そのベージュの髪で片目を隠した褐色肌の女性は
哀れんだ目でディアボロを見ていた。
こんなホームレスに相手をするつもりも無かった。
だがそいつは彼女と接点はあった。
なんか似ていた。
ただそれだけだ。
「こんな哀れでダサイ男とは寝たくも無いな。」
そう思った。
しかし、足が進まない。
じっとディアボロを見る女性。
ディアボロにはもう目撃者を殺す気力も
生きる気力も無い。
女性はディアボロの肩に触れるとディアボロの
傷が治っていく。
ディアボロは感じた。
わずかな温もりを。
体を全部治された。
無論あそこも。
ディアボロは不思議な気持ちで聞いた。
ディアボロ「どうして.....俺を.....助けた.....?」
女性「助けたってどーせ襲う気力も見えねえからだよ」
持っていた缶コーヒーの一つを想いっきり脳天に
ぶつけて去っていった。
ディアボロはそのコーヒーを飲む気になれなかった。
そのコーヒーは自販機で何処でも買える代物。
ホットのカプチーノ。
腐っているわけでもなければ
プレミアがついているわけでもない普通のコーヒーだ。
飲めなかった。
ジーンズのポケットにそいつを入れると
少しだけ歩いてみようという気になった。
あいつの後を追う。
理由は何も浮かばないがついていく。
なんの感情もわかないのにも関わらず
足が動く。
そこらのチンピラと警官を女とは思えないパワーで
殴り殺して女性は金を漁る。
女性は金を手にするとため息を漏らす。
女性「あーあ。」
そこにディアボロが来る。
女性「さっきのくたばりぞこないか。何か用?」
するとディアボロはローストチキンを差し出して言う。
さっき盗んできたやつだ。
ディアボロ「食え。」
女性「.....。」
女性は受けとると。
かじった。
女性「何処で奪った?」
ディアボロ「昔行きつけだった店から奪った。
昔は正規料金で食ってた高いやつだ。」
ガツガツとゆっくり二人で食べながら少し時間が経った
女性「私はヴァサーゴっていう。」
聞きもしてないのに言葉を出した。
ヴァサーゴ「昨日までは金持ちの官僚の
娘だった。親は遊び呆けるわ汚職はするわで
微塵も相手にしてもらえなかった。
だが金だけはあった。つまらないけどそこそこ
楽しくはあった。どれ程横暴を働いても
金があればどうにでもなると教わった。
だけど.....親がこの前殺された。
そのあと親の隠していた汚職がボロボロ判明するわ
麻薬組織との関係もバレるわ白い目で見られるわ
バイクも車も一緒に暴力を働き友達と思っていた
連中も寝る場所も居場所も全部失うわ
散々だった。絶頂って儚いな。いいや
一時で消えてしまうってわかってはいたんだ
心の奥では。目をそらしていただけさ。
まあ歪んで育ったこの私は
なーーーーーーーーーーーんにも
変わんないけどな。」
.....。
似ているってもんじゃねえ。
同じだ.....。
俺と。
なにもかもあるように感じたあの絶頂の時代。
だが蓋を開けたら空っぽだった。
失うときは一瞬。
こいつはどこかそれをわかっていたのか。
俺はどうにでもできると思っていた落とし穴は
避けられない行き止まりだった。
.....。
不思議な気持ちだ。
一度女とは寝たことはあった。
だが所詮は遊びだったんだ。
.....こんな気持ちになったことはない。
なんなんだ。
感じたことのないこの心は。
そうか。
俺は絶頂に居るつもりが.....こんな思いを
共有できる人間なんて一人も居なかったのか。
ディアボロ「.......。」
何故?
こいつには全てを知ってほしいと思うのか?
過去なんて邪魔でしかないのに
こいつには全てを打ち明けたいと思った。
なんで.......。
わからん。
その時だった。
スピードワゴン「お前か?......最近何人も殺している
連続殺人犯は。」
声が聞こえた。現れた。
髪がふさふさのシルクハットを被った
紳士っぽいおっさんと
異質な空気を備えた白い服装の一人の男。
防止にJOJOと書かれている。
空条承太郎「官僚の親にひた隠しされてきたが
殺人暴行の余罪まみれ、現在だと隠蔽すらできず
監視カメラにダダモレ状態。仕事終了後の
ついでの任務でお付き合いしてみたが.......
