流斗「それじゃ、守口さん。残美村までの案内をお願いします。」
守口「わかった。」
楓「行きましょう。」
三人はそう言って、フリージア学園の正面玄関に向かった。
楓「出発する前に実乃梨と聖と亜須未の三人に挨拶だけいいかな?」
流斗「少しだけなら、いいよ。」
守口「ああ。少しだけなら大丈夫だ。」
楓「ありがとう。」
三人は正面玄関に向かう途中、亜須未、実乃梨、聖の部屋による事にした。
楓にとって、亜須未は親友であり、実乃梨と聖に至っては楓とザンビ騒動が始まった時、一緒に行動を共にしていたため、せめてこの三人にだけは残美村に行く事を伝えたいと、この時楓は思っていた。
最初に訪れたのは亜須未の部屋だった。
楓は扉の前まで来ると、亜須未の部屋のドアをノックした。
コンコン·····
亜須未「はーい!」
すぐに中から応答があり、亜須未が部屋から出て来た。
亜須未「楓?どうしたの?」
楓「実は話があってね。」
亜須未「話?」
楓「神村さんと守口さんって人も一緒でいいかな?」
亜須未「別にいいけど·····」
そこで楓は流斗を呼びかけた。
流斗「オレも一緒でいいの?」
守口「大丈夫なのか?」
楓「うん。」
亜須未「結構大事な話っぽいね。どうぞ中に入って。」
亜須未はそう言って、流斗達を部屋に招き入れた。
楓は部屋に入ると、さっそくこれからの事について亜須未に伝え始めた。
楓「私、これから残美村に行く。」
亜須未「え!?なんでよ!?」
楓「元はと言えば、私がザンビの封印を解いてしまったから、あんなことになったの。」
楓は自分の気持ちを全部、亜須未に打ち明けた。
亜須未「楓、ちょっと変わったね。」
楓「え?」
亜須未「ここ最近の楓、前より明るくなった気がする。」
楓「そう?あまり自覚ないけど。」
二人はそんな話をしながら、互いに笑い合った。
流斗はそんな二人を見て、意を決して話し始めた。
流斗「山室さんの事は責任を持ってオレが守るよ。」
守口「ああ、絶対にな。」
そこで亜須未は守口を見て、残美村にいたあの記者だと気づく。
亜須未「もしかして、あの時残美村の神社にいた記者みたいな人ですか?」
守口「ああ、その通りだ。実は残美村を取材してたんだよ。」
守口は自分に降り掛かって来た出来事とその後の経緯を亜須未に教えた。
亜須未「そんな事があったんですね·····」
守口「山室さんの事は絶対にザンビになんかさせない。オレはそう主に誓う。」
守口のその言葉を聞いて、亜須未は少し安心した表情を見せた。
流斗「山室さん、守口さん、そろそろ行こう。」
流斗がそう促すと、二人は真剣な顔で頷いた。
亜須未「神村くん、楓をお願いね。神村くんもどうか無事で。」
流斗「もちろん!」
流斗はそう笑顔で返すと、楓達と一緒に、亜須未の部屋を後にした。