ここは教会の地下にある本拠。そこに今日は奇行を繰り返す神が居た。
(遅い、いくらなんでも遅すぎる。)
腕を組み、眉を寄らせて部屋を行ったり来たりを永遠と繰り返す。
(あの時嫉妬して怒ったからかな?)
そんな不安と焦り後悔が押し寄せてきていた。流石にシロウは帰ってくるだろうと思ったが、、そんな筈もなく。心配で外に探しに行っても収穫ゼロ。
(まさか襲われたのでは!?)
と先程から永遠考えているが当の本人達は一向に帰ってくる気配がしない。
やはりいてもたってもいられずドアに駆け寄ると、
「ガチャッ」
「ふぎゅ!?」
ドアが開きヘスティアの顔面に直撃!
そして必然的にヘスティアのスイカが形を変えてドアに当たる。
「どうした。ヘスティア様?」
「か、神さま、、ごめんなさい」
予想外の襲撃だったが上からの声に弾けるように顔を上げた。
「ベル君!?」
胸に広がる安堵、それと同時にその姿を見て絶句した。
「どうしたんだい、その怪我は!?まさか誰かに襲われたんじゃあ!?」
「いえ、そういうことは、なかったです、、、」
「じゃあ一体どうして!?」
「ダンジョンに潜ってたんですよ、俺とベルは」
ベル君も頷く、唖然として何もいえなかった。
「き、君達は馬鹿なのかい!?いいや馬鹿だったね!防具も着けずにしかも一晩中!?」
「、、すみません」
今ベルとシロウは防具を着けておらず。こんな状態でダンジョンに行けば裸同然、自殺行為となんら変わらない。
「どうしてそんな無茶をしたんだい?そんな自暴自棄のような真似。」
「・・・」
今のベル君はどこか暗い雰囲気がして、叱ろうにも叱らなかったヘスティアは諭すような優しい声音でかたりかけた。
しかしベル君は一向に口を開かない。
「わかった、何も聞かないよ。君は頑固だから、無理矢理聞いても無駄だろうしね」
「ごめんなさい、、、」
「なに、いいさ。じゃあ、シャワーを浴びておいで。傷の汚れを落として、治療しないと」
「、、、はい、ありがとうございます」
ベル君は部屋に入って行ったが問い詰めるべき人間はまだいる。
「ようし!それじゃ俺もベルと一緒に「ちょっと待つんだ」、、、、はい」
今の今まで溜めていた鬱憤も限界に達していたヘスティアはシロウへの当たりが異様に強かった。
「いや、まぁ正直若気のいたりとしか言いようがないんだが」
少し真剣味を帯びた声音で言っていた。
「それは僕にも言えない事なのかい?」
「言えません」
即答だった、心は凄く苦しくて頭の中では泣きそうだった。だがシロウが僕に言えないなら何かしら理由があるのだろう。僕は女神だからきっと女の僕には理解出来ない事なのだろうだからこそ。
「じゃあ、いつかきっと僕に言って欲しい、、約束だ。」
そう僕は君を信じている。彼の過去を僕は知らないし彼の戦い方も知らないけど、君は愛を理解して家族と接している。それだけは僕にもわかる。だから僕はそれを信じよう、家族なのだから。
シロウ・エミヤ
Lv1
力:H113→H156
耐久:I 75→H104
器用:H162→G246
俊敏:H192→G234
魔法:H120→H194
<魔法>
[強化]
・イメージが強い程効果上昇
・強度強化
・身体強化
[投影]
認められていないので使えない
<スキル>
[剣化の加護]
・魔法を使う度体は剣になる
・経験値は戦闘では得られず武器から得られる
・精霊との絆であり証
(これが今回の更新かぁ、、かなり伸びたな特に器用は)
そんな事を思いながらベルの方を見るとヘスティアの様子がおかしいのに気がついた。
「ベル君、今日は口頭で伝えるけどいいかい?」
そんな事をヘスティアが言っている、、怪しさ100%だ。
(何を隠してるんだ?)
