僕は 『生きたガイアメモリ製造機』   作:しゃしゃしゃ

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 ドラマ版 掟上今日子の備忘録
 今懐かしんで見返しているのですが、超面白いです。
 これは止まらないやつだ。明日TSUTAYA行ったとき残り借りてきます。



14日目・上「悪夢なH/惑わす双丘(オパーイ)

14日目

 

 カチャン、と音が聞こえた。

 

 リアス・グレモリーが帰ってきたようだ。こんなに長い間ドーパントでい続けたのは、それこそロード・ドーパントになって暴走した時以来だ。疲れがひどい。体力がもたない。今すぐにでも変身を解除したい気分だ。半日以上何も口に入れてないからひどく腹が減った。

 お腹が鳴ってバレるかもと思って、ゼロ・ドーパントの力で空腹感を消そうとしたが、やはり初めから存在しないものを消すことはできないようで、失敗した。なんだか大嘘憑きみたいだなと思って少しおかしかった。

 

 

 

 

 リアス・グレモリーが眠った。多分。ここ寝室じゃないからわからないけど、電気消していったし多分そうだろう。

 

 そっと、壁の中を泳いで寝室まで移動する。

 寝室といっても尋常じゃなく広い。ブルジョワめ! お貴族様か、そうだった。

 

 ………眠っているらしい。不用心にもほどがある。立場や強さゆえの驕りということだろうか。「まさか自分を襲いに来る者がいるはずがない」「寝込みを襲われるなんてありえない」「私に手を出せば、グレモリー公爵家が、魔王(お兄様)が黙っていないのだから」

 

 ってか?

 まぁそうだろうよ。僕もそれは怖い。だから、『ちょっとだけ…ちょっとだけだから…』だ。

 

 

 ひっそりと、身をひそめ、変身を解除する。

 メモリを服で押さえて、ガイアウィスパーが響くのを何とか最小限にしつつ、メモリを4本ネオガイアドライバーに挿しこませる。

 

〔DOWNLOAD complete〕

 「NIGHTMARE・アップグレード」

 

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 僕のネオガイアドライバー、ダブルドライバーと違って、『ガキィンッ! ドゥルルン! ガキィン! ドゥルルン!』とか鳴らないから、そこは本当に助かる。神に感謝。

 

 

【変身】

 

 強化アダプター装着、メモリ4本、最大出力単一ドーパント。

 

 力が溢れてくる。

 

 最大最強の悪夢(ナイトメア)でリアス・グレモリーを悪夢に閉じ込める………!

 

 

 

 

 

 …………………………………。

 …………………………。

 ………………………。

 ……………………。

 …………………。

 

 ここが夢の世界か…。…! ディケイド並感。うわ、素で出た。素で、ここが夢の世界か(キリッ! って言っちゃった! なんだか恥ずかしぃ…!

 

 ともかく、リアス・グレモリーの夢世界に侵入できたわけだが…? 本人はどこだ~?

 

 

 発見。秒で発見できた。表彰的なものされてる…レーディングゲームか? そういえばこの人夢はゲームでチャンピオン? トップランカー? になることだっけ。幸せな夢を見ているようだ。

 

 邪魔な観客をどけて近づく。

 

 夢の中では、ナイトメア・ドーパントは全能であり無敵。フィリップのように精神体で入ってくる特別な存在でなければ、抵抗すらできない。

 

 彼女は表彰され、魔王から王冠を与えられようとしていた。

 

 彼女が礼をして、頭を下げている間に魔王サーゼクス・ルシファーに化けて、入れ替わる。

 そして、王冠をかぶせるように、「ドリームキャッチャー」を被せる。

 

 う、とリアス・グレモリーは一瞬顔をゆがめて、頭を上げようとしたが、その前に倒れ夢の中で悪夢に囚われた。僕が解かなければ二度と醒めない夢の中へ。

 

 

 

 

 現実世界に意識を戻す。

 変身を解除して、抜き足差し足忍び足

 で近づく。

 

