一般人・イン・フロントライン   作:全緑小隊

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世間では昨日はエイプリルフールだったそうで。
……昨年度分の期末処理が無ければ楽しかっただろうなぁ(遠い目)

あとここ数日、唐突にお気に入りやUAが増えてビビっております。コメントや評価もいただいてとても嬉しいです。
……最初はこの増え具合がエイプリルフールネタなのではないかと疑ってしまいましたが。

今後ともよろしくお願いします!


一般人・イン・フロントライン・サドゥンリィ9

 

 

「あいつジャムったのか?運がないな……焦ってるようじゃ排莢も上手くいかないだろうに、なあキャリコ?」

「MG5、違う、あれはジャムったんじゃない」

 

モニターに映る青年とのやりとりを行う指揮官を横目で見ながらやや憐れみを込めた口調で呟いた片目隠れの女性(MG5)に、緑髪ツインテール少女(キャリコ)が返す。その表情は、非常に苦々しげに歪められていた。

 

「……しくじった。彼に、マガジン交換するときの注意点、ちゃんと伝えてなかったんだ」

「マガジン交換なんて、大した事じゃないだろうに。銃の整備や弾薬の確認はキャリコがやったんだろう?」

「それは、そうなんだけど。あのマガジンは、装填前にやらなきゃいけない事があるの。私が、ちゃんとやっておけば……せめて一言、伝えておけば」

 

俯き、後悔の言葉を吐くキャリコに、何と声を掛けたものかとMG5は逡巡する。あの銃のマガジンが少々特殊なのは見てくれからもわかるが、そこまで極端な物だったか?とMG5は考える。

 

「ま、悔やんでも仕方はないだろう。……実際、彼は運が無かったんだ、こんな所に来てしまったからな」

 

ポンポン、と肩を叩きながらMG5は慰めの言葉をかける。後半の言葉は、きこえることがないように、囁いてだが。

 

 

 

「……よろしかったのですか?」

「何がだよ」

 

画面に移る鎧姿の青年との通信を一方的に打ち切った指揮官へ、赤コートの女性(リーエン)が言葉は遠慮がちに、だが鋭い視線で訪ねる。対して、問い返した指揮官の表情はどこか薄く笑っているようにも見えた。

 

「確かに彼は確かに身元経歴、一切が不明の人間でしょう。ですが、何も騙し討ちのような形で戦地に送り込んだ挙げ句見殺しにするのは如何かと」

「なんだ、文句があるのか?ならば奴を送り込む前にそうと言えば良かったじゃないか。言うなればリーエン、お前も同罪じゃないのか、ん?」

 

どこか馬鹿にするような口振りに、リーエンは歯を噛み締めてから反駁した。

 

「それはっ!……いくらなんでも指揮官がその様な判断を、指揮を下す筈がないと考えていたからです。まさかRIPPERやVESPIDの射撃で穴の空くような、ただただ重荷にしかならない鎧を与えて安心させるだけさせて、ここ最近鉄血の出現報告のあった地点に向かわせる等と誰が考えますか!」

「あれは俺も予想外だった。鉄血のデッドコピーではない、ちゃんとした正規軍が運用する装甲鎧。それを知り合いから貰ったはずだったんだがな……ふん、全く運のない奴だ」

「それなんだがなボス。あんた、貰ったと言ったがどこで貰ったんだ?あんな代物、少なくとも貰ったで済ませられるようなもんじゃ無いだろうが」

 

鼻を鳴らしながら答えた指揮官へ、サングラスを掛けた女性(トンプソン)が尋ねる。口調には見えないが、その視線にはどこか剣呑な色が見え隠れしていた。

 

「トンプソンか、修復は終わったか。何、お前らが気にする必要はない。こっちにはそれなりの伝がある、それだけの事だ」

「そうか。にしては一点気になる点があってな『頼む、効いてくれ!!』ん?」

「あら?」

 

 

