、先程の戦いとは違い、青年に恐怖や畏れの念が湧いてくる事はなかった。冷静さの感じられる声で呟くと、盾の高さに合わせてやや屈み、膝を立てて地面へと付ける。銃身を盾の上部へと乗せ、少女の教え通りに銃を構えると、青年は狙いを一番手前にいるサングラスの人形へとつけた。右手の人差し指が、引き金へと触れる。

 

 

 

「準備は、オーケー……いっけええぇぇぇ!!」

 

そして、その引き金を引き絞った。

途端に銃口からは何発もの弾丸が吐き出され、銃口の先にいた人形へと突き刺さる。銃身からは次々と空薬莢が飛び出し、M110とは比べ物にならない程の振動、轟音が青年へと伝わる。

青年は慌てて引き金から指を離すが、既に何発もの弾丸の連射を貰った人形の腕は千切れ、サングラスは砕け散り、胸部はグシャグシャになり液体と肉片、そしてパーツを撒き散らしていた。そしてその勢いのまま後ろに吹き飛ばされ、後方にいた人形を何体か巻き込んでくずおれた。

 

「……す、すっげえ威力だなおい。これ、機関銃か何かか?」

 

予想以上の破壊力に一瞬呆けるが、直ぐ様青年は次の標的へと狙いを定める。何体か地面へ倒れはしたものの、撃破出来たのは前面で肉盾となった一体のみですぐさま起き上がり再度駆け出す。

 

「けど、こいつなら!」

 

続けて青年は数体が固まって接近してきた辺りへと弾丸を叩き込む。サングラスの人形もヘルメットの人形も、圧倒的な破壊力の前に物言わぬ残骸となりその身を地へ崩していく。その様は、僅か何分も前に重厚な装甲鎧を纏った青年を追い詰めていた様相からは決して想像のつかないものであった。

そこでようやく青年の新たな武器が先程の銃(M110)とは違うとんでもない威力である事に気付いたのだろう、残った五体程の人形達はバラけて接近を仕掛ける。

 

「うわやっべ……だけど、これくらいの数なら」

 

銃を構え直すと、青年は右前方から距離を詰めてきていた人形を撃破し、そのまま銃口の向きを少しずつ左へと変えていく。一気に掃射された人形達は成す統べなく、あるものはその場に崩れ落ちあるものは後ろへ吹き飛ぶ。そしてあるものは、威力に耐えきれずその場で砕け散った。

 

「おっふ、なんかこの銃の爽快感、癖になりそーだな……お?」

 

と、そこで青年の射撃が止まる。弾が切れたのだと何となく気付いた彼は、慌てる事なくその場にしゃがみこむと銃下部の箱を取り外し、少女から受け取った替えの弾倉をポケットから取り出す。初めての交換作業ではあったが戸惑う事もなく取り付けを終え、銃身横のレバーを引いて装填を完了させた。

 

 

「よっこらせと……生き残ってんのは、あいつか」

 

盾の影から様子を確認すると、脚部のみを破壊されたと思しきサングラスの人形のみが一体、身体を起こそうともがいていた。他の人形は完全に機能を停止したのだろう、ピクリとも身動きをしなかった。

 

「なんか、トドメを刺すようであんまり良い気はしないけどさ」

 

少し表情を歪めながらも、青年は照準をその動いている人形へと向ける。

 

「あんたが逃げようとしてんのか、まだ俺を攻撃しようとしてんのか、それとも仲間に助けを求めようとしてんのか、俺には分からねーけど……悪いな。これで、終わりだ!」

 

そして、改めて引き金を引き、最後の一体を撃ち倒す。完全に人形の動きが止まった事を確認してから、青年は銃を地面に置いてヘルメットを外し息をつく。

 

「ふぅー、これで何とかなったか?……さて、と」

 

辺りに気を配りつつ、青年は先程まで自分がいた廃墟へと戻る。そして、少女の元へと駆け寄ると、すぐ側へと膝をつく。

 