 ………うなされている。

 しっかり悪夢に囚われているようだ。

 ちなみに彼女の額には“H”の文字も“G”の文字も浮かんでいない。イニシャル浮かばせる必要特にないからな。むしろそこに残っていたエネルギーから…とかありえるし。なので額含めて綺麗なお顔です。………まじで綺麗だな。苦悶の表情もどこかエロくて、エロイな。

 

 ………………なにしても起きないんだよな。

 

 

 ごくり…。

 

 

 

 

 

 

 ! だめだだめだ! したいけども! 寝込みを襲ってみたいけれども! その豊満な胸を遠慮容赦なく揉みしだいて、乳肌の感触を味わいながら自分勝手に腰を振って顔や胸や中に精根尽き果てるまで………とは思うけど、我慢。

 

 我慢…。

 

 我慢………。

 

 がまんっ………!

 

 

 我慢といえばアホ牛こと、ランボを思い出すんだけど、今の子は分かるのかな。リボーンもよくよく考えればだいぶ前の作品だしなぁ………。

 よし、思考逸れた。悪魔に対して、いつまで効果を発揮するかわからないからな。こんなちんたらしている暇はないよ。

 

 

 

ARMS(アームズ)

 

【変身】

 

 アームズ・ドーパント。

 アバレッドもとい倉田剣児の、

――「メモリを捨てるぐらいだったらな…人間を捨てるね………!」

 が印象的だったドーパント。

 まさに『覚醒剤やめますか? それとも人間やめますか? 』で人間をやめる方を選んでしまった彼。

 

 ま、気持ちは分かる。

 

 僕は今メモリの“悪い”影響がなく、メモリを利用できている。力を手に入れられている。でも、毒素で心と体がボロボロになったとしても、この力を手放すという選択は取れないだろうな、と思うんだよね。必要だからというだけではなくてさ、メモリを使って得られる幸福感というか、解放感というか、「今の自分は何でもできる、なんにでもなれる! 」という全能感は、一度味わうと、離れがたい。

 メモリに限らず、力ってのは怖いな、って改めて思うよ。

 

 

 さて、やることさっさと済ませようか。

 

 銃にも剣にも変形可能な左腕を、注射器に変える。

 採血。

 

 Oh………そういえば、寝るときは全裸とか言ってたな。冬だよ? 一月の真冬だよ? 裸で寝るなよ………。うっかりおっぱい見て劣情が燃え上がりそうになったじゃねぇか…。変身前だったらヤバかった。セーフ。

 

 

 

 …………よし、こんなもんかな。ざっと400ml。傷は蚊に刺された程度だし、バレないバレない。

 

 ………念には念を、だ。

 

「ジーン」

 

【変身】

 

 アームズ=ジーン・ドーパント。

 

 ジーンの能力で、多少強引に傷を元に戻す。痒いかもしれないけど、夢の中だし大丈夫だろ。血管含めて傷一つなく…できた。

 

 任務完了。

 …………。少しぐらい………だめだって。

 だめよーだめだめ。

 我慢だ。我慢 我慢だ…!

 

 遺伝子レベルで同一なリアス・グレモリーとなって、何食わぬ顔でドアから出て帰る。

 

 できた。できた。

 

 あ、悪夢(ナイトメア)。解除しなきゃ。

 

「ナイトメア」

【変身】

 

 かーいじょっ!

 

 

 ただいま。

 シャワーを浴びて、りんごを食べて、飯の準備をする。

 

 冷凍食品のメンチカツがあった。レンチン。

 

 いただきます!

 

 

 ごちそうさまでした。

 腹が減ってたからたくさんおかわりできた。

 腹いっぱい。あー食った食った。

 

 寝る。

 疲れたー。おやすみなさーい。

 

 

 

 

 

 

 




タイトル元ネタは29・30話「悪夢なH/眠り姫のユウウツ・王子様は誰だ?」から。

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