トンプソンが言葉を続けようとしたところで、スピーカーから青年の声が響き渡る。その部屋にいた者達が一斉に顔をモニターへ向けると、先程の通信時の混乱と恐慌ぶりから一点、覚悟を決めた口調の彼が何かを鉄血の人形達へと投げ付け、自身は徐に手に持った盾を真正面へと掲げたのだ。

 

「あん?あいつ、一体何を投げて」

「皆、目を閉じて」

 

訝しげに画面を眺める指揮官を余所に、キャリコがよく通る声で警戒を促す。瞬間、画面を眩い閃光が覆い尽くすと共に耳をつんざくような音がスピーカーから溢れ出た。

 

「ぬぉあぁぁぁぉ……」

「キャリコぉ……、目だけじゃなく耳も塞ぐ指示が欲しかったぞ……」

「ご、ごめん」

 

ろくに目も耳も対策をしなかった指揮官はモニター前で悶絶し、その他の面子も両耳を抑えて苦しむ羽目となった。恨めしそうに見据えるトンプソンにキャリコはばつが悪そうに謝る。

画面、スピーカー越しですら絶大な効果を見せたその威力をモロに受けた鉄血人形達は機能不全に陥ったらしく、青年が盾を抱えながら走り出すのを追い掛ける者は一体たりともいなかった。

 

「す、スタングレネードか……一体誰があいつにそんなもの渡したんだ!」

「私ですけど。人間用の武器と一緒に埃被ってましたので、誰も使うことはないだろうと」

 

ようやくスタングレネードの影響から脱して辺りを睨み付ける指揮官に、キャリコがしれっと返す。少なくとも、トンプソンに謝った時のような申し訳なさはその表情には微塵も無かった。

 

「だからってわざわざあいつに渡す必要は無かっただろうが、何を考えてるんだお前」

「本意では無いとはいえ、グリフィンの為に命を掛けて戦いに赴くのですから、これくらいのサポートは必要かと」

「あのな、だからあいつにはそんな配慮は」

「では指揮官、現状ですら埃を被るほどの無用の長物をこの基地に置いておいて他に誰が使うのですか。人形は専用の物がありますし、ここにいる人間は非戦闘員ばかりですが。指揮官が前に出て投げますか?」

 

キャリコの反論に指揮官は一瞬頬をひくつかせるが、少しして鼻を鳴らすと改めて画面へと向き直る。

 

 

「キャリコてめぇ覚えてろよ……チッ、まあいい、それよりも状況はどうなった。あいつはどこに行ったんだ」

「あの廃屋に逃げ込んだようですね、今カーキ色の装甲が扉の奥に消えるのが見えました」

 

指揮官の問いに何事も答えるリーエン。だが指揮官から見えない位置でグッドサインがキャリコへと向けられていた。それは他の人形達も同様で、キャリコも真顔で腕を組みながら親指を立てる。

 

「廃屋にぃ?そんなところに逃げ込んでどうする気だ、時間稼ぎにしかならんだろうに。鉄血達には気付かれていないようだが、それも時間の問題だ」

 

指揮官の言葉通り、機能不全は一時的なものだったのか画面内の鉄血人形達は辺りを見回しながら銃を構え直す。廃墟を目指す人形はいないものの、直に捜索対象に含まれるだろう。

 

「ここからどう立て直してみせるのか、楽しみだよ全く」

 

言葉とは裏腹に愉悦さの欠片も見せない指揮官。周りの人形達も、心配そうに画面を見つめる。

 

 

 

 

「ふむ、何が楽しみなのかね?」

 

突如、重みのある声が部屋へと響き渡る。全員がその声の主へと顔を向け、その怪訝な表情を一変させーーーー。




ふと友情ショップ見てIDカード背景みて気付きましたけど、鉄血人形兵がリアル頭身で描かれてますねアレ。
装甲兵や機械兵も白黒だけじゃなくフルカラーで描いてほしいものです。
……個人的にはRIPPERが意外にナイスバディで驚きました。


最後?一体誰でしょうね(棒)
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