剣に化けるまで   作:にんころ

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ゲームが終わらないなぁ


第ニ章:強行突破は骨を断たせて

辺りにモンスターの影は無く足音だけが通路に響く。

「ここは、、、何階層だ?」

そうやって見渡すが、俺以外モンスターもいなければ人影すら無い。

(これは、完璧にはぐれたな)

俺とベル達は同じ横穴に入ったが途中で分岐していたらしく俺だけ取り残された。

(まず考えるべきはベル達が地上を目指すか、18階層目指すかって事だよなぁ)

現状、地上を目指すのが一番確実だがそれには他の冒険者に出会わなければならない。何故なら横穴に落ちたのでここが何階層でどの辺りなのかがわからないので一つしかない階段を探すのは自力では不可能に近い。

更に言えば上層と違い中層は冒険者の数が格段に減るので、そもそも他のパーティーに出会わないのである。

 

だが18階層は安全階層と言いモンスターが新たに生まれない階層なのだ。更に地下を目指す場合は横穴に入って行けばいずれ18階層に着く。

となるとやはり、、

(地下に向かった可能性の方が高いか、、)

などと思考を巡らせながら通路を歩く。

 

道や光源、更に落ちた感覚からしてここの階層は

(15、、いや16階層か、、多分、、)

初中層で仲間とはぐれて16階層でソロってもう詰んでる現状に呆れ果てていると、

 

横の通路にヘルハウンドが見えた。

(あと少し隠れるのが遅かったら見つかってた)

この状況で下を目指すにはモンスターとの戦闘を極力避けなければならず。

 

ここからひたすら隠れては息を潜めの繰り返しだった。だがそれもいつまでも続く筈もなく。

「「「グルゥ」」」

(ヘルハウンドが三匹か、厄介この上ないな)

サラマンダーウールは無事なので炎耐性は有るが、ソロなので数で押される事を視野に入れなければならない。

なので、、

(仕掛けるなら速攻ッ!)

「ヒュッ、ストッ」

「ギャッ」

弓を構え一匹削る。が残り二匹がこちらに突進して来たので。

「投影開始」

干将・莫耶を投影し迎撃に備える。

(近い方から確実に迅速に殺させて貰う)

集中力を極限まで引き出し、時間感覚を引き延ばす。

先に飛びかかって来たヘルハウンドの頭を落とした後、魔法の準備をしているもう一匹に莫耶を投げ阻止しその後干将で一文字に切り裂いた。

「はぁ、はぁ、はぁ、」

想像以上に体力を消耗していたようで息が乱れる。

(ヘルハウンドは鼻が効くからそこら辺を誤魔化すか、)

ヘルハウンドの死体をサラマンダーウールに擦り付けて匂いを付ける。そうする事により一番厄介なヘルハウンドとのエンカウントを最小限に抑えるサバイバル技術だ。

 

(まさか師匠の無茶振りで山籠りしたのがここで役立つとは、、)

そうんな現実逃避をしながら横穴を探す。

 

 

「なんとか最初の横穴を見つけられたな」

流石にソロなので慎重に慎重を期して移動した結果この階層の戦闘回数は二回に抑えられた。

 

「17階層到着っと」

そう呟き歩みを進めた。

 

そして身を潜めながら進むと開けた場所に出た。

「ここは嘆きの大壁ではないな」

そう呟くと辺りから無数の音が聞こえてくる。

ピキリ

ピキピキ

(おいおい冗談じゃないぞ)

合計で五個の亀裂、そこから現れたのは。

「「ブモォォォッ!」」

「「「グルゥウ」」」

ヘルハウンド三体とミノタウロス二体だった。

 

(ここから逃げてその先にモンスターが居ればその時点で詰む、ならばここで強行突破するしかない)

 

「強化開始」

魔法を発動させ身体能力を底上げする。

 

「はッ」

ヘルハウンドに斬りかかるが目を潰しただけに終わり、ミノタウロスに蹴り飛ばされる。

「ガッッ!?」

だが転んでもただでは起きないのが俺である。ガードしなかった方の剣でミノタウロスの足を切りとばす。

 

(やべぇ右腕が折れやがった)

右腕の感覚を確かめるが手は動かず激しい痛みに襲われる。

今使える武器は剣一本のみで弓は使えない。

(筋肉を硬化させ骨を固定するしかないか)

「硬化開始」

剣を握れないのでバンダナで剣の柄と手を固定する。

 

(この状態は魔力消費が激し過ぎる、、早めに決着をつけたい所だな)

身体と硬化を同時に行使しているので湯水の様に魔力が無くなって行く。

 

(ここは一か八かの勝負を仕掛けるとしようか、、)

がむしゃらに目を潰したヘルハウンド目掛けて突っ込んで行き莫耶を振るが、バックステップで紙一重で避けられる。

だが走る前に投げていた干将が死角から頭を切り裂く。

「ギャンッッ!?」

それで生じた隙間に身体をねじ込み通路に全力疾走する。

が後ろから残りのヘルハウンドの魔法が迫る。

「硬化開始ッ」

硬化させたサラマンダーウールを地面に突き立てて炎を防ぎ前の通路に滑り込み。

「投影開始ッ」

工程破棄した大剣で通路を塞ぐぎ一命を取り留めた。

 

「はぁッはぁッはぁッ」

(生きた心地がしないな、、、魔力は残り少ない、武器は莫耶のみでサラマンダーウールは無い。絶望的過ぎて感心するね)

絶望感に苛まれながら歩む事数分。

 

道の先から何かの叫び声が通路に鳴り響く。

「ゴライアスか!?」

もしベル達が巻き込まれていたらと思い通路を走り抜ける。

するとベルに迫るゴライアスの右腕が視界に入った。

「投影開始ッ!!」

さっき投影した大剣と同じ物を投げつける。

 

「ゴォォォオオオオッ」

「はぁ、はぁ、何とか、、そら、せたか、、」

プツンとそこで意識が途絶えた。

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