と考えたが答えに辿り着くこともなく。
「あ、あふぉーッ!!防具も着けないで到達階層を増やしてるんじゃない!」
「ご、ごめんなさい!?」
少しこちらを睨んだが俺はどこ吹く風でステータスを読んでるフリ。
だが聞き逃せない言葉が次の瞬間出てきた。
「今の君は理由ははっきりしないけど、恐ろしく成長する速度が速いどこまで続くかはわからないけど、言っちゃえば成長期だ」
(そんな馬鹿な事があるのか?)
ここに来て怪しさが増す。大体神の恩恵にわからないだと?そんな事があり得るのだろうか。
そして一つの答えに辿り着く。
(もしかしてブーストスキル?)
それ以外に考えられなかった。ヘスティア様の怪しさが無ければベルの戦闘方法が成長しやすいとか理由を付けられるが。
(あの人嘘下手だなぁ〜)
呆れるぐらい動揺しているヘスティア様。きっと問い詰めれば言ってくれるだろうが。
(さっき見逃して貰った恩があるからな)
とこちらは見て見ぬ振りを決め込んだ。そんな事を思っているとベルとのやりとりも終わったようで。
「ベル君っ、僕は今日の夜・・いや何日か部屋を留守にするよ。構わないかい」
どうやらヘスティア様は神々のパーティーに行くようだ。
「それじゃ俺達はダンジョンに行くか」
そう言い残して本拠を出た。
「そういやベル、豊穣の女主人に行くんだろ?」
「う、うん」
「そう硬くなるな金は俺が払ったんだそんなに向こうも怒ってないだろうよ」
「そ、そうかな」
そう、これからお騒がせした謝罪をしに行くのだが先程からベルはこの調子なのだ。
そんなこんなで店の前に立っているとエルフとキャットピープルの店員が話しかけてきた。
「申し訳ありません、お客様。当店はまだ準備中です。時間を改めてお越しになっていただけないでしょうか。」
「まだミャー達のお店はやってニャいのニャ!」
可愛い、不覚にもニャだと言う言葉が秘める破壊力に負けてしまいそうになる。
(っと少しスリップしていたらしい)
スリップしている間にニャンコがわめいていた。
「貴方は黙っていてください」
エルフの一撃がまったく見えなかった
(ここは予想以上に化け物の巣窟みたいだな)
そんなことを考えていると奥から。
「ベルさんっ!」
とシルさんが現れた。何やらあの二人は甘い雰囲気でいるのでエルフに話しかけた。
「この間はすみませんでした。俺からも謝っときます。」
「お金はしっかり払って貰っていますから、謝る事は無い。それに貴方の怒りはあって然るべき物だ。」
「そう言って貰えるとありがたいのです。」
見た目は物凄くキツそうな女性だが、実はそうでもないらしい。話してみれば常識人みたいな印象だった。
そんな話をしている間にベルが「行ってきます!」と勢いよく飛び出してしまったので、俺も後を追う。
「ミアさんベルを許してくれてありがとうございます」
感謝の念を店の長に伝える。
「いいってことさ、お前さんはもっと希望を見た方がいい。後悔しないようにね。」
「まぁ見ているつもりなんですけどね。
見透かされているような感覚がして早々に立ち去ってしまった。
夜。
俺は一人夜風に当たりながら武器について考えていた。
(今は拳だがいつか限界が来る)
そう悩みの種はこれである。強化は魔力消費が少ないとは言え、使い続ければ魔力枯渇にだってなる。それじゃダメだ、俺には強い武器が必要だ。だが、いつもこの事を考えると頭痛と共にある情景が浮かぶ。
それは雪原、だが雪と言うにはあまりにも無機質でまるで鉄のような物だ。
そして地面には無数の剣が所狭しと突き立っている。
だがこれは俺の記憶じゃない事だけは何故かわかる。それがいつも見ていた幻。
だが今日は頭痛も幻も無い。その代わりイメージ出来たのは白と黒の双剣、それが見えた途端体が熱くなった。凄まじい激痛に苛まれたが一瞬で治った不思議に思いながら本拠に戻って行く
同時刻
神の宴会場[ガネーシャ・ファミリア]本拠
ヘスティア土下座しながらヘファイストスに言い放った。
「僕のファミリアの子に、武器を作って欲しいんだ!」