東国戦遊志(東国幻想郷シリーズ)   作:JAFW500/ma183(関ケ原雅之)

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【注意】
この作品は2次創作です。
強さは自分と相手の相性などで決まる相対的なものになります。
時系列は旧作終了の時点で、そこから先は原作本来の流れと少し違う流れになります。
このシリーズでは「オリジナルキャラクター」・「大幅のオリジナル設定」が出ます。
東方とドラゴンボール二つの要素を持ちながら、「どちらでもないお話」です。思い切って始まってしまったこの新しい「この幻想郷」を心ゆくまでお楽しみください。
それでも大丈夫!という方はこのままお進みください。 
それでは始めましょう。



東国戦遊志#2 不死鳥の少女

「っだあ!!」

バーダック渾身の蹴りの一撃が妹紅の腹に直撃。土煙を舞い上げながら、同時に妹紅の体が大きく後ろに吹っ飛んだ。

バーダックはかなりの手ごたえを感じている。そして、自信があった。2度の大きな戦いで自分の力は大幅に上がっていたのだから。

舞い上がっていた土煙が収まる。視界が明けた。

「っ!!」

だが、その少女は何事もなかったかのように立っている。そして、その顔には余裕という文字が浮かんでいた。

「なるほど、確かに『戦闘民族』というだけのことはあるらしいね…。」

妹紅は、久しぶりに「生きている」ような感じがした。それと同時に、不思議な感じがした。うまく言い表せないのだが、「仲間を見つけた」それに近いような感じがしたのだ。

「甘く見すぎだ。おめえは」

バーダックは、そう返しつつも思っていた。「何が『ただの妖怪退治屋』だ。そこら辺の奴とは大違いじゃねえか…。」と。

少しの沈黙。

そして、妹紅が口を開いた。

「悪かった…。私は少しあんたを『甘く見ていた』。なかなかやるようだから少し『その気』になってやるよ。」

「…。」

衝撃だった。なんと、妹紅は全然本気ではなかったのだ。

「さてと…。」

妹紅の顔つきが変わった。さっきまでの余裕の含んだ涼しい顔から、心の芯に灯がともったような顔になったのだ。

 

 

 凄まじい轟音が辺りに響きわたり、大量の砂埃が一面を舞った。

「はあっ…、はあ…。」

息が上がり切っているバーダック。あれから、また戦いが始まったのだが。速い。先ほどまでの互いに探るような戦いとは打って変わり、全力と全力がぶつかるような超高速バトルとなったのだ。しかし、情けない。全く一歩も手も足も出なかったのだ。そして、強烈なまわし蹴りを胴にくらい地面に叩きつけられた。

「くそったれ…。」

仰向けに倒れ伏すバーダック。息も完全に上がり、なかなか立ち上がれないでいた。

炎を纏った少女が降りてきた。

「『その程度』か、少し期待しすぎていたかな…。」

皮肉の混じったように聞こえた。

「ち、ちくしょう…。」

バーダックは自分が情けなかった。戦闘民族である自分が全く歯が立たなかったこと、そして自分が、苦手である『ガキ』相手にズタボロになっていることに。しかし、それと同時に心の底から湧き上がってくる何かが背中をくすぶった。

「こいつで、『ケリ』だあ――――!!」

バーダックの中で、眠っていた『なにか』が弾けた。

「うああああああ――――っ!!」

鬼のようにうなる雄たけびが辺りに轟く。

 

 

「なんだ…。」

何が起こっているのか分からなかった。倒れ伏していた彼にとどめの一撃を放つ瞬間、凄まじい雄たけびに包まれると同時に後ろに吹き飛ばされた。そして、舞い上がった土煙が収まるとその向こうに彼が立っていた。しかし、様子が違う。金のオーラを纏い、逆立った髪。そして、

「グルル…。」

理性を失った目がそこにはあった。妹紅は突然の事態に焦る。

「(こいつ…。やはり妖怪か何かだっt―)」

「がああああああああ!!」

いきなりバーダックがかかってきた。バーダックとの距離約20メートル。妹紅は反応が遅れた。

「ぐうああっ!!」

獣のように次々と嵐のような容赦のない攻撃が妹紅を襲う。さっきまでの攻撃とはけた違いの強さだった。そして、

「だああああ!!!」

バーダック渾身の一撃が決まる。

妹紅は、竹林の彼方まで吹っ飛ばされ、

そして、大量の土埃と唸るように凄まじい轟音が辺りに轟いた。

「っ!!」

バーダックはやっと我に返った。

「はあ…、はあっ…。(な、何だったんだ…、今の『感覚』は…。あの『湧き出たような力』は…。『あの時』(惑星プラント)と同じような―)」

そう思い返していた時。

突然、衝撃がバーダックを包む。熱を帯びた風だ。そして、

「お前にまだこんな力が残っていたとはね…。」

不死鳥を宿したその少女が戻ってきた。

 

 

「見事だよ…。」

「…?」

意外だった。まだ続けるつもりだとバーダックは思っていたのだが、次の一言で察した。

「さっきの力といい、諦めの悪さといい、本当に見事だったよ…。あんた『も』…。」

次で勝負の決着がつく。

「そうか…。」

悪い気はしなかった。何か清々しいものを感じていた。

「さて、もうこんな時間になっちまった。互いに体力も少ない…。次で「最後」にする…。どう…?」

「いいだろう、こっちもいろいろ聞きたいことがある。つぎでケリにしようぜ…。」

互いに距離を取る。両者ともここ一番の技で決着をつける気らしい。妹紅は右手に「業火」の符を、バーダックは右手にありったけの気を集めた。最後のさっきまで明るく地上を照らしていた月に雲がかかる…。

「それと一つ聞きたい…。」

急に、妹紅がバーダックに問いを投げ掛けた。

「何だ…。」

「なぜ、そこまでしてお前は戦うんだ?」

なぜ「戦う」のか、バーダックにとってその質問はあまり考えたことのないことだった。しばらく考えそして答えた。

「さあな、だが『相手には負けたくねえ』…、そう思っただけだ…。」

「そうか。」

何か確信した妹紅。

そして、月にかかっていた雲が流れ月の光が差し込んだ。

 

 

【夢?】

AGE 76X年(未来トランクス編)

ここは、孫悟空の家。悟飯は修行にいっており家には悟空と彼の妻チチがいつもと変わらぬ午後のひと時を過ごしていた。悟空は、ナメック星消滅の中でフリーザを倒し、惑星の爆発寸前でギニュー特戦隊が乗ってきたポッドに乗り込み、なんとか生き延びることができた。その後、とある星で約1年修行を積み地球へ戻った。そして、地球にて爆発から生き延びていたフリーザと彼が連れてきたその父コルド大王と戦い見事勝利した。それから数年ごのある日の事だった。

「あっ…、ぐ…ぅ…。」

「どうしただ…?悟空…。」

ドサッ…。

悟空が倒れた。

<同日の夕方>

「はあっ…はあっ…。」

ピッコロから一報を聞き家に向かう悟飯。残り少ない気しかなく飛べないながらも全力で家に走って向かう。

「ピッコロさん…。お父さん…。」

ピッコロから一報が入ったのは、厳しい修行を終えたつい先ほどだった。

 

「悟飯、聞こえるか!」

「ピ、ピッコロさん…!?どうしたんですかピッコロさん!!」

「簡単に説明する。悟空が倒れた!」

「お、お父さんが…。」

「急いで、家に戻れ。状況は途中で詳しく話す。」

 

それから、悟飯は状況を聞いた。悟空が心臓病にかかっていること、そして悟空の死が間近に迫っていることを。

「そんな…。」

悟飯は信じられなかった。悟空はつい今日の昼までいつもと変わらない様子で元気だったから。

「お父さん…。」

そう思っているうちに見えた。自分の家が。みんなすでに集まっていた。

ドアを開けた。

「お父さん!!」

「っ!!」

振り返る武天老師、牛魔王のおじさん、そしてチチ。しかし、悟飯は同時に察した。自分の父孫悟空がたった今『亡くなった』ことに…。

「おとうさん…。」

 

 

「っ!!」

飛び上がるように起き上がるバーダック。夢から目覚めたのだ。

「やっと起きたか…。」

「ここは…。」

見慣れない部屋だった。

「私の家だよ…。」

あの決着の後、バーダックは意識を失って倒れるように眠っていたらしい。彼は2日以上寝ていなかったのだ。

「そうか…。」

バーダックは今の状況を理解した。

「それにしても、お前かなりうなされていたぞ。それにその汗…。一体何があったんだ…?」

「ちょっと変な夢を見ただけだ…。心配するほどじゃねえ…。」

少しぶっきらぼうな返事だった。しかし、妹紅は察した。さっきとはなにか感じが違うことに。

「そうか…。ところでお腹すいているだろう?」

「そんなことを言ったつもりはない。」

「うなされながら『ごはん』って言っていたんだよ…。」

「…。」

バーダックは決まりが悪い感じがした。

妹紅はそれを感じつつ、明るくこう重ねた。

「ま、今日の戦ったお礼ということでどうだ。それにこんなにいい月が見えるんだ。どうだ。」

「しょうがねえな…。」

こうして、それぞれ久しぶりの夕食となった。妹紅は、素直じゃない奴だと思いつつも悪い気はしなかった。

 

 

そんな小さな宴も中盤になると酔いが回り、それぞれの生きた世界のことについてのことに変わった。

「なるほど、それでその悪の帝王ふりーざに立ち向かったがむなしく敗北。そして、たどり着いた世界は過去で、もともと住んでいた奴らに助けられ、そのあと宇宙海賊と戦って見事倒し行く当てなく歩いたら『ここに来た』か…。どうなっているんだお前の世界は…。」

半分疑いつつも興味深いなと思う妹紅。

「知るか、そういうお前も同じようなもんだろう…。お前のようなガキが千年も生きていて、不老不死だと…。信じられるか。」

「ここにいるんだ信じるしかないだろう…。」

「…。」

正論を吐かれ、黙り込むしかなかった。彼女の言うことを信じるとするならば納得がいくのだ。思い返せば、さっきの戦闘の時彼女に渾身の一撃を叩き込み吹っ飛ばした。そして、舞い上がる土煙の中、突然炎と共に目の前に現れたのだ。歩いてきた様子でも、超スピードで動いた様子でもなかった。炎から生まれるようにして現れた、そんな感じだった。

「さて…。」

妹紅が立ち上がった。

「話も大体オチがついた。そろそろ寝るとするか…。」

「好きにしろ…。」

そういうと、バーダックは外へ出ようとした。

「あ、もう一度いうけど、歩いてどこかへ行くのはやめたほうがいいぞ…。」

引き留める妹紅。そう、ここは迷いの竹林。わずかな傾斜と斜めに生えた竹で平衡感覚をとらえるのは難しく、目印が少ないうえ、竹の成長が早くある程度の熟練者でないともとに位置に戻るのは難しいのだ。満月が出ているとしても、今バーダックがこの竹林をぶらつくのは危ういことなのだ。しかし、

「お前たちとは『出来が違う』んだよ。心配する必要はねえ。」

バーダックは掴んださっきの戦闘で、『気配を探る』ということを。

「風邪ひくなよ…。」

そう言い残し奥の方へ妹紅は消えていった。

 

 満月を背に空を進むバーダック。あれからバーダックはざっとこの島を一周しに向かった。それから、どこに何があるかははっきりと見えなかったが大体は掴んだ。島の大きさはそれほど大きくないと(当者比、約4万キロ平方メートル)。さらに、もう一つ掴んだ。満月についてだ。本来サイヤ人は月からの反射でのみ発生する電磁波、ブルーツ波で大猿に変化する、その出力1700万ゼノ。バーダックはふとそれを思い出し満月を見たのだが、何も感じなかった。そう、この世界の月からの出力が足りていなかったのだ。1ゼノでもかけていた場合変身はできない。月の光が変わらず地上を暖かく照らしている。

「とんでもねえとこに来ちまったもんだ…。」

 そう思うのも無理はない。ここに来ていきなり竹林で迷った上、不思議な奴に戦いを挑まれこの始末。今考えると久しぶりに飯にありつけた。それ以外これといっていいことが無かった。ただ、一つだけ気になることがあった。

「それにしても、何だったんだ『あの夢』は…。」

『あの夢』。さっきうなされながら見た『カカロットのこと』の夢だった。フリーザとの戦いに敗れ、散りゆく中みた『自分の息子カカロット(孫悟空)がフリーザと対峙した予知夢。』。あれ以来予知夢を見ることはなかった。そして、『さっきの夢』。あれは予知夢とはまた別の物のような気がした。むしろ、『過去』を見た。そんな感じだった。

「…。」

進みながらいろいろ考えてみた。しかしよく見いだせなかった、あの夢の意味が。そして、しばらくしてバーダックは考えるのをやめた。そして、思い出していたあの散りゆく中、自分の息子カカロットに託した思いを。

 カカロットよ…。この俺の『遺志』を継げ。サイヤ人の…、惑星ベジータの仇を『お前が討つ』んだっ!

「戦闘力たった2のガキに、俺は何を託しているんだ…。」

そんなことを思っているうちに迷いの竹林に戻ってきた。一周したのだ。

「今日はこんなところか…。」

ため息交じりの言葉を吐き、家に降りていった。

 

「…。」

妹紅の家の前にある岩に腰を下ろすバーダック。夜も更け、さっきまでそよそよと吹いていた風はいつの間にか止んでいた。月は高く上がり青白く照らしている。

「…。」

月を見上げてみた。ふとかつての仲間たちの顔がそこに浮かんでいる気がして。

 

チームバーダック、かつてバーダックが率いた計5人(男4人女1人)の精鋭部隊。チームの中で一番穏やかな仲間想いのトーマ、サイヤ人では珍しい女性で、気が強いセリパ、チームの中で一番荒々しいちょっと小太りのパンブーキン、チーム一番の大柄で無口なトテッポ。バーダックにとって彼らは大切な仲間だった。そして、自分のパートナーであるギネ、彼女もかつてそこにおり共に戦ったりした。彼女は、戦闘向きではないためよく相手に捕まえられたりしては助けられるような始末だったが。

しかし、サイヤ人の力を警戒したフリーザの命令を受けたドドリアとその仲間たちによって、自分より先に惑星ミートの制圧に向かったトーマ・セリパ・パンブーキン・トテッポは、彼らによって無残にも皆殺しにされた。

 

「この俺をおいて先にいきやがって…。」

皮肉の混じったような思いだった。もう、彼らは戻ってこない。自分以外全員、あの惑星ベジータ最後の日に宇宙の彼方に消えていったのだ。

「…!」

何か思い出したように戦闘服のポケットの中を探す。そして、取り出した。

「…。」

手にしたのは赤いハチマキだった。そして、思い出した。あの日、心に刻んだ誓いを。

「まだまだくたばれねえか…。」

何か新たな思いを抱いた。辺りに霧が立ち込めてきた。

「…。」

こうして、『今日』が終わった。また、明日も生きよう。そう思ったバーダックだった。

 

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