一般人・イン・フロントライン   作:全緑小隊

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イベント残り一週間となりました。……が、まだランキング戦に挑めておりません。部隊は組んでいるものの、仕事のせいでまとまった時間が確保出来ず。
仕方ないので装備強化の素材集めにE3-2周回してたら骨格を2個ドロップ出来ました。☆5T骨格が3つしかなかったので即UMP姉妹に搭載しました、はい。……これで少しは楽になるといいのですががががが。


一般人・イン・メイビーセーフティ7

「来たか」

「よっす、クルーガーさん」

「お、お待たせしました!」

 

数分後、I.O.P.本社の玄関前に止められた大型の車の側で待つガタイの良い髭面の男にソウガとAATが近寄る。運転席側にいたドライバーらしき初老の男性が、社長に対してさんづけをしながらもかなりフランクな挨拶を返すソウガに目を見張る。親子ほども年の差があるだろうにそれはないだろう、とでも言いたげな様子だ。

 

「ご苦労、AAT-52。ソーガも無事義肢を取り付け終えているようだな」

「ほんとついさっき終わったとこだぞ。ペルシカも来るの早いなとか言ってたし」

「特に急いでいるという訳ではないのだが、こっちの所用が当初の予定より早く済んだのでな……一足先に来たという訳だ。さ、一先ずは君を配属先へと送ろう、二人とも車に乗りたま……む?」

 

苦笑いのソウガにクルーガーは頬の傷痕を撫でながら返す。二人に乗車を指示したところで、クルーガーの胸元のポケットからピピピピと大きなアラーム音が辺りに鳴り響く。取り出した端末の画面を一瞬確認してからクルーガーは通話ボタンに指を触れる。

 

「失礼……私だ、どうした。うむ、今二人と会ったところだ。……ああ、アレか、少しは役に立ったか。ふむ……わかった、来次第受け取る。……む?ふむ、後で見ておこう。それでは」

「何かあったのか?」

 

通話を終え、端末をしまったクルーガーにソウガが問い掛ける。AATは既に車へと乗り込んでおり、青年も半身を突っ込んだ体勢となっていた。先程ソウガ達も出てきた玄関口の方に視線を向けながら口を開く。

 

「何、大した事ではない。先日I.O.P.に貸し出していた物を丁度良いから返すとのペルシカからの連絡だ」

「へぇー。なんかこないだの話を聞いてる感じだとむしろI.O.P.がグリフィンに貸与する方が多そうだったけど、逆もあるんだな」

「今回貸したのは少々特殊でな。まあ君にとっては見覚えのあるものかもしれんが」

「え、俺の私物?なんか役に立ちそうなものあったか?」

「と言うわけでもないが……む、来たようだな」

 

困惑する青年を尻目にクルーガーが呟くと、玄関の向こうから白衣を纏い眼鏡を掛けたいかにも研究者然とした見た目の男が、何かが乗せられた台車を押しながらゆっくりと近付いてきた。その台車の上の物を見て、思わずソウガは眉を顰める。

 

 

「……あの時の盾?」

 

カーキ色の分厚い大盾。四十年以上も後の時代に突如送られ、何も分からぬままに戦場送りにされた際に装備させられた代物。その圧倒的な防御力で、文字通り最後までソウガの盾となったそれが今、裏返された状態でゴロゴロと音を立てて車のすぐ側まで運ばれてきたのだった。

 

「お待たせしましたクルーガー社長。数日ほど解析しましたが、やはり正規軍の装備は一筋縄ではいきませんね。それなりの日数を要します」

「ふむ……まあ仕方ない。あのペルシカも手こずっているようだったからな」

「ですが、この盾と彼の戦闘映像を元に新たな銃種の戦術人形の研究・開発が決まりました」

「ほう?」

「え、俺?」

 

自分の方を見ながら発された言葉に思わずソウガは聞き返す。この流れで何故自分の名前が出てくるのか流石に彼には理解出来なかった。

 

「はい。現在グリフィンが開発している戦術人形のうち、部隊の盾役となりうるのはSMG……サブマシンガンです。これらはその機動力を駆使して敵の攻撃を引き付け避ける、いわばニンジャ的ポジションのもの。今回新たに決まったのは、盾と装甲を身に纏って敵の弾丸を防ぎきるナイトポジションの銃種となります」

「ニンジャにナイトってどこかで聞き覚えのあるジョブ名だなおい」

「ふむ、それは中々面白そうだな。期待しているぞ」

「お任せ下さい。流石にこの盾と同等の防御性能とまではいかないでしょうが、代わりに取り回しを良くし複数の標的を攻撃出来るようにする案も出ております」

「スルーかちくしょう」

 

ソウガの突っ込みは気にも留められる事はなく、クルーガーと研究員は握手をする。そして台車の上の盾を見たクルーガーは、

 

「ソウガ。試しにその義肢でこれを持ってみてくれ」

「へ?」

 

いまだに乗り掛けたままの姿だったソウガに声を掛けた。

 

「ペルシカから聞いている性能であれば、この重装盾もその義肢で持ち上げる事が可能な筈だが」

「いやまあ、確かにそうかもしれねーけどさ……本当に大丈夫なのか?こないだの戦闘の時はパワードスーツを装備してた状態だったから持てたとは思うけどさ、流石に義肢の補正のみで持つってのは想像がつかんというか」

「物は試しと言うじゃないですか。実際にスペック通りの性能を発揮出来るかどうか、こちらとしても見てみたいですね」

「え"、あんたら自分達で試してないの?」

「そりゃまあ、ソーガさんに色々試してもらっていたくらいですし」

 

 

研究員の言葉を聞いたソウガの表情がどんどん曇っていく。まさか今自分が取り付けられている義肢(それ)もちゃんと試験された代物でないとは思っていなかったのだろう。視線が不安げに左腕と盾とを行き来する。

 

「……それならいっそ聞かないでおいた方が心安らかにいられた気がする」

「それならば一度ここで試しておいた方が良かろう。日常生活でその盾よりも重たい物を一人で持つこと等まずあるまいし、駄目なら駄目で再調整してもらえばいい。君の義肢性能に関してはI.O.P.に一任している、性能が未達であるならばペルシカを通せばいい」

「ええ、勿論I.O.P.はアフターケアも万全です!顧客の要求には可能な限りお応えしますよ!」

「なにその営業コメント……ったく、一応持ってみるか」

 

クルーガーと研究員の言葉に押されるように、ソウガは盾の取っ手に左手をかける。

そして、

 

 

「……うわ、軽っ。思ってたより全然重さ感じないんだけど」

「軽々と持てたものだな」

「おー、これは想定以上ですね」

「ほんとにこれで二割?設定間違えてない?マジで大丈夫なの?」

 

あっさり持てた事で、逆に色々と疑念が沸いたソウガだった。

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