大変励みになります、ほんとありがとうございます。
そして妖精製造確率アップ、deep diveの実装日告知きましたね。
何とか挑発妖精と空襲妖精をゲットして育成しておきたいものです。
一般人・イグジット・フロントライン
『ーー残念ながら、その人間を捕獲する事は出来ませんでした』
『そう』
『最も、あの出血量です。恐らくは死んでいる可能性が高いかと』
『……そう(キラッキラ)』
『やはり、予定通りあの人形を』
『ねえ、
『何でしょう』
『私も会いたいわ』
『……はい?』
『なによ、こんな面白い人間に貴方だけ会っただなんて。ずるいわ』
『え、えぇ……そ、そう言われましても』
『ここに連れてきてよ。どうせグリフィンが回収してるんでしょ、そいつ?』
『た、確かにあの人間の姿は消えておりましたが、生きてる確証は』
『わーたーしーもーあーいーたーいーのー!!最悪死んでても構わないわ、とりあえず連れてきなさい!DEAD OR ALIVEって奴よ!!』
『お、面白いのは会話であってあの人間そのものが面白いモノかは』
『やかましい!これは命令よ、連れてきなさーい!!』
『……はぁ。分かりました、とりあえず各人形たちに指令は出しときますが、期待しないで下さいよ?』
『あ、もし生きてたら、なるべく傷付けずにね!絶対よ!?』
『そ、それは無茶苦茶過ぎます!グリフィンに匿われている場合』
『大体ね!エージェントがあんなに撃ちまくらなきゃ失血死寸前までいかなかったでしょ!?貴女が責任取んなさいよぉ!!』
(当てたのは腕だけですしそもそも数回しか撃ってないんですけどなんでここまで言われなきゃならないんですか……)
『分かったの!?とにかく必ず連れてきなさい!!』
『……はい』
ーーーーーーーー
『ーーーーはどうかーーーー?』
『ここーーーーはとても安定しーーーー遠くなーーーーめるかと』
(……?)
遠く、遠く。
暗い青年の意識の遥か先で、声が響く。
『ふむーーーー傷のーーーーは?』
『ーーーーですが、比較的ーーーー』
(誰か、喋って……?)
僅かに聞こえる声に気付いた青年が瞼を開く。視界には一面の白天井が映る。目線のみを右に向けると、外から差し込む陽光で窓ガラスが白く輝いていた。
「……ど、こだ、ここ?ベッド、の中?」
ぼんやりした頭で思い返してみるものの、青年の記憶にはこんな景色は存在しない。右手で掛けられた布団を捲り、ゆっくりと身体を起こす。
「お!ようやく目覚めましたね」
「ふむ、良かった」
「……うえ?」
上半身を何とか起こしたところで、二人の男性の声が左から届く。その方向を見ると、ボードらしき物を小脇に抱えた痩身の白衣姿の老人と、対照的に鍛え上げられた肉体を黒いスーツに押し込み、その上から深紅のコートを纏った壮年の男性が青年へと近付いてきた。
「君、体調はどうかね?どこか痛む所は?」
「え、あー、んーと、はい。痛みは、多分どこもない、と思います。体調は……何か、喉が渇いてる、ような」
老人からの質問に、右手を口元に当てて戸惑いながらもゆっくりと青年は返答する。壮年の男性は一旦部屋から出ると、外で何やら会話をし出した。しかしそれもものの十数秒程で終わると、再び部屋の中へと姿を現す。
「ほっほ、それは当然かもしれませんな。何せ君、ここに運び込まれてから四日間はずっと目覚めなかったんだよ」
「……へ?四日間も?」
「ええ。その間は定時間ごとに点滴を打っていたからそこは心配しなくても大丈夫」
「え、うん……ちょっと待て、四日間!?」
ぼんやりとした様子で話を聞いていた青年だったが、そこでようやく意識がはっきりしてきたと同時にとんでもない状況を理解した彼の表情が一変する。
「や、やべえ、会社いかねーと!四日間も無断欠勤とかクビになっちまう!」
「ちょ、おい君!?」
「すんません、何で俺ここにいるか知らんすけど、すぐ行かないとやばいんです!」
「落ち着きたまえ」
焦りからかわたわたとベッドの上で慌て出し、右腕をバタバタさせる青年に男性が近付く。
「君、直近の記憶を可能な限り思い出してみなさい。自分の置かれた状況が分かるはずだ」
「直近の、記憶……?」
その言葉に、青年は右手を頭に当てて必死に考え込み記憶の糸を手繰り寄せようとする。そして、ふと気付いた。
そして、視線を左腕の方へと向けーー
「……腕が、ない」
言葉を、失う。少なくともここで目覚めるまではあったはずの左腕が、肩口からまるごと消え去っていたのだ。何かの間違いかと右手で触るが、透明になっている訳でもなく空を掴むばかり。そして肩口に指が触れた瞬間、そこから激痛が迸る。
「いってぇ!?」
「き、君無茶は駄目だ!そこは……」
だが、その痛みが青年の記憶を鮮明に呼び起こした。
2018年の日本から理由も分からぬままいきなりの転移。
指揮官と呼ばれた男に命じられた戦場送り。
堅牢な見た目に反して簡単に貫かれた鎧、弾丸を弾き返し続けた盾。
弾倉を変えた直後にすぐ使えなくなった銃、閃光手榴弾と発煙手榴弾、一瞬にして敵を薙ぎ倒した機関銃。
そして転移後の短時間で出会った者達の顔が次々と浮かび、最後には青年の腕に弾丸を叩き込んだメイド姿の人形と、青年に希望をもたらした緑髪ロングポニーテールの少女が脳裏に蘇る。
「……すんません、大丈夫です。思い出しました。俺、血を流しすぎてぶっ倒れて、死んだかもって思ったけど、助けて貰えたんすね」
「うむ、大丈夫そうだな。主治医、済まないが彼と二人きりにさせて貰えないかな?色々と積もる話があるのでね」
「ええ、分かりました。何か有りましたらお呼び下さい」
青年の言葉に頷くと、男性は老人を促して部屋から退出させる。そこで青年は初めて、白衣姿の老人が医者であることに気付いた。
「さて……君が気を失っている間に、君が所持していた端末や身分証明書を解析させてもらった。すまない」
「あー……いえ、大丈夫です。って、あれ?」
小さく首を下げて謝る男性に、青年は疑問を持つ。確か自分の所持品の一切合切は、あの指揮官の男の所で全て保管されているはずだ。それを目の前の男がいきなり解析したと言い出したのだ。
「勿論言いたい事は分かる、だが先に確認させて頂きたい。後程君の疑問に答えよう。
君の名前だが……ソーガ、で合っているな?」
「はい。名前が
「うむ、タケーチ・ソーガだな。以後はソーガと呼ばせてもらう。っと、こちらの自己紹介がまだだったな。私はクルーガー。ベレゾヴィッチ・クルーガーだ」
「クルーガーさん、ですね。分かりました」
名前を名乗った男性に対し、青年はこくりと頷いてから何となく既視感を覚えた。彼に、というよりは、その服装に対して。
「あの、ちなみにですけど、その格好は?」
「ん?あぁ、この服かね?わが社の正装みたいな物だ。これでも会社社長を勤めていてね、普段から私服では締まらないだろう」
「なるほど、社長さん……でし、た、かぇ?」
内心すげえと思った青年だったが、その服のある一点に目が止まり思考が固まる。
右胸の襟付近、裏返ったその一点に、見覚えのある紋章がワッペンとして縫い付けられていたのだ。
それは、あの