僕は 『生きたガイアメモリ製造機』   作:しゃしゃしゃ

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2日目「青年…A/この世界で生きる覚悟」

2日目

 

 

 夢じゃなかったか…。

 転生(?)してから初めて迎える朝ってことになるのかな?

 12月29日、午前8時。

 僕、昨日までは二度寝三度寝当たり前の寝坊助だったけど、今日は意識がはっきりしていて、爽快感があるというか………ますます麻薬じみてる。

 

 

 ん…? なんだこれ。こんなノートなかったよな。知らないぞ、枕元にこんな。

 『1日目』 え? なんだこれ?! これは、これは僕の? 考え? 行動? 昨日の出来事が文字になって記録されている………?

 

 

 

………今日の、今この瞬間の思考も記録されている!? 現在進行形で! これを読んでいる僕の思考まで!?

 

 

 

 

 落ち着け…落ち着け…。これは多分、そういうことなんだろう。僕は“そういうキャラクター”なんだ。安心院さんじゃないけど、僕が考えるにこの世界は作りものだ。この世界は二次創作の世界で、僕は二次創作のキャラクターだ。

 二次創作じゃなくて、一次の可能性もあるか。なろうで“乙女ゲー世界に転生”とかでよくあるように、作中作なのかもしれないしな『ハイスクールD×D』という作品自体が。

 

 僕は、作者の作ったキャラクターでしかないのかもな、多分。だとしたら、僕の役割はなんだろう。それがわからないと、怖くて動けない。

 僕は主人公なのか? 悪者・踏み台なのか?

 …僕の特典(仮)はガイアメモリ。…ドーパント/怪人になるための道具だ。

 もしかしたら、僕の他にもオリ主がいて、彼ないし彼女は仮面ライダーなのかもしれない。僕は、僕の役割は敵として現れて主人公に敗れることなのかもしれない。

 

 怖い。怖い、怖い。怖い!

 僕は、ヒーローに倒されるだけの悪役なのか?

 

 

 

 

 

 

 落ち着いた。

 ノートをぱらぱらとめくる。

 …なるほど。全てが書かれているわけではないのか…。確かにな。昨日のことと一口に言っても、アパートに着くまでの間に迷子になったこととか、トイレのタンクが黒々としていたから必死で掃除したこととか、書かれていない。

 

 

 

 

 さて、ノートについてはもう放置する以外にできることはないな。僕以外には見もできず触れもできないというならどうもしないでいいだろう。

 

 お腹空いた。朝食にしよう。

 昨日の米の残りをジーンで食材に。ささっと調理。

 

 完成。THE☆日本の朝食。

 

 

 味噌汁美味かった。100%米なのに、油揚げも豆腐も本物そのものだった。美味美味。

 

 ごちそうさまでした。

 

 

 

 

 満腹になって、覚悟が決まった。自分の心に従う覚悟ができた。僕は僕の思うとおりにやる。

 主人公がどうかなんて関係ない。結局おびえても作品の中にいる僕には実際どうかなんてわからないし、どうなるのかもわからないし。『神ならざる我らには…』というやつかな。

 この世界に今も生きてるであろう原作キャラ。ヴァーリや曹操、彼らは自分が主人公のライバルキャラだなんて思ってもいないだろう。きっと自分が世界の中心だと思ってる。自分がこの世界の主人公だと思っている。

 きっと。

 そしてそれを知ることはこれから先もあり得ない。

 僕も同じだ。仮にライダーなオリ主が現れても、僕が主人公でない理由にはならない。僕が認めない。

 僕は僕の思うとおりにやる。自分が主人公でなくたって、勝者の星のもと産まれた者でなかったとしても。

 

