剣に化けるまで   作:にんころ

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第ニ章:類は友を見抜く

ごつごつとした岩肌が、上下左右、視界の全面を占領している。その有り様はまさに洞窟、炭鉱、坑道。

「この階層にとどまるのも久しいな、、、」

ダンジョン17階層。この階層に今たくましい体躯の獣人、オッタルが一人で探索を行っていた。

(そもそも、最後にダンジョンに潜った日も定かではないか)

オッタルの圧倒的な存在感故モンスターが姿を現さない。

(、、、嫉妬、か)

確かに俺はあの少年に少し嫉妬していた。だが今の俺にはそんな事よりも大事な物がある。それは、、

(あのシロウなる男)

確かにまだ弱い。神フレイヤもあれは凡人だとなんの変哲もない石ころだと言った。だがあの青年の目は違った。

(あの目はステイタス無しで研鑽を積んだ事のある目だ)

オッタルは武人だと自負している。だがこのオラリオに武人が居るのか?と言われれば答えは、、居ないだ。

ステイタスは確かに短期間で爆発的に強くなる。だがその分武を積み重ねる事が出来ない。何故なら体に技術が追いつかないからに他ならない。あの青年は血の滲むような、それも普通では考えられないような事をして技を磨いたのだろう。

(だからこそ、ここまで来い)

焦がれていた夢、、ライバル。[勇者]や[剣姫]ではなり得ない。あやつらは武人などではない。[勇者]は指揮官であり武人ではない。[剣姫]は修羅ではあるが強さを求める故技術に欠ける。あの青年に期待しよう。

「ブモォォォォオオオッ!」

「上々だお前に決めたぞ」

そう言い神フレイヤの命令を遂行する。頭の中では違う事を考えながら。

 

____________________

 

「ベル様、どうしてダンジョンに潜る前からボロボロなんですか?」

「は、はは、、、ちょっとね」

(ヘスティア様も大概だがベルも嘘が下手だな)

だが何を隠しているのかわからない俺は永遠考えていたが無意味だなと思考を切った。

 

 

「ヒィャアアア!」

「ギィィィイ!」

甲高い声を喚かせ小悪魔のモンスター[インプ]が突っ込んでくる。

「っ!」

だが俺が弓で射抜く前にベルが接敵し迎撃していく。

(ほう、お前修行してたのか)

動きを見ればわかったその動きは今までの行き当たりばったりの動きではなく経験や技術を用いた物になっていたからだ。そうするとだが疑問が一つ残る。

(誰が教えているのか?)

まぁ考えても答えは出ないので早々に切り上げて俺も参戦する。

 

「身体、硬質強化開始<トレースオン>」

矢を番いて弦を引き、離した所で小気味良い音が鳴る。

「ブォン」

放った矢はモンスターを貫通し後ろの二匹を射抜いた。

「「「ギィッ」」」

最近魔力効率が良くなって余裕が出てきたので矢と弓を硬質化し更に腕力を強化させる事に成功した。

そして簡易的な貫通矢を作り出す事を成功した。

そして後ろから突撃してきたインプには、、

「はぁ!」

「ギッ」

双剣で切り刻む、弓の遠距離と双剣の近距離で間合いの管理をしてモンスターを確実に仕留めていく。

 

「ふぅ。お疲れさん二人共」

「お疲れ様シロウ」

「お疲れ様です。シロウ様が弓を使ってる所始めて見ました。凄い練度ですね」

「ん?リリに見せた事無かったか」

そんな他愛の無い話をしていると、、、

オークとバッドバットが現れインプ達も合流して大所帯のお出ましだ。

「多いな」

「はい、多種のモンスターがああまで群れるなんて珍しいくらいです。どうしますか、オークだけでもリリが引き付けましょうか?」

すると横から

「[ファイアボルト]!」

魔法で全てのモンスターを壊滅させた。

 

 

「ねぇシロウ。僕、魔法に依存しちゃってるかな?」

サンドイッチを摘みながらベルが聞いてくる。モンスターを倒した俺たちは、休憩していた。

 

「そんな事無いぞ俺もかなり使ってるからな。だが欠点が一つある」

「欠点?」

そう俺たちの魔法は発動条件が低い代わりに一つだけ欠点がある。

「火力不足、つまり必殺の一撃足りえない」

そう早い代わりに火力が無いだから敵を一撃で屠る力が無いのでどうしても連続発動しなければならない。

「僕の魔法は弱いのかな?」

「そんな事はないぞ、確かに火力は低いがその分速い。人相手だったりすれば相手が魔法を撃つ前だったり攻撃前に使えば相手は後手になる」

そうこの魔法の良いところは知らなきゃ一発で敵に傷を負わせられるという点だ。

「それに魔法は本来長い詠唱を経て使いますからその分時間と言う部分では最強だと言っても過言ではありません」リリが補足してくれた。

「ありがとう」

と告げて立ち上がった。

「午後も、頑張ろうか?」

「行くか」

「はい、どこまでも力添えさせていただきます」

その後もダンジョン攻略に精を出す俺たちだった。

 

 

今日はダンジョンをお休みすると言う事をベルから言われたので鍛冶場から出て散歩していた。

何かないかと遠出して外壁近くまで来た。すると辺りに鳴り響く甲高い聞き慣れた音、こんな所でおかしいなと思い音源に近づく。すると

「はぁはぁ」

「もっと動きを見て」

アイズとベルが戦っていた。

(なるほど急成長の秘訣はこう言う事か)

一人心の中で呟きその場から離れダンジョンを目指す。

(俺も負けられないな)

ソロでダンジョンに潜るのだった。

 

現在10階層

魔石を集めながら敵を屠る。

何度双剣で切り刻んだかわからない程には潜っていた。

インプの群れとオークを殺していく。

 

今回は弓ではなく双剣だけをつかっている。まだ練度が高いとはお世辞にも言えないのでここで使い慣れておく。

「はっ」

「「ギィッ」」

干将でインプの頭を落とし、莫耶でもう一匹の胸を貫く。

 

「ふぅこんなもんか」

今日は朝から居たので結構な時間動いていた。まだ戦い足りないが肩慣らしには流石に長過ぎるのでダンジョンから出た。

 

夜帰り道。

俺は市壁内部を歩いていると、遠くから音が聞こえたので走って向かう。すると

「ベルッ!」

「シロウ!?」

「シロウ君!?」

ベル、ヘスティア、アイズさんが覆面に襲われていた。

臨戦態勢に入ろうとした瞬間仕事は終わったとばかりに姿を消していった。

 

「何だったんだ?今のは」

「闇討ちは、よくあるよ」

「あるんですか!?」

「うん。ダンジョンの外で仕掛けてくるのは珍しいけど、、」

 

そんな会話をしていると視線を感じた。

(これはバベルの方か、、上からの視線はそれ以外考えられないからな)

俺はあの時と同じように殺気を込めた視線でバベルを睨みつけていた。

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