とりあえず何とかかんとか第二戦役まではクリアしましたが、イベガチャはUMP40も☆5も未だ出ず、家具はようやく1つ出ただけ……相変わらずの引き運です(白目)
あと、気づいたらUAが14000行っておりました……ひ、ひえぇ。皆さんほんとありがとうございます。
あと遅くなりましたが、誤字のご指摘いただきました方ありがとうございます。
「さーて到着……って。SOPⅡ、何やってるのよ」
「あ、ペルシカだ。それとソーガも、やっほー」
「あれソーガ、こんな所にどうしたの?」
「よっす。AATもここに居たのか」
ペルシカが扉を開けると、部屋のど真ん中に置かれた作業机の前で二人の人形が何やら塔のような物を積み立て上げていた。一人は長い黄緑色の髪が特徴的なAAT-52。もう一人は左右非対称な長さの薄桃色の髪に、赤いメッシュの『M4 SOPMODⅡ』。ここ16lab製の戦術人形で、ソウガがコミュニケーションとして会話を行った人形のうちの一人である。
「俺は今からここで腕の取り換えをするんだけどさ。これは、人形の……パーツ、か?」
「そ。私が今までに集めてきた鉄血人形の腕とか足とかその他諸々!」
「いやそれは分かるんだけど」
ペルシカは頬を引き攣らせながら、机の上の塔らしき物体に目を向ける。鉄血人形のパーツで構成されたそれは、乱雑に積まれたように見せて奇跡的なバランスで重ねられていた。少しでも押せば簡単に崩れてしまいそうなその塔の天辺に、SOPⅡはさらにパーツを乗せようとしていた。
「昔、ニホンには動物を交互に積み重ねていって、バランスが崩れて倒しちゃったら負けっていうゲームがあったんだって!で、それだったら鉄血人形のパーツでやってみよってAATを誘ったの!」
「いやいやSOPⅡ、そんな動物を乗せていくなんて虐待紛いのキテレツなゲームがあるわけ」
「いや、確かにあったぞ」
「あったの!?」
冗談でしょ、とでも言いたげに目を見開くペルシカ。
「俺もやったことある」
「嘘でしょぉ!?」
「おお。つってもペルシカが恐らく想像してるような本物の動物を乗せるとかじゃなく、動物の写真を用いて遊ぶアプリだけどな」
「そ、そういう事ね……一瞬、昔のニホン人は想像を絶する程の野蛮人だったのかと思ったわ」
「失礼な、んな訳あるか」
本気で胸を撫で下ろしているペルシカにジト目で突っ込みつつ、既に高さが五十センチはあろうかというそのタワーを眺める。その奇妙な構造物を構成するパーツの中には腕や脚から胴体の一部、果てには生首丸ごとと知らない人が見たら卒倒しかねない代物まであった。
「確かにそんなのあったけどさ……いやでもこれ、ほんとよくこんなに集めたな」
「そこの箱の中にもまだ一杯入ってるよ」
「え……う、うわぁ」
AATが示した箱の中を覗き見たソウガだったが、サングラスを掛けた鉄血人形の生首のその瞳と目があってしまい思わず目をそらす。
「名付けて『てっけつタワーバトル』!これは流行るよ!」
「いや流行らないでしょ」
「えー、流行らせてよペルシカぁ。ソーガはさ、ソーガはどう思う?」
「名前とかほぼまんまじゃねーか。あとせめてビジュアルを何とかしろよ」
「そんなにビジュアル悪くないと思うんだけど。ほら、可愛いでしょこの腰とか」
「どこの世界に人形の腰部に愛情を見出だす奴がいるんだよ!ラブドール相手とかでもそうそういねーっての!」
タワーの上に置こうと持っていたパーツに頬擦りするSOPⅡから距離を取るソウガ。ペルシカも流石に頭を抱えて表情を強張らせており、設定を間違えたかなとまで呟いている。
「いやまあ、遊ぶのは別に良いんだけどさ、今からその机を使ってソウガの腕を取り換えるんだから片付けて欲しいんだけれど?」
「良いけどちょっと待ってて、今かなり良いところなんだからさ。とりあえずはこの腰を何とか乗せたいところなんだけど」
「……見たとこもう乗るような場所は無さそうなんだが。かなりギリギリのバランスみたいだし」
ソウガの言うとおり、既に五十センチはあろうかというタワーはどんな積み方をすればこのように成り立つのか、あちこちに腕や脚の先が突き出た状態で成り立っており、これ以上積み重ねるのはとても不可能なように見える。だが、SOPⅡは諦めた様子は全く感じられないどころか先程まで以上にやる気を漲らせている。
「まだだ、まだ諦めんよ!私は見た、ヤギの上にそそり立ったゾウの姿を!」
「あれ凄かったよねー、めっちゃぐらぐらしてたのに結局倒れなかったし」
「いやそれゲームの話だからな?実際そんな簡単にやれるもんじゃ」
「行くぞー!私はこの一手に賭ける!!」
ソウガの言葉にも一切躊躇わず、むんずと腰部パーツを掴むとSOPⅡはタワーの天辺にゆっくりと乗せ、
「あーーーーーーーっ!!」
あっさりと崩した。
「うん、そんな気はしてた」
「今のはどうあがいても無理だろうに」
「わーい勝てたー」
「チクショー!もっかい、もっかい勝負だ!」
「後にしてって言ってるでしょ」
完膚なきまでに崩れ落ちたパーツをかき集めてフンスと鼻息を荒くするSOPⅡの首にペルシカが手刀を叩き込む。
「おぐぇっ」
「おい、変な声出たぞ」
「だいじょーぶだいじょーぶ。さ、ソーガもさっさと腕を乗せなさい」
取り換える腕や器具を色々取り出すペルシカにヘイヘイと返しつつ、ソウガは机の近くにある椅子へと座り腕を乗せる。
その間も着々と準備を進める目の前の科学者に、青年はどこか浮かない表情を向けた。
「しっかしさあ……毎度毎度腕を切り離して再接続する時のあの痛み、ほんとどうにかならんのか?ほんとしんどいんだけど」
「ただ単に手術をするってだけなら麻酔をかければ済む話だけど、麻酔が抜けるまでには数時間掛かるし君の場合はすぐに動作試験を行う必要があったからね。今回のもちゃんと動くか見ておきたいし、そのうちクルーガーが迎えに来るから動かせるようにはしておかないとね」
「ぐえー、マジかよ」
ちなみに某タワーゲームは時間を潰したい時にやると意外とハマるのでオススメ。
時間潰し過ぎることもあるけどね!