「ありがとな。あの機関銃、本当に凄かったよ。簡単に人形達を蹴散らせてみせたぞ。役立たずだなんてとんでもねぇ、あのクソッタレ指揮官は君を見る目が無かったんだ。さて、失礼するぞ……っとと、その前に」

 

青年は少女の近くで散らばっている装甲板の辺りに視線を向ける。そのすぐ側に、一本の小型の水筒にも似た物体が転がっていた。先程彼がパワードスーツから装甲を外した際に、一緒に外れた物だった。青年はそれを拾い上げ、ポケットへと突っ込んだ。

 

「念のため、持っていった方が良いよな。まだ何があるか分からんし。さて、よっ……と」

 

そして少女に断りをいれると、青年は少女の膝下と背中に腕を差し込み、ゆっくりと持ち上げる。所謂『お姫様抱っこ』で抱え上げた青年はそのまま外へと歩いていく。そうして廃墟の外へと出たところで、思い出したように青年は口を開いた。

 

「んー、いくらなんでも流石にこの子の銃を置いていく訳にはいかないよな……使い捨てな訳ねーし、そもそも申し訳が立たん」

 

そう呟くと、踵を返して青年は銃を置いた場所へと向かう。程無くして辿り着くと一旦少女を慎重に銃の横へと降ろし、少女と銃、そしてその側で立たせたままの盾へと視線を交互に向ける。

 

 

「うーん……この子を背負って、銃を抱えると流石に盾まで持っていくのは厳しいな。ここに置いていくしかないか、この盾の防御性能は凄かったから正直惜しいけど。ヘルメットも、これだけ被って移動してたら変質者扱い待ったなしだし置いてくか。後は、俺でも使える他の武器、出来れば手軽に使える奴を調達しとかねーとやばいよな。こんな所だし……お、あれ使えそうだな」

 

そして青年の目に留まったのは、先程の戦闘で一番最後に撃破したサングラスの人形、それが両手にそれぞれ持っている銃だった。所々が赤紫に彩られ、白色の角張った雫とも炎ともとれるような小さな刻印を刻まれたその片方を手に取ると、青年は虚空へと銃口を向けて引き金を引いた。

 

「これも引いてる間だけ弾丸が撃てるタイプなのかってもう弾切れたし。元々弾切れ寸前だったのか?でもこれどうやって弾倉交換するん」

 

ぶつぶつ呟きながら青年は銃の側部のボタンを適当に押す。と、ガシャリという音と共に

 

「……普通にはずせたな。ていうか変なところが外れたり壊れたりしなくて良かったわ、つーかよくよく考えたら壊れても他の倒れてる奴等の使えば良いのか。他にもいくつか持っていきたいとこだけど嵩張りそうだな……特にヘルメット人形の銃はでかいし。で、これが替えの弾倉かな。全部貰っとこっと」

 

完全に機能停止しているとはいえ、薄着ともいえるような姿をした人形の懐から全く遠慮する素振りも見せず、先程外れたマガジンと同じ物を拝借すると、一つは銃に嵌め込み、残った物を青年は先程とは別のポケットに突っ込む。

 

「使えそうなのはこんなもんかな」

 

そうして用が済んだ青年は改めて少女の元へと戻る。ポケットの中でガシャガシャと音がなり、顔を顰めた。

 

「んー、入れるポケット分けた方が良いんかね。ていうかこの銃はどうやって持っていこうか、流石にポケットにゃ入らんしなぁ、ズボンのベルトで括って行くか?いやでもそれだと直ぐには使えなくなるしなぁ」

 

 

 

「あら、そんな事で悩む必要はなくてよ」

「え?」

 

 

突如、凛とした声が辺りに響く。

左から聞こえた声に、青年が振り向く。

 

そして彼の目が、いつの間にか現れていた黒のエプロンドレスを纏った女性を捉えた瞬間。

 

 

「何故なら、ここで終わるのだから」

 

青年の左肩に、真紅の華が咲き、大地へと散った。




主人公のターン終了のお知らせ(そもそも来てない)
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