ザンビ〜生と死の狭間を彷徨う者達への鎮魂歌〜   作:ルコル

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序章
第1話


少年「ここがフリージア学園、本当に人っ子一人いないんだな。」

 

 

現在、もぬけの殻となってしまっている女子校、フリージア学園。

 

 

そこへ一人の少年、神村流斗が教会から調査の依頼を受け、足を踏み入れようとしながらそう口走った。

 

 

最もその少年、流斗は特別な力を持つ悪魔祓い師であり、教会側はこのフリージア学園集団失踪事件は、ただの集団失踪事件ではないと考え、何かこの世ならざるモノの仕業でないかと、結論づけ、流斗に調査を依頼した。

 

 

流斗自身もこの事件の背景には、何か不気味なモノを感じていた。

 

 

流斗「やはり、何か空気が張り詰めているな。とりあえず、入ってみるか。」

 

 

流斗はそう言いながら、正門の扉を開け中へ入って行く。

 

 

許可はすでに取ってあるため、扉の鍵は管理人が開けていたので、すんなり入ることが出来た。

 

 

ちなみにこの管理人は、1週間、私用で別の者に管理を任せていたので集団失踪事件に巻き込まれずに済んでいたのだ。

 

 

だが、その管理を任せられていた人物は事件に巻き込まれてしまい、管理人は責任を感じてしまっていた。

 

 

それもあってか、管理人は入ることを快く許可してくれた。

 

 

流斗「これは、嫌な空気だな。かなり重苦しい空気だ。」

 

 

扉を開け中へ進んで行くと、胸を締め付けられるような重苦しい空気に流斗は襲われた。

 

 

だが、管理人の悲痛な顔を思い出すと、流斗は立ち止まってはいられないと思い、持ってきていたライトを点灯し、歩き出した。

 

 

少し進んで行く、左側に真っ暗な闇に包まれている廊下が現れた。

 

 

流斗「この先に何かあるな。」

 

 

何かを感じ取った流斗は、それに導かれるように、ライトを向け真っ暗な廊下進んで行った。

 

 

その廊下はだいたい30メートルくらいありそうな広い廊下で、現在は照明が付いていなく、先は暗闇が濃く全く見えない。

 

 

そのまま進んで行くと、ボイラー室と書かれた扉にたどり着いた。

 

 

流斗「この中か。何か魔なるモノ感じるな。」

 

 

意を決して、扉を開けると、その中には異様な光景が広がっていた。

 

 

流斗「なんだコレは?何か儀式でも行っていたのか?」

 

 

そこには、まるで儀式のための祭壇のような物があった。

 

 

その中央には何かを木製の入れ物があり、それを囲む様にロウソクが何本か建てられていた。

 

 

木製の入れ物のフタの上には、何かの日記のような手記があった。

 

 

流斗「日記か?この学園の関係者の持ち物か何かか?ちょっと読んで見るか。」

 

 

流斗はその手記を手に取って読み始めた。

 

 

そこには、こう書かれていた。

 

 

「誰かの役に立つか分からないが念の為にこの手記を残す。私は守口という男だ。これがは読まれている頃には私はおそらくザンビというバケモノになってしまっているだろう。ザンビというのは生と死の狭間にいる者で、西洋でいうゾンビと似た存在だ。だが、ゾンビとは違う所が一つある。それはザンビは生きながらに死に、死にながらに生きる存在、つまり死んでもいるし生きてもいるという点だ。その点がゾンビとは違う所で、魂はまだその肉体にある。このフリージア学園ではすでに生徒も含め校内関係者全員がザンビとなってしまっているだろう。」

 

 

さらに流斗はその手記を読み進める。

 

 

「さらに彼らを助ける方法として、100年前、残美村という村で生きながらに生き埋めにされた女性の怨念を封印するという方法がある。ザンビはその女性の怨念による呪いによって生まれた存在だ。だから彼女の呪いを封印すれば、ザンビになったもの達は皆、元に戻る。だが、そのために私を一つ過ちを犯してしまった。呪いを封印するためには、女子生徒を一人生け贄にするしかなかった。」

 

 

流斗はその文を読んで驚愕してしまっていた

 

 

流斗(な!?これはもう集団失踪事件どころじゃないぞ!!)

 

 

そして流斗はまた手記を読み進めていく。

 

 

「それが新たな呪いを生むとも知らずに。その女子生徒は女性の呪いを直接受け、ザンビになってしまった。私は辛うじて逃げ出すことに成功したが、おそらくずっとは逃げ切れないだろう。だから私はこの手記を書き残した。」

 

 

そこで1ページが終わり、流斗は次のページをめくった。

 

 

そこにはこう書かれていた。

 

 

「だが、私はもう1つザンビになった者を元に戻す方法を考え着いた。それはそのザンビになった者にかけられた呪いそのものを消滅させてしまえばいいのではないかと。しかし、その方法にもデメリットは一つある。それはザンビの成れの果てについてだ。ザンビはそのまま放って置くと神人とという者になってしまう。そうなってはもう本当に100年前に生き埋めにされた女性の呪いを消滅させない限り、元には戻らない。さらにザンビの習性として、鏡や写真に写すとボヤけたように写る。昼間は人間のフリをして普通の人間と一緒に過ごしたり、人目から見えない所でじっと夜になるのを待っていて、夜になると、仲間を増やすために活動を開始する。さらに昼間のうちは普通に会話をしてくるので見分けがつかない。」

 

 

さらに手記は続く。

 

 

「私は自分がもしザンビになってしまっていて、しばらく何も連絡がなかったら、教会に調査が行くように手を打っておいた。どうか、この手記を読んだ教会の方、事件を解決に導いてくれ。ザンビが近くにいる時は隣に置いてある風車が勝手に回る。どうか活用してくれ。」

 

 

そこで手記は終わっていた。

 

 

流斗「なるほど、だから教会はオレにこのフリージア学園の調査を依頼したのか。確かにオレにしか出来ない内容だな。」

 

 

流斗はそう言いながら、意を決して、この事件の解決に乗り出した。

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