第12話
流斗はそろそろ行動を開始しようかと、立ち上がり、楓達に声をかけた。
流斗「次は、女子寮の安全確保だったね。」
楓「うん、みんなさすがに、シャワーとか浴びたいだろうし、ベットで休みたいだろうからね。」
流斗「というか、オレ男子だけども、入って大丈夫なの?」
流斗は特に自分が男子なので、さすがに女子寮に入るのは、気が引けていた。
亜須未「今は、それどころの状況じゃないもん。しかたないよ。」
戸惑っている流斗に亜須未がそうフォローを入れてくれる。
聖「神村さん、どうかお願いします!まだ寮の自分の部屋なら、こんな状況でも少しは落ち着けます!」
聖の必死な頼みに流斗は、ついに折れた。
流斗「わかった。そこまで言うなら、オレやるよ。」
流斗のその言葉に、実乃梨や凛たちも安堵の表情を浮かべていた。
流斗「今度は西条さん、案内をお願いできるかな?。他のみんなはここで待機でお願い。」
亜須未「わかった。任せて。」
流斗「山室さん、みんなの事を任せていいかな?さすがにこの全員を守りながら、ザンビと戦うのは厳しい。ここにいれば、結界が守ってくれて、ザンビも近付いて来れないし、安全だから。」
楓「うん、わかった。二人とも気を付けてね。」
流斗と亜須未は楓のその言葉を聞くと、女子寮の安全確保のため、行動を開始した。
食堂から出ると、外は漆黒の暗闇が広がっていた。
流斗「西条さん、女子寮に行くにはどっち行けば近い?」
亜須未「ここからだと、この廊下をまっすぐ行って、左にある階段を上がれば寮に続く、連絡通路があるよ。」
流斗「わかった。そこから行こう。ザンビの気配はそこら辺は少ないから。」
流斗は気配を探ぐりながら、亜須未にそう提案した。
亜須未「わかった。じゃあそのまま進んで行って。」
暗闇に包まれている廊下を、手に持ったライトをかざしながら、流斗と亜須未は進んでいく。
しばらく進んでいき、連絡通路に続く階段の前まで来たが、流斗が少し何かの気配を感じていた。
それはザンビと似ているがそれとは少し異なるモノだった。
流斗「この気配·····まさか!!」
亜須未「どうしたの?怖い顔になってるよ?」
流斗「オレたち、後をつけられている。」
流斗は怖い顔のまま、亜須未に告げる。
亜須未「え!?本当に!?まさかザンビたちに!?」
流斗「いや、ザンビと似ているけど、少し違うモノに。」
流斗はこのザンビとは少し違う気配、心当たりが一つだけあった。
それはあの手記に書かれていた、カミビトと呼ばれるモノだ。
ソイツだけは、100年前の女の呪いを消滅させない限り、元には戻せない。
しかも、殺すことも出来ないとまで書かれていた。
流斗「急ごう。あまり悠長にしている時間は無さそうだ。」
亜須未「何に後をつけられているかわからないけど、わかったよ。」
二人はそう言って、階段を登って行き、連絡通路に辿り着いた。
そこに着いた同時に、流斗は呪文を唱え始めた。
流斗「光よ、来たれ!我求めるは浄化をもたらす白き障壁!!【エンシェントアーク・ブレイヴ】!!」
流斗が呪文を唱えると、聖堂と食堂にかけた結界と同じ結界が女子寮に張られた。
亜須未「あれ?もう結界を張っちゃうの?」
流斗「それについては、この後話すよ。行こう。」
亜須未「う、うん。」
流斗はそう言って、亜須未と共に女子寮に入って行った。