オーバーな面子だったかもな。」
スピードワゴン「お前はこれから更正する気が
あるのか?歪んだ道を正さないとこの先平和な
生活をしている多くの家族を不幸にする。
だからこっちに来い。正しく教育しなおしてやる。」
ヴァサーゴ「やなこった。」
女は断った。
ヴァサーゴ「正しく教育してやる.......?
はっ!!三流教師も同じことを言っていたな。
私の生き方が間違ってる間違ってるって?
ふざけんじゃねえぞ!!どいつもこいつも
人を踏み台に生きてることに代わりねえのに
どうしてその踏み台に人権があるなぞと考えなきゃ
いけねえんだ!!訳がわからねえ!!
どう最後は死んで骸骨になる連中にどうして
一生気を使わなきゃいけねえんだ!?
そんな人生はごめんだね!!私は
好き勝手ぶっ殺して
好き勝手奪って
好き勝手食って
好き勝手生きる!!
これが私よ!!温室育ちのじじいどもはどうせ
私に敵わねえ癖に.......黙ってろよゴラア!!」
想像以上に狂暴な女だった。
彼女の腕が変化する。
筋肉と骨が凶悪な形に膨れ上がる。
『セルローズ!!』
彼女は凶悪な手足に体を変貌させると一気に
襲いかかる。
それは女とは到底思えない速さだった。
このまま攻撃を食らえば紳士(笑)二人は
吹き飛ぶだろう。
その時。
なにも見えずに彼女は吹き飛ばされる。
ヴァサーゴ「!?」
困惑する。
何が起きたのか!?
ディアボロ「この挙動は!?」
ディアボロはその攻撃を見て表情を変えた。
時間が消えたような攻撃。
エピタフではっきり見えた。
ヴァサーゴの動きが相手への攻撃直前にストップして
青いスタンドにぶん殴られている姿を。
ヴァサーゴ「ぬああああっ!!」
承太郎「予め言っておく。警告する。
攻撃を止めないなら今度は殺す。」
承太郎(やれやれ、シアハードアタックじゃあるまいし
なんて硬い奴だ!!)
ヴァサーゴは決して無策で突っ込んだ訳じゃなかった
細胞を操る体の黄色いライン模様のスタンド
『セルローズ』は体のカルシウムと筋肉を
増殖させてギチギチに強化してある。
ただし『人間のDNAを越えた細胞変身』はできない
例を出すと筋肉や骨の形を変えたり増殖させる
事ができても鳥のように翼を生やして飛ぶことも
できなければ、魚のようにヒレを生やすことは
できないしカマキリのような材質の鎌を持つことも
バッタのような内臓構造への変化もできない。
だが防御もかなり高く全身を白筋にすることで
圧倒的スピードを出すこともでき、赤筋を増やせば
24時間走れる。
ヴァサーゴ「こんのやろおおおおおお!!」
更なる力を込めて承太郎を殺しにかかる
ヴァサーゴ。
しかし今度攻撃をしたのは
スピードワゴンの方だった。
ブラックオパール「ぎぇい!!」
怪獣のような声を上げて黒い人型のスタンドは
ヴァサーゴの腕を破壊した上でその右パンチは
心臓まで貫通した。
ヴァサーゴ「ぐばぁ.......!!」
ディアボロ「ヴァサーゴぉぉぉおおおお!!」
ヴァサーゴ
『セルローズ』
破壊力C スピードB 射程D 持続力A
精密動作性A 成長性A
細胞を操るスタンド。
体に走る何本もの黄色いラインがスタンドである。
吸血鬼の能力とは別ベクトルで優れた再生能力を持ち
相手の細胞さえ変質させることができる。
ただし人間のDNAの範疇に無い変化は不可能である
簡単にいうと魚のヒレはつけられないし
昆虫の羽や手足は再現できないし
ましてや究極生物や吸血鬼のようなぶっ飛んだ変化は
できない。
ただし筋力や骨の増強や容姿の変化、分泌液の
変化等は自由自在である。