 園咲家のような高潔な使命感も理想もなく、井坂先生のような狂気もなく、一般人で小物な僕だけど。

 「力」以外何もなく、英雄派のガキみたいな感じだけどそれでも、そのまま突き進む。僕の中の非日常を求める少年魂に従う。

 今まで通り、大学生として生きてきたように今このなりかわった『田中耕一』としての身分と立場で暮らしていけばいいのに。それじゃもったいない、って欲が出る。別に憧れなんてなかったし、不満なんてなかった。飯食って、漫画読んで、アニメ見て、ネットの向こうの連中と繋がって、楽しかった。楽しい毎日だった。

 

 

 でも僕は人を殺した。もう人殺しになってしまった。こんな僕が主人公? 笑える。みっともなく死ぬその日まで、自分の心に正直に、自由にこの世界を生きよう、と決めた。

 ………よし。書かれてる。主人公っぽかったかな…へへ。

 

 

 

 んあ。メール来てる。会社か。………辞めよ。退職願いだっけ? 退職届だっけ?

 

 

 

 辞めてきた。突然どうしたと上司に聞かれたけどごり押しで辞めてきた。ボロが出るかもしれないからな。中身が違うわけだし。

 辞めちゃったなー…ごめん田中耕一さん。奪った仕事捨てちゃって。でも仕方ないんだ。僕働きようがないし。

 

 

 

 帰り道。銀行に寄って暗証番号を変更。通帳と預金使用可能! いやー、ネット万歳。

 僕社会人じゃないもんで、どうすればいいもんかわからなかったけどネットで調べればすーぐ出てきたし。

 実印・通帳・免許証・“顔”。用意するのなんて楽勝すぎる。

 それなりに時間がかかって夕方になっちゃった。金を下ろしてスーパーで買い物。食品色々買わないと。パスタいいな。パスタは忙しい一人暮らしの味方。ミートソースとパスタと塩で、数分でできるミートソーススパゲティは美味しいし腹に溜まるし、片付けも簡単だしでいいことづくめ。

 

 パスタはともかく。貯金残高122万円。多いのか少ないのか…。年齢からすると多いのか? 働いた経験がないからわからないな。たぶん多い。節約したんだろうな…。夢とかあったのかも。金を貯めていい相手が見つかったときの結婚資金とか、家の購入資金とか…。ほんとまじでごめんなさい。

 

 まぁ、数か月は余裕で暮らしていけるはずだ。家賃とか、ケータイの金とか自動引き落としだろうし。金がなくなったら別の人殺して成り代わればいいよな。

 

 

 んー、んー。ツマミも買っておこう。サラミとかチーズとか…かな? 冷蔵庫いっぱいのビールを消費しないと食品入れておけないし。

 

 

 ただいまー。で、速攻シャワー。外の穢れを家の中に持ち込まないのは当然の常識。

 玄関で服を脱いでそのままシャワー。

 ミートソース一袋二人分を、豪快に使ってミートソーススパゲティ完成!

 

 いただきます。

 麺チョイ固め。うまうま♪

 

 ごちそうさまでした。

 

 ちゃぶ台にビールとチーズを置く。

 ○○○「アサヒィスゥパァドゥルァァァァイ」

 

 ……いざ!

 

 

 

 無理でした。まっずい…。

 僕、炭酸無理だったわ。ビール苦手なんだよ。チーズ食べながらだとマシだけど、うぅ…。

 ウイスキーの方がうまい。ワインの方がうまい。下が痺れて涙が出る。飲み方が悪いのかな? おいしく飲めない…。牛乳とかジュースの方がおいしい。無理、無理。

 頑張って6本イッキしたけど、限界。残りの、圧迫してる数十本は捨てよう。もったいないけどしょうがない。ヒダル神にならないよな…? いまだに恐怖消えないんだけど。

 

 

 ふぅ…ちゃんと酔っぱらってみたかったんだけどなー。6本程度じゃほろ酔いにもならねぇや。歯磨いて寝よ。

 

 おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 





 今回のタイトル元ネタは本編5・6話「少女…A/パパは仮面ライダー・嘘の代償」。

 こんな調子でこんな感じで続きます。
 明日か明後日、また読んでくれると嬉しいです。
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