今回主人公の武装としてM100を選定しましたが、後で銃データを見直して気付きましたがあれハンドガンっていうにはいくらなんでも流石にでかすぎますね。
という訳で、M100の短銃身タイプであるM110に後程修正します。
それでも45センチはありますが、まあハンドガン擬きというにはそれくらいで良いのかもしれません。
……じゃあフルオート仕様のM900Aとかにすればいい?
やだなぁ、主人公にそんな機関銃相当のきょうりょ……危険な銃を持たせる訳にはいかないじゃないですか、ねえ(棒)
「まあそもそもとして、それが撃てないからって流石にどうのこうのは無いでしょ。指揮官もテストだって言ってたし、実際に戦場にてどう動くのか?どう考えるのか?それを見たいのではないかしら。なにせこんな状況だもの、本当に安全な場所なんてどこにもないんだから」
「……その言葉には安心すりゃいいのか、それとも絶望すりゃいいのか」
何とも言えない表情を浮かべる青年に、本当にこの人は今の今まで一度も紛争に、戦いに巻き込まれた事のない人なんだなと彼女は再認識した。
本来は守られるべき立場の弱い人間、銃どころか刃すら持たされた事のない者がいきなり戦場に放り込まれる、その心情は如何とするか。
「ま、少なくとも死ぬことは無いから安心なさい。緊張してもいい結果は産まれないわ」
「……そ、そうだよな!ほんとにいきなり戦場に、死地に追いやるはずないもんな!」
アッハハハ、と笑う青年を尻目に、女性は口を動かす事も声に出す事もなく、己の疑似思考回路モジュールの中で呟いた。
『これが、普通の指揮官だったら……だけどね』
ただ、その指揮官の考えは分からなくとも彼女としては目の前の人間を戦地にただ放り込むのを良しとはしなかった。
戦いの為に生まれた戦術人形がその戦いに関与出来ないならば、少しでも戦う者の為にフォローをーー。故に彼女は、可能な限り非力な人間である青年の緊張を解そうと務めたのだった。その言葉が、例え真実でなかったのだとしても。
「さて、もうすぐで作戦エリアよ。準備はいい?」
「うぅ、準備も心構えもできてねーよ……っていうかやけに着くまで早くないか?まだ30分も経ってないぞ」
「言ったでしょ、テストだって。むしろ遠いところでは何か緊急事態が起きたとき駆け付けられないでしょ」
「た、確かにそうだけどさ」
俄に表情を固くする青年に、女性はため息をつく。いくらテストとはいえ、ここまでガチガチでは出来るものも出来なくなってしまうだろう。
「緊張するな、とは言わないわ。事はなるようにしかならないもの。でも貴方には武器がある、身を護る装甲もある。死ぬことはないし、おもっきしやってみなさい」
「……あんがとな。あと、戻ったらあのツインテールの子にもお礼言わなきゃな」
「それは死亡フラグだからやめなさい」
「ぶふっ、死亡フラグとか言わんでくれ!?ったく……」
少しだけ吹き出した青年は横のヘルメットを被り、腰に手榴弾のような物をいくつかくくりつけ、盾と銃を構える。夜間戦役時によく見掛ける装甲兵そっくりの彼の姿に、女性は再度疑問を抱く。
鉄血の運用する装甲兵の中身は人形であり、人形が装甲鎧を着るのではなく最初から装甲兵として作られる為に、例え装甲兵を撃破・鹵獲したとしてもその装甲鎧を使える訳ではない。つまり、青年が纏う装甲鎧は最初から人間が着る事を想定して作られてあり、実際正規軍が運用している物はそうなっている。
「だとしても、指揮官は本当にどうやって、どこからこんな物を」
「っておい、なんか変な機械……小型の多脚戦車っぽいのが見えるんだけど、何だあれ、タ○コマ?」
「いやタ○コマって何よ」
女性が窓から覗くと、青年の降下予定エリアの飛行場付近には確かに鉄血製多脚戦車『PROWLER』の姿が何台か見えていた。チカチカと赤色に光るガンカメラと小型の銃を輸送ヘリに向けているようだ。
「あれは鉄血の雑魚戦車よ、ぶっちゃけその装甲があれば物の敵ではないわ」
「雑魚……って言ってもいやちょい待ってくれ、あの辺ってもしかして俺が降ろされるエリアじゃなかったけ?」
「そうね」
「そうねじゃねーよ!え、いきなり敵に包囲された状態から始まるの!?難易度高すぎやしないか!?」
「大丈夫よ、あいつらは雑魚だから」
焦る青年にそう嘯くが、彼女も内心はあまり宜しくない状態だと踏んでいた。表向きはテストという話になってはいるが、あれは間違いなく鉄血が前線にて運用している機械兵だ。それがこんなグリフィン支部の目と鼻の先でのさばっているとなると、相手方は前線をかなり押し上げて来ているとしか考えられない。
『だから、この人を放り込んで雑魚とはいえ敵を制圧?そんなの、人形にやらせれば簡単なのに、なぜ』
「ちょっおいぃぃぃぃ、撃ってきたぞあいつら!?いくらなんでもテストにしちゃ過激過ぎんぞ!最早実地試験じゃねーか!!そもそもほんとにテストなのかこれ!?」
「煩いわね、分かってるわよそんなこと。このヘリはあんな豆鉄砲程度じゃ墜ちない程度には装甲着けてあるし、窓も防弾ガラスで出来てるから落ち着きなさい」
カンカン、と硬質な音がヘリ内部に響き渡り、青年が悲鳴のような叫びを上げる。これしきの事で何を弱音を吐いてるのかと女性は半ば呆れ返るが、そもそも銃で撃たれた事のない彼にとってはこれでも十分異常事態でありむしろ冷静さを保ったままの彼女の方がおかしく見えた。
「いやいや落ち着いていられるか!いくらなんでも限度があるわ、俺が平和ボケしてるからって!」
「自分で平和ボケとか言うのもどうかと思うけどね。パイロットさん、そのまま予定地点行って」
パニック状態一歩手前の青年にツッコミしつつ、女性はパイロットへ指示を出す。パイロットもこの程度の状況には慣れっこなのか、動じる事もなく機体を指定の地点まで進めていく。輸送ヘリは荒れ地のど真ん中、やや開けた場所の上空で移動を停止、扉を開けて降下体勢に入る。だが、
「んー、こりゃ結構相手も本気ねえ……着陸は難しそうよ、飛び降りるしかないわ」
「いや、お前、それこそ本気で言ってんの?」
「当たり前でしょ。撃ってきてるのが雑魚だから良いものを、もっと上位の鉄血兵が相手だったらまずここでホバリングなんて不可能よ、下手したらあっさり蜂の巣ね」
「……あーあー、テストだから出来るって事ねちくしょうめ」
「そういう事。まあ高さ5メートルってとこかしら、飛び降りられない高さじゃないわ」
「ぐぬぬ、くそぅ……分かったよ」
ようやく覚悟を決めたのか、青年は扉の縁に立つ。重装甲のお陰か強烈な風に煽られることもない。左手に盾を、右手に銃を構え、
「やってやる、やってやんよ!行くぞクソッタレ!!」
そして、青年は飛び降りた。
「……頑張りなさい」
無事着地したのを見届け、腕の中の白獣を撫でながら彼女が呟くと同時に輸送ヘリのドアが閉まり、グリフィン支部の方へと飛び去っていった。
主人公、投下(違)
最初はもっと渋らせて彼女……FALに蹴り落としてもらっても良かったんですが、流石にそれはいくらなんでもあんまりだったのでマイルドな形にしました。
ちなみに個人的には鉄血機械兵の中でダイナゲートと同じくらいにプラウラーさんも好きです。
あのやや愛嬌のあるタチ○マみな造形、盛大な吹っ飛び方……玉川女史に是非とも声を当てていただきた(ry