一般人・イン・フロントライン   作:全緑小隊

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な、なんとお気に入りが200件に到達致しました……オッフ(気絶)
皆さん本当にありがとうございます。

……あと、皆さん義肢とか義手好きすぎやしませんかね。



俺?勿論大好きですよ。


二章ー一般人、基地へ行くー
一般人・イン・メイビーセーフティ


ーーーーここはI.O.P.本社のとある一室。

 

「おー、お疲れソーガ君。ナンバー38の試験は終わったようだね」

「……なあ、後どんだけあるの?」

「んー、とりあえずのところは調べたい事も調べ終わったし、義肢の試験データも出揃ったようだからグリフィンの基地に戻っても大丈夫だよ。一週間お疲れ様」

「まじか!よ、ようやっと、実験漬けの日々から抜けられるぅぅぅ……」

 

手元のタブレットを見ながら告げられたペルシカの言葉に、全身の力を抜いて椅子に座ったまま目の前の机にぐでぇっと倒れ込むソウガの姿があった。

彼が病院で目を覚ましてから十日。メディカルチェックを受けて医師から問題が無いことのお墨付きを得た青年は、翌日に一路I.O.P.本部へと向かう事となった。そこで彼はまず義肢を装着するためにベースとなる基部を肩口に取り付ける手術を受けた後、義肢を取り付けての動作試験を行った。

 

の、だが。

 

「何言ってるんだい、高々義肢の二十本や三十本

「いやどう考えても多すぎるだろが!!しかもあんた、真っ当な奴なんて一本か二本くらいしか無かったぞ!?」

 

呆れた様子のペルシカに、勢いよく立ち上がるソウガ。その先程まで試験を行っていた左腕からは、所々プスプスと黒煙が立ち上っていた。

 

「最初はまだ良かったさ、特に変な機構やギミックもない変哲な腕だったり、端末を内蔵してて腕の表面を開けたら端末を使える、とかさ。ただ途中から明らかに各個人の趣味が混じってなかったか!?」

「そりゃまあ、貴重な検体だからねえ。この良い機会に色々試したくもなるよ」

「だったら自分等の身体で試せば良いじゃねーか!最後の奴なんてショートして感電しかけたぞ!?」

「いや君、いくらなんでも流石にその為だけに腕を落とそうなんて酔狂者はいないよ」

 

ペラペラと話をしながら、ペルシカは部屋の片隅に置かれていた箱から何かを取り出して机へと置いた。

 

 

「んーと、最後の奴は……『義肢部分がトランスフォームしてメタリックな外見の兵装となる』義肢だったけか。全く上手くいかずに断線して漏電、変形機構もあっさり故障したようだね」

「さらっと言われるのもなんか腹立つなおい。てーか腕だけ変形って無理があるだろうに……っておい、その新しく取り出した義肢は何なんだ。実験は全部終わったってんじゃなかったのかよ?」

「勿論さ。こいつは君に正式につけてもらう義肢だよ。試験も全部終わった事だし、いよいよお目見えって訳さ」

 

端から見れば切り落とされた腕にしか見えないそれがごとん、と転がる。精巧な出来に、ソウガからほうとため息が漏れる。

 

「おぉ……すげえ。一週間ちょっとしかいなかったってのに、こんなにあっさり一から作れるもんなんだな。人形製造メーカーだけあって義肢を作るのもお手の物ってか」

「ん?いやいや、流石に一からって訳じゃないよ。既製品、というか()()()から君の身体に合うものを選定し、サイズや反応、動作部分を調整したんだ」

「なるほ……え?試作品?」

 

一瞬頷きかけたソウガであったが、聞き逃せない単語を耳にしてゆっくりとペルシカの方を向く。その顔に、冷や汗が浮かんでいく。

 

「おい、まさかとは思うがその試作品はRPG-7を内蔵したタイプとか四方八方に手裏剣が射出タイプとか火炎放射機がお披露目されるタイプとかじゃねーよな?」

「おや、そのタイプが良かったのかい?気に入ってたのなら言ってくれれば良かったのに」

「ふ ざ け ん な し」

 

 

ビキビキと音をたてそうな勢いで青筋とイイ笑顔を浮かべてソウガは詰め寄る。

 

「お前誤動作したらマジで死者が出るぞ!?しかも火炎放射機の奴に至っては試してたら溶け落ちたし!接続部分も糞ほど熱くて火傷しかけたぞ!」

「うん、あれは完全に失敗作だね。汚物の消毒は浪漫だ、って考えた奴は言ってたけど」

「あのモヒカン野郎頭おかしいだろ。つーかそいつに限らずあいつら浪漫最優先にし過ぎて装備者の安全性蔑ろにし過ぎだわ、汎用性がないとか不便なのはともかく安全性がないのは頂けねぇよ」

 

はー、と大きなため息をついてソウガは席へと着く。試験用として取り付けられた義肢の大半は装備した者へ被害を及ぼしかねない代物ばかりだったのだ。これといった怪我がなかったのは僥幸と言えた。

 

「全くだよ。マグナムライフル内蔵型だったけ?あれ撃った時なんて、君確か反動で吹き飛ばされてたよね。ほんと、あれで怪我してたらあの担当者のクビは無かったね」

「あれなー……。あと気になったのが、妙にどこかで見覚えがあるような武器が多かった気がするんだけど。手の甲から刃が飛び出したり電撃流れる鞭が飛び出たり、挙げ句の果てには掌が真っ赤に燃えて轟き叫んだりとか」

「そりゃあれだよ、今は亡きソーガの母国の誇ったサブカルチャーの影響だね」

 

 

ははは、と笑いながらペルシカはタブレットを操作していく。ソウガが取り付け試した義肢の一覧には、一部原案となった代物の名前が表示されていた。

 

「君の時代はどうだったか知らないけど、ニホンのアニメや漫画はそれこそ一大ブームを巻き起こしたからね。ニホンが北蘭島事件で消滅した時なんて、世界中のオタクが涙で枕を濡らしたものだよ」

「お、おう、そうなのか」

「そりゃもうね。で、技術がようやく二次元に追い付いたこの頃にそのニホンからやってきた実験台が来たんだもの、そりゃ皆燃えるって」

「やたらノリノリだったのはそれが原因かよ!いやこっちもワクワクはしたけどさ、何度かマジで死ぬと思ったぞ!」

 

流石のソウガも呆れ果てる。そんな理由でアレコレと危険な義肢を試されたのではたまったもんじゃない。ソウガ自身そういったサブカルチャーは好きな方ではあるが、安全性皆無なそれらを喜んでつけたいかと言われると話は別である。

 

「つか俺に付ける前に安全かどうかは調べなかったのかよ」

「調べたら君に取り付けて試験なんてしてないって」

「……そりゃそうだよねー」

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