僕は 『生きたガイアメモリ製造機』   作:しゃしゃしゃ

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多少強引です。無理筋なストーリーではないと信じたい。


13日目「Eが見ていた/かべのなかにいる」

13日目

 

 出てきた。

 ようやくだ。日付変わったぞ おい。もしかして転送魔方陣とかで帰ってしまったのでは、と考えて出直すかどうか悩んでいただけに、助かった。

 

 悪魔として、上級悪魔のリアス・グレモリーがどれだけの身体機能・感覚機能を持っているかわからない。

 

 ので、距離を置いて追跡を行う必要がある。

 さすがに、ピクシー並みの感覚*1ということはないだろうけど、一応用心しておくにこしたことはない。

 

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「インビジブル・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「EYES(アイズ)・アップグレード」

 

 

【変身】

 

 強化インビジブル=アイズ・ドーパント。

 

 

 音が出ないように注意した指パッチンで姿を消し、超強化されたアイズの視力で見失わないように遠方から追跡をスタートする。

 

 …気づく様子はない。普通に歩いている。

 

 足音、なるべく立てないように気を使っているが、今のところはそれも気づかれた様子はない。

 

 着いた。高級マンションっぽい。ブルジョワめ!

 オートロックで、入るわけにはいかないので目玉をとばす。

 

 アイズ・ドーパントの能力、眼球子機。見かけはなんだか、劇場版ドラえもんでよく出る、タイムパトロールの白いアレみたいな感じ。

 飛ばす。

 

 この眼球子機もインビジブルの能力を受けて透明であるから、怪しまれることはない。

 ………初めから、コレだけ送っておけばよかったんじゃないかな? …今さらだな。

 

 

 各階を監視させ、降りた階担当の眼球子機でリアス・グレモリーを追う。部屋番号入手。

 

 危ねっ!

 

 振り向かれた。目が合った。

 

 ………ジッと見ている。手が伸びる。

 

 

 ふぅ…。

 危なかった。

 僕自身が行っていたら触れられていた。

 目玉だけの浮遊移動可能な眼球子機だから回避できた…。

 リアス・グレモリーは部屋に入った。

 視線…かな。「なんとなく見られているような気配」とかで、バレたのかな。

 

 なんだかなー。わかるようなわからないような。

 

 さて、これからが長い。これから、リアス・グレモリーが登校するまで張り込みだ。

 6・7時間か…? この寒空の下………。ロマンだね!

 

 一度やってみたかったんだ、こういうの!

 さぁ、頑張るぞ!

 

 

 

 

 

 

 無理でした。

 寒いって。寒さには勝てないって。

 コンビニを渡り歩いて時間つぶし。

 

 ただ、張り込み先を注視しながらあんパンと牛乳をかッ食らう! は成し遂げた。

 夢とロマン的に、それはやらないわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 朝。いい加減ねむい。

 学生たちの登校時刻。待っていたらリアス・グレモリーが出てきた。昨日は緊張していてそれどころではなかったけど、今は分かる。

 美人だ。

 比喩にならないが、「人間とは思えない美しさ」。

 この世界で初めて見る人外なわけだ。………うん、悪魔的な美だ。正直惚れてしまいそうなほどに。

 

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「インビジブル・アップグレード」

 

「バード」

 

「アイズ」

 

 

【変身】

 

 

 正直、強化する理由が見当たらないのでインビジブルのみ強化アダプター付けて変身。

 リアス・グレモリーが本当に学園に通うか。

 家を空けたと見せかけて…とか、そういうのでないかを確かめるため、朝追跡開始。

 

 昨日と違い、二次元的な監視では、他の生徒に紛れかねないので上空から監視できるように「バード」の力を使う。

 これならもし見つかっても逃げられる…はず。

 

 

 飛ぶ。

 …やっぱり空を飛ぶって最高。

 バード編の少年少女が夢中になっていたのも分かるというものだ。

 

 

 

 

 よし、登校した。校舎に入って、予鈴も…なった。

 よし。

 

 

 

 とんぼがえり、マンション前。これより、侵入を開始する。

 目的は、純血悪魔リアス・グレモリーの血液、体毛、皮膚片その他、遺伝子情報を利用可能なものの採取。

 Go! Go! Go!

 

 

 午前の屋外なので、気を付けて…。

 

「ゾーン」

 

「インビジブル」

 

 

【変身】

 

 透明化したうえで、浮遊し、部屋の隅まで近づく。

 

 空間走査………異物発見。なんだ? なにか…歪みを感じる。歪みというより…エネルギー…?

 普通の空間とは感じが違う…手を加えられたような………部屋の中の()()()がおかしい。おかしな点をスタート地点にして異物までをたどる。

 

 

 

 ………発見、完了。不可思議な“力”が線状に伸びている。これはセンサーだ。防犯装置的なものではない。不可思議なエネルギーライン。魔術的な何かなのだろう。効果は……わかんないな。魔術・魔法はさっぱりだ。

 

 でも、推測は出来る。転移阻害か侵入警報だろう。リアス・グレモリーはグレモリー家の次期当主であり、魔王サーゼクス・ルシファーの実の妹。悪魔の政治体系的に、王族とかそういうのではないけれど、ほとんどファーストファミリーに相当するVIP中のVIP。その彼女の住む住居にそれらの対策がなされているのは当然…のはずだ………たぶん。

 

 原作の三勢力のアホさ…もとい杜撰さを知っていると、想像しづらいけど、多分、そのはずだ。

 

 

 で

 

 

 前者、転移阻害なら侵入するのはやめておいた方がいい。帰れなくなるかもしれないわけだし。

 後者、侵入警報なら…これも入らない方がいい、だな。

 

 

 うーん。

 うーん。

 

 

 『力場』は部屋全体に及んでいる。スパイ映画みたいに、赤外線の隙間をぬって…とかは出来なさそうだな。

 

 

 

 ………ん?

 …………んんん?

 

 ………見つけた? かも、潜入方法。

 

 部屋全体の歪みに紛れて気づかなかったけど、壁にかかっている魔法陣の空間にもう一つ歪みがある。空間自体がねじ曲がって、どこかに繋がっている。あれだ、あれが多分ポイントだ。別の空間…冥界に異変を伝達する発信機。それがあの歪みなのだろう。

 

 であれば、あれを機能停止させてしまえば、異常が起きてもそれは伝わらない!………はず。

 

 どうする? やる? やらない? 別に危険を冒す必要はない。ここで悪魔の遺伝子を手に入れられなくても、後でまたチャンスはあるかもしれない。どうする…?

 やる。やってやる。

 

 

 隣の部屋に着地し、変身を解除する。

 

 

 だいじょうぶ。誰にも見られていない。

 

 

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「インビジブル・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「スイーツ・アップグレード」

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「ZERO(ゼロ)・アップグレード」

 

 

【変身】

 

 強化インビジブル=スイーツ=ゼロ・ドーパント。

 

 

 右手を握る。不思議な感覚。ゼロ・ドーパントの力は少し違和感を感じる。いつもなら体の奥から力が湧き出してくるような感覚を感じるのに、それが弱い。体の一部分が欠けたような、体に穴が開いたような感覚がある。ないのに、ある、というのも変な話だけど。

 

 

 

 ともかく、スイーツ・ドーパントの力で壁に自身を練り込み魔法陣の裏側の壁に潜りこむ。

 ゼロ・ドーパントの能力を右手に集中し、集中し、魔法陣に触れ、ゼロにする。

 

 

 できた? できたな? わからん。ゾーンメモリも挿してくればよかった。………それだと腕がなくなるから触れてゼロにできなくなるな。

 

 

 一旦「かべのなかにいる! 」な状態から逃れて、メモリ追加。

 

 

「ゾーン」

 

【変身】

 

 ………消えてる、な。けどこれ、やばいかも。力の流れが不自然に途切れて、冥界の方に異常が伝わってるかもしれない!

 

 しまった…! く~っ! ぶっつけ本番で適当に出力MAXじゃダメだったか…ッ!

 

 急げ! 瞬間移動! 潜入成功!

 

 警報鳴らず! 魔力的防犯装置は…反応なし!

 反応はしたけど、送信できていない! 何かないか? 何かないか?

 

 

 だーっ! ない!

 

 毛髪ぐらいならあるけど、それぐらいしかない!

 一番期待していた血液………トイレの屑籠の中のソレがない!

 

 

 どうする。

 どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする!

 

 

 あ、

 

 やばい、

 

 

 「くる」

 

 

 

 スイーツの力で壁に潜り込んで息をひそめ見つからないよう祈る。

 

 だめだ。見えなくても見つかるかもしれない。

 

 強化したゼロ・ドーパントの力で自分自身をゼロにする。気配…というものがあるのならそれを。匂いも、呼吸も、生命力も、全てをゼロに…………………………………………………………………………………こわい。怖い、怖い、怖い。

 自分が消えていく。僕が消えていく。音が遠くなる。感じていた恐ろしい存在の力も、感じられなくなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 “誰か”は去って行ったようだ。

 まだ恐ろしい。捕まるのも、見つかるもの怖くて怖くて仕方がなかった。化け物に見つかるんじゃないかと恐ろしくて仕方がなかった。あんな、あれなのか。人外はやっぱり人外だな。悪魔はやっぱり悪魔だよ。人間が敵う相手じゃないよ。甘く見てたわ。スペックが違うね。実際に見て、感じてというのは本当に大事なのだなと分かった。

 

 メモリの能力が効くか云々はともかく、こちらは一発貰えばダウンしそうなのに、相手はそんなことないってのが酷いと思う。

 

 

 ともかく、去って行った。ゾーンの力で探ると、魔法陣は新品に張り替えられていた。

 ………この部屋にいる間は、このままで大丈夫だけど、転移したら警報が鳴るな、多分。ゲーム的に言えば、マップ切り替えが起こったときに作動するようなものだと思うし。

 出られん…。帰れない………。

 

*1
1㎞先で落ちた針の音を聞くことができる




 無理筋ポイント
・発見されないこと。

 タイトル元ネタは27・28話「Dが見ていた/透明マジカルレディ・決死のツインマキシマム」。えちえち。27話のヒート&トリガー一人ツインマキシマムも、28話のアクセル&ファングライダーツインマキシマムもどっちも好き。

明日、夜